著作者

沢田紫織

看護師

沢田紫織

( 看護師 )

看護師がうつ病になる原因と自己診断チェック

沢田紫織
看護師沢田紫織

不規則な勤務時間で多忙を極め、体力的にも精神的にもタフでなければ勤まらない看護師の仕事は、うつ病を発症してしまう人が多いと言われています。

慢性的な疲労が蓄積されてしまうと誰でも精神バランスが崩れやすくなり、仕事に対する不安やストレス、プレッシャーなどの要素が加わって精神疾患にかかってしまうことは珍しいことではありません。

厚生労働省の「看護師のメンタルヘルス調査」によれば、うつ病や不安神経症など精神的な疾患を患っている医療従事者が増えており、医療業は精神障害になりやすい職業としてベスト5に入ります。

うつ病は自覚症状がある看護師もいれば、気づかないままハードな勤務を続けている看護師もたくさんいます。

このページでは、看護師がうつ病になる実態や原因、自己診断のチェックシートや予防の対策について、精神科に長く勤務していた私(看護師)が説明していきます。

1.看護師うつ病の実態とは

看護師うつ病の実態とは

現在、うつ病治療のために、薬を内服しながら就労している看護師は多く、

  • 休職をする(その後別の病棟で復帰する)
  • 退職する(別の病院で復帰する)
  • 夜勤仮眠時に、短時間作用型の睡眠薬を使用する
  • 日勤帯で安定剤を服用している

などが看護師うつ病の実情です。

安定剤当の内服を行うと、やや頭がぼんやりとするため、仕事の能率が低る場合があり、動作が遅いと指導される事が多々あります。

そのため、休職から退職を行ってしまう看護師もいます。

 

うつ病の予防について

うつ病を予防するためには、できるだけ時間がある時に、

  • 体や脳を休めて疲労回復に務めること
  • ストレス解消法を積極的に行うこと

などの方法があります。

うつ病を患いながら、同じ不規則な生活を続けることは大変です。うつ病の恐れを感じる看護師は予防、対策などに勤めておきましょう。

 

2.看護師がうつ病になる原因とは

看護師がうつ病になる原因とは

うつ病になる原因は様々ですが、看護師として働いており、うつ病になるケースは代表的なもので大きく分けて3つあります。

 

(1)看護師は夜勤を行うことで「うつ病」になりやすい

夜勤は睡眠リズムが一定では無くなるため、自律神経への影響が出ます。

自律神経がおかしくなることにより、身体症状が出始め、うつ病に移行するケースがあります。また、夜勤で十分な休息が取れない事は、うつ病発症の最大の原因になります。

 

ポイント!

ポイント

看護師の働き方は、夜勤があり、かつ緊張感のある職場なため、心身をすり減らす看護師が非常に多いのが現状です。

 

(2)激しい職場環境や悪い人間関係も「うつ病」原因

環境原因は職場の師長が傲慢だったり、主任が厳しかったり、他の看護師にきつく当たられた場合、自分が疲弊してしまいます。そのため看護師自身が職場環境において緊張することで、うつ病発症の原因になります。

 

ポイント!

ポイント

看護師の現場は、女性の職場です。職場によっては「いがみ合い」「妬み僻み」などがあり、常にピリピリとした環境の中で、仕事をしなければなりません。そのため、うつ病の発症率は高くなると言われています。

 

(3)真面目な性格もうつ病を発症する原因となる

うつ病を発症する看護師の特徴として以下のような性格原因がうつ病の原因となります。

  • 真面目である
  • 責任感が人一倍強い
  • 手を抜いて仕事できない
  • 几帳面である

「〜しなければいけない」という思考傾向の方や、物事をはっきりさせたい白黒思考で、グレーゾーンが無い方などが陥りやすいと言われています。

 

3.うつ病症候群の自己診断チェック

うつ病症候群の自己診断チェック

うつ病は、ひどくなれば自分自身で自覚することができますが、症状が浅いうちは自覚できずに同じ環境で仕事を続けてしまうことが少なくありません。

「なんとなく最近楽しいことが何もない」と感じる看護師は、もしかしたらうつ病を発症している可能性があります。

うつ病は、自分自身で自覚することは簡単ではありません。そのため、12つのうつ病チェック項目を用意しました。

まずは、うつ病症候群チェックをしてみてください。

(まるばつで答えて、いくつ当てはまるか確認してください。)

うつ病診断 チェック項目
問1 現在体がだるく、疲れやすい
問2 最近騒音が気になる
問3 最近気が沈んだり気分が重くなる事が多い
問4 音楽を聞いていて楽しいと思えないことが多い
問5 会議や討論会で集中することができない
問6 肩こりなどの症状がひどい
問7 頭痛や耳鳴りなどが多い
問8 食事が取れない、又は「まずい」と感じる
問9 喉の奥に何かがつっかえている感じがする
問10 人生がつまらなく感じてしまう
問11 仕事の能率があがらなく、億劫な気持ちになる
問12 仕事熱心で几帳面な性格である

