ICUから一般病棟に看護師転職する際の注意点

看護師 ICU 一般病棟

ICUは病院の中で最も高度な医療を提供する場所であり、その作りはとても合理的です。また、患者の状態を数値化し、正確に客観的に評価するための医療機器も多数あります。

今までICU に勤務していた看護師にとってはICUの環境が当たり前になり、それに気付かないまま一般病棟に転職すると大きな壁にぶつかることがあるかもしれません。

ICUで長く仕事をしてきた看護師にとって、一般病棟は働きにくいと感じる要素が多い場所です。

このページでは、看護師がICUから一般病棟に転職する際に知っておきたい違いと注意点についてご紹介します。

1.一般病棟とICUは設備・構造が全く異なる

ICUの機器

ICUのある病院は、大学病院やその他の総合病院、3次救急専門の病院であることが多く、ある程度の医療のレベルが保証されています。

一方、一般病棟では総合病院などの大きな病院なのか、療養型の一般病棟なのかで設備や構造は全く異なり、ICUと比べて設備や構造が看護師にとって親切なものではありません。

以下でその違いについて詳しくご説明します。

 

一般病棟はICUに比べて死角が多い

一般病棟は個室はもちろん、大部屋もドアと壁で仕切られ死角が多い環境です。

ICUではオープンスペースで患者の状態や危険行動が見渡せても、一般病棟ではその都度患者の部屋に行かない限り、患者の状態や危険行動は分かりません。

ICUよりも患者が急変する頻度は少ないですが、それでも急変は起こりえます。

心電図モニターなどもつけていない患者が、個室で急変するとその発見は遅れる危険性があるという危機感を持っておかなければなりません。

 

一般病棟はICUに比べて設備が整っていない

ICUは病院の中で最も贅沢な場所の一つと言っても過言ではありません。患者の刻一刻と変化する病態に合わせて、いろいろな物が便利すぎるという面があります。

例えば、

  • ICUではバイタルサインを読み取るモニターが他の一般病棟よりも種類が多い
  • ICUでは重症患者記録を使用しているが、規模の小さな病院では紙カルテでアナログに記録している
  • 中央配管が整っていない一般病棟もある

などのように、一般病棟とICUの設備に違いがあることを知っておきましょう。

 

感染予防においても一般病棟は不十分な面がある

感染予防の面でも、一般病棟とICUで大きく違うことが多々あります。

ICUでは感染予防の目的から色々なものが使い捨てです。例えば吸引チューブひとつとっても、ICUではほとんどの施設が使い捨てであることでしょう。

しかし、一般病棟(特に療養型など在宅ケアに近い病院)では、一人の患者に対し、1日1本と決まっている施設もあります。

ICUでは使い捨てされるものが、一般病棟では再度使うという場合があるのです。

 

注意点!

ポイント

一般病棟でも感染予防の面からすると使い捨てが望ましいものでも、コスト面やその病院のルールで最善の方法が選択されていない場合もあります。

 

2.一般病棟とICUは受け持ち数や患者が異なる

一般病棟の患者と看護師

一般病棟とICUでは、受け持ち患者数や患者の状態などが異なります。

看護師が転職する前に知っておきたい違いを以下でご紹介します。

 

一般病棟はICUに比べて受け持ち患者数が多い

一般病棟はICUに比べて受け持ち患者数が多いため、転職した看護師は最初に苦労するかもしれません。

一般病棟での受け持ち患者数は病院の規模によって大きく違いますが、平均すると日勤帯で10人前後の病院が多いでしょう。夜勤帯では20人を超える受け持ちをする事もめずらしくありません。

今まで少人数の患者しか受け持ったことのないICUの看護師にとって、多くの患者の既往歴と現病歴、治療内容などを把握するのは骨が折れるでしょう。

 

一般病棟の患者は意識がある

ICUでは患者はベッド上にいるため、ケアや検査は割と自分の計画通りに行いやすい環境でした。

しかし、一般病棟の患者は意識があり自分で歩ける患者が多数います。必要なケアや検査などの時間にも、患者が見当たらないということが起こり得るのです。

そのため、自分の受け持ちの他の患者との兼ね合いで決めたケアの順序などの計画がことごとく覆され、計画通りに仕事ははかどりません

 

補足説明!

ポイント

一般病棟に入院している患者数はICUよりも圧倒的に多いため、ナースコールがなる頻度も多くなります。受け持ち以外の患者だからといって無視することはできません。

 

ICUから一般病棟に転職した看護師は私語に注意する

ICUに長く勤務していると、鎮静剤などで眠っている患者や、意識レベルの低い患者が多いため、分かってはいても患者の頭元で私語が多くなる傾向にあります。

一般病棟で勤務する看護師よりも圧倒的に私語が多いため、意識的に気を付ける必要があります。

 

ICUから転職した看護師は患者とのコミュニケーションを見直す

一般病棟で働く看護師として、患者とのコミュニケーションで最も重要なのは信頼関係です。

ICUで特にそのことを気にせず働いてもとくにトラブルにならなかったのは、患者が眠っていたからかもしれません。

人との信頼関係を築くためのコミュニケーションを今一度見直して、自分の言葉遣いや、対応の仕方など、自分の態度を客観的に分析しておくことも必要です。

患者の意思や希望を尊重して看護ケアを行うため、患者が心を開いてくれなければ、質の悪い看護を提供してしまうことになります。

 

ポイント!

ポイント

入院患者の在院日数がどんどん短くなっている今、いかに短時間で患者との信頼関係を築けるかということは重要なポイントです。

 

3.希望する病棟に配属されるためには?

ペンを持っているICUから一般病棟に転職する女性看護師

一般病棟と言っても色々な科があります。単科の病棟もあれば混合病棟もあります。

ICUから転職をする看護師が、希望する病棟に配属されるためにするべきことを以下でご紹介します。

 

どのような看護がしたいか明確な目標を持つ

転職を考えるからには何か目的があり、学びたいことがあるはずです。そのことを明確にしておきましょう。

ICUから一般病棟への転職面接時、「なぜICUからの転職を考えたのか、一般病棟ではどんな看護をしたいのか」は、必ず質問されることです。

きちんと答えられると、その希望に沿った病棟へ配属される可能性も高くなり、転職の成功へつながります。

 

ICUで物足りない箇所を書き出してみると目標が見える

上記の目標を見出すために、ICUから一般病棟に転職したい看護師は、ICUで物足りないと感じる部分を書き出してみることをおすすめします。

ICUの特性上、

  • 患者との関わりが少ない
  • 仕事内容が業務的である
  • 退院まで看護できない
  • 医師主体の治療のためやりがいを感じづらい

などと思う看護師は多いでしょう。

このようにICUで物足りないと感じた箇所を書き出すことで、自分がどんな看護がしたいか、徐々に見えてくるでしょう。

 

まとめ

一般病棟はより患者の個別性を重視した看護を提供する場所であり、看護師として患者に色々な関わり方ができる場所です。

しかしICUと一般病棟では様々な違いがあるため、最初は戸惑ったり苦労したりすることも多いでしょう。

慣れてから、ICUで学んだ事、モニターの見方や人工呼吸器の扱い方、より詳しい不整脈の分析方法など、自分が得意とする事を他の看護師にレクチャーできる様になるはずです。

まずは、職業が変わったと思って新人の気持ちでスタートすることが上手くいくコツです。

監修者

亀岡さくみ看護師

この記事は「」さんが執筆しました。

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