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( 看護師 専門看護師)

放射線科の看護師は妊娠しても働けます!その理由と注意点について

ラビウサ
専門看護師ラビウサ
看護師 放射線科 妊娠

日本は被ばく国であり、東日本大地震後の原発事故の印象から、放射線被ばくについて必要以上に怖がる傾向があります。

しかし、知識をもって対処することで、放射線科の看護師は妊娠中も働き続けることができます。

放射線科の看護師が妊娠中でも働き続けることができるその理由と、働く上での注意点についてご説明します。

1.看護師が妊娠しても放射線科で働ける理由

妊娠中の看護師が働く放射線科のCT

放射線に従事している看護師は、必ずフィルムバッチを装着しなければなりません。

また、労働安全衛生規則及び電離放射線障害防止法規則の中で、放射線業務に従事する女性が妊娠と診断されてから出産するまでの間、

  • 腹部体表面での被ばく量は2ミリシーベルト
  • 内部(子宮がある部位)被ばく量は1ミリシーベルト

上記の量を超えてはならないと規定されています。

このことを踏まえて、看護師が妊娠中でも放射線科で働ける理由をご説明します。

 

看護師の8割以上が年間被ばく線量平均0.1ミリシーベルト以下である

実際に、放射線業務に従事する医療者の中で、一番被ばく量が多いのは放射線技師であり、次が医師、そして看護師になります。

特に看護師の8割は腹部体表面で年間0.1ミリシーベルト以下であるとの結果があります。(参照:「看護スタッフのための核医学Q&A」)

データとして表れている数値を見ると、妊娠しても放射線科で勤務することは安心ということが分かるでしょう。

 

放射線科看護師だけが高リスクなわけではない

放射線科の看護師として従事するなかで、一番放射線を浴びる機会があるのは心臓カテーテル検査をはじめとするIVR時の介助だと言われています。

しかし、必ずしも放射線科の看護師が透視下の検査に入るとは限りません

私が以前いた病院は、ERCPなどの内視鏡下の場合には内視鏡室の看護師が業務についており、病棟の患者が行うPTCDなどの場合には病棟の看護師が介助に入っていました。

夜間緊急の心臓カテーテル検査などは、救急外来の看護師が介助をしていました。

 

補足説明!

ポイント

逆にこの場合には、介助に入る看護師はフィルムバッチを装着しているわけではないうえ、不慣れな分被ばく量が増えてしまうことさえあります。

また、整形外科手術などで放射線を扱う時などは、もっとリスクが高いともいわれています。

 

プロテクターを装着する必要がない検査もある

放射線科看護師として働くからといって、常にプロテクターを装着して仕事をしなければならないわけではありません。

造影CT検査などの血管確保や、単純X線検査などで患者の準備などを行う場合などは、準備が終了するまで放射線が出ることはありません

また、単純X線検査などでどうして照射中に介助が必要な場合も、多くは放射線技師が対応してくれることが多いものです。

プロテクターさえも必要ない検査介助もあるため、心配しすぎないことが大切です。

 

放射線治療室は管理が厳重で逆に安心して働ける

放射線治療室に勤務していた際に、医師が「放射線科の看護師さんが妊娠すると治療室に降りてくる。安全だからね」と話していました。

放射線治療中は、治療を受ける患者以外立ち入ることはできないうえ、安全のために放射線が出ている時は治療室の扉が開くことはありません

逆を言えば、治療室の扉が開いている時には照射ボタンを押すこともできません。それほど安全管理は徹底しているのです。

 

ポイント!

ポイント

放射線治療室勤務の時は、治療計画CT時もプロテクターを装着することさえありませんでした。

 

2.妊娠中の看護師が放射線科で働く際の注意点

放射線科で働く妊娠中看護師のお腹と手

妊娠中の看護師が、放射線科で働く際の注意点についてご紹介します。

 

着替えをしてもフィルムバッチを必ず忘れずにつける

看護師が妊娠中に放射線科で働く際には、必ずフィルムバッチをつけておくことが大切です。

IVR検査の場合などは検査着に着替えることがありますが、常に意識して自分がどの程度職業被ばくをしたのか把握するためにフィルムバッチを装着し忘れないことが大切です。

その結果を知ることで、妊娠・出産に関する不安が解消されることにつながります。

 

放射線が出る時に不用意に透視室の近くを通らない

心臓カテーテル検査などは、放射線が出るからといって必ずしも確実にドアが閉まっているとは限りません。

それは検査に携わっている放射線技師・医師・看護師がプロテクターに身を包んでいることの安心感や、何度も放射線が出ることに慣れてしまっていることもあります。

そのため、「必ずドアは閉めてください」と周囲に言い続けるよりも、自分で透視室では何の検査を行っているのかを確認してから透視室などを横切るように注意する方が確実です。

