著作者

Anna

執筆:看護師

Anna

( 保健師 )

ICU(集中治療室)看護師求人の失敗しない5つの見極め方

公開:、更新:2018年10月01日

ICU(集中治療室)では、様々な疾患や病態などの知識と看護技術を得られると共に、看護師の力量を問われる興味深い場所です。

ICUへの看護師転職を希望される場合は、今までICUの経験があり転職する看護師と、キャリアアップやスキルアップのためにICUへ転職する看護師と2通りいると思います。

そのため、当ページでは、未経験者・経験者のICU求人の確認事項から、看護師がICUへの失敗しない求人の見極め方についてお伝えしていきます。

1.失敗しないICU求人を見極める時の確認事項

失敗しないICU求人を見極める時の確認事項

看護師としてICUに失敗しない転職を行うためには「そのICUに何を求めるか」を決めておく必要があります。

  • スキルアップ
  • 収入アップ
  • 待遇面の向上
  • 職場環境の変化希望
  • 人間関係等

などよって、おのずと見るポイントが変わってきます。

またICUといっても様々で、病院の方針や加算体制によって超急性期だけを見るところからHCUに近い回復期までも見るという様に疾病時期の違いがあったり、SCU・CCU・GICU・・・と細かく分類したりしている所もあれば、すべてを1つのICUで賄う所もあります。

 

(1)転職する病院でICUがどの様な位置づけ・役割なのかを確認する

ICUの看護師求人を見る際には、そのICUがどの様な位置づけ・役割を持っているかを確認することで、自分の希望するICUを選ぶことができます。

さらに自分の希望に近づけるためには、インターネットからの情報だけでなく、病院に直接もしくは転職エージェントを通して詳しく質問をして病院を検討することをお勧めします。

 

(2)申し送り方法の確認をする

申し送りに十分な時間があると情報収集する必要がなくなりますが、患者への直接的なケアの時間・記録の時間は減ります。

ICUは平均在室日数が少なく、夜勤後に1日休日を挟んだだけで病棟内のほとんどの患者が入れ替わっていることもあるため、自分の受け持ちだけでなく病棟全体の患者について情報収集することが必要です。

そのため、病院で申し送りについてどのような工夫がされているか、確認しましょう。

 

業務の引き継ぎを確認する

日勤終了直前の入院・緊急検査・処置を日勤看護師がメインで行うことがあるため、残業時間が増える原因となります。

そのため、「時間で割り切って夜勤に業務を移譲できるか」「日勤がある程度残業するか」を確認して自身のライフスタイルにあったICUを選びましょう。

 

(3)看護師配置・患者の重症度の確認をする

ICU加算の有無によって受け持ち人数が変わり、「重症度の患者が多いが昼間の受け持ちは1~2人」「重症度は低いが日中4人以上受け持ちがいる」等、様々であるため臨む働き方であるか確認しましょう。

受け持ち患者が少なくても重症であれば精神的に疲れますし、重症度が低くても人数が多ければ体力的に疲れることが多くなるため、バランスを考えて選ぶことが大切です。

 

標榜とは異なる場合もある

病院の中には、患者:看護師数が2:1と標榜していてもその数字には到底たどり着かない病院もあるため、ICUの「看護師の総数」「日勤・夜勤の人数」「1人の看護師の月平均の日勤数・夜勤数」を調べることをお勧めします。

 

(4)ICU特有の看護技術マニュアルの有無を確認する

ICUでは、「CV等ライン挿入の介助方法」「抜管の介助方法」など様々な特有の看護技術があるため、経験者であれば今までと同じ処置でもやり方が違う場面にも出くわすことがあります。

病院によっては、マニュアルがなく口頭伝承のみで少しずつ別のやり方が派生して、揉め事の1つになっている場合もあるため、マニュアルなどが完備されているかを聞き、働きやすさを確保しましょう。

 

雑誌購入の有無を確認する

集中治療系の医療雑誌を病院によっては、定期購入しているところがあります。

最先端の技術を簡単に知ることができる一方で、1冊あたりの価格が高く個人で複数の種類を買うことは経済的に難しいため、スキルアップのためにも図書が充実している病院を選ぶと良いでしょう。

 

2.ICU未経験看護師の場合の求人確認事項

ICU未経験での看護師求人の確認事項

ICU未経験の看護師の場合に行うICU求人の確認事項についてまとめています。

病院選びや面接時に確認しておきましょう。

 

(1)病院のICUがターゲットとしている対象疾患を確認する

転職を考える病院のICUがターゲットとしている疾患を確認し、自分のニーズと合わせる必要があります。

 

補足説明!

