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あおいロワイヤル

現役看護師

あおいロワイヤル

( 看護師 )

看護師がインシデントを隠すリスクとは?隠蔽後の対処法って

あおいロワイヤル
現役看護師 あおいロワイヤル
看護師 インシデント 隠す 隠蔽

患者の生命を預かっている以上、本来医療ミスはあってはならないことです。

それでも看護師も人間であるため、どうしても小さなミスや間違いが起こってしまいます。

しかし、なかにはそのようなインシデントを報告せず隠してしまう看護師もおり、それにより様々なリスクや大きな問題へとつながってしまう恐れがあります。

ここでは、看護師がインシデントを公にせず隠蔽することでどのようなリスクがあるのか、隠蔽後の対処法についてもご紹介します。

1.看護師がインシデントを隠すリスク

点滴を打つ女性看護師

インシデントには、それ自体が何も影響がないものから患者に直接関わるものまであります。

特に投薬間違いや患者への処置間違い・医療管理不足など、ミスによって患者の病状を悪化させることもあります。

看護師がインシデントを隠すことによって患者にどのようなリスクが生じるのかをご解説します。

 

(1)患者に生じた変化や影響への対応が遅れる

まず看護師がインシデントを隠すリスクのひとつは、インシデントによって患者に生じた変化や影響への対応が遅れるということです。

もしもミスが隠蔽されることなく気付いた時点で明らかにされていれば、正しい方法への変更や副作用への対応、処置を素早く行うことができるため、患者への悪影響を最小限にすることができます。

 

(2)小さなインシデントが大きなアクシデントにつながる

看護師がインシデントを他のスタッフに分からないように隠していても、そのミスが原因で後で大きな事態に発展してしまうというリスクもあります。

アクシンデントが起こった時に原因分析する中で遡ってみると、小さなインシデントが積み重なって問題を引き起こしていたということが実際にあります。

 

(3)同じインシデントが繰り返される

方法やシステム、周囲の人間に原因があることで生じるインシデントであった場合、その事実を看護師が隠すことはスタッフ間で認識を持つこともできず対策を共有しないことになるため、同じインシデントが別のところで発生するリスクがあります。

 

同じ看護師が同じ失敗を繰り返すこともある

確認不足や手順違いなど個人的な資質が原因であった場合でも、看護師がインシデントを隠すことで、

  • なぜ生じてしまったのかという原因分析
  • 対策を講じる

以上のことをしない状態であると、同じ看護師が何度も同じ失敗を繰り返すということもあります。

 

(4)不適切な看護・処置が行われ続ける

看護師がインシデントを隠すことで、患者にとって不適切で不確実な看護・処置が行われ続けることになり、改善や改良・進歩の機会を失うというリスクがあります。

インシデントの発生原因を分析した結果、より確実で安全な看護・処置の方法やシステムを標準化することは多々あります。

 

2.インシデントを隠蔽した看護師の大事件の事例

インシデントを隠蔽した女性看護師

看護師がインシデントに気付いたものの、それをすぐに報告せず隠蔽したことで、アクシンデントにつながるような大事件になってしまった事例をご紹介します。

<<インシデントの事例>>
夜間の緊急心臓カテーテル検査後、上腕動脈からのアプローチだったため肘に止血バンドをして帰室した患者でした。担当看護師はその患者の患肢の観察を基準通りに行わずに夜間を過ごし、患肢抹消の皮膚色がおかしいかなと思ったようですが報告や相談をしていませんでした。

その後、他の看護師が気付いて医師に報告したときには動脈に大きな血腫ができており、血管外科による緊急血腫除去手術を施行することになりました。

 

(1)インシデント発生の原因分析

上記のインシデントを看護師が発生させた原因として、

  • 夜間で患者は入眠中だったので声をかけなかったこと
  • 患者に認知症と不穏があり、訴えがはっきりせず痛みなどの症状を言葉で表現することが困難だったこと
  • 部屋が暗く止血中の患部や抹消の皮膚色が見えなかったこと
  • 基準通りの観察を怠ったこと
  • いつも大丈夫だから大丈夫だろうという慢心があったこと

などが挙げられます。

 

