著作者

椿

現役看護師

椿

( 看護師 )

外来化学療法センターで働く看護師の役割と仕事内容

椿
現役看護師椿
外来化学療法センターで働く看護師

抗がん剤治療といえば入院して病棟のベッドで点滴を受け、嘔吐などの副作用の時期を経てようやく退院、治療のたびにそれを繰り返すというイメージを持たれがちです。

しかし、外来化学療法センターでの治療は日帰りで受けることが可能なのです。伴って外来化学療法センターの看護師の業務や役割も、特殊なものもあります。

この記事では、外来化学療法センターではどんな治療と看護が行われているのか看護師の常務に焦点を当てて、紹介します。

 

1.外来化学療法センターの特徴について

女性看護師 外来化学療法センター

外来化学療法センターで診る1日の患者数や看護師の数などは病院の規模によって違います。基本的にほとんどの外来化学療法センターに共通する特徴を表でまとめました。

患者数 15~20人
【患者の特徴】1クール目に入院して化学療法を受け、投与中や副作用に問題がないと判断された患者は、2クール目から外来化学療法センターで治療が受けられる。
看護師数 3~4人
  【看護師の特徴】がん化学療法認定看護師が在籍し、業務のかたわら他の看護師の指導も行う。
 主な治療  点滴による化学療法が中心
 【その他治療の特徴】肝動注化学療法や輸血も行う

 

外来化学療法センターは日帰りで利用可能

外来化学療法センターでは、患者が日帰りで治療を受けられるような抗がん剤治療専門の設備が設けられています。患者にとっても家庭や仕事の都合を考えると助かる選択肢です。

 

外来化学治療法センターで対応ができない治療もある

抗がん剤治療の種類によっては3日間持続点滴が必要なものなどがあり、外来では対応できないものもあります。外来化学療法センターで対応できない治療はその都度入院が必要です。

 

施設設備は患者のプライバシーが守られる仕組みになっている

外来化学療法センターの施設内の設備は、患者のプライバシーを守るように工夫されています。

  • ベッドごとにカーテンで仕切られている
  • 外来化学療法センターの患者用の専用トイレがある

上記のようなプライバシーへの配慮がされているため、患者が感じる不安やストレスも軽減できます

 

外来化学療法センターでは必要な医療設備一式もそろっている

患者のプライバシーを守る設備だけでなく、患者、看護師、医師それぞれに必要な設備もしっかりと備えてあります。

  • 看護師が点滴の準備をする処置台
  • 記録をする机・電子カルテ台
  • 急変に備えて救急カート

上記の設備も数台設置されているため、患者の処置から看護師自信の仕事まで無駄な時間なくスムーズに行うことができます。

 

2.外来化学療法センターの看護師の1日と役割

女性看護師 役割

最初に外来化学療法センターの看護師の1日のスケジュールを表にして説明します。

時間 看護師のスケジュール
08:30 ・日勤開始
・外来全体の朝のミーティング
08:40 1日の治療患者予定の確認と環境整備
09:00 ・診察を終えてセンターに来る患者を順次対応(※1)
・主治医からの化学療法施行許可の確認
09:30 ・薬剤科から調剤済みの抗がん剤が上がってくる
・バイタル測定、ルートキープ、治療開始、点滴交換、抜針
11:30 順番に休憩に入る
15:00 ・シリンジ、注射針などの補充、物品請求、シーツ交換
・新たに化学療法センターを利用する患者にオリエンテーション
16:00 ・全ての患者の治療が終了
・患者の集計や記録を行う
17:00 業務終了

※1:順次センターにやって来る診察を終えた患者の具体的な対応として、薬剤科での調剤を待っている間、患者をベッドに案内しコミュニケーション、副作用の確認や生活習慣の指導を行います。

 

