著作者

山村真子

執筆:看護師

山村真子

( 看護師 )

看護師が転職先に慣れるまでには?最低でも1ヶ月かかります

公開:、更新:2018年06月04日
看護師が転職先に慣れるには

転職先が決まると、「やっと転職活動が終わった!」とほっとしてしまいがちです。

実際に私も諸事情にて卒後1年で転職を経験しましたが、転職先を見つけること以上に、転職先で慣れることの方がとても大変だと感じました。

今回は、転職経験のある私が、転職後職場に慣れるまで、ぜひ押さえておきたいポイントをご紹介します。

1.転職して慣れるまでの期間と流れ【体験談】

転職してきたばかりの看護師

私自身の経験から思うことですが、看護師は転職して新しい職場に慣れるまでには「最低でも1ヶ月」必要です。

では私が、実際に病院を転職して、新しい病棟に慣れるまでにどのような流れを辿ったのか、ご紹介していきます。

 

入職後1週目

配属後、2~3日は師長の元、病棟の案内や1日の流れの説明、そして入院患者さんの情報収集などに多くの時間が使われます。

まだ1週間目では、「流れ」を把握できていないので、業務を行うことはほぼありません。

1週目後半からは少しずつ先輩看護師のシャドーイングを行い、病棟全体の動きを覚えていきます。

この時点では、受け持ちの患者をもたないか、持ったとしても比較的軽症な患者を受け持つ程度で、まだ本格的な勤務とはいえない期間となることが多いです。

 

入職後2週目

入職後2週目は大抵、何名か受け持ちを持ちながら、業務を行っていくようになります。

この時点では、患者の名前と疾患名が一致しないだけでなく、配属された診療科の特徴(例:循環器は多数のモニター管理、整形外科はトイレ介助の多さなど)にも慣れなくてはいけないため、まだまだ1人で業務をこなすことはできません。

また患者さんを受け持つことで少しずつ「病棟で働くにあたり最低限身に付けるべき知識」がわかってくるので、この時期になると仕事の後も勉強等自己学習が必要となってきます。

慣れない業務内容と自己学習により、この時期はかなり大変だといえます。

 

入職後3週目

入職後3週目になると、1日あたり受け持つ人数が少しずつ増えてくるとともに、患者さんの容態も軽症の方中心から、容体が安定していない方まで、より広い範囲の患者さんを受け持つようになります。

一方、清潔ケアや食事介助など、職員全員で行う業務については3週目に入ることにはおおまかに把握できるようになるため、自分から

  • 「〇〇さんの介助に行きましょうか」
  • 「先に△△さんの陰洗へ行ってきます」

等、自分で判断して動くことができるようになってきます。

 

補足説明!

ポイント

転職直後は「早く職員の一人として働きたい」という焦る気持ちと「でも、どう動いていいかわからない」という戸惑いが交互に現れ、もどかしい気持ちになりがちです。

3週目に入り、1人の看護師として「自分で判断して動けるようになる」という部分が増えることで、少しずつ「自分も職員として働けている」という自己肯定ができるようになり、自信につなげることができます。

 

入職後4週目

入職後4週目になると、患者さんの名前と症状がある程度把握できるようになり、この頃になるとナースコール対応もできるようになってきます。

患者さんの受け持ち人数も増える一方、業務についてわからないことが出てきたとしてもこの頃には「誰に話しかけるべきか」など、職場内での人間関係もわかってくるので、業務そのものがしやすくなります。

また、周囲も仕事を勧める上で話しかけてくれる機会が多くなるので、コミュニケーションも取りやすくなるため、この時期になって初めて「少しずつ、慣れてきたかな」と実感できるようになります。

 

2.看護師が転職先に早く慣れるためには

上記を読まれた看護師の方の中には、「慣れるまで最短でも1カ月はかかるの?!」「それまでに心が折れちゃいそう・・・」などと感じた方もいらっしゃるかもしれません。

一方で「もう1ヶ月以上たったけど、全然慣れたという実感がない…」と感じた看護師の方もいらっしゃるかと思います。

では、どうすれば転職先により早く慣れることができるのでしょうか。そのヒントを考えていきます。

 

看護師が転職先の「業務」に早く慣れるためには

転職先の勉強をする看護師

転職先に慣れないと感じる原因の1つとして「業務内容」があげられます。

業務に早く慣れるコツを2つ、ご紹介します。

 

(1)一から転職先の業務内容を吸収することを意識する

業務になかなか慣れない、という看護師の多くは、「これまで自分が経験してきた業務」が根本にあり、その業務内容を元に行動を起こしています。

よって「郷に入っては郷に従え」ということわざのように、これまで自分が経験してきた看護師の業務内容はいったん頭の隅に置き、一から転職先の業務内容を吸収することを意識してみることをお勧めします。

「なんでこの職場はこんな業務をしているのだろう」と否定や疑問など、負の感情として受け止めるのではなく、「ここの職場ではこうやって業務を行っているのだ」とまずは一度自分の中で受け止めることが大切です。

 

(2)職場のマニュアルを読み込む

看護師が転職先の業務に成れるためには、「職場の看護手技マニュアルを読み込む」ことも大切です。

医療機関であれば、どの職場でも看護手技についてのマニュアルが病棟毎に設置されているはずです。

新人看護師でもないのに、と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、転職先のマニュアルを読み込むことで、「そうか、この手技はこういったエビデンスがあるからこの病院ではこの手技なんだ」と根拠を確認することができます。

 

看護師が転職先の「人間関係」に早く慣れるためには

看護師の人間関係

人間関係については、多くの看護師が悩むことです。

では、人間関係に早く慣れるためには、どういった点をポイントにすればよいのでしょうか。

 

(1)「前の職場では~」とは絶対に言わない!

