著作者

Anna

正看護師

Anna

( 保健師 )

青年海外協力隊の看護師に参加する方法について

Anna
正看護師 Anna
青年海外協力隊の看護師になる方法と仕事の実態

青年海外協力隊とは、日本政府の政府開発援助の一環としてJICA(独立行政法人 国際協力機構)が行なっているプログラムです。

20歳から39歳まで(40歳から69歳はシニア海外ボランティアという待遇の違うものがある)の日本国籍を持つ人が、約120種類の職種から自分の得意分野を選び、原則として2年間ボランティアとして約70カ国の発展途上国へ派遣されるシステムです。

海外で活動するため多少のリスクは伴いますが、国がバックについているため個人で行くよりは手厚い保障があります。

私も数年前にこのプログラムに参加しキャリアアップをすることができたため転職などに迷っている方は選択肢の1つに入れてみるのはいかがでしょうか。

ここでは、看護師が青年海外協力隊に参加することについてご説明します。

1.青年海外協力隊の試験対策(合格のコツなど)

青年海外協力隊の試験対策をする女性看護師

青年海外協力隊になるためには2つの試験があり、1次選考(書類)と2次選考(面接)があります。

その後に派遣前訓練という、語学や安全対策などの合宿形式の訓練を約2ヶ月間受けなくてはなりません。

 

1次選考(書類)の対策について

青年海外協力隊の1次選考では、技術語学健康について審査されます。

 

技術について

技術に関しては看護師であれば「今まで行った患者指導について具体的に述べよ」などこれまでの経験を書いて提出します。

日頃の看護業務をしっかり行い、時々振り返ることが一番の試験対策です。

また私の印象ですが、極端な偏った思想を持たずに、立場や文化の違う相手とどう関われるかをうまく表現できれば大丈夫でしょう。

 

語学について

次に語学についてですが、派遣前には英語が話せなくても、中学校卒業程度のTOEIC330点や英検3級程度があれば応募できます。

派遣される案件や国によってはもっと高度なレベルが求められることもありますが、前述の通り派遣前において約2ヶ月の派遣前訓練で語学を学びます。

またタイ語など、現地語を話す国に行けばみんなゼロからのスタートであるため、さほど語学について心配することはありません

 

健康について

健康に関してはかなり重要な項目です。1次選考は自己申告の問診票だけですが、2次選考で健康診断を提出しなくてはなりません。

派遣される発展途上国は医療制度が整っておらず生活環境も厳しいため、例えばコントロールのついていない、定期的に受診が必要な持病がある方は合格するのは厳しいかもしれません。

コントロールがついているものに関しては、医療制度が比較的整っている都市部に派遣など考慮してもらえることもあるため、正確に申告した方が良いでしょう。

 

注意点!

ポイント

合格したいがために虚偽の申告をすると、派遣後自分の健康を損なうだけでなく、JICAにも不利益が生じ、旅費等の返還などを求められることになります。

 

2次選考(面接)の対策について

青年海外協力隊の2次選考では、都内で面接を行います。2つ面接があり、人柄を見られる人物面接と技術面接があります。

人物面接では志望動機や家族の同意などを聞かれました。私の場合、積極性をアピールしながらも、看護師として得た協調性があることを強調しました。

何百人も面接するため、同期に聞いたところ圧迫面接だった人、穏やかな雰囲気の面接だった人、同じ職種でも違う質問をされるなど様々あるようです。

また、一次選考で提出した内容についても質問されるため、提出書類はコピーをしておくことをお勧めします。

技術面接に関しては「どのように活動したいか」「なぜこの職種を選んだのか」等が問われます。

また「経験年数が少ないのではないか」と鋭い質問もありましたが、「本で調べたり現地スタッフと工夫したりして頑張ります」と答え合格することができました。

 