看護師はセンター内の環境を整える役割を担う

外来化学療法センターの看護師は、患者が気持ちよく治療を受けることができるように、センター内の環境を整える役割を担っています。

  • ベッドの清潔を保つために枕カバーの交換やごみを除去
  • 心地よい音楽をかける
  • テレビや輸液ポンプに不備がないか確認する

看護師としての医療的な仕事も大事ですが、治療以外で患者のために何ができるのか考え対応することも求められるのです。

 

治療を受けている患者にはできるだけ付き添う

外来化学療法センターでの治療中、患者はテレビを見たり、雑誌を読んだり、なかにはお弁当を食べるなど気ままに過ごします。トイレに行きたくなれば看護師を呼んでくれるので、出来るだけ患者に付き添うようにします。

 

3.外来化学療法センターの看護師の仕事内容

女性看護師 外来化学療法センター 仕事

外来化学療法センターの看護師の仕事内容ですが、主要なポイント6つに分けて説明します。仕事の特徴として、看護師は医療措置だけでなく、患者と直接関わる内容も非常に多いです。

 

(1):作業の進捗状況を確認する

外来化学療法センターの看護師は、患者の主治医と薬剤科の連携がスムーズに取れているのか、電子カルテ上で随時確認することが仕事のひとつです。看護師が電子カルテを確認しているころ患者は化学療法センターにやって来ているため、ベッドに案内し、調剤が終わるのを待ってもらいます。

 

(2):患者への指導や情報収集を行う

薬剤が届くのを待つ間、看護師は下記のような内容について患者といろいろな話をし、情報収集を行います。

  • 食事は摂れているのか
  • 仕事中つらくないか
  • よいウィッグが見つかったのか
  • 家族の様子はどうか

化学療法のサイクルによっては毎週、隔週で来る患者もいるためすっかり仲良くなっている場合もあり、患者からいろいろな話をしてくれます。

 

ポイント!

ポイント

患者との情報収集の中で、感染予防について無理のある生活をしないように指導も同時に行います。

 

(3):ルートキープや点滴交換

抗がん剤が薬剤科から届いた後は、抗がん剤の血管外漏出を起こさないために、患者の出来るだけ利き手でない腕の曲がらない位置にルートをとります。点滴ボトルの交換の際にはルートの逆血を確認し漏れやつまりを判断し、副作用の観察も行います。

 

(4):点滴終了後に患者の今日の予定を確認・案内する

患者ごとの点滴が終了すれば抜針し、止血を確認して患者を帰らせます。一応、この後受診する診療科がないか、そのまま会計にいってよいかなど確認・案内をしてからお帰り頂きます。

 

ポイント!

ポイント

疾患や治療の種類によって点滴の本数もかかる時間も違いますが、多くは100ml、250ml、500mlの点滴が3~5本のメニューが多く、時間にして2~5時間ほどかかります。

 

(5):患者が少なくなる時間に記録と集計を行う

患者数が少なくなってきてからは、患者別の記録とその日の化学療法の診療科別人数、輸血の人数の集計を行います。

  • バイタルサイン
  • 投与した薬剤
  • 副作用の有無
  • 血管外漏出の有無

記録するのは上記の内容です。通常、集計は全ての患者が帰宅してから行います。

 

(6):物品補充や消耗品の請求をする

使用したシリンジや輸液セットの補充、消耗品の請求を丁寧にしておくことで、翌日の業務が気持ちよく始められます。週1回シーツ交換もあるので、忘れることの無いように注意します。

 

センター内のごみの分別なども看護師の仕事

外来化学療法センターの看護師は、夕方までに一般ゴミや感染性廃棄物を分けて業者に指定された位置に集めておきます。センター内を清潔に保つことも重要な仕事です。

 

4.外来化学療法センターの看護師が注意するべき患者の症状

外来化学療法センター 女性看護師 患者 注意

抗がん剤治療中に一番気をつけなければいけない患者の症状は血管外漏出です。治療中に患者に下記の症状が現れた場合は治療を即中断して原因を調べる必要があります。

  • 穿刺部周辺に痛みを感じる
  • 点滴の落ちが悪い
  • 輸液ポンプの閉塞アラームが鳴る

もし血管外漏出があれば主治医に報告、ステロイドの皮下注射や塗布、必要なら皮膚科受診を行います。

 

