著作者

山村真子

執筆:看護師

山村真子

( 看護師 )

病棟未経験の看護師が転職する時に読む記事。

公開:、更新:2018年04月23日
病棟未経験の看護師が転職する時に読む記事。

「ICU(集中治療室)や救急・手術室など、病棟の経験がない看護師が、病棟へ転職するのは大変そう」と思っていませんか。

実は大変どころか、むしろ病棟以外での勤務経験がある看護師数は、圧倒的に少ないため、看護師の転職における自分の売りにすることができます。

私は看護師として病棟勤務を行ってきましたが、病棟未経験の看護師と数多く仕事で触れ合ってきました。

そこで私の体験を元に、病棟は未経験という看護師が病棟へ転職する場合、病棟自体が未知であるが故にぜひ押さえておきたい点について解説していきます。

1.病棟未経験者が転職して苦労する事とは?

病棟未経験者が転職して苦労する事とは?

ICUや救急、手術室など、病院で働いたことはあるけれど病棟は未経験という看護師さんの場合、まずは以下の3つについて、予め覚悟をしておきましょう。

 

(1)受け持つ患者数が桁違い多いこと

ユニット系や透析などの特化した診療科の場合、看護師が勤務帯において受け持つ人数は1~2人と、非常に少数です。

また手術室の場合、1日あたり関わる患者さんの人数は1人、もしくは2人に止まります。

よって病棟以外の診療科および部署においては、受け持つ人数が少ない代わりに、患者さん一人ひとりに対してより細かい部分まで気を配り、観察することが求められます。

一方、病棟では受け持ち人数が複数人となり、患者さん一人あたりにかけられる時間は非常に少なくなってしまいます。

よって「いかに短い時間でより多くの情報を得ることができるのか」について考えることが大切となるため、その違いに苦労する方は少なくありません。

 

(2)自分の思い通りに動けないことが日常茶飯事であること

病棟はユニット系や手術室というような、1室のみが対象ではなく、病棟ワンフロア全てが看護対象となります。

そのため必然的に看護師がカバーしなくてはいけない範囲は広く、看護師は常に動き回っているような状態です。

1室で集中して看護を提供するのではなく、ワンフロア全てを対象とするために、単純に体力勝負となるだけでなく、用事があって動いている間にも「ちょっと看護師さん」と患者さんやその家族から声をかけられ、仕事をお願いされることは珍しくありません。

また、まとまった記録をしたいと思っていても、コールが鳴ったら急いで病室へ確認しなくてはいけないことも出てきます。

 

病棟ではペースを合わせる対象が複数人存在する

手術室の場合は、執刀する医師のペースに合わせて仕事をすることが求められますが、病棟ではペースを合わせるべき対象(患者)が複数人存在します。

またユニット系や透析室の場合、患者さんやその家族から声をかけられること自体はありますが、病棟ではその対象が多いため、自分の思い通りに動けないという頻度が格段にあがります。

ある程度、病棟で経験を重ねることで「どの場面ではすぐに駆け付けて、どの場面であればゆっくりでも大丈夫」という見極めができるようになってきます。

しかし、それまで病棟の経験がない場合、慣れるまではその見極めが難しく感じられます。

よって、たとえ同じ経験年数の看護師であっても、病棟での勤務経験のある看護師の動きと、病棟未経験である自分を見比べてしまい、落ち込むこともでてくることでしょう。

 

(3)病棟看護師はとにかく体力勝負であること

私の同僚でHCU(高度治療室)で働いた後、病棟へ転職された方がいました。

その方は「病棟だと、とにかく一日中病棟内を走り回ってるから、体力が大変」とよく話していました。確かに私は、以前糖尿病での運動指導の実験として万歩計をつけて仕事をしたら、仕事中だけで一万歩を軽く超えていたことがあります。

ユニット系では比較的短い動線で動くことが可能ですが、病棟ではワンフロアとなってしまうため、運動量は格段にあがります。

また、手術室の場合は、長時間立ちっぱなしという経験はありますが、ワンフロアを動き回るということはまずありません。

よって、病棟で働くにあたっては、ユニット系や手術室とはまた違った体力が必要になる、ということを覚えておきましょう。

 

2.病棟未経験者が転職する前に勉強しておくと良いこと

病棟未経験者が転職する前に勉強しておくと良いこと

ICU(集中治療室)などユニット系で働いている場合や、手術室や透析室など特定の領域でのみ勤務した経験がある場合、病棟看護師に比べてよりそれぞれの領域で得た専門的な知識は取得しています。

一方で、点滴刺入やバルーンカテーテル留置など、病棟では比較的看護師の行う頻度が高い処置等については経験回数が少なく、自信がないという看護師が多いのではないでしょうか。

そのため、病棟未経験の方が病棟へ転職するにあたっては、あえてもう一度看護技術を復習し、根拠から再確認されることをお勧めします。

また、新人時代とは違い、ある程度看護師としての経験は積んでいることから「中堅としてどういった勉強をすればよいか」と悩んでしまっている方もいるかと思います。

そこで、筆者がお勧めする勉強方法を3つ、ご紹介します。

 