2.青年海外協力隊の実際の活動内容

青年海外協力隊で手を重ねる看護師たち

青年海外協力隊は世界約70カ国に派遣され、その国の中でも所属先によって活動内容や活動時間は全く異なります。

私の場合は保健所に所属し、その地域で流行っている感染症に対しての予防啓蒙活動などを行いました。

派遣直後は決まった仕事がなかったため、自分で仕事を作っていかなければなりませんでした。

日本では病棟勤務をしていたため、仕事がないということに驚きストレスさえ感じましたが、何もないところから必要な仕事を見つけたり、同僚と新たなプログラムを作り上げたりすることは帰国後の強みとなりました。

 

現地での1日の流れ

8:30 出勤し、同僚と今日の予定を確認
9:00~10:00 現地の保健師と村を巡回
患者の家や保健センターを訪問し啓蒙活動がどのように行われているのか調査
必要に応じて情報提供の実施
13:00~14:00 昼食
一時帰宅するか、仲良くなった同僚の家で食べさせてもらう
14:00~17:00 オフィスでデータ収集や、次の巡回の際のプログラム作成、上司への報告、会議に出席
17:00 帰宅

 

3.青年海外協力隊のメリット・デメリット

青年海外協力隊の看護師

青年海外協力隊として、各国に看護師として派遣されることのメリット・デメリットには、どのようなことがあるのでしょうか。

それぞれについて、紹介していきます。

 

青年海外協力隊の看護師になるメリット

青年海外協力隊として、各国に看護師として派遣されることのメリットとして挙げられるのは、様々な国の人に接することができるという点です。

その他のメリットについても見ていきましょう。

 

国・人の良さがわかる

青年海外協力隊に参加することで国や、人の良さを見つけることができます。

国や人の好さを見つけることは、お金に変えられない自分の財産となるため、青年海外協力隊として派遣される1番のメリットであると言えます。

 

日本では得られない経験を得ることができる

海外で看護師として働きながら、日本では得られない経験を得ることができるという点も、青年海外協力隊として派遣されるメリットでしょう。

日本では経験することのできない経験が、派遣されたことで得られるため、日本に帰ってその経験を活かした職に新しく就くことや、今の職に活かすことができます。

 

青年海外協力隊の看護師になるデメリット

青年海外協力隊の看護師として派遣されるデメリットとなるのは、派遣先によってはかなり過酷な派遣期間になるということです。

その他のデメリットについて、紹介していきます。

 

割には合わない労働環境

派遣手当として月々決まった額が振り込まれるようにはなっていますが、その金額と比較してみると、派遣業務の方がはるかに大変で手当と比例していないということも多いにあり得ます。

青年海外協力隊は、ボランティアと一緒であるため、派遣先が大変だからといって手当が上がるわけではありません。

 

帰国後に仕事を斡旋してもらえるわけではない

派遣後、日本に戻ってきても就職や仕事先を斡旋してくれず、派遣後に仕事を探さなくてはいけないという点もデメリットとして挙げられます。

 

自分の体調管理が大変

場合によっては、「食が合わずに自身が体調を崩す」「慣れない海外生活で免疫力が下がり感染症にかかる」等、自分の体調管理が大変ということがあります。

命の危険にさらされるような国や地域に派遣されるということは考えられませんが、日本とは勝手の違う国であるため、何が起こるか分からないというリスクもデメリットとして挙げられます。

 

4.青年海外協力隊赴任中の給与事情

青年海外協力隊で看護師が受け取る米ドル

青年海外協力隊はボランティア活動であるため、給与という名前のお金は発生しません。

しかし、様々な手当があり、ほとんど自分のお金を出費することなく参加できます。

 

現地での十分な生活費を受け取ることができる

国の物価によって異なりますが、現地生活費が毎月300~700米ドルほど支給され、発展途上国であるため不自由なく生活することができます。

私の場合、物価が特に低い地域に住んでいたため、生活費は現地の小・中学校教員の初任給の3~4倍はもらっていました。

上限はありますが住居手当で全額を賄うことができ、もちろん派遣と帰国時の旅費もカバーされます。

現地でのお金とは別に、国内積立金というものが約5万円×派遣期間分、帰国時に受け取ることができるため、帰国直後の生活のセットアップに必要な資金を心配することもありませんでした。

 

ポイント!