「前の職場では~」という一言は、転職してきた看護師を迎え入れる側としては「前の職場は関係ないよね」と不快感を覚えやすいフレーズであり、良い印象をもたれることはまずありません。

転職後、まだ慣れていない期間は特に出てしまいやすい一言ではあるのですが、この一言を使わない様、常に意識することを強くお勧めします。

 

(2)特定の人とだけコミュニケーションを取ろうとしない

職場に慣れていない間は、つい話しかけやすい人にばかり声をかけてしまいがちです。

しかし特定の看護師とだけ積極的にコミュニケーションを取ることは、他の看護師とコミュニケーションを取る機会を減らす行為ともいえます。

よって職場に慣れていないと感じている期間こそ、あえて意識してたくさんの看護師へ自分から声をかけ、コミュニケーションを取るよう努力することが、人間関係を良好にするポイントといえます。

 

私が転職して慣れるまでに行った事

私は家庭の事情などもあり、これまでに2回の転職を経験しています。

より早く、新しい転職先に慣れるため、以下のことを心がけていました。

 

なるべく職場内で勉強する

看護師という職業柄、それまで経験したことのない診療科へ配属されたこともあります。

よって早く職場に慣れるためには診療科についての自己学習は欠かせませんが、私はこういった自己学習はあえて上司に許可を得た上で、カンファレンス室など職場内で行うようにしていました。

予め用意した参考書の他に、病棟に置いてある書籍、そして何より現在入院している患者さんの実際の経過やデータも参考にすることができるので、より診療科に対する理解を深めることができます。

そして何より、分からない部分があれば、手の空いている先輩看護師へ質問することができ、質問を通してコミュニケーションを取ることもできるので、お勧めです。

 

3.転職先になかなか慣れないと感じる看護師へ

転職先に慣れない看護師

この記事を見ていただいている看護師の中には、すでに転職してからある程度期間が過ぎているにも関わらず、未だに職場に慣れないと感じ、「職場が自分に合っていない」と感じている方がいらっしゃるかもしれません。

しかし結論からお伝えすると、「自分に合う職場」という場所はなく、「いかに自分がその職場に合わせることができるか」が大切です。

 

転職先に何を求めていたのか、もう一度振り返ってみて

あなたはなぜ、今の転職先を選んだのでしょうか。

その理由をもう一度思い返すことで、「そうだ、慣れる・慣れない以前に、私はこの条件があったからだ」と初心に戻ることができるはずです。

看護師として働いている職場が自分の全ての要求を叶えてくれるとは考えず、「ここの職場は、この要望をかなえてくれた」と妥協点を見つけることが、仕事を続けていく上では大切だと考えます。

 

早く慣れることが出来る転職先もある

看護師の職場の中には、他の職場に比べると比較的早く慣れることができる転職先もあります。

どの転職先にも慣れることができずに、転職を繰り返してしまいそうな場合には、以下のような職場へ転職するのも1つの方法です。

 

(1)業務内容が単純な職場

看護師の業務内容が曜日によって変動されず、ある程度決まっている場合は、そうでない職場に比べると一日の流れや業務手順等を把握しやすいため、より早く仕事に慣れることができます。

具体的に、

  • クリニック
  • 検診センター
  • デイサービス
  • 療養型病院

では、こういった傾向にある職場が多いようです。

 

(2)これまでに経験のある業務内容の職場

職場の種類だけでなく、これまでに看護師として経験のある業務内容の職場であるかどうかという点も、慣れやすいかどうかのポイントです。

私は糖尿病療養指導士の資格を所持していますが、転職先でも内分泌科へ配属されることで、業務内容を大まかに把握することができたため、よりスムーズに慣れることができました。

 

4.まとめ

看護師が転職先に早く慣れたい時は、「自分に合わない」「受け入れてくれない」と職場に対して要求や負の感情を抱くのではなく、まずは「職場に合わせるためにはどうすればよいのか」「受け入れてもらうためにはどうすればよいのか」を考えるようにしてみてください。

考えを変えるだけで、周囲の対応は実感できるほど変わっていくはずです。


(編集・構成・管理者:亀岡さくみ

看護師だった祖母の影響で、気が付いたら看護師を志していました。

看護短大にて看護師資格を取得後、大学病院に1年、2か所の総合病院に7年勤務し、看護師として経験を積んだ他、派遣看護師としてツアーナース、介護施設、訪問入浴、イベントナースなど、様々な仕事を経験しています。

専門は糖尿病で、糖尿病療養指導士の資格も所持しています。

看護師の仕事は大好きですが、今は家庭の事情にて、現場での仕事ではなく、看護師ライターとして活動しています。

勤務した診療科や転職時の経験、派遣看護師として行った仕事など、自分の経験を元に、現場で働く看護師さんへより具体的で、役に立つ情報をお届けします!

Twitter:@mako_yamamura

看護師としての経歴

保有資格 ・正看護師・糖尿病療養指導士
出身/年齢 ・東京都 /33歳
職務経験 ・総合病院・特別養護老人ホーム・有料老人ホーム
診療科経験 ・脳神経科・循環器科・内分泌科・一般内科・血液内科・腎臓内科
・老年精神科(療養型) ・デイサービス・ツアーナース・イベントナース
・訪問入浴 ・外来(整形外科)・健康診断

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