ポイント

ICUと言っても病院が変われば重症度、疾患、院内での運用方法が全く違いますし、ICUと標榜していても、CCUを兼ねていることもあるためです。

 

(2)加算の種類や病院の機能別区分を調べる

転職を考えるICUがとっている加算の種類や特定機能病院かといった機能別区分を調べることで、

  • 自分の求める規模の病院
  • 重症の患者のみか
  • 重症から軽症までの患者が幅広いのか

などを知ることができます。

超急性期の集中管理を徹底して身に付けたいのであれば、3次救急を受け入れる病院でHCUなどの後方病棟があるICUを選ぶと良いでしょう。

 

(3)教育体制、フォロー制度を確認する

病院によっては重症患者であっても既卒者は数日間〜数週間のフォローのみで、その後は働きながら覚えて、というスタンスの病院もあります。

しかし病棟とICUは看護の基本は同じでも、生命維持装置を使ったり観血的処置の介助をしたりする等、病棟看護とは違う能力が求められます。

未経験でも既卒者でもプリセプターの様な担当フォローがつくのか確認することをおすすめします。

 

ポイント!

ポイント

フォロー体制が整っている方が安心して仕事を始められますし、スキルアップのためであれば、疾患や治療法などについて鋭い質問をされ自分の看護を評価してもらえる体制の方が、得られるものが多いと考えられます。

 

3.ICU経験看護師の場合の求人確認事項

ICU経験看護師の場合の求人確認事項

ICU経験者の場合は、経験しているがゆえに、求人情報の確認を忘れがちになります。

そのため、以下の内容をしっかり確認し転職に備えましょう。

 

(1)指示系統について確認する

クロースドICU 麻酔科や、救急科の特定のICU担当医師が指示を出す
オープンICU 患者が入って来る科の医師が指示を出す

クロースドICUと呼ばれる麻酔科や、救急科の特定のICU担当医師が指示を出すのか、オープンICUでそれぞれ患者が入って来る科の医師が指示を出すかによっても、働き方が変わってきます。

そのため、ICU経験者の場合、それまでのやり方と似たところの方が慣れているので働きやすいため、指示系統について調べてみると良いでしょう。

 

クローズとICUの場合

常に医師が側にいるため治療方針や指示変更などについて細かくリアルタイムで行われやすい環境です。

 

オープンICUの場合

例えば、外科の患者が入院していても平日日中、外科医は手術に入っており、ICUに入っている患者の治療方針・指示変更はその術後になる場合があり、夕方あるいは夜勤から忙しくなることがあります。

 

(2)医師と看護師間の関係性について確認する

集中治療は医師らとのコミュニケーションやチームワークがとても大切になります。

そのため、中途の看護師がアセスメントした患者の情報を

  • 丁寧に聞いてくれる医師なのか
  • 看護師の話は聞かず、指示だしがメインの医師なのか

などで、仕事の仕方や自分の考え方が違ってくるため、医師との関係性も調べておきましょう。

現在はホームページに写真を載せていたり、SNSで情報公開したりしている所も多いため、情報収集しておきましょう。

 

ポイント!

ポイント

病院によっては医師がピラミッドの頂点におり、看護師が「上申する」という文化があるところもあります。

 

(3)看護師の業務内容・範囲を確認する

研修医がたくさんいて採血・ルート確保など、ほとんどの医療技術を看護師はやらないところや、反対に医師があらかじめ出した指示の基、看護師の判断で人工呼吸器のウィーニングを進めたり、様々な処置をしたりするところがあります。

今までの業務内容や範囲と比較検討し、自分が求める範囲の病院を探すと良いでしょう。

 

4.ICUへ転職する際の病院見学でチェックするポイント

ICUの整理整頓ができているか確認する看護師

病院見学の際は、使用している医療機器・設備・雰囲気を見る看護師が多いですが、「整理整頓やルート管理ができているか」「患者の動線はどうなっているか」等も一緒に確認することで「医療安全への配慮」「患者ケアの丁寧さ」「働きやすさ」を知ることができるでしょう。

ICUへ転職する際の病院見学でチェックするポイントについて以下に詳しく説明していきます。

 

(1)整理整頓・ルート管理を確認する

病棟見学の際、「患者のベッドサイドが綺麗に整っているのか」「沢山ある点滴ルートが絡まっていないか」を見ることで「緊急処置を安全に行えること」につながります。

そのため、病棟を見学する際は整理整頓ができているか、ルート管理ができているかを確認することが必要と言えるでしょう。

 

