現役看護師に聞いた役立つスキルアップ資格を教えて

現役看護師に聞きました。「職場で役に立つスキルアップ・キャリアアップ資格と役立つ理由を教えてください」というアンケート調査を行いました。

※今回のご質問には日本看護協会が行っている「認定看護師」「専門看護師」等は省いて質問しております。

結果は以下の通りです。

保健師 22.2%
第一種運転免許 16.6%
介護支援専門員(ケアマネジャー) 11.1%
ACLSプロバイダーコース 11.1%
BLSプロバイダー 5.5%
第一種衛生管理者 5.5%
福祉住環境コーディネーター 5.5%
栄養士 5.5%
その他の資格 16.6%

保健師の資格は予想通りの1位でしたが、意外に2位に一般的な資格が入るとは思いませんでしたが、理由を見るとその通りですね。

ご回答いただいた意見を抜粋して以下にご紹介しています。

理由を確認していきましょう。

1.「保健師」の資格

保健師

看護師の方であれば説明不要の資格になると思います。

実際に看護師から保健師に転職する方も多くいらっしゃいます。

詳しくは「看護師から保健師になる注意点とメリット・デメリットについて」も確認してください。

看護師としてどのようなスキルアップになったのか、その理由を確認していきましょう。

 

経験年数に関係なく取得でき、モチベーションのアップにもつながります

わたしは学生時代、看護師として働くことのみを想定していました。

そのため保健師の資格は、はじめは就職活動の際に印象が良い程度の理由で取得しました。

看護師として働く際、職場によっては保健師業務がなくても給与に資格手当がつくところがあります。また名札に「看護師」「保健師」と記載されるため、患者に対する印象も良いです。

また病院の病棟看護師として勤務していたとき、結核の患者がいました。患者と接触した看護師の追跡調査が必要だと県の保健師から連絡があった際、保健師の資格があることで県からの情報収集を得やすく、病棟での周知を自ら中心に行うことができました。

保健師求人の雇用形態は、県によっては非常勤が多いです。業務時間は日勤と狭まりますが、看護師と兼務で求人をかけているところもあるため幅は広がります。実際の勤務は特定健診の指導等、看護師業務と比較し体力的な負担も少ないです。

認定看護師や専門看護師に比べ、経験年数に関係なく取得でき、モチベーションのアップにもなります。

女性看護師匿名さん

 

多問題家族のケアなど在宅看護の分野で役に立ちました

保健師の資格は、看護師として働く上でも、転職を考えた時にも、保健師の知識が活かされ、選択の幅が広がり大変役に立ちました。

大学時代に全員必修だったので効率的に取得できて良かったと思っています。

高齢化が進み、在院日数もどんどんと短くなっており、病棟で働くには介護保険や在宅医療の知識は必須だと感じます。転職した在宅分野では多問題家族のケアで母子保健から高齢者の経済的支援まで幅広い知識が求められ、保健師としての知識が役に立ちました。

また、法律関係や社会保障制度の知識は、自分自身のライフステージの変化に直面した際にも応用できました。

aiko 女性看護師aikoさん

 

地域で暮らす人々のことが具体的にイメージできるようになった

保健師として働いたことはないのですが、看護師として働く上で取得してよかったと思いました。

その理由としては、地域で暮らす人々のことが具体的にイメージできるようになったからです。資格を取得する過程で地域の保健所等へ実習に出ました。

そこでは、小児・母子から高齢者といった全世代に渡る人々の健康について考えるという経験をさせてもらいました。

病院で働く間は、患者の退院後の実際を見るという機会はありません。今の時代、地域包括ケアの重要性が言われ病院完結型から地域完結型へとシフトしている中で実際に地域を見れたというのは貴重な経験となりました。

病院のトップの方々も「私たちの世代はそういった実習経験がないから、退院後のことといってもイメージがつかない。それらを学んでいる若い世代の考えが貴重だ」と言ってくれていました。

すごく役立つ資格だと思います。

nnn看護師nnnさん

 

自分の視野が広がり働く場所も変わった

看護師の資格だけでもよかったのですが、保健師の資格を取得して自分自身の仕事に対する視野が広がりました。

医療という分野だけでなく、介護や福祉といった分野も勉強してとても役に立ちました。そのおかげで働く場所も変わりました。

病棟といった入院患者さんだけを対象にする場所でなく、介護や福祉の分野でも働くことができました。交友関係も看護師の世界から広がりました。ケースワーカーさんや介護ヘルパーさん、ケアマネジャーさんといった他職種の方とも関わることができ、様々な立場からの意見を聞くことができてとても勉強になりました。

みーた 女性看護師みーたさん

 

