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GCU(継続保育室)で働く看護師の特徴や仕事内容について

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GCU 看護師 仕事内容

乳児の入院病棟といって一般的に思い出すのは産科、小児科、NICUがほとんどでしょう。医療職でもGCUはよくわからないという看護師も多いのではないでしょうか。

GCUとは、ICU(新生児集中治療室)の後方支援病棟になります。GCU「Growing Care Unit」の略になり、日本語では継続保育室や「発育支援室・回復治療室」などと呼ばれます。周産期センターがあるような大きな病院でなければ耳慣れない病棟かもしれません。

今回はGCUの特徴から具体的な仕事内容まで紹介していきたいと思います。

1.GCU(継続保育室)の特徴について

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これから、あまり聞きなれないGCU(継続保育室)はどのような特徴をもっているのか詳しく説明をしていきます。

 

主に急性期を脱した回復期の乳児や軽症児が入院している

GCUに入院している乳児のほとんどはNICUでの集中治療を終え、状態が安定した乳児です。保育器からコット(産科で出生した赤ちゃんが寝ている小さなベッドです)に移床され、退院に向けて準備をする段階の乳児がほとんどです。

 

ポイント!

ポイント

GCUの中には保育器の状態で輸液などの医療的なケアを必要とする軽症児も入院しています。

 

GCUには回復期・軽症児以外にもさまざまな乳児が入院している

回復期を脱した乳児や軽症児の他にも、GCUにはさまざまな状態の乳児も入院していいます。例えば以下のような乳児です。

  • 産科で出生した乳児で2,300gに満たない低出生体重児
  • 黄疸による光線治療を必要とする乳児
  • 仮死状態で出生し治療を要する乳児
  • 先天性疾患を疑われ精密検査が必要な乳児
  • 重度の心身障害があり長期入院となっている慢性期の乳児

 

GCUでは乳児の退院に向けた準備や支援を行う

GCUに入院している多くの乳児は退院に向け準備を始めます。家族は授乳や沐浴などの日常ケアの技術を習得する必要があります。退院後の家族の状況(家族構成や住宅環境など)をふまえた個々の準備を支援します。

 

乳児の家族には医療的なケアの練習や技術の習得も必要な場合もある

GCUにいる乳児の中には退院後も医療的なケアを必要とする乳児もいます。そのため、該当する家族はGCU入院中に何度も練習を行い、技術を習得します。

 

ポイント!

ポイント

NICUから入院している乳児は2~3ヵ月と長期入院も多いため、退院は家族にとって喜びだけでなく不安も大きいものです。

 

家族がスムーズなケアを行えるように試験外泊を行う病院もある

GCUで働く看護師は、家族が退院後の乳児の生活が具体的にイメージでき、不安を少しでも解消できるよう関わります。病院によっては、家族が行う日常的・医療的なケアがスムーズに行われるように試験外泊(院内または自宅)を行うこともありす。

 

2.GCUで働く看護師の仕事内容とは

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GCUで働く看護師は、各勤務帯1~2回バイタルサイン測定を実施します。NICUのようにフルモニターを装着している乳児は少ないですが、spo2モニター、点滴など乳児の状態に合わせて必要項目をチェックします。チェックしたデータは医師が確認できるようにします。

 

医療ケアや検査介助業務

GCUは清潔エリアであり、ほとんどの検査は病室内で行います。例えばレントゲンはレントゲン技師がベットサイドまできて撮影します。看護師は、安全に検査が実施されるように介助します。

 

乳児を細やかに観察してストレスの軽減をはかる

採血などの医療行為は小さな乳児にとってストレスが大きいものです。検査後は泣き疲れて呼吸状態が不安定になったり、授乳後に嘔吐したりと影響がでることもあります。乳児を細やかに観察し、ストレスの軽減をはかることも重要な看護のポイントです。

 

投薬指示は正確に判断することが必須

投薬の指示を受けた場合は正確に確認する必要があります。小さな乳児にとっては微量の誤差でも全身状態に影響を及ぼす可能性があるからです。

 

ポイント!

ポイント

リハビリテーションが必要な乳児には理学療法士、作業療法士の指示に従いリハビリテーションメニューを実施します。

 

日常的なケア業務を行う

授乳、沐浴、オムツ交換、体重測定などの日常的なケアを行います。GCUには1,500gほどの小さな赤ちゃんもおり日常ケアはこまやかな技術が求められます。担当する乳児はだいたい、

  • 日勤で3~4人
  • 夜勤で6~7人

と多く、乳児によって授乳時間やケアのタイミングが異なります。だいたい2~3時間ごとに授乳、投薬があり日常ケアだけでも忙しい状況です。

 

ファミリーケアもGCUで働く看護師の仕事

GCUでは家族支援が重要です。NICUから卒業してGCUに入院すると入院期間は数週間から半年に及ぶことが多く、長期的な母子分離を余儀なくされます。その結果、

  • 愛着形成がうまくいかずに面会に来なくなってしまうケース
  • 退院を拒否されるケース

などの問題が生じてしまいます。看護師は上記のような問題を解決するためにもファミリーケアを行います。

 

ファミリーケアのためにプライマリーナース制を導入している病院もある

病院のGCUではプライマリーナース制を導入し、家族に寄り添い細やかなケアが行われるように努めている場合もあります。例えば、

  • 不妊治療を長く行いやっと授かった高齢夫婦
  • 出産後に判明したダウン症を受け入れられない母親

など、様々な事情を抱えた家族も多く、看護師は繊細な関わりと高いコミュニケーション能力が求められます。

 

ポイント!