以上12問の内、5つ以上当てはまる場合は、うつ病症候群の可能性があります。自覚症状がある方、(少しでも)体調が優れない方は、心療内科への受診をおすすめします。

 

4.看護師のうつ病への予防方法・対策について

看護師のうつ病への予防方法・対策

うつ病にならないための予防法を日常的に実践している看護師は以外と多いものです。

以下、3つの対策を実践してみてください。

(1)自分の趣味を持つこと ・毎日5分ほど趣味の時間をもつ
・趣味がない場合は好きなテレビや映画を見る
(2)嫌なことは引きずらないこと ・その日のうちに問題を解決する意識をもつ
(3)解決できないことは悩まないこと ・割り切る気持ちと心構えをもつ

詳しく説明していきます。

 

(1)自分の趣味の時間をもつこと

趣味がある看護師は、毎日5分間でも良いので趣味に没頭できる時間を作ってみてください。嫌なことを忘れて楽しい事に集中することは、ストレス解消効果が期待できます。

趣味がない場合は、好きなテレビ番組や映画を見るのも効果的です。

 

(2)嫌なことを引きずらないこと

嫌なことがあっても翌日まで引きずらずにスッキリ忘れるように心がけましょう。

その日の問題はその日のうちに片づけるつもりで毎日の生活を送ることも、うつ病予防効果が期待できます。

 

(3)解決できないことに悩まないこと

ストレスを感じたり悩んだりすることの中には、自分では解決することができない事があります。

自分でどうにもできない事は悩んでも仕方ありませんから、悩まないと割り切ることも、看護師の仕事を続けるうえでは大切な心構えと言えるでしょう。

 

ポイント!

ポイント

仕事のストレスはできるだけためないように、普段から体を動かして汗を流す習慣をつけること。エステやお風呂でホッとできる時間を作ったり、友人とカフェでお茶をしたりカラオケでストレスを発散するなど、それぞれ工夫することが大切です。

 

5.看護師がうつ病と診断された場合の対応について

看護師がうつ病と診断された場合の対応

看護師がうつ病になってしまったら、医師からは働き方を変えるようにと指示を受けることが多く、そのまま何も変えずに仕事を続けても、症状が良くなることはありません。

うつ病を解決するためには、うつ病の原因となる過労やストレスを取り除くことが必要です。

医師の診断を受けた上で以下のことを行うことをお勧めします。

 

(1)うつ病だと診断された場合

うつ病だと診断された場合には、

  • 勤務時間や労働時間を一時的な変更
  • 休職での療養

などに、つとめることが必要となります。

仕事を辞めてしまうのではなく、休職としてしばらく休みを取ることは、制度上、看護師にとってメリットがあり、以下で詳しく説明します。

 

(2)ひとりで悩まず上司に相談を行うこと

自分1人で抱え込んでいでもうつ病の治療にはなりません。まずは上司に相談し、勤務時間や勤務日程などの面で調整できないかどうかを相談することから始めることが必要です。

職場によっては、仕事を辞めずに日勤だけにしてもらえるなど、労働環境を見直してくれることがあります。

駄目だと思わずに、しっかりと相談しましょう。

 

(3)労働環境の改善ができない場合は転職や休職も視野に入れる

労働環境を見直せない状況にある場合には、転職や休職を含めて職場環境を変えることが必要なこともあります。

原因を取り除けば完治することはできるので、まずは自分自身の病気の治療に重点をおくことが大切です。

 

6.うつ病で休職中に手当を受け取れる制度について

うつ病で休職中に手当を受け取れる制度

看護師がうつ病の休職中、または退職した場合に行うことが出来る制度や手続きを説明していきます。

休業補償給付金・傷病手当 ・勤務先やハローワークで申請(厚生労働省)
・正社員(正職員)の必要がある
・休業給付金を受け取れる
休業手当 ・雇用保険加入事業所(病院)であること
・最長1年6カ月手当がもらえる
自立支援医療制度 ・公費負担医療
・重度の場合または、継続的に治療が必要な場合
・治療費等が1割負担となる
障害者手帳の取得 ・長期に渡るうつ病の場合
・うつ病は3級程度の認定になる
障害者年金 ・ 国民年金に加入していること
・決められた金額を支給される
退職手当 ・病院・施設によって異なる

などの手当を受け取ることができます。以下で詳しく説明していきます。

 

(1)休業補償給付金・傷病手当

休職中に支給される傷病手当や休業補償給付金などの手当で、正社員として働いている看護師なら勤務先やハローワークなどで申請して受け取ることができます。

休業給付金については厚生労働省の管轄なので、「休業給付金手続きの手引き」を確認してください。

 

(2)休業手当

病院の医師からうつ病の診断書を受け取り、職場に提出することで、休業手当が支給されます。

休業手当の支給は、最長1年6ヶ月休業手当を受け取ることができます。

 

補足説明!