ポイント

日本の病院で夜勤をしている場合と比較すると、収入自体は大きく減るため豪遊することはできませんが、ここでの経験は日本では得られません。

最低限の生活をするには十分な生活費がもらえることを考えると悪くないのではないでしょうか。

 

5.青年海外協力隊に向いている・向いていない看護師

青年海外協力隊の看護師と医師

ここでは、青年海外協力隊の活動に向いている看護師と向いていない看護師についてご説明します。

 

青年海外協力隊に向いている看護師とは

青年海外協力隊での活動に向いている看護師として、柔軟な考え方ができる看護師が挙げられます。

私がいた国での例として、病院で一度点滴のために針を刺すことを失敗したとしても、経済的理由から再度その患者に刺すときは同じ針を使っていました。

このような状況で、感染防止の面から絶対にやってはいけない、と日本での常識を主張するだけではなく、

  • どうすれば1回で刺せるようになるのか
  • 止むを得ず刺し直す時に感染を予防するためにはどうしたら良いか

など、現場の状況に合わせて柔軟な考え方をする看護師が、青年海外協力隊の活動に向いているでしょう。

 

日本での当たり前を押し付けてはいけない

派遣される国の文化、価値観また教育制度や看護師の地位などは日本のそれとは全く違います。また、

「JICAが募集する海外ボランティアは、開発途上国の人々と共に生活し、働き、彼らと同じ言葉で話し、相互理解を図りながら、彼らの自助努力を促進するように活動する、草の根レベルのボランティアです。」
JICAボランティアホームページより抜粋)

とある通り、現地の人と一緒に生活しながら現地の人のために働くことが求められます。

その中で自分の経験や、日本では当たり前とされていることでさえ現地のやり方には合わないことも出てきます。

 

青年海外協力隊に向いていない看護師とは

青年海外協力隊の活動に向いていない看護師として、以下の特徴が挙げられます。

  • お金を稼ぐことが目的である看護師
  • 自分の考え通りに進まないとイライラしてそれを表に出してしまう、ストレスマネジメントができない看護師

相手の生活の質を上げることが派遣の目的にも関わらず、不満ばかりを相手にぶつけて最後まで分かち合えないのであれば要請を受けてくれた相手国にも、税金を使って派遣させてもらっている日本にも失礼にあたります。

 

補足説明!

ポイント

日本と違って娯楽が少ない国や飲酒や喫煙ができない国もあるため、自分なりの気分転換方法を持つことを強くお勧めします。

 

まとめ:青年海外協力隊に興味のある看護師へ

転職を考えている看護師の中で、青年海外協力隊が選択肢の一つに入っているのであれば、ぜひ受験してみてはいがかでしょうか。

2年間海外で過ごすことで自分を振り返り、自分の弱みも強みも明らかになってきます。

また病院で働いているだけでは得られない新たな人間関係を構築でき、人生経験を増やすことができます。

勤務をしながら試験対策を行うのは少し大変ですが、是非世界のために、自分のために大きな一歩を踏み出してはいかがでしょうか。

※文中の面接内容や待遇については年度によって変わることがあるため、詳しくはJICAボランティアホームページを参照してください。

記事の内容に関しては、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用をお願いいたします。


30代/正看護師、保健師、3学会合同呼吸療法認定士の資格保有者。総合病院の派遣看護師として一般内科へ入職後、青年海外協力隊の看護師として派遣。帰国後、大学病院、総合病院、救急センターに勤務。短期派遣で訪問入浴やデイサービスも経験。

看護師としての経歴

保有資格 ・正看護師 ・保健師 ・3学会合同呼吸療法認定士
年齢 ・30代
職務経験 ・総合病院・大学病院・国際医療ボランティア
診療科経験 ・デイサービス ・訪問入浴 ・保有資格

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カテゴリー:海外で働く看護師

(公開日:)(編集日::2018年05月18日)

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