著作者

すなふきん

執筆:専門看護師

すなふきん

( 看護師 保健師 )

看護師の労働条件とは?良い職場を見つけるための方法

公開:、更新:2018年08月23日
看護師の労働条件とは

看護師の求人は一年中募集しており、他の職種と比較して転職しやすい職業の一つと言えます。

しかし、転職する時は少しでも良い条件で転職したいと誰もが思うものです。

膨大な求人の中から少しでも労働条件の良い職場を見つけるためには、どんな方法で探すとよいのでしょうか。今回は、看護師の労働条件の説明から看護師が労働条件の良い職場を見つけるためのおすすめの方法まで、説明していきます。

「労働条件」のことを良く理解していただき、転職時に失敗しないように必ず確認を行いましょう。

1.看護師の労働条件とは

看護師の労働条件とは

一般的に労働条件とは、病院や施設の雇用主(使用者)と看護師(労働者)の間で結ばれる雇用に関する条件になり、看護師(労働者)に明示する必要があります。

しかし、労働条件には看護師(労働者)に明示しなければならない情報と、口頭の説明でよい労働条件が存在します。
(病院や施設によって口頭説明部分が明示されている場合もあります。)

 

(1)看護師(労働者)に明示しなければならない情報

働く看護師に明示しなければならない情報は、

  • 働く期間について(労働期間)
  • 働く場所(仕事を行う病院などの場所)
  • 業務内容(仕事内容)
  • 働く時間・労働時間
    (始業・終業時刻、早出・残業等の有無、休憩時間、休日・休暇)
  • 働く場合の賃金(計算方法や支払い方法を含む)
  • 退職に関すること(解雇の事由を含む)

上記の内容を明示する必要があります。

そのため、看護師の労働条件を考えたときに、上記の項目をチェックしなければなりません。

 

労働条件に関するポイント

明示が必要な労働条件は、働き始めて異なっていた場合は、即時に労働契約を解除することが可能になります。

また、変更を求める場合は、お互いの合意が原則必要になり、合意がないまま不利益な変更はできないことになります。

そのため、注意して確認しましょう。

 

(2)口頭説明で良い労働条件の内容

書面などで明示せずに口頭の説明で良い労働条件の例を以下に記載します。

看護師として働く場合は「面接の際に質問すること」を心がけておきましょう。

  • 退職金について(計算方法や支払い方法、対象者を含む)
  • 賞与(ボーナス)について
  • 労働者負担の仕事用品に関するもの(ナース服など)
  • 教育に関する内容
  • 休職に関する内容

(※その他:「安全衛生に関する事項」「災害補償、業務外の傷病扶助に関する事項」「表彰、制裁に関する事項」などがあります。)

以上の内容となり、募集要項に記載されている場合もありますが、記載されていない場合や「労働通知書・契約書」に項目がない場合は必ず確認しておきましょう。

 

(3)「労働条件通知書(雇用契約書)(募集要項)」は転職・入職前に必ず確認すること

「労働条件通知書(雇用契約書)(募集要項)」は転職・入職前に必ず確認すること

労働条件通知書とは、労働契約を結ぶ際に労働者に明示しなければならない事項を整理したものです。(場合によっては、労働契約書説明を受ける場合や、募集要項が労働条件通知書となる場合があります。

労働条件通知書は、正社員だけでなく、契約社員やパートタイマーといった短時間労働者に対しても交付する必要があります。

労働条件について不明な点を雇用者側に確認する事は、労働者として当然の権利であり、「こんな事を確認したら失礼にあたるのか」などと尻込みする必要はありません。

これから働く職場の契約期間や賃金、時間外業務などは私達の生活に大きく影響を与えるものなので、就業前に知っておく必要があるのです。

 

補足説明!