ポイント

休業中(休職中)は月収全額はもらえませんが、7割程度の支給(計算方法:支給開始日以前の継続した12ヶ月間の各月の標準報酬月額÷30日×3/2)となります。傷病手当金については「全国健康保険協会」のページを参考にしてください。

 

(3)自立支援医療制度

公費負担医療のひとつで、重度または継続治療が必要な場合に申請が出来ます

うつ病による精神科の診察費、薬代が1割負担になります。

自立支援制度を利用するためには、主治医に指定の用紙に診断書を受け取り、区役所等に提出することで審査後、自立支援医療書を交付されます。

 

ポイント!

ポイント

1割負担の病院・薬局は1つしか登録することができません。自立支援医療制度に関して詳しくは「自立支援医療 |厚生労働省」を確認してください。

 

(4)障害者手帳の取得

精神疾患により、長期にわたり日常生活に支障がある場合に障害者に認定されます。

初診日から6ヶ月後から申請可能となり、体の状態にもよりますが、うつ病は3級程度の認定になります。

 

補足説明!

ポイント

障害手帳の取得により、NHK受信料免除、税金の控除、鉄道・バス・タクシーの運賃割引、携帯電話の割引、下水道料金の割引など、様々な割引を受けることが出来ます。障害者手帳取得に関しては各都道府県の福祉保健局を確認してください。

 

(5)障害者年金

障害者年金を受けとるための支給条件は、初診日に国民年金に加入している事になります。

また、障害があることなど細かい制約があり、支給される金額も様々です。

障害者年金の受給については、年金事務所で必要書類の記入や診断書の提出を行うことが必要となります。詳しくは「日本年金機構:障害年金」で確認してみてください。

 

(6)退職手当

退職手当は、病院・施設によって異なります。(退職手当が出ない場合もあります。)

休業期間は1年半までと就業規則で決められている病院が多く、この期間以上仕事に復職出来ない場合には、退職という選択肢を取ることを勧められるケースが一般的です。

 

まとめ

うつ病になったと明確にわからないからこそ、怖いといえる精神的な病気です。

ただご存知の通り、うつ病は完治ができないものではありません。

前述したように、少しでも「おかしいな」と感じたら自分の生活や気持ちを見つめなおしてみてください。

結果的にやむなく退職・休職を選ぶ事になったとしても看護師が休職から復帰できる職場はたくさんあります。

うつ病の復職については「うつ病の看護師が復職する際に知っておきたいポイント」を確認してください。

家事や育児と両立できずに休職した場合には、復職先の職場なら両立できることを最優先して仕事探しをしたほうが良いですし、うつ病など精神疾患からの復職なら、過労やストレスを感じにくい職場を探すことが大切です。


看護師求人サイト口コミ

1位  ‣看護のお仕事
 【全国対応】【求人12万件以上】
 →看護のお仕事口コミへ
2位   ‣ナースではたらこ
 【全国対応】【担当質高・求人数高】
 →ナースではたらこの口コミへ
3位   ‣マイナビ看護師
 【全国対応】【担当者質高】
 →マイナビ看護師の口コミへ
4位   ‣ナース人材バンク
 【全国対応】【求人数高】
 →ナース人材バンク口コミへ
5位   ‣ナースフル
 【全国対応】【コンサル高】
 →ナースフル口コミへ

現役看護師の口コミを元に、看護師求人サイトをランキングしています。口コミには個人差がありますので、登録しながら比較することが、転職成功への近道となります。

口コミランキング

この記事を書いた人

はじめまして。沢田紫織です。精神科病棟看護師、デイサービス、大学医務室、保育園などで経験を積んできました。どの職場でも人間関係や、仕事内容に悩む日々でした。しかし、どの職場も魅力的でした!それを伝えられるといいなぁと思います。みなさんのお役に立てたら幸いです。


カテゴリー:患者への看護知識

→ このブログへメッセージを書く


→ 看護師ブログ一覧へ → 看護師ライター一覧へ


(公開日:)(編集日::2017年07月28日)
当掲載の記事・写真等の無断複製・転載を禁じます。

1件の返信

  1. […] 看護師のうつ病の実態と復職注意点についてポイント8つ […]

応援メッセージまたは記事へのコメント

メールアドレスが公開されることはありません。