(2)なぜ看護師はインシデントを隠蔽してしまったのか

なぜこの看護師はインシデントを隠蔽してしまったのでしょうか。

考えられる理由としては、

  • 若い看護師であったため勉強不足だった
  • 観察の重要性と異常があったときの影響が分からなかった
  • 責任放棄・現実逃避
    (夜間ずっと観察を怠っていたことによる事態の進行に対する責任の重さに怖くなった)
  • 人間関係が良好でなく報告や相談ができなかった
    (報告すべき先輩に問い詰められることを恐れたなど)

以上の理由が挙げられます。

もし隠蔽していなければと悔やまれます。

 

(3)もし看護師がインシデントを隠蔽していなかったら

看護師が異常を発見したとき、またはおかしいかもしれないと気付いたときに、すぐ報告や相談をしていれば、患者は状態が悪化することもなく手術や苦痛を味わうこともなかったかもしれません。

合併症はどうしても一定数発現しますが、それをいかに早く発見して対応するかが重要です。

 

3.インシデントを隠蔽した看護師が取るべき行動

インシデントについて話す二人の女性看護師

ここでは、インシデントを起こして隠蔽してしまった看護師が取るべき行動についてご紹介します。

 

勇気を出して正直に打ち明けるしか方法はない!

今まさにインシデントを起こしてしまったもののも言い出せずに悩んでいる看護師がいたら、勇気を出して正直に打ち明けましょう。

時間が経てば経つほど言い出しにくくなり、インシデントの内容だけではなく「なぜすぐに報告しなかったのか」という人間性や看護師としての資質を問われてしまいます

 

早く打ち明けないと後悔することもある

自分の身を守るために自分が隠蔽したミスが原因となって、患者に不利益や病状悪化することに繋がってしまったら、隠蔽し続ける良心の呵責よりももっと後悔することになるでしょう。

 

ポイント!

ポイント

とにかく早くその日のリーダーやリスク委員など報告すべき相手に報告しましょう。

守るべきなのは自分ではなく、患者なのだということを忘れないでください

 

4.インシデントを隠すクセのある看護師の対処法

腕組みする女性看護師

インシデントを隠すクセのある看護師は、

  • インシデントレポートを書くのが面倒
  • 〇〇さんはこんなインシデントをした、と思われたくない
  • 完璧な自分でいたい
  • 報告することで自分が責められている気持ちがする
  • 小さな事象だと報告しても何の意味もない(何の役に立つのか)
  • 報告することに恐怖を感じる

などという慢心から、報告を怠っていることが意外と多いです。

また、報告することに恐怖を感じる看護師は、報告しない方が恐怖です。

誰も見ていない、黙っていれば分からないとインシデントを隠してしまうクセがついてしまった看護師は、小さいインシデントはもちろん大きなインシデントまで巧妙に隠蔽してしまうため、意識を変える対処法が必要です。

 

意識を変える環境に身を置く方法を実施して

インシデントを隠すことは良くないと頭で分かっていても、隠すクセがついてしまっている看護師は、勤務する部署のリスク委員などリスク管理を考える立場に立ち、意識を変える環境に身を置くことを対処法としておすすめします。

そうすることで、インシデントを報告することは個人を責める目的ではないことがよく分かり、意識変容できるだけではなく、原因や対策をよく分析することでインシデントを起こさないようにする行動の変化も期待できます。

 

まとめ

看護師のインシデントは特別な失敗ではなく日常的に誰でも起こす可能性があります

大切なのはその小さなインシデントを隠さず、原因分析と対策を施すことでアクシデントに発展しないようにすることです。

インシデントを恐れ、なかったことにしようと隠蔽してしまう看護師や、言い出せずに悩んでいる看護師の意識が変わるきっかけになれば幸いです。


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この記事を書いた人

看護専門学校卒業後、大学病院の集中治療室(ICU・CCU)で8年間勤務。出産・育児休暇を経て復職しましたが、夫の転勤のため退職。
その後、興味のあった在宅看護に携わりたいと考え転職し、現在は看護師が立ち上げた小規模訪問看護ステーションに在籍する現役訪問看護師2年目です。
転職に迷っている方、病院選びや就きたい仕事選びでリアルな現場の実状を知りたい方への情報を分かりやすくお伝えし、お役に立てればと思います。


カテゴリー:看護師の実情

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この記事を書いた人:あおいロワイヤル
(公開日:)(編集日::2017年11月21日)

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