2.第一種運転免許

第一種運転免許

都心部以外で訪問看護師に転職を考える場合は、運転免許は必須の資格ではないでしょうか。

取得されていない看護師の方は今後のために取得を考えてみてはいかがでしょうか。

こちらも詳しくは「初めて訪問看護師へ転職する時に知ってほしい5つのこと」も合わせて確認してみてください。

 

転職を考えたときに訪問看護が選択肢に入るため

転職を考えたときに、訪問看護が候補のひとつに上がりました。普通自動車第1種免許を取得していたことで、訪問看護を選択することができたので、取得していて良かったなと思いました。

また、転職先をさがすときに自宅からの距離や公共交通機関が利用できるかどうかを考えなくて良かったので、転職先の選択肢が広がったように思います。

女性看護師匿名さん

 

訪問看護では自動車運転免許が必須だと思います

訪問看護では移動に自動車運転が必須です。免許がない人は電動アシスト自転車で移動していましたが、「坂道や長距離移動はすごく体力を消耗して疲れてしまう」と言っていました。

また雨や猛暑日、降雪など、悪天候のときは自転車移動はかなり厳しいです。

訪問看護は悪天候でも、休みなく訪問しなければならないので、確実な訪問手段として自動車を選択する事業所が多いです。

訪問看護師の募集要項に普通自動車運転免許が必須と記載されている事業所もあるので、運転免許を取得しておくと選択肢が拡がると思います。

あおいロワイヤル 女性看護師あおいロワイヤルさん

 

訪問看護ステーションの多くは自動車免許がなければ仕事はできません

看護師年数を重ね自分自身も歳をとり、現在は病院ではなく訪問看護師として働いています。

都内は自転車で移動することが多いようですが、私が勤務する営業所の場合、営業所から利用者様の家まで15分以上かかることが多いため、自動車での移動となります。

訪問看護ステーションの多くは自動車免許がなければ仕事はできません。私は若い頃から、いつか訪問看護をやってみたいと思っていました。そのために自動車免許を取得したわけではありませんが、こうして訪問看護をやる機会にあえた時に自動車免許があって本当によかったと思っています。

女性看護師匿名さん

 

3.介護支援専門員(ケアマネジャー)

介護支援専門員

介護支援専門員(ケアマネジャー)は、給与や年収が下がっても、ケアマネジャーとして働く看護師がいるほど、介護に興味のある人にとってはケアマネジャーはやりがいのある仕事だそうです。

興味がある看護師の方は、以下でご回答いただいている「くるみん」さんが執筆いただいている「ケアマネジャーへの転職を考える看護師のメリット・デメリット」も確認してみてください。

 

介護職員へのアドバイスや地域サービスについて学べるため

私は、施設の看護師をしているのですが、介護支援専門員として働いてはいませが、この資格を持っていることで、施設入所者のケアプランを作成するときに介護職員にアドバイスをしたり、ケアマネジャーと一緒に意見を出し合いながら作成することもありますので、看護としてプランを盛り込むときにも情報提供しやすいです。

また、介護支援専門員は地域サービスについても学習します。

試験に合格すると、在宅で生活している人に対してケアプランを作成する実施研修もあるのですが、地域にはこんなにもたくさんのサービスがあって、様々な事業所があるんだなということが分かります。

その一つ一つがどのような働きをしているのかを理解することができるので、あまり地域サービスについて知らない看護師にも説明することができるようになります。

一人の利用者を地域みんなで支えていくことが在宅サービスの方でも重要であるため、ぜひ施設など福祉系に興味のある看護師は介護支援専門員の資格を取るのをお勧めします。

くるみん女性看護師くるみんさん

 

老人看護の基本的な知識、高齢者の特徴や介護の現状などを知れたため

総合病院で内科病棟、内科外来の経験が長く老人看護が得意分野でしたので、介護支援専門員の資格を取得しました。

内科外来で勤務しながら、自宅で勉強して資格取得しましたが、老人看護の基本的な知識、高齢者の特徴や介護の現状など勉強したことで、知識が増えて視野が広がりました。

女性看護師匿名さん

 

4.ACLSプロバイダーコース

ACLSプロバイダーコース

二次救命処置であるACLSプロバイダーの資格は、近年救命・集中治療の分野で取得を目指す看護師が多くなっている資格です。

資格に興味がある方は「ACLSプロバイダーコースは看護師が取得は難しい?方法とメリット」を確認してみてください。

 

患者が急変の時に必要な知識が全部分かった

ICUで勤務しており、最初の方は院内の急変対応クラスに出ただけで、あとは現場でその都度先輩から対応を学ぶというやり方だったのですが、AHAのBLSとACLSを受けたあとは急変の時に必要な知識が全部ここにまとまっている、と目から鱗が落ちました。