(2)患者の寝癖・床や壁に汚れの有無を確認する

ICU患者は、意識レベルが低く循環動態が悪いが故にベッド上で寝たままのことが多いため、

  • 患者の身だしなみが整えられているか
  • 観血的処置が多い病棟でありながら環境整備がしっかりできているか

等を見ること「で細かいところへの配慮」「患者と家族ケアの丁寧さ」を知ることができます。

見学に行った日が偶然「急変・急患続き」「転棟してきたばかりで出来ていない」等の場合もありますが、10人患者がいて全員寝癖がそのままであれば、患者全員にまでケアが行き届いていない病棟である可能性が高いと考えて良いでしょう。

 

(4)患者の動線を確認する

ICUは緊急検査、緊急手術など移動が多い部署です。

意外と見落としがちなのですが、病院によっては増築や分割工事を繰り返し、

  • ICUから手術室やMRIなどの検査室までが異様に遠い
  • エレベーターの乗り降りが多い
  • エレベーターが小さく移動しづらい

等の所もあります。

移動がしづらいと患者・看護師共にストレスとなるため、なかなか普段意識しない点も働きやすさのためにぜひ確認しておきましょう。

 

5.病院のICU求人を選ぶ際の注意点と失敗談

ICUを選ぶ際の注意点を書く看護師

ICUへ転職を考える看護師に注意してほしい病院は、いつも求人が載っているところやICU加算を取っていない等があります。

それぞれについて詳しく見てみましょう。

 

(1)いつも求人が載っている病院に注意

インターネット上では様々な求人が出ていますが、いつ見ても同じ病院のICUが看護師募集をしていることがあります。

看護師の結婚・出産、進学などによる休職・退職が続いているのかもしれませんが、場合によっては環境や待遇が悪く退職者が続いている可能性もあります。

そのため、「なぜ長期間求人が掲載されているか」理由を聞いてみると良いでしょう。

 

(2)ICU加算を取っていない病院に注意

ICU加算を取っていない場合、ICUという名の野戦病院になっていることもあります。

医師が少なく本当の急変の時にしか来なかったり、看護師の人数が少ない割に様々な疾患が来て激務だったりと、ある意味学びは多いかもしれませんが長く働くには辛い環境と言えるでしょう。

そのため、ICU加算を取っていない病院かどうかを確認しましょう。

 

ポイント!

ポイント

加算をとるためには、床面積など物理的な環境を整える必要があり、その点でも加算があれば働きやすい環境だと言えるでしょう。

 

(3)ICU求人選びの失敗談

私は、勤務先を探した当時は若く、考えも浅くとにかくすぐにICUで働き始めたかった為、求人を探す時に「未経験者可・すぐに入職可」という職場を探し、もちろん今まで記述したことを調べることなく、そこですぐ働き始めることになりました。

しかし、働き始めるとICUという看板が病棟入り口に掲げられているもののICU加算は取っておらず、患者は人工呼吸器を外せず身寄りも経済力もない慢性疾患で、寝たきりの方々の看護をするという所でした。

そこでは、退院調整やリハビリ、褥瘡管理について学ぶことはできましたが、高度な循環・呼吸管理・重症集中管理については実地で学ぶことはできませんでした。

 

まとめ

ICUでの勤務は、看護師の観察や処置が患者の生死に関わることもあり精神的に大変ですが、やりがいがある」「環境が整っている等のところを選ぶと人・物が揃っているため、働きやすい環境と言えるでしょう。

今回、記述した見極め方を基にICUの看護師求人を探すことで失敗することなく、効率よく自分に合ったICUを見つけることができます。

この記事を参考に、ICUへ転職を考えている看護師は、ぜひ新たな環境でチャレンジを始めてみてはいかがでしょうか。


(編集・構成・管理者:亀岡さくみ

30代/正看護師、保健師、3学会合同呼吸療法認定士の資格保有者。総合病院の派遣看護師として一般内科へ入職後、青年海外協力隊の看護師として派遣。帰国後、大学病院、総合病院、救急センターに勤務。短期派遣で訪問入浴やデイサービスも経験。

看護師としての経歴

保有資格 ・正看護師 ・保健師 ・3学会合同呼吸療法認定士
年齢 ・30代
職務経験 ・総合病院・大学病院・国際医療ボランティア
診療科経験 ・デイサービス ・訪問入浴 ・保有資格

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