ポイント

勤務を開始した後に、「サイトで見た所と勤務地が違った」「賃金が聞いていた話と違う」といった事態があっては、使用者も労働者側も困ってしまいます。その転職先の見つけ方がどのような方法であっても、最後は必ず「自分の目」で労働条件通知書を確認しましょう。

 

(4)入社前に労働通知書(募集要項)を明示してくれない職場は避けること

入社前に労働通知書(募集要項)を明示してくれない職場は避けること

規模が小さい組織や、開業して間もない組織などで労働通知書を開示してくれない職場もあるかもしれません。

また、書面で貰う募集要項の記載が不明瞭、雇用契約書もない場合は注意が必要です。

こういった組織では、様々な規定があいまいになっていたり規定そのものがなかったりする可能性もあり、後々のトラブルの元となります。

求人票を見た時に疑問に思った事や面接を受けた際に確認しそびれた事、面接を受けた際に口頭で説明を受けた事を自分なりにメモしておくとよいでしょう。

 

曖昧な点は質問して書面で受け取ろう

自分なりに出勤してから退勤するまでの行動、月給はいくらになるか、退職を考えた場合どうすればよいか、といった事をシュミレーションしてみて、曖昧な点は質問し、書面での開示をお願いしましょう。

ここまでお願いしてもあいまいな返答しかない職場は、労働者の立場を軽んじているとも言え、働いていくうちにトラブルになる可能性があります。

個人的な意見ですが、上記のような職場への転職は避けた方がよいと言えます。

 

2.転職時に看護師が必ず確認すべき労働条件

転職時に看護師が必ず確認すべき労働条件

それでは、看護師にとって良い労働条件はどのようなものになるのでしょうか。

当たり前ですが、「良い労働条件」であるという定義は個人の主観や、他との比較によって生まれるものです。そのため、自分にとって「良い労働条件」は何であるか、項目別に考えておきましょう。

以下で、看護師転職をスムーズに行うためにも必ず確認した方が良い、労働条件を一覧にしておきます。

(1)働く期間について(労働期間) ・無期雇用(終身雇用、年齢で制限されている、例60歳など)
・有期雇用(働く期限が定められている)期限を決めて働くか、転職するまで働くかを考える。
また、労働契約を更新する場合の基準も確認。
(2)働く場所 ・働く場所の詳細を確認。
(3)業務内容(仕事内容) ・具体的な仕事内容を確認。
(4)働く時間・労働時間 ・始業および終業の時刻の確認。
・所定労働時間を超える労働の有無の確認。
・休憩時間の確認
・休日、休暇などの確認。
(5)働く場合の賃金 ・賃金を確認。
・計算および支払の方法などの確認。
・賞与などの確認。
・退職金の有無の確認。
(6)退職に関すること ・定年制度の有無の確認
・自己都合退職の場合の確認
(7)その他確認したい労働条件 ・教育に関する内容の確認

以下に補足を記載しています。

 

(1)働く期間について(労働期間)

派遣社員、パートタイマーなど有期雇用の場合は、何年何月何日までの契約となっているのかをしっかりと確認しましょう。

また、契約社員やパートタイマーなど有期雇用の場合は、契約を更新する基準(労働者の能力や会社の経営状況など)を明示するように定められています。契約を更新する段階になって、あいまいな基準で雇い止めとなるのは困りますので、契約更新の基準もよく読んでおきましょう

 

(2)働く場所

一つの組織がいくつもの事業所や施設を経営している場合、「自宅近くの事業所を希望していたのに、少し遠方の事業所の配属になってしまった」という事もありえますので注意しましょう。

 

(3)業務内容(仕事内容)

看護師の業務内容は多岐にわたり、詳細に明示していない場合が多いです。

そのため、具体的な仕事内容を面接時などに質問しながらメモを取れば良いでしょう。

 