取得するのに5万円以上かかり、2年毎の更新にもそれなりの金額がかかってしまうため、受講をためらっていましたが、受講後はもっと早く受けていればよかったと思いました。

この資格は医師や救命救急士らと同じ内容を受講するため、その人たちが何を考えて治療にあたっているかを知ることができ、治療法の理解という面でも役に立つと思います。

急変の時は焦って何をしたら良いのかわからずそわそわしていたのですが、反復練習できるので最も現場に即した資格ではないかと考えています。

女性看護師匿名さん

 

実践でも役立つし指導にも役立つ

病院からの研修で、ACLSとACLSのインストラクターコースを受講しました。

救急外来などで働く看護師として、ACLSを受講する看護師は多いのですが、より深く学ぶことが出来るインストラクターのコースも受講したおかげで、新人看護師や、救急外来に新しく配属された看護師にも、ACLSについての指導を行うことが出来ました。

実践でももちろん役には立ちますが、指導する立場になったときに、「楽しく学んでもらうためにどうすればよいか」「相手をどう正しく導いていくか」を普段から意識するようになり、色んな場面で役立ちました。

女性看護師 ぴーちぴーちさん

 

5.BLSプロバイダー

BLSプロバイダー

一次救命処置であるBLSプロバイダーは「患者急変にも対応できる救命処置の知識と技術を身に付けたい」と考える看護師におすすめの資格です。

 

知識確認と指導力が身についた

まだ、緊急時に立ち会うことはありませんが、院内講習や施設研修などの講習会でBLSインストラクターとして活動することが出来ました。

インストラクターとして活動することで、何度も知識確認もでき、指導力も身に着けることが出来ました。

またAHAでの受講会では、基礎からしっかり勉強するため、自分自身の自信にもつながります。様々な職種の方と一緒に講習を受けることもできたので、他の病院の現状を同業の看護師から聞けたり、他職種として消防署で働く消防士の活動内容も聞くことも出来ました。

とても充実した講習会となり、モチベーションも上がりました。

女性看護師匿名さん

 

6.第一種衛生管理者

第一種衛生管理者

常時50人以上の労働者を使用する事業場では、衛生管理者免許を有する者のうちから労働者数に応じ一定数以上の衛生管理者を選任し、安全衛生業務のうち、衛生に係わる技術的な事項を管理させることが必要です。 第一種衛生管理者免許を有する者は、すべての業種の事業場において衛生管理者となることができます。
引用:公益財団法人 安全衛生技術試験協会

となっております。産業保健師の分野で役に立つことも多い資格となります。

 

企業系看護師として働いたときに社内で働きやすかった

企業系の看護師求人にて実際に会社の健康管理に関わった際に感じたことですが、一緒に働く機会の多い人事部や総務部の方も衛生管理者の資格を持たれた方が多くいらっしゃったため、資格としてある方が社内でも働きやすいと思われます。

産業分野では、看護師のみでなく衛生管理者の資格もある方が携われる仕事の業務範囲も広くなるため、会社からの資格に対するニーズは大きいと思います。

また衛生委員会へ参加をする際にも資格を持っていれば看護師と衛生管理者の兼務として出席することが可能です。

健康管理に関わる仕事の場合、看護師免許の他に社員数に対して法律で決められている衛生管理者の資格を持っていた方がスムーズに仕事を行うことができるのではないでしょうか。

女性看護師 りんりんさん

 

7.福祉住環境コーディネーター

福祉住環境コーディネーター

看護師に福祉住環境コーディネーターの知識があると、疾患と関連付けて専門的なアドバイスができます。

また、職場にある福祉用具を見て、「なぜ、この福祉用具が選定されているのか」を確認することもでき、アセスメントを行うことで理解が深まります。

詳しくは「福祉住環境コーディネーター資格の勉強法!職場で活かせる看護師とは」を確認してみてください。

 

看護だけではなく、家族も含めて健康状態が維持できるように支援していく事ができた

看護師として、高齢者の看護は病院で見ている患者さんだけで判断するのではなく、自宅での健康状態や生活スタイルなどに目を向けるようになり、資格取得して役に立ったと思います。

そして、患者さんだけではなく、自宅で介護する家族のサポートも大切だと気づく事もありました。家族が介護に負担を感じた時には、介護サービスを利用できるように相談員を通して案内する事もできました。

病気に対しての看護だけではなく、家族も含めて健康状態が維持できるように支援していく事ができて、役に立ちました。

女性看護師匿名さん

 

