著作者

齋藤

執筆:看護師

齋藤

( 看護師)

脳神経外科の看護師が大変な事って?

公開:、更新:2018年05月18日

脳神経外科で働いていたと看護師仲間に言うと、まず言われるのが「大変そう」「私には務まらない」という言葉です。

看護師の世界では「脳神経外科=大変というイメージ」を持つ看護師が非常に多いようです。

脳神経外科=大変というイメージ

しかし、実際何がどう大変そうなのかを聞くと答えられない人が多く、脳神経外科の看護師は大変だと聞くけど実際はどうなのかという具体的なことまで知っている看護師は少ないように思います。

そこで、私が脳神経外科に勤務していた経験を元に「実際には大変なのか?」をご紹介します。今回は、「医療的な面」と「看護的な面」、さらに「患者とのかかわりの部分」に分けて大変さをご紹介していきます。

1.医療的な面で看護師が大変なこと

脳神経外科が医療的な面で大変だといわれる部分は以下のようになります。

 

(1)手術後の管理が細かくて大変

手術後の管理が細かくて大変

脳は生命の中枢でもあり、人が生きていく上でも重要な器官です。そのため、他の診療科よりも手術後の管理はかなり細かいことが特徴です。

特に、手術部位によっては手術後すぐに意識が鮮明であることもありますが、ほとんどの場合で術後の意識はなく、言葉を発することや自分の状態を看護師に伝えるということができないためモニターやバイタルサインの値などから患者の異常を判断しなければなりません。

そういったこともあって手術後の管理が非常に細かくなります。

 

補足説明!

ポイント

ほかの診療科から脳神経外科で初めて働き始める看護師は手術後の患者の管理の細かさに驚く看護師も多くいます。

 

(2)ドレーンが多く種類が豊富で覚えるのが大変

ドレーンが多く種類が豊富で覚えるのが大変

脳神経外科では手術した部位によってドレーンの種類も異なっていることや、手術部位によっては数本のドレーンをつけて病棟へ戻ってくることもあります。

他の診療科より扱うドレーンが多いことから、看護師はドレーンの管理や知識をつけておく必要があります。

 

循環や状態を維持するためのドレーン

他の診療科のようにただ排液を出すためのドレーンだけでなく、循環や状態を維持するためのドレーンもあります。

同じドレーンなのに役割も異なり、種類も違うためドレーンの種類や管理を覚えることが大変だと思う看護師も多くいるようです。

 

(3)患者の経過が早く情報収集が大変

患者の経過が早く情報収集が大変

脳神経外科の特に急性期では患者の経過が非常に早いことが特徴です。

例えば、

  • 昨日まで寝たきりだった患者が今日になったら車いすに乗っている
  • 昨日まで意識レベルが低かった人が今日は起きてご飯を食べている

など、他の診療科に比べて急性期の回復スピードはめまぐるしいものです。

そのため、夜勤明けや休みを挟んで出勤するとその人の情報収集をして経過を追うのがかなり大変です。

 

ポイント!

ポイント

急性期の経過が早いというのは脳神経ならではの特徴であり、脳神経外科でも大変だと思うポイントであるのかもしれません。

 

(4)点滴が多くて大変

点滴が多くて大変

脳神経外科は術前、術後だけでなく手術をしていない治療中であっても点滴が多いことが特徴です。

そのため点滴を管理することが大変であると感じる看護師が多いようです。

特に、脳細胞や神経にかかわるお薬であるため決められた時間に確実に投与しなければならないお薬が多くなります。それだけでなく薬の組み合わせも細かく、中には一緒に投与してはいけないお薬もあります。

そのため、1つのお薬の投与が遅れたりずれたりするとその後の治療過程に影響する、あるいは次の勤務帯の仕事に影響するということもたびたびあります。

 

補足説明!

ポイント

他の診療科でも点滴の量が多く管理は大変かもしれませんが、脳神経外科ではこのような理由から尚のこと点滴管理が大変であるといわれるのです。

 

2.看護の面で看護師が大変なこと

脳神経外科が看護の面で大変だといわれる部分は以下のようになります。

 

(1)力仕事が多い

力仕事が多い

脳神経外科では麻痺の患者や、寝たきりの患者が多いため、基本的にADL動作は全介助が必要な患者ばかりです。

そのため、脳神経外科の看護師は力仕事が多いことが特徴です。

また、脳神経外科が標榜している脳血管障害は生活習慣病の1つです。

生活習慣病は肥満などで起こるリスクが高まります。つまり、全介助の患者が多いうえに体重が重い、体格ががっちりしている患者が多く女性である看護師が介助するにはかなりの重労働となることが多くなります。

 

腰痛をかかえながら仕事をしている看護師が多い

力仕事が多いため、脳神経外科で働く看護師の多くが腰痛持ちとなり、コルセットなどをしながら仕事をこなしている人、あるいは腰を痛めたことにより仕事を続けることが困難になったという看護師を多く見てきました。

 

男性看護師もいるが、夜勤はどうしても女性看護師だけになる

多くの脳神経外科がある病院は、力仕事が多いことを見込んで、男性看護師や男性の看護助手を多く配置しています。

しかし、夜勤はどうしても女性だけになることもあり、力仕事を避けられないため、重労働、大変だといわれることが多くなります。

 