ポイント

家族に生じる問題の内容によっては臨床心理士や保健師などの他職種と連携しチームで家族ケアを行います。

 

感染対策はGCUでは重要な業務

GCUは清潔エリアであり乳児は外界から遮断された状態にあります。未熟な乳児は感染すると重症化しやすくときには生命の危険にさらされてしまうこともあります。看護師は1動作1手洗いを心がけ、ガウンや手袋を着用して感染対策を行っています。

 

3.GCUで働く看護師に求められるスキル

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GCUで働く看護師には、専門の知識だけでなく、GCUで働く看護師だからこそ求められるものがあります。具体的な説明をしていきますので、ぜひ参考にしてください。

 

全身状態の観察と疾患の知識が必要

GCUには早産児から内科的疾患、外科的疾患、先天性心疾患、神経疾患などさまざまな疾患の乳児が入院しています。成人のように内科、外科と分かれていないため、全身のさまざまな疾患の知識が必要となります。例えば、

  • 心臓の手術後の乳児
  • 脳出血の乳児
  • 日本で数例しかない珍しい疾患を抱えた乳児

など、色々な疾患を抱える乳児が入院しているので、看護師は日々新しい知識と経験を求められます

 

乳児の小さな変化にも気づける細やかな観察力とアセスメント力が必要

成人と違い、小さな乳児は言葉を話すことができません。看護師は乳児の小さな変化にも気づけるように細やかな観察力とアセスメント力が要求されます。

 

専門的な看護技術が必要

GCUに入院している乳児の状態が安定しているといっても、出生したときの体重が500gに満たない超早産児など未熟性の強い乳児が多く、看護師は専門的な知識と高い看護技術を必要とします。例を挙げて説明します。

乳児の状態 必要な看護技術
授乳中の息継ぎが上手にできない乳児 ・適切な乳首の選択
・呼吸のタイミングを図る
【看護目的】:哺乳を確立できるよう支援
 泣きやまない乳児  適切なポジショニングを行う
 【看護目的】:乳児がリラックス出来ることを目的

何気ない日常ケアの中にも経験と看護技術が重要となってきます。

 

ポイント!

ポイント

直接授乳(母乳)の支援をする機会も多く、GCUでは助産師の資格を持つ看護師が多く働いている傾向にあります。

 

NICUからGCU・地域へとつなげる看護も求められる

NICUから引き継ぎ、GCUからの退院がゴールと考えがちですが、乳児の退院がゴールではありません。家族が乳児とともに生活し、成長していく環境を整えることが重要です。このようにNICUからGCU、そして地域へとつなげていく看護も求められるのです。

 

GCUから地域に繋げる看護の具体的な例

NICUから引き継ぎ、GCUから地域に繋げる看護に求められる具体的な内容を表にまとめます。

リハビリテーションが必要な乳児 ・療育センターの紹介
・自宅で行える訪問リハビリテーションなどを紹介
医療ケアが必要な乳児 訪問看護ステーションの利用を検討

上記したように、GCUからの退院後も家族構成や環境などの情報収集を行い、退院後の生活を想定した上で日常ケアを計画していくことが大切です。

 

ポイント!

ポイント

GCUで働く看護師は外来看護師への申し送り、保健師への情報提供、必要な支援を検討するなど退院後に関わっていくスタッフとカンファレンスを実施します。

 

GCU看護師は多職種との連携やコーディネート技術も必要

ここ数年で小児専門の訪問看護ステーションも増え、NICU、GCU退院児の専門的な訪問看護も可能となってきています。病院によっては専門のコーディネーターを設置して、退院支援を行うことができるようになってきましたが、まだまだ少数です。

 

4.GUCで働く看護師が感じるメリットについて

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GCUは病院の中でも特別な部署になるため、働いているだけで専門的な知識が身につきます。ここではGCUで働く看護師が感じるメリットについて紹介していきます。

 

専門的なスキルを習得できる

さまざまな疾患の乳児がいるため、全身の疾患の知識や技術を広い範囲で習得することができます。中でも早産児の看護は特徴的であり、専門性も強いため確実にスキルアップできます。

 

ポイント!