(4)働く時間・労働時間

看護師が転職先を探すうえで、家庭の都合などで始業時間や終業時間が非常に重要な条件である人もいるでしょう。

看護師転職サイトやハローワークの求人票の記載と「労働時間は30分ほどのずれがあった」という事がないように十分注意しましょう。

家庭の都合で土日休みの職場を探したが、祝日は出勤しなければならなかった、月1回は土曜日に出勤をしなければならなかった、というような事もあります。日々の仕事とプライベートとのバランスにダイレクトに影響する部分でもありますので、よく確認してください。

【体験談】労働時間が違う

実際に労働時間はトラブルが多く、例えば労働時間は9時30分から開始であり、賃金の発生も9時30分からにもかかわらず「45分前に来なければいけならず、9時から仕事をするという暗黙のルールがあった」という看護師もいました。

 

(5)働く場合の賃金

求人票や看護師転職サイトなどで「年収350万円~550万円」や「時給1800円~2200円」などと幅を持たせた条件で記載されている場合、総支給額が記載されていたけれども

  • 基本給の金額
  • 各種手当の金額

などがいくらになっているのか不明瞭な場合があります

総支給額が高額でも基本給が低いと、賞与の計算に影響が出ます。どのように賃金が計算されているのか確認しましょう。

 

(6)退職に関する事項

定年制度の有無や、自己都合退職の場合は何日前に届け出る事、といった規定が記載されています。入職したものの「なんらかの事情で辞めたい」となった場合、重要な規定ですので、よく確認しておきましょう。

 

(7)その他確認したい労働条件

その他の確認したい労働条件として教育に関する内容を確認しておきましょう。

例えば、

  • 教育制度の有無や内容
  • 資格支援制度の有無や内容

などになります。

教育支援制度の場合は、プリセプター制度やクリニカルラダーなどの確認は行っておきましょう。

看護師のスペシャリストを目指す方は、資格支援制度が入職後どれぐらいで利用できるのかも確認しておきましょう。

 

3.看護師の労働条件が良い職場を見つけるための方法

看護師の労働条件が良い職場を見つけるための方法

看護師が労働条件の良い職場を見つけ、転職するための見つけ方については、以下の3つが挙げられます。

  • 知り合いの看護師からの紹介してらう方法
  • 日本医療労働組合連合(労働組合がある病院)から探す方法
  • 看護師転職サイトを利用する方法

などです。

以下で良い労働条件である理由を説明していきます。

 

(1)実際に働いている看護師に紹介してもらう方法

実際に働いている看護師に紹介してもらう方法

まずは、実際に働いている知人から紹介してもらう方法です。

この方法のメリットとしては、求人情報には掲載されていないような細かい情報を実際に働く人の生の声で得られる事です。

求人情報に「充実した研修制度」「アットホームな雰囲気」と記載されていたとして、それが新人看護師研修にばかり偏っていないのか、既卒者の研修制度はどうなっているのか確認できますし、職場の雰囲気は実際に働く人が一番感じ取っているものです。

 

デメリットもあるので注意しよう

反対に、知人から紹介してもらう方法のデメリットもあります。

それは、情報を教えてくれる知人自身がその職場でどういう立ち位置にいるのかによって、情報に影響があるという事です。

例えば、知人自身がその職場を気に入っていて積極的に勧めたいと思っている場合は、「こういう面は大変だけど、こういう良い面もあるよ」とポジティブな立場から教えてくれるかもしれません。その反面、知人自身がそこを退職したくて代わりの人を探している場合は、あまりネガティブな情報を出さないようにしてくる場合もあります。

「研修制度がしっかりしていて勉強になる」のか、「通常の業務に加えて研修で出される課題にも常に追われて大変」なのかは、その人の感じ方、表現の仕方一つで聞く側の印象は随分と変わってしまいます。

そのため、知人から職場の情報を得る場合はあくまでその知人の視点から見た情報である事を十分念頭に置きましょう。

 

