現役看護師が実感した患者との距離が縮まる2つのスキル

看護師役に立った意外なスキル

看護師は、診療科によって専門的な知識や技術が異なり、その分野に特化したスペシャリストを目指すことができます。

専門看護師や認定看護師をはじめ、呼吸療法認定士や認定アロマテラピストなどさまざまなスキルがあります。

しかし、需要は少ないものの持っていて役に立つスキルは他にもたくさんあります。ここでは私が実際に体験した経験をもとに、看護の知識以外で役立ったスキル2つを紹介します。

1.手話ができれば聴覚障害者の患者さんの不安に寄り添える

手話患者と信頼感深まる

看護師の中では、手話ができるという方は少なく、患者さんが聴覚障害を抱えている場合はほとんど筆談になってしまいます。

筆談は聴覚障害を抱える方にとって、大切なコミュニケーションのひとつです。しかし、私たちが声を使って会話をするように、聴覚障害を抱える方は手を使って会話をしています。

 

私が経験した聴覚障害患者さんの事例

以前、入院してきた患者さんで聴覚障害の方がいました。

その患者さんは無愛想で常に眉間にシワを寄せて難しい顔をしており、看護師に対して不信感でもあるかのような態度でした。

そのため、看護師の中でも関わりにくい患者さんというレッテルが貼られてしまい、患者さんが聴覚障害であることを逆手にとって、ほとんどコミュニケーションを取らずに検温などもササっと済ませて退室していました。

 

最初は筆談だけのそっけないコミュニケーションでした

ある日、私はその患者さんの受け持ちになり、それまでうわさ話を聞きすぎていたため「今日はあの噂の患者さんか…」と朝から患者さんとどう関わろうか考えていました。

正直、患者さんを選り好みする看護師を軽蔑していたため、自分はちゃんと患者さんを見て関わりたいと思っていました。

しかし、患者さんは噂どおりの印象で、結局は他の看護師と変わらず、“担当です、検温お願いします。変わりないですか?”と紙に書いて聞いただけの1日でした。

 

つたない手話でも気持ちが通じ合えた!

ある日勤の終わりに学生時代に勉強したつたない手話で“今日はありがとうございました。交代します”と挨拶すると、患者さんは目を大きく見開いたのです。

そして、“手話ができるの?どこで覚えたの?”と同じように手話で質問してきたのです。

その時の表情は、他の患者さんと世間話で盛り上がった時のように楽しそうな柔らかい笑顔でした。

 

患者さんへの歩み寄りの姿勢が心を開いてもらうきっかけになる

翌日の受け持ちも同じ患者さんだったため、自宅に帰ってから、昔の資料を引っ張り出して、使えそうな手話を思い出しながら体に叩き込みました。

朝、患者さんに“今日も私が担当です”と伝えると、嬉しそうに手話で、“わかる?わかる?”と私にもわかるようにいろんな話をしてくれました。

その後、今まで不安でいっぱいだったことを筆談を混ぜながら話してくれて、困っていることやわからないことをその都度患者さんの方から聞いてくれるようになりました。

 

簡単な手話1つで聴覚障害患者さんの不安を和らげることがえきる

聴覚障害を抱える方にとっての手話という言葉が通じないことは、挨拶しても誰も返してくれないことと同じであり、いくら一生懸命伝えようとしても全くわかってもらえない状態と同じなのです。

そのため、表情も険しくなるほど入院に対する不安を増強させていたのです。

手話で挨拶ができるだけでも、その1回の挨拶から患者さんに合わせたケアをするために必要な信頼が生まれるのです。

 

自治体でも手話の講座が開催されている

私は、その後も手話を学ぶために自治体が実施している講座に参加しました。

聴覚障害を抱える方が手話の基本から指導してくれます。初級から上級までコースが分かれており、自分のレベルに合わせて参加することができます。参加者が少ない場合は、個人レッスンのように学びたい手話を教えてもらうこともできます。

 

講座によっては無料で受けられる

この講座はテキスト代などがかかるだけで無料で参加できるのです。

このような無料で受けられる講座は他にもいくつかあるため、自治体の情報をチェックして患者さんとの信頼関係を築くスキルとなるものを身につけるチャンスを見つけてみるといいでしょう。

 

2.小児科では工作が出来ることが強みになる

2.小児科工作が得意強みになる

小児科の看護師は、子供たちの医療的ケアをしながら、家族と離れている不安や寂しさを少しでも補うための心のケアが求められます。

それは、ママのようで、保育士のような仕事です。

外に出られない子供たちが季節を感じられるように、その時々の飾り付けをしたり、嫌な点滴を頑張れるように固定テープにイラストを描いたり、ママがいない間の遊びを考えることも大事な仕事なのです。

そこで活躍するのが工作や手先の器用さ、そしてアイデアです。

 