抗がん剤の副作用による吐き気にも注意をする

近年、すぐれた制吐剤が登場したため副作用の吐き気がずいぶん軽減されていますが、患者によっては注意が必要です。吐き気を訴える患者は少ないことは確かですが、制吐剤も万能なわけではありません。

 

5.外来化学療法センターの看護師に求められるスキル

女性看護師 スキル

外来化学療法センターの看護師に求められるスキルは大きく3つあります。それぞれの必要スキルについて、具体的に説明していきます。

 

患者に誠意のある対応が出来る能力

外来化学療法センターでは忙しくバタバタする中でも丁寧に説明、共感できる能力が看護師に必要になります。入院とちがって帰りのバスの時間や、駐車場料金の心配をしている人もいるため誠意のこもった対応が求められるからです。

 

ポイント!

ポイント

患者は診察が終わり次第ぞくぞくと化学療法センターにやって来るため、看護師の対応が間に合わなくなり長時間待たせてしまうこともあります。

 

基本的な確認を必ず行うスキル

誤薬を防ぐため名前と薬剤、投与時間など混同しないよう基本的な確認を怠らないことが大切です。実際に、同じ疾患で同じメニューの治療をする、同世代の女性が同時にやって来ることもあるのです。

 

ルートキープの技術

抗がん剤投与のルートですから、漏れのないようしっかり血管内に入っていることが必要です。途中トイレに行ったりする事を考えると、肘の内側、手首など曲がる部位は避け上腕などの曲がらない部位を狙います。

 

6.外来化学療法センターの看護師のメリット・デメリット

女性看護師 メリット デメリット

外来化学療法センターで働く看護師が感じるメリット・デメリットそれぞれについて紹介します。

 

メリット1:外来化学療法センターは残業がない

化学療法センターは16時くらいまでにその日の治療は全て終了するため、残業はありません。まれに夕方突然輸血の指示が出てやって来る患者がいれば、終わるまで付き添わなければいけないこともありますが、予定外のことがない限り基本的に定時で帰れます。

 

メリット2:常に1日中忙しいわけではない

午前中の患者が一気に押し寄せる時間帯は非常に忙しいですが、ルートキープが終わって治療が軌道に乗れば忙しさが落ち着くといえます。そのため、1日中バタバタと忙しいということはありません。

 

デメリット:自分の仕事を後回しにして応援業務に回ることもある

時間帯によって、化学療法センターには時間の余裕が出来ることを皆知っているため、忙しい他の外来から応援を求められます。そのため自分の仕事を後回しにして応援業務に回ることもあります。

 

ポイント!

ポイント

パートの看護師が多く在籍することから時間を追うごとに看護師の人数が減っていき、一人の負担が増えることがあります。

 

まとめ

化学療法センターの仕事はある意味ルーティンワークであり、働きやすい職場です。基本的な手順を守りつつ、そこに患者の辛さや苦しさを受け止める看護の暖かみがプラスされることが理想ではないでしょうか。

入院ではなく外来で治療を受けられるようになったことで患者のQOLは向上しました。その分困ったことがあったらいつでも相談出来る体制整えておくことが必要です。

 


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この記事を書いた人

病棟看護師経験十数年のアラフォーママ、現在は離職中で引きこもりがちなのが悩みです。 楽しい思い出と黒歴史がありすぎて、書きたいテーマはたくさん! 経験から得た自分なりの実践理論で、悩める看護師さんの背中をそっと押すような記事を書いていきたいと思います。


カテゴリー:看護師の仕事内容・業務

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この記事を書いた人:椿
(公開日:)(編集日::2017年07月27日)

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