8.栄養士

栄養士

管理栄養士は、厚生労働大臣の免許を受けた国家資格です。病気を患っている方や高齢で食事がとりづらくなっている方、健康な方一人ひとりに合わせて専門的な知識と技術を持って栄養指導や給食管理、栄養管理を行います。栄養士は都道府県知事の免許を受けた資格で、主に健康な方を対象にして栄養指導や給食の運営を行います。(引用元:日本栄養士協会

栄養士と管理栄養士の資格は異なりますので注意しましょう。管理栄養士は看護師と同じ国家資資格になります。

 

就職希望の病院での採用の決めてが栄養士だった

看護学校に入学する前に、短期大学で栄養士の勉強をしていました。資格をとるために病院実習にも行きました。

就職難のため、卒業後改めて看護学校に入りなおしました。

看護師になりたての頃はそれほど栄養士の資格は意識していませんでしたが、転職活動したときに採用された病院で後日教えてもらった採用の決め手が栄養士の資格を持っていたことでした。スタッフが少ないため色々なスキルを持っている人材を探していたとのことでした。

女性看護師匿名さん

 

9.その他の資格

その他の資格

看護師の方々にスキルアップの資格としてなかなか取得は難しいですが、「確かに役に立つであろう!」という少数意見の資格をご紹介いたします。

 

暗算検定準二級:点滴の計算など重宝した

小さい頃、そろばんをやっていました。そこまで、活かせると思っていなかった資格なのですが、看護師になってから、重宝したので、驚きました。

点滴の計算は、もちろんのこと、看護師は、暗算だらけの世界でした。私は、手術室看護師として、働いていたので、インプットとアウトプットのバランス計算が、必須でした。

アウトプットの計算は、出血量や尿量などで、洗浄した量を踏まえての数字を、出していました。出血量もガーゼについた量なので、ガーゼの種類によって、引き算の方法も違いました。ただでさえ、忙しい外回り看護師の仕事ですが、計算が早かったため、そこまで苦痛に、感じませんでした。

また、インプットとアウトプットバランスを、暗算でささっとできるため、患者様の早期発見にも、繋がりました。電子カルテに対応していない麻酔記録だったので、麻酔科の先生が、計算にミスがないか、こっそり暗算で、計算していました。(笑)

SORA 女性看護師SORAさん

 

書道:丁寧な仕事をするイメージがついた

小学生時代に習得した書道の資格は非常に看護師として勤務する中で役に立ちました。

私が配属される病棟は、たびたび病棟内でクリスマス会や正月などイベント毎に患者さんを集めて会をすることがあり、その時に模造紙に字を書いたりする機会が多く、書道をやっていてよかったと思う場面が数多くありました。

患者さんからも字がうまいねと褒められ、コミュニケーションのきっかけにもなり、スタッフからも字がうまい、読みやすいということで好評だったし、字は人柄を表すということで、しっかりとして丁寧な仕事をするというイメージが字のおかげでつきました。

書道の資格がこんなところで役にたつとは思わなかったが、取得していてよかったと心の底から思う。

女性看護師匿名さん

 

実用英語技能検定2級:外国人患者に安心感を与えれる

医師の記録は英語で書かれている事が多いです。医療英語はまた違ってくるので特別に勉強が必要ですが、それ以外の単語が分かっていると読みやすくなりますし、調べる時間が短縮されます。

また、英語が母国語で日本語があまり話せない外国人の方が入院することも時々あるので、その時はコミュニケーションが取りやすく、相手にも安心感を与える事が出来るので良かったと思います。

手術内容などは医師が説明を行いますが、術後の観察や日常生活の注意点を説明する時に完璧な英語ではなくても、通じたので良かったです。

女性看護師匿名さん

 

まとめ

看護師として資格を保有しながら、さらにスキルアップの一環として資格を取得することは重要です。

資格には2つのパターンがあり、

  • (1)看護師のように資格を持っていないと働けないもの
  • (2)資格がなくても働けるが取得した方が良いもの

大きくこの2つに分類されます。

(1)は取得は必須となりますが、本来のスキルアップ資格は(2)の方だと感じます。

資格の肩書に左右されず、是非現在の職場で必要な資格、興味がある資格を取得してキャリアアップ・スキルアップしてみてはいかがでしょうか。

当サイトでは「看護師キャリアアップ」「看護師の資格取得」と様々な記事をまとめています。こちらも是非参考にしみて下さい。

masa

こんにちは、看護師転職ジョブを運営しているスタッフです。看護師転職サイトには複数社インタビューに行き、転職を考える看護師の方の調査や、エージェントの実態など幅広く記事を執筆しています。転職を考えている看護師の方、仕事に悩みを抱えている看護師の方に、看護師にまつわる情報を発信していきます。また、ニックネームがない看護師の記事もこちらに記載していきます。

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