大好きなキャラクターがいれば子供は治療を頑張れる

まだ小さな子供たちでも、不思議と病院は怖くて痛いことをする場所ということを感じ取っています。

そんな子供たちの気を紛らわし、不安を少しでも緩和させるために、親しみのあるキャラクターや色鮮やかで目に映るような飾りつけをしています。そのため、小児科病棟や外来に行くと、病院の他の場所とは雰囲気の違いを感じると思います。

子供の頑張る力は大人では計り知れないほど大きく、大好きなキャラクターが応援しているというだけで、大人でも耐え難い治療や処置でも頑張って耐えることができてしまいます。そして、たくさん泣いたあとでもキャラクターを見つけるとすぐに笑顔を取り戻すことができます。

 

ポイント!

ポイント

点滴の固定やギプスを見ると痛みを思い出して泣いてしまう子には、好きなキャラクターを聞いて、固定のテープに描いてあげると、頑張ったらシールを貼ってもらえると言って頑張ることができるのです。

 

キャラクターの絵が書ければ簡単に子供の心を掴める!

子供が好きで子供の扱い方な上手い看護師もいれば、いつも泣かれてしまうという看護師もいます。

しかし、そのような看護師でも子供たちと同じ目線になって、子供たちが喜ぶようなキャラクターの絵を描けるとあっという間に子供たちの心を掴むことができます。

 

子供が好きなキャラクターを理解することは看護にも役立つ

そのキャラクターを知っていることも子供たちを惹きつけるポイントになります。

そのキャラクターのお話をしながら絵を描くことができたら、自然と子供の方から心を開いてくれます。しかし、目的はそれだけではありません。

その年代の子供が興味を示すものに、同じように興味を持つか、色や形を認識しているか、またそれを目にした時の親子の反応も小児科では必要な視点なのです。

 

装飾やおもちゃで子供の発達状態がわかる

年相応の認識ができなかったり、発語がみられない子供の場合は、発達遅延の疑いを持って慎重に関わります。

さらに、目に入るさまざまなものにちゃんと興味を示して、喜怒哀楽の表現ができているか、飾られている絵やおもちゃをきっかけに親子がコミュニケーションやスキンシップを図れているのか、どのような関わり方をしているのかも把握する機会になります。

 

子供の安全を配慮しておもちゃを作る

紙と色鉛筆があれば絵を描いて貼ることはできます。

しかし、おもちゃは病院では次から次へと簡単に購入してもらうことはできません。そのため、その場にあるものを工夫して、安全なおもちゃをつくるアイデアが活かされます。

特に、乳幼児は口に入れたり、中には感染症のため他の子供と共有できない場合もあるため、簡単につくって破棄できるおもちゃを意識してつくります。

 

おもちゃは身の回りにあるもので簡単に作れる

たとえば、医療用品は破損しないように頑丈に梱包されているため小さな入れ物がたくさん出てきます。

その入れ物を利用して音の出るマラカスのようなものをつくったり、絵を描いて積み木もどきとして遊ぶことができます。

私の病院では、テープの芯を紐で縛りながらつなげただけの、いも虫のようなおもちゃや、ひたすら新聞紙を丸めてビニールテープで巻いたボールを大きめの箱に入れるだけのおもちゃが人気でした。

 

年齢別で作るおもちゃに工夫をすると良い

少し大きい子供たちには、使用期限の過ぎてしまった大きなシリンジや壊れてしまった血圧計などを自然と手に取りたくなるように絵を描いたり、色を塗って可愛くすることでプレパレーションの材料として利用していました。

このように、使わなくなったもの、捨てるものを材料にしておもちゃをつくるため、年期の入ったおもちゃよりも人気があり、子供のママも壊してしまっても大丈夫と言われて安心して手にとることができるのです。

 

自分の趣味や得意なことが小児看護に役立てた!

アニメが好きでよく絵を描いていたり、いらないものを再利用するアイデアや手先の器用さは、仕事をする中ではなかなか活かすことができません。

しかし、小児科では子供たちに安心感を与えて、心を開くきっかけにできたり、興味を引くおもちゃで子供たちの心と体の成長もアセスメントすることができるのです。

そんなスキルがあれば、子供への苦手意識もなくなって、楽しく子供たちと向き合えると思います。

 

まとめ

看護師 スキル まとめ
看護師として医療や看護に関係するスキルアップを目指す方はたくさんおり、実際にそのスキルは患者さんのための看護に活かされます。

しかし、学生時代に習っていたこと、昔から好きなことや得意だったことを活かせる場面もたくさんあり、普段は目立たないスキルでも、それが患者さんとの信頼関係を築くきっかけになることもあるのです。

自分の中に埋もれている素敵なスキルを探してみてはいかがでしょうか。また、小児科への転職について興味を持たれた方は「小児科での看護師の仕事内容と平均年収について」をご参照ください。

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