これは、どんな検査や処置を今どこでやっているのかを把握できる放射線科看護師だからこそできるリスク回避方法の一つです。

 

背中が開いてない、鉛量の多いプロテクターを装着する

IVRなどの介助に入った際どうしても被ばくが気になる場合には、背中が開いてない、鉛量の多いプロテクターを装着することがおすすめです。

プロテクターをずっとつけていることは疲れてしまうため、つい軽くて背中の空いたプロテクターを装着してIVR検査の介助に入ってしまうことがあるかもしれません。

しかし、薬品を準備するため・患者の観察のためにX線装置に背が向いてしまうことがあります。

被ばくが気になるのなら、自分自身が被ばくを避ける工夫をする必要があります。

 

周囲に妊娠中であることを伝える

放射線科は医師・放射線技師・看護師が協働して業務を行います。

そのため、妊娠中であることを、看護師だけでなく医師・放射線技師に伝えることはとても大切です。

それは周囲に気を遣わせることではなく、当たり前になってしまいがちな放射線防護三原則の「放射線源から離れる・被ばく時間を少なくする・遮蔽する」を、妊婦がそばにいることで意識するようになります

このことは、結果として放射線従事者全体の意識変化にもつながっていきます。

 

3.どうしても被ばくが気になる場合の対処法

放射線科の妊娠中の女性看護師と医師

妊娠中の看護師が放射線科で働くうえで、どうしても被ばくが気になる時の対処法についてご紹介します。

 

被ばく量を放射線医や放射線管理者などに確認してみる

妊娠中の看護師の被ばくが気になる場合、自分が職業被ばくした量がどの程度なのか、胎児に問題はないのかを、放射線医や放射線管理者などに確認してみましょう。

他の診療科の医師などは、「X線検査を受けることも避けた方が良い」と言ってくる場合があり、余計に不安を強めることになります。

放射線のリスクを十分に知っている医師や法放射線技師に、自分の職業被ばく量のリスクついて相談してみることも一つの方法です。
 

上司に相談し、透視室やRI検査室の勤務を減らしてもらう

放射線科の勤務は続けても良いけれど、どうしても被ばくが気になる妊娠中の看護師は、被ばく量が多くなりがちな透視室やRI検査室の勤務を減らしてもらうように上司に相談してみましょう。

妊娠中に放射線に従事していることについて、女性であれば誰もが理解できる感情です。

不安を感じずにできる業務は積極的に対応することを伝えつつ、自分が感じる不安を伝えることで、上司に理解してもらいやすくなるでしょう。

 

4.被ばくへの不安の方が身体に悪いため異動・転職する

被ばくを不安に思う放射線科女性看護師

フィルムバッチが示す値を見ても、被ばくを最小限にする対策を行ったとしても、心配で仕方がない妊娠中の看護師もいるでしょう。

その状態で放射線科に働き続けることは、仕事を続けるストレスと子供に対する不安だけが増し、胎教にもよくないうえパートナーも不安を抱くことになってしまいます。

そんな時は、上司に相談し放射線科から異動することや、転職を考えることも一つの方法です。

 

妊娠中の転職はリスクがあることを念頭に置く

ただ、妊活中や妊娠中で転職することは、思い通りの職場を選べないリスクが発生します。

「放射線被ばくが怖いからやめたい」と感情的にならずに、

  • 女性の放射線技師や放射線医で妊娠経験がある人に相談する
  • 自分でも放射線についてきちんとした知識を持つ

など、自分で不安を軽減するために動いてみましょう。

それでも不安が少しも消えない時には、異動や転職を視野に入れて、上司に相談することをおすすめします。

 

まとめ

放射線従事者は、業務上被ばくを最小限に抑えるために法律上でも保護されています。

しかし、実際に不用意に被ばくを避けるためには、自分自身で放射線防護三原則を守ることが大切です。

安全を安心に変えるためには、正確な知識をもって対処することです。そうすることで、妊活中も妊娠中も安全に放射線科で働くことができます。


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この記事を書いた人

看護師をして20年以上になります。外来・病棟・検査室・クリニックなど、いろいろな場所での業務を経験しました。
ですが、一時は看護師をやめようと思ったほど、心身共に追い詰められた時期もあります。現在は、看護師も続けつつ、ライターやカウンセラーとしても活動しています。
今までの経験を生かして、いろいろな体験談も書いていこうと思っています。よろしくお願いします。


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この記事を書いた人:ラビウサ
(公開日:)(編集日::2017年09月07日)

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