【体験談】精神看護専門看護師の役割や仕事内容レポート

精神看護専門看護師の役割や仕事内容レポート

精神看護専門看護師は、精神科病棟だけでなく、リエゾン看護師として、がん専門病院や訪問看護領域などでも活躍の場を広げています。

精神看護専門看護師が求められる役割や実際に働いている精神看護専門看護師の活動レポート、専門看護師になるための資格取得の流れなどについてご説明します。

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1.精神看護専門看護師の役割

精神看護専門看護師の役割

(1)精神疾患を持つ患者・家族への直接ケア

精神疾患を抱える患者さんと、その患者さんを支える家族は、病気への理解と症状への対応、そして社会復帰支援が必要になります。

精神看護専門看護師は、本人・家族だけでは解決困難な問題を客観的視点でとらえ、問題を整理し、解決策を見出していきます。解決策を探る中で、医師や多職種との協働、外来・病棟だけでなく、地域との垣根を超えた支援システムの構築などを行っていきます。

精神看護専門看護師は、患者・家族への直接ケアを通して、精神疾患を抱えた方の全人的ケアを継続的に行うために必要な多職種との連携・調整・協働を行い、患者さんが社会の中で生活するための支援を行うことが求められる役割の一つになります。

 

(2)リエゾン看護師としての役割

リエゾン看護師としての役割

精神看護専門看護師は、精神科病院だけに所属しているわけではありません。がん患者さんをはじめ、心の問題を抱える患者さんは一般病棟にも存在しています。

その心のケアを行う「リエゾン看護師」としての活動も、精神看護専門看護師の役割の一つになります。

がんセンターやがん拠点病院などの緩和ケアチームやリエゾンチームの一員として、心に問題を抱える患者さんへの直接ケアや、コンサルテーションを行い、身体疾患を抱える患者さんやご家族の心のサポートを行っています。

 

リエゾン看護師とは

リエゾン看護師とは、精神看護領域の専門的技術を持ち、以下の役割を担う看護師のことを指します。

  • 身体疾患のある患者が有する精神の問題をサポートする役割
  • 患者ではなく「医療スタッフ」へのメンタルサポートをする役割

などを担います。

 

(3)せん妄などの複雑な精神症状への対応

一般病棟では、精神症状などの専門的知識が不足することで、せん妄の見極めや、せん妄により引き起こされる患者の行動に対し、「対応できない行為」として解決策を図ろうとする傾向があります。

精神看護専門看護師は、せん妄に対する知識やせん妄が引き起こされた原因などを見極め、患者さにとっても看護スタッフのとっても前向きな対応策を提案し実践することができます。

精神症状を持つ患者さんの人権の擁護と、精神症状に戸惑う看護スタッフの問題を解決することも精神看護専門看護師の役割の一つです。

 

(4)地域で生きる精神疾患患者さんのサポートを行う

地域で生きる精神疾患患者さんのサポートを行う

地域で生活する精神疾患の患者さんの在宅支援や社会復帰をサポートすることも、精神看護専門看護師の役割の一つです。

精神科対応の訪問看護ステーションの看護師として活躍をする、精神保健支援センターなどの就労支援などを行い、精神疾患を抱えながらも患者自身が、コミュニケーション能力を高めたり、病状をセルフコントロールしたりすることができるために支援を行います。

精神看護専門看護師は、カウンセリング技術だけでなく、看護師として「身体症状」を客観的に判断できる強みを持っています。

その強みと、患者さんの症状に巻き込まれない客観的視点をもって、患者さんが社会で生活できる方法を、患者さんと一緒に考えていきます。そのため、対患者支援だけでなく、行政との連絡調整なども求められる役割の一つになります。

 

(5)看護スタッフへの教育

精神科病棟に勤務したことがない看護師にとって、患者さんの精神症状や看護ケアは不安が付きまといます。

特に、希死念慮や自殺企図、せん妄や妄想などを生じた際にどのように対応していいか判らず、看護スタッフ自身が揺らぐ事態になりかねません。

精神看護専門看護師は、看護スタッフの相談・教育を行い、

  • 精神疾患を抱える患者さんへの理解
  • 看護スタッフの心のケア

など、精神看護の質の向上を行うことが求められる役割になります。

 

2.【体験談】精神看護専門看護師の仕事内容や活動をレポート

病内での精神看護専門看護師の活動レポート

精神看護専門看護師と一緒に働いたことがある、現役看護師の方にレポートをしてもらっています。

少しでも雰囲気をつかんでいただけたら幸いです。

 

病院の精神科病棟で活動していた

私の知人は、精神科病棟で精神看護専門看護師として活動しています。急性症状に対応しながら、症状が安定し退院するまでの患者さんのサポートを行うだけでなく、看護スタッフの心のケアも同時に行っています。