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NICUやGCUは周産期センターのある大きな病院に設置されていることが多く、経験者は看護師全体からみても少数です。貴重なスキルになるのではないでしょうか。

 

家族ケアが充実しているためやりがいを感じやすい現場

長期入院が多いため、家族と関わる時間が長いことも特徴です。デリケートな問題が多く難しい看護が求められる場面が多いですが、看護師の力が発揮されやりがいを多く感じられる現場です。家族をそばで見守り、ともに苦難を乗り越え、退院を迎える瞬間は感動と大きな喜びがあります。

 

看護師の意見が治療方針に関わることのやりがいも感じられる

NICUでは急性期で医療ケアが多く医師の介入が大きいですが、GCUでは慢性期、回復期になり看護師の介入が大きくなります。そのため、医師は看護師のアセスメントや意見を取り入れ今後の方針を決定することが多く、やりがいをダイレクトに感じられます。

 

生命の尊さを実感できる職場である

GCUの仕事はケアも多く忙しいですが、かわいい乳児に癒される温かい空間でもあります。例えば500gと小さく生まれた乳児が3,000gを超え、日々成長していく姿には生命の尊さ、力強さを間近で感じることができます。

 

退院した乳児の成長に大きな感動を感じられる

退院した乳児が外来受診などの際に成長を見せにGCUに立ち寄ってくれることが多くあります。重症で長期に入院していた乳児が大きくなり、歩いていたり笑っていたりと成長を感じられる瞬間は大きな感動があり、看護師の楽しみでもあります。

 

5.GUCで働く看護師が感じるデメリットはあるのか?

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GCUで働く看護師の大きなデメリットとしては、乳児の死にも立ち会う場面があることでしょう。染色体異常、重度障害児などの中にはGCUで亡くなることもあります。長期入院で日々関わってきた乳児との別れは看護師にとって深い悲しみがあり辛い場面です。

 

退院できない長期入院児に胸が痛くなることもある

GCUには重度の障害を抱え、退院が困難となっている乳児がいます。病状によるものだけでなく、

  • 家族の愛着形成がうまくいかずに受け入れ拒否された乳児
  • 施設への入所を待っている乳児

など、様々な事情があります。たくさんの乳児を見守る中で、退院できない乳児がいることは看護師にとって辛い現状でもあります。

 

家族との関わりが難しいこと

妊娠、出産はデリケートな問題も多く、看護師の何気ない言葉が家族を傷つけてしまうこともあります。家族の中には、厳しい現状が受け入れられず医療者に対して攻撃的になり、感情的になる場面があります。

 

閉鎖的な空間で家族と関わりを深めることは容易ではない

NICU、GCUは閉鎖的でワンフロアの病棟です。患者と家族だけで過ごす時間は少なく、大半は医療者の目が常にある中で過ごすため、特殊な空間です。家族が気持ちの表出がしにくい環境の中、関わりを深めていくことは容易ではありません。

 

常に小さな命を守る緊張感やプレッシャーを感じる

成人のように痛い、辛いと言葉を話せない乳児の症状は看護師の観察力が大きく影響します。ちょっとしたミスが大きな問題につながり、異常の早期発見が出来ないことで症状が一気に重症化する場合もあります。

正確なアセスメントを行わなければならないというプレッシャーは常に持たなければなりません。

 

GCUでの看護師の仕事量は多い

GCUでは2~3時間ごとに授乳や投薬などのケアがあります。夜勤帯の看護師も忙しい状況です。複数の乳児を受け持つため、泣いている乳児をあやしたり、決められた時間にケアを実施したりと忙しくときには休憩をとる時間もないほどです。

 

ポイント!

ポイント

24時間面会が可能な病院では、家族の対応にも時間を追われやすいので、看護師は気力と体力が必要になります。

 

まとめ

GCUには専門的な知識と経験が必要であり、成人病棟から異動する場合は1からやるつもりで取り組まなければならない現場です。しかし経験者が少ない分、貴重なスキルを身につけることができます。

病院によってはNICU、GCUスタッフはローテーションで両方を経験することができましたもできます。GCU専属になる病院もあるようですがNICUの看護を経験していたほうがGCUでも継続的な看護を実施することができ、家族ケアも充実するでしょう。

GCUは仕事量が多く、たいへんではありますが看護師の能力を発揮でき、やりがいが大きな場所なのです。


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この記事を書いた人

看護師になりもうすぐ20年。NICU・GCUを約8年、ベビー専門の訪問看護師を約9年と主にあかちゃんの看護を専門に仕事をしてきました。内科、小児科のクリニックや老人ホームも少しだけ経験しています。

大学病院、某有名病院などさまざまな施設で仕事をしてきたことや訪問看護ステーションを起業した経験など、珍しい記事も書けたらと思っています。

転職を考えているみなさんのお役に立てれば幸いです。


カテゴリー:看護師の仕事内容・業務

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この記事を書いた人:こもこも
(公開日:)(編集日::2017年04月28日)

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