中堅看護師の役割と転職する際の注意点

中堅看護師の役割と転職する際の注意点

中堅看護師とは、その組織の年齢層にも左右されますが、看護師の世界ではおおよそ20代後半から40歳位までの人を指す事が多いです。

私はまさに、この「中堅看護師」と言われる世代であり、管理職も経験してきました。

今回は、中堅看護師の役割と、中堅看護師が転職する際の注意点について体験談を含めながら説明していきます。

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1.中堅看護師とは?ベナーの定義から考える

パトリシア・ベナー博士は、看護実践においてナースが技術を獲得していく過程や、どのような臨床判断を行っているかについて研究を行いました。

パトリシア・ベナー博士

(「上画像:パトリシア・ベナー博士」PRTIMES様より引用)

これらの理論は、現在様々な組織で採用されているクリニカル・ラダーといった教育システムの基となりました。

 

パトリシア・ベナーの中堅看護師の定義

ベナー博士は、看護師にも臨床技能の習得段階として、

  • 「初心者レベル」
  • 「新人レベル」
  • 「一人前レベル」
  • 「中堅レベル」
  • 「達人レベル」

の段階があると示しています。

その中でも中堅看護師とは、「その状況を全体として捉えながらも、問題の核心部分に焦点化して関わり、患者をより良い方向に導く」存在であると定義しています。

 

中堅看護師はストレスが多い年代

中堅看護師はストレスが多い年代

20代前半にはなかった責任の重い仕事を任させることが多くなるのが中堅看護師です。

しかも、その役割はこれまでの業務と交換されるものではなく、患者さんを前にした通常のケアを行いながら更に追加される役割です。

時間は限られている中で役割が増えるため、必然的に中堅看護師はストレスが多くなってくるでしょう。

 

2.中堅看護師の役割について

中堅看護師の役割について

ベナー博士が述べた中堅看護師ですが、実際の現場では次のような役割が求められるでしょう。

 

自律した看護実践

自分の看護観が確立され、自律して看護を展開する事ができます。

中堅層やベテラン層の看護実践は、その部署の看護の質の高さを左右する重要なものになります。

 

リーダー役割

業務を覚える事に精一杯だった新人時代、一通りの業務や看護展開を行えるようになった2~4年目時代をくぐり抜け、部署内のリーダーを任されるようになります。

組織によって、チームリーダーや主任看護師、30代になると早い人は看護師長に就任する人もいます。

所属する部署全体の運営、看護ケアの質の向上など、自分自身の実践の事だけでなく、部署全体を考えた思考と実践が求められるようになります。

 

教育役割

リーダー役割と共に最も期待される役割の一つが教育的役割です。

新人看護師への直接的な教育、新人看護師を教育するスタッフに対する指導、部署のスタッフ全体に対する教育など様々です。

 

看護研究や委員会メンバー

こちらも同じく、部署や病院全体を捉えた思考や実践を求められるようになる中堅看護師ならではの役割です。

研究を通して部署の看護の質を評価をすることや、委員会活動を通して部署や組織全体を評価し、看護の質を向上する事を目的とします。

 

3.中堅看護師の退職(転職)理由とは

中堅看護師の退職(転職)理由とは

では、責任もストレスも多い中堅看護師の退職(転職)理由にはどんなものがあるでしょう。

私の経験からお伝えしていきます。

 

役割や責任の増加による退職

中堅看護師は部署全体の看護の質の向上を目的に、自分自身の看護ケアの質を高めるだけでなく、チームメンバーを指導し、教育していく事が求められます。

自律して業務が行える事が目標だった時代と比較すると、責任もぐっと重くなります。

看護師長や主任の指導のもとに、少しずつその責任が重くなったり、細やかな指導が受けられたりすれば良いのですが、実際の現場では中堅看護師に対して手厚く指導する事は難しいです。

そのため、その役割や責任の重さが辛くなり、転職を考えるようになります。

 

理想と現実とのギャップによる退職

中堅看護師は、自分の看護観が確立し、「こういう看護をしたい」という思いを持つようになります。

その一方で、リーダー役割や教育役割を任せられるようになり、自分自身が直接患者さんに関わる時間が減ってくる事も多いです。

理想の看護を思い描きつつも、リーダー業務を行いながら、若手教育をし、尚且つ気になる患者へのケアをタイムリーに提供するという事が実際は至難の業である事が多いです。

そうなってくると、役割や責任の増加とともに、自分の理想の看護と現実とのギャップが辛くなってきて転職を考えるようになります。

 

人間関係の難しさによる退職

中堅看護師は、若手の気持ちも理解しつつ、上司である管理職者の立場も少しずつ理解するようになる年代です。

こういった場合両者の板挟みになってしまったり、管理職者から頼られ多くの仕事を一方的に任されたりして、上司を尊敬できなくなってしまったりといった人間関係の問題で転職を考えるようになる人もいます。

また、尊敬できる先輩看護師がいない、自分にとってのロールモデルとなるような働き方やケアを実践している先輩看護師がいないというのも、転職を考える理由になる事があります。

 

労働環境の困難さによる退職

中堅看護師は、結婚・出産といったライフイベントに直面する人が増加する世代です。

家庭や育児との両立を考える時に、これまでと同じような夜勤回数や残業時間の多さでは、そのハードルが高いと感じる人が多いでしょう。

もしくは、体力面での変化も感じやすい年代になるため、これまでこなしていた夜勤回数が負担に感じるようになる看護師もいるでしょう。

そうすると、労働環境を変えるべく転職を検討する人が出てきます。

 

進学による退職

中堅看護師になると、この分野でずっとやっていきたい、と自分の専門分野を定める人も出てきます。

  • 自分の決めた専門分野の症例をたくさん経験できる組織で働きたい
  • 現在勤務している組織は資格取得者を欲しがっていない
  • 資格取得の支援制度がいない
  • 資格取得後の活動を見越して専門病院で働きたい

といった理由で転職を検討する人が出てきます。

 

4.転職した方が良い中堅看護師って?