(1)動画でわかる!看護技術

動画でわかる!看護技術

URL:https://www.kango-roo.com/mv/

この解説は完全無料でみられるだけでなく、スマホでも視聴可能なため、通勤中など空いた時間で簡単に確認することができます。

経験があるが故になかなか聞きづらい、基本中の基本から確認することができるので、お勧めです。

 

(2)写真でわかる臨床看護技術2 アドバンス (DVD BOOK)

写真でわかる臨床看護技術2 アドバンス (DVD BOOK)

URL:Amazon

書籍によって看護技術を確認したい方は、この本がお勧めです。

この書籍では写真が非常に多く採用されているため、イメージしやすく、事前学習として適しています。

また、DVDがついているため、動作を直接動画によって確認することもできます。

 

(3)看護雑誌「ナース専科」

看護雑誌「ナース専科」

URL:ナース専科バックナンバー

ナース専科は平成30年1月号より、中堅看護師向けに全面リニューアルしました。

よってこれまで「看護の勉強をするために看護雑誌を購読したいが、新人向けのような内容が多く、買うのを躊躇」しがちだった中堅看護師さんへ、特にお勧めの看護雑誌となりました。

こちらには看護技術以外に、新人看護師や看護学生への指導方法や、中堅看護師として知っておきたい最新の看護情報が多数掲載されています。

また、専用アプリによってスマホ等でいつでも読むことができるため、空いた時間により専門的な知識を学ぶことができます。

 

3.病棟未経験者にお勧めの診療科とその理由

病棟未経験者にお勧めの診療科とその理由

ユニット系や手術室などでの勤務経験をフルに活かせる病棟は、やはり外科系の病棟です。

自分が担当していた超急性期から急性期へ移ることで、患者さんがどのような回復過程を経ていくのかを実際に確認することができ、より患者さんへの理解を深めることができます。

また、外科病棟にて自分がすでに習得している知識や経験を、周囲の病棟しか経験がない看護師と共有することで、外科病棟全体のレベルアップにも貢献することが期待できるのです。

ユニット系や手術室などの経験がある看護師さんは少ない分、重宝されるというのは、こういった「1人の看護師としての活躍」はもちろんのこと、「病棟全体のレベルアップ」を期待するものでもあるのです。

 

病棟未経験者に一度は病棟を経験しておいてほしい理由

皆さんは、2025年問題という言葉をご存知でしょうか。

これは、「団塊の世代と呼ばれる方々が全員後期高齢者となることで、働く世代の負担が重くなってしまう」という問題です。

2025年問題によって増加が見込まれている医療費を少しでも減らすため、国はすでに様々な対策を取りはじめています。

その一貫として、今後病棟で働く看護師は減少し、代わりに訪問看護などによって、診療科にとらわれず、トータル的に患者さんを診ることができる、ジェネラリストな看護師が求められていくと考えられています。

そこで、これまでユニット系や手術室など、超急性期や特定の知識と経験を持った看護師が、病棟を経験することで、ジェネラリストとして働ける技術と知識を身につけていくことが、今後も看護師として活躍する上で重要となるのです。

すでに救急等で幅広い診療科の経験と知識がある方が病棟も経験するということは、今後看護師が余るかもしれないといわれている中でも、貴重な存在と成り得ます。

だからこそ、病棟も経験することでより自分の看護師としての価値を高めることができるのです。

 

4.まとめ

未経験の分野へ転職するということは、大きな不安がつきまといます。

しかし、皆さんのような経歴を持つ看護師は少数であるが故、あなたにとって大きなメリットと成り得ます。

ぜひご自身の経験に自信をもって、転職に望んでいただけたらと思います。


(編集・構成・管理者:亀岡さくみ

看護師だった祖母の影響で、気が付いたら看護師を志していました。

看護短大にて看護師資格を取得後、大学病院に1年、2か所の総合病院に7年勤務し、看護師として経験を積んだ他、派遣看護師としてツアーナース、介護施設、訪問入浴、イベントナースなど、様々な仕事を経験しています。

専門は糖尿病で、糖尿病療養指導士の資格も所持しています。

看護師の仕事は大好きですが、今は家庭の事情にて、現場での仕事ではなく、看護師ライターとして活動しています。

勤務した診療科や転職時の経験、派遣看護師として行った仕事など、自分の経験を元に、現場で働く看護師さんへより具体的で、役に立つ情報をお届けします!

Twitter:@mako_yamamura

看護師としての経歴

保有資格 ・正看護師・糖尿病療養指導士
出身/年齢 ・東京都 /33歳
職務経験 ・総合病院・特別養護老人ホーム・有料老人ホーム
診療科経験 ・脳神経科・循環器科・内分泌科・一般内科・血液内科・腎臓内科
・老年精神科(療養型) ・デイサービス・ツアーナース・イベントナース
・訪問入浴 ・外来(整形外科)・健康診断

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