実際に紹介してもらう場合の注意点

知人を通してあなたの情報を職場に伝えてもらう時も注意が必要です。

実際にその職場に興味が沸いて紹介をしてもらったとします。知人を通してあなたの情報もいくらか相手方に伝えられる可能性が高いです。

例えば、「子供が小さいため、非常勤として働き残業は難しい」といった条件や事情は事前にしっかり伝えてもらった方がよいでしょう。

そうしないと、いざ面接をしてもらったら相手方は残業もできる常勤を採用するつもりだった、忙しい部署に配属するつもりだったというミスマッチが起きかねません。

 

(2)日本医療労働組合連合(労働組合がある病院)から探す方法

日本医療労働組合連合(労働組合がある病院)から探す方法

日本医療労働組合連合」のサイトを見て探す方法があります。

これは、労働組合がある病院を探す行為となり、労働組合とは一般的に、労働者が雇い先と労働条件について交渉するために結成する団体の事を指しています。

看護師で言えば、交代勤務制度や各種手当、労働時間や時間外労働といった内容について処遇改善のために組織と交渉を行ってくれます。

そのため、労働組合がある病院は、ない病院と比べ「働く看護師の条件が良い」可能性が高いことが言えます。

 

補足説明!

ポイント

労働組合のある職場を探す場合の注意点として、労働組合は確かに労働者の立場を守ってくれるための組織ではありますが、組合員としての活動を求められる場合もあります。労働組合のある職場を探す場合は、できればその活動具合も確認できるとよいでしょう。

 

(3)看護師転職サイトから紹介してもらう方法

看護師転職サイトから紹介してもらう方法

現在、多くの看護師転職サイトがあるため、サイトに目を通したり実際に利用したりした事がある人もいるでしょう。

看護師転職サイトを利用する事のメリットは、自分では見つけられないような労働条件の良い人気の求人を紹介してもらえる可能性がある事や、効率よく転職活動ができる事にあります。

看護師転職サイトに登録をすると、担当者(エージェント)が希望にあった求人を探してきてくれ、面接に日程調整や質問の代行、条件面の調整を行ってくれます。

働きながら次の転職先を探している人には効率が良いでしょう。

 

看護師転職サイトを利用するデメリット

しかし、看護師転職サイトにデメリットもあります。

看護師転職サイトは増えてきているため、その質を見極める必要があるという事です。

なかには、希望と全然違う求人をしつこく勧めてきたり、こちらの条件を提示してから求人を探してくれるまで待たされたりする事もあります。いくつかのサイトに登録して各担当者と何度か話していきながら、「この看護師転職サイトなら信用できる、頼れる」というところを見つけると良いでしょう。

 

4.まとめ

【参考文献】
厚生労働省/確かめよう労働条件
京都府ホームページ/労働条件

労働条件が良い職場を、自分だけの力で見つけるのは大変です。

組織がしっかりしていて条件の良い転職先を見つける方法として、知人のつてを頼る、労働組合のある職場を探す、看護師転職サイトに登録するといった方法がオススメです。労働条件については、最終的に労働条件通知書をしっかり読み込んで確認をしましょう。


(編集・構成・管理者:亀岡さくみ

看護師歴10数年、総合病院の外科系病棟や外来処置室、化学療法室などでずっとがん患者さんの看護に携わってきました。大学院への進学や管理職も経験しましたが、現在は第3子の出産にむけて久しぶりに主婦業・母親業にひたっています。

看護師という仕事は大変な面もありますが、人との関わりの中で成長ができ、自分のライフスタイルに合わせてある程度働く場所を選択できる素敵な職業だと思います。ライターとしてはかけだしですが、これまでの看護経験や知識、ワークライフバランスに対する考えなどを皆さんと共有し、少しでもお役に立てられたらと思っています。よろしくお願いします。

看護師としての経歴

保有資格 ・正看護師・保健師・専門看護師
出身/年齢 ・神奈川県/38歳
職務経験 ・総合病院
診療科経験 ・消化器外科・整形外科・乳腺外科・訪問入浴

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