また、「流されない」「巻かれない」ことをモットーに、こだわることで倫理的問題を見逃さない活動も行っています。看護師のケアの向上を図るために、「立ち止る」「振り返る」「考える」活動を繰り広げています。

ラビウサ 専門看護師ラビウサ(専門看護師/40代後半)

 

グループミーティングやSSTなどの精神療法や教育活動の主軸に活動

外来や病棟など特定の部署には所属せずに活動されていました。症状が出てから対応する一般的な看護師とは異なり、グループミーティングやSSTなどの精神療法や教育活動の主軸となって動かれていました。

社会的な側面も踏まえたうえの広い視野で看護師や患者にアドバイスをしてくれるとても頼れる存在でした。

精神科はとくに、「人権の時代、開かれたケアを」「ノーマライゼーション」と言われます。看護師としても自らのケアを今一度考える必要のある、そんな岐路に立っていると考えられます。

そんな時、広い視野の精神看護専門看護師はまさに時代を読む存在であったと言えます。

黄昏のフクロウ 女性看護師黄昏のフクロウさん(正看護師/東京都/40歳)

 

リエゾン看護師として働く精神看護専門看護師

がんセンターやがん診療拠点病院に在籍し、がん患者さんの心のケアを行うために施設を横断的に活躍する精神看護専門看護師がいます。

緩和ケアチームやリエゾンチームの一員として活動し、病棟で働く看護スタッフのサポートを行ったり、事例検討をしたり、時には直接ケアを行うこともあります。チームで活動することで、患者さんや看護スタッフの間に生じている問題を俯瞰的に見ることができるため、倫理的問題についても一緒に考え解決する活動も行うことができます。

リエゾン看護師からの助言は、精神症状への不安や恐れで視野狭窄になりがちなジェネラル看護師にとって、「目からうろこ」的視点で役に立ちます。

ラビウサ 専門看護師ラビウサ(専門看護師/40代後半)

 

「がん哲学カフェ」のメンバーとして患者さんの心のケアを行っている

私の知人の精神看護専門看護師は、「がん哲学カフェ」のメンバーとして、患者さんの心のケアを行っている方がいます。患者さんにとって、じっくりと心の痛みと向き合ってくれる看護師との交流は、心の安定にとても役立っていると聞いています。

どの領域の専門看護師も、院外活動を通して、疾患を抱えながら地域で暮らす患者さんやご家族との支援に力を入れています。その中で、心の苦悩や精神疾患に対する深い知識とエビデンスのあるケアを提供できる精神看護専門看護師は、活躍できる場がたくさんあります。

ラビウサ 専門看護師ラビウサ(専門看護師/40代後半)

 

3.精神看護専門看護師になるには

精神看護専門看護師になるには 資格取得の流れ

上画像のような流れで進みます。

【精神看護専門看護師数の推移】

2013年179名
2014年208名
2015年236名
2016年267名
2017年294名

毎年、30名程度の精神看護専門看護師が誕生しており、専門看護師資格の中でも人気の資格です。

 

精神看護専門看護師の資格取得条件

(1)専門看護師の基本条件

  • 日本国の看護師の免許を有すること
  • 実務研修が通算5年以上あり、うち3年間以上は専門看護分野の実務研修(※1)であること
  • 日本看護系大学協議会が定める専門看護師教育課程基準の所定の単位(総計26単位または38単位)を取得していること
  • 認定審査(書類審査・筆記試験)に合格
  • 専門看護師認定証交付・登録
  • 5年ごとに更新(看護実践の実績、研修実績、研究業績等書類審査)

 

(2)精神看護専門看護師の実務研修(※1)

  • 看護師の資格取得後、実務研修が通算5年以上であること
  • そのうち通算3年以上は専門看護分野の実務研修をしていること
  • 精神科病院・一般病院の精神科病棟・精神科病院の外来・精神科クリニック・精神科デ イケア・訪問看護ステーション等の場での、精神看護の実務研修。ただし、リエゾン精神看護を志望する場合は病院での精神看護の実務研修とするが、精神科病院・一般病院 の精神科病棟である必要はない。その場合、履歴書および勤務証明書に、リエゾン精神 看護の実績の内容について具体的に明記すること

リエゾン精神看護を志望する場合のみ、実務研修が細かく決められているので注意が必要です。

 

(3)専門看護分野のその他実務研修

  • 個人、家族及び集団に対する直接的な看護実践
  • 看護職を含むケア提供者に対するコンサルテーション。
  • 必要なケアが円滑に行われるための、保健医療福祉に携わる人々の間のコーディネーション
  • 個人、家族及び集団の権利を守るための、倫理的な問題や葛藤の解決をはかる倫理調整
  • ケアを向上させるための、看護者に対する研修会、研究指導及び講演会等での活動を含む多様な教育的機能
  • 専門知識及び技術の向上並びに開発をはかるための実践の場における研究活動