(2)日常生活におけるケアが多くマンパワー不足となりやすい

日常生活におけるケアが多くマンパワー不足となりやすい

前述したように患者のADLが全介助や、自分でできていたとしても一部介助が必要である患者が多いため、必然的に日常生活ケアが多くなります。

他の診療科であれば、患者自身にお任せできるようなこともすべて看護師が行わなければなりません。

また、ADLが自立していても脳を損傷していることにより、

  • 行動がなんだかおかしい
  • 本人がやろうとしていることとやっていることが違う
  • 言ったことがうまくできていない

ということもあるため、手を貸さなくても見守っている必要があるということも多々あります。

そのため必然的に看護師を数人日常生活援助のために配置しておかなければならず、これによってマンパワー不足となります。

 

結果的に看護師の業務が多くなる

看護業務が回らなくなってしまい、人がいれば普通にこなせる看護業務も大変に感じてしまうことが特徴です。

夜勤や休日勤務では特に人が少なくなるため看護業務が大変だと強く感じることが多くなるでしょう。

 

(3)病棟内でリハビリなど他職種の仕事をすることも多い

病棟内でリハビリなど他職種の仕事をすることも多い

脳神経外科は特に急性期ではリハビリをどれだけ頑張って行ったかが、患者のその後につながっていきます。

リハビリの時間には限りがあることもあり、病棟内でのリハビリのメニューが組まれ、看護師に託されることもあります。

「普段の看護業務」と「病棟内でのリハビリ業務」も行わなければならず、勉強になるという見方もできる一方で、それが看護師の業務負担となっていると考える人も少なくありません。

 

3.患者とのかかわりで看護師が大変なこと

脳神経外科の看護師が患者とのかかわりの部分で大変なところとは以下のようになります。

 

(1)普通に会話できる患者が少ない

普通に会話できる患者が少ない

他の診療科であれば認知症があっても普通に会話ができる人が多い一方で、脳神経外科では失語症など疾患によるものであることや、認知機能の低下や脳の損傷によってコミュニケーションが普通に成り立つ患者が少ない傾向にあります。

そのため、

  • 意思疎通がうまくいかない
  • こちらが思ってもいない行動をいきなり起こす

ということがあります。

特に失語症であっても思考能力は鮮明であり、思ったことをうまく話せないタイプの失語症の場合は患者が自分の思いを伝えられないことにイライラして八つ当たりされることや、患者の思いを理解できないことに看護師自身が不甲斐なく思う場面も出てくることがあります。

忙し時にゆっくりと話を聞くというのも時間がかかり、大変だと感じる部分も少なからずあります。

 

コミュニケーションには苦労する

脳の損傷によって指示した動作ができなかったり話の内容が支離滅裂だったりととにかく一般的な会話が成り立つ患者がとても少ないので、コミュニケーションにはとても苦労します。

さらに、意識障害などによって会話ができないという患者も多いため、言葉というツールを使わずに患者の状態や気持ち、思いを把握していかなければならないことが大変だと感じるかもしれません。

 

(2)自分で自分のことができる患者が少ない

自分で自分のことができる患者が少ない

四肢麻痺があったり、脳の損傷によって思っている動作をうまく遂行できなかったりする患者が多く、結果的に自分で自分のことをできる患者が少ないことが脳神経外科の患者の特徴です。

そのため、日常生活ケアからすべてを看護師が手伝わなければなりません。

1つ1つの動作全てを介助しなければならない上に、障害の程度によっては自分でできることを見出してやってもらい、見守りをするなど個別の対応も行う必要があることも脳神経外科の特徴です。

 

補足説明!

ポイント

自分で自分のことができる患者が多い診療科から脳神経外科で働くと「ここまで行わなければならないのか」と大変に思ったり、苦労したりするようです。

 

(3)感情を抑えることのできる人が少ない

感情を抑えることのできる人が少ない

脳神経外科では脳の損傷などの理由により、感情を抑えることのできる患者が少ないことが特徴です。同じ認知症であっても脳血管性の認知症である場合は家族も驚くほど人格が変貌する患者もいます。

そのため、何事も感情むき出しで、大人の対応をうまくできない患者が多いです。

病気だからと頭で理解できていてもやはり、怒鳴られるのは気分が悪く大変です。

このように、脳神経外科ではその病気の特徴からも患者とのコミュニケーションが大変だと思う人も少なくないようです。

 

補足説明!

ポイント

見た目は普通の人と変わりない分特に初めて接するときにはびっくりしてしまい、それがトラウマになってしまうという看護師も少なからずいます。

ただ、患者側はすぐに忘れてしまう人が多いためそのことをずっと引きずられるということはほとんどありません。

 

4.まとめ

脳神経外科で働くことはいったい何が大変であるのかお分かりいただけたでしょうか?

体力面だけでなく精神面でも大変なことが多い脳神経外科。

しかし、それでも

  • 働いている看護師がいる
  • 働きたいという希望者がいる

ということは脳神経外科には大変ながらも、それを超える魅力があるのではないでしょうか

大変と思う部分は人それぞれですし、もしかしたら今自分が働いている診療科よりも「やりがい」があり楽しいと思う看護師もいるかもしれません。

脳神経外科への転職を希望している方は、脳神経外科は大変だということを理解しつつ、それを超えるやりがいを見つけてもらえればと思います。


(編集・構成・管理者:亀岡さくみ

食べること、スポーツ観戦が好きな看護師です。社会勉強と称していろいろなところで働いた経験を綴っています。派遣看護師の経験もあり、派遣では回復期の病棟業務、ディサービス、検診センターで仕事の経験があります。

看護師としての経歴

保有資格 ・正看護師
出身/年齢 ・神奈川県/20代後半
職務経験 ・総合病院 ・クリニック ・介護老人保健施設 ・デイサービス
・健診センター ・イベントナース・夜勤専従看護師
診療科経験 ・脳外科 ・神経内科 ・内科 ・皮膚科 ・整形外科

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