転職した方が良い中堅看護師って?

中堅看護師として転職した方が良いと、私が考えるタイプの方は2つです。それ以外の中堅看護師の方は、一度退職や転職を改めて見つめ直した方が良いと私は感じます。

 

(1)キャリアの方向性が明確である方

これまで経験を積んできて、「この分野を極めたい」という領域が決まってきた人、ある資格を取るために今後の進路が明確になった人もいるでしょう。

自分が望む進路と、自分が今所属する組織の状況、支援制度などを確認し、希望にそぐわないと判断した場合は転職を早めに決断しましょう。

30代にさしかかると、所属する組織内での責任は一般的にどんどん重くなってくるものです。

そちらに労力を取られて、自分のやりたい勉強や経験したい事ができないようでは、時間がもったいないです。勉強はいくつになっても遅すぎる事はないとは言いますが、やはり体力的な面も含めて少しでも早い方が良いでしょう。

 

(2)転職先に求める労働条件が明確である方

結婚や出産などで生活の変化が生じやすいのも中堅看護師の特徴です。

例えば、育児の都合で勤務時間を短くしたい、育児に理解があり休みを取得しやすい職場で働きたい、といったように、これまで勤務していた組織とは異なる労働条件を求めるようになります。

この場合は、その組織で要望してもなかなか状況は変わりません。

こういう条件で働きたい、という希望がはっきりしている看護師は、転職にふみきる事をお勧めします。

 

5.中堅看護師の転職注意点

中堅看護師の転職注意点

中堅看護師として、私も転職を行いましたが、気を付けるべき注意点が3つあります。

 

(1)転職しても中堅看護師に対する期待は大きい

中堅看護師となりリーダー役割、教育役割など、重くなってくる責任に嫌気がさして転職を検討している方は、注意が必要です。

どこの組織でも、中堅看護師といえば即戦力、組織の中核を担う層といったイメージを持ち、そういった役割を期待する事が多いです。

そのため、重い責任が嫌で転職をしたのに、しばらく働いているうちに似たような役割を期待されてしまい転職した意味がなかった、という事になりかねません。

 

期待が嫌な方は非常勤看護師やベテラン層が多い組織を選ぼう

こういった事態を回避する方法の一つとして、常勤から非常勤などに雇用形態を変更したりベテラン層が厚い組織を検討したりする方法があります。

もしくは、結局同じ役割を担う事になっても、いきなり任されてしまってフォローがないよりも、中堅看護師の教育に理解があり、先輩看護師や上司からフォローを受けながら少しずつ役割を担っていく体制があれば働きやすいです。

こういった組織内の状況は、求人情報だけから読み取る事は難しいです。知人からの口コミを参考にしたり、看護師転職エージェントからの情報を参考にしたりしましょう。

 

(2)ライフスタイルの変化に対応できる組織を選ぶ

中堅看護師の20代後半から40歳前後というのは、結婚や出産といったライフイベントに直面し、生活が大きく変化する人が多いという特徴があります。

一般的には体力の低下も自覚しやすいでしょう。

育児や介護休暇といった制度が充実しており、夜勤制度に柔軟に対応している組織を選ぶとよいでしょう。

 

(3)キャリアアップを狙うのであれば計画を明確に

中堅層になると、管理職コースを進む看護師、専門分野を見つける看護師が多くなってきます。

何年も考え込んだまま行動に移していない看護師は、具体的に進みたい分野を決めたり、何年後に何をすると計画をしたり、今後の計画を明確にしましょう。

何年も悶々と考え込んでいると、まだ体力もあり行動に移しやすい時期を逃してしまいます。

 

6.まとめ

中堅看護師は、自律した看護実践、若手の教育などの役割を期待されている一方で、その役割の重さや、結婚や出産などのライフイベントに直面する事から転職を考える人も多くなってきます。

転職先に求める労働条件が明確な人や、キャリアアップに対する計画が明確な人は積極的に転職活動を行うとよいでしょう。

中堅看護師に対する教育や、育児・介護等の支援制度といった情報は求人情報だけではわかりにくい事も多く、「看護師転職サイトのエージェント」を活用する事も手段の一つです。

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はたらきナース

監修者

亀岡さくみ看護師
監修 亀岡さくみ看護師
  • 2011年3月:日本赤十字看護学校卒業
  • 2011年3月:看護師免許取得
  • 2011年4月:日本赤十字医療センター入社(3年間勤務)
  • 2015年3月:株式会社peko勤務
  • 2015年4月:はたらきナース監修

現在は、今までの経験を活かし「はたらきナース」を執筆・監修を行っています。

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