現在、常勤、非常勤勤務を問わず実践を行っていること。

 

専門看護師に必要な単位について

日本看護系大学協議会による「専門看護師教育課程の審査」は、2020年までに旧基準の26単位から38単位の専門看護師教育課程基準に意向されます。

  • 2023年以前の専門看護師資格者は追加履修の必要はない
  • 2024年度から38単位のみでの申請となる

専門看護師の教育課程基準が変更になり、単位取得に約2年程度かかるため、2020年までは26単位で可能、2021年からは36単位で取得した方が良いでしょう。

 

精神看護専門看護師の単位取得ができる大学院一覧

北海道北海道医療大学大学院(*38単位)
札幌医科大学大学院 (*38単位)
日本赤十字北海道看護大学大学院(26単位)
札幌市立大学大学院(*38単位)
山形県山形県立保健医療大学大学院(38単位)
福島県福島県立医科大学大学院(*38単位)
茨城県筑波大学大学院(*38単位)
栃木県自治医科大学大学院(*38単位)
国際医療福祉大学大学院(26単位)
埼玉県埼玉医科大学大学院(26単位)
埼玉県立大学大学院(26単位)
千葉県順天堂大学大学院(*38単位)
東京都聖路加国際大学大学院(*38単位)
東京医科歯科大学大学院(26単位)
東京女子医科大学大学院(*38単位)
日本赤十字看護大学大学院(*38単位)
杏林大学大学院(38単位)
武蔵野大学大学院(26単位)
国立看護大学校研究課程部(38単位)
神奈川県北里大学大学院(*38単位)
慶應義塾大学大学院(*38単位)
横浜市立大学大学院(26単位)
昭和大学大学院(38単位)
山梨県山梨県立大学大学院(26単位)
長野県長野県看護大学大学院(38単位)
石川県金沢医科大学大学院(38単位)
愛知県愛知県立大学大学院(*38単位)
名古屋市立大学大学院(26単位)
日本赤十字豊田看護大学大学院(26単位)
三重県三重県立看護大学大学院(38単位)
京都府京都橘大学大学院(38単位)
大阪府大阪府立大学大学院(*38単位)
大阪医科大学大学院(38単位)
兵庫県兵庫県立大学大学院(*38単位)
神戸市看護大学大学院(*38単位)
奈良県奈良学園大学大学院(38単位)
岡山県山陽学園大学大学院(38単位)
広島県日本赤十字広島看護大学大学院(*38単位)
香川県香川県立保健医療大学大学院(26単位)
高知県高知県立大学大学院(*38単位)
福岡県福岡県立大学大学院(*38単位)
熊本県熊本大学大学院(*38単位)
沖縄県沖縄県立看護大学大学院(26単位)

(2018年4月1日現在)(*26単位から38単位に変更)

精神看護専門看護師の単位が取得できる大学院は43大学となり、がん看護専門看護師の次に多くなっています。

 

精神看護専門看護師にかかる費用について

入試検定料約5万円
2年間の学費220万円
教材費約10万円
専門看護師の登録費用約5万円
   合計約240万円

※ここに記載してある費用に加え、無給となる2年間の生活費用も考慮する必要があります。

専門看護師を目指す看護師の方は「専門看護師支援がある病院への看護師転職で知りたい6つのポイント」を確認してください。

 

4.まとめ

精神看護専門看護師は、精神疾患を抱え解決困難は患者・家族に対して水準の高いケアを提供することが役割です。そのため、精神科病棟などで活動し、精神疾患を抱える患者・家族への直接ケアや、看護スタッフなどから相談を受けることや、多職種との調整・教育なども行います。

また、リエゾン看護師として、身体疾患を抱える患者さんの精神症状に対して、チームの一員として対応し、患者さんのメンタルケアを行っていきます。

精神疾患や、メンタル不調を抱える患者さんも、地域社会で安心して生活する権利があります。精神看護専門看護師は、患者さんに対してセルフケア支援やコミュニケーション能力を向上させるために支援しながら、地域や行政と協働しながら精神疾患患者さんが暮らしやすい環境を整えるべく活動しています。

心のケアの専門家として、カウンセリング技術だけでなく、身体に対する知識を持つ精神看護専門看護師を目指してみませんか?

専門看護師を目指す看護師の方は「専門看護師支援がある病院への看護師転職で知りたい6つのポイント」を確認してください。

 

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はたらきナース

監修者

亀岡さくみ看護師
監修 亀岡さくみ看護師
  • 2011年3月:日本赤十字看護学校卒業
  • 2011年3月:看護師免許取得
  • 2011年4月:日本赤十字医療センター入社(3年間勤務)
  • 2015年3月:株式会社peko勤務
  • 2015年4月:はたらきナース監修

現在は、今までの経験を活かし「はたらきナース」を執筆・監修を行っています。

この記事は「」さんが執筆しました。

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