特別養護老人ホーム1年目の新人看護師がスキルを上げる5つの方法

特別養護老人ホーム1年目の新人看護師

看護学校卒業後、病院に勤めて看護技術に磨きをかけるのが一般的ですが、今や1年目の新人看護師が特別養護老人ホームに勤めることも珍しくありません。

しかし、特別養護老人ホームには医師が常駐しておらず何かあった時すぐに医師の指示をもらうことができないため、経験不足である1年目の新人看護師にはかなり辛い職場なのではないでしょうか。

特別養護老人ホームは病院のように疾患の治療をしていく看護とは違い「いかに今の状態を維持するのか」に看護の焦点が当てられるため、スキルを上げることは難しく感じられがちですが、逆をいうと「やりがいがある」「五感を使った本来の看護師としてのスキルが身につく」というプラスになる面も多いです。

今日は看護師1年目が特別養護老人ホームをえらび、就職したときに必要はスキルは何か、を教えていきたいと思います。

 

1.特別養護老人ホームの看護技術を習得すること

看護技術 深める

まず1番やらなくてはならない看護技術を習得することですが、実際、特別養護老人ホームでは看護技術を行うことがとても少ないのが現状なのです。

特別養護老人ホームで行う看護技術は経管栄養、採血、注射、軽度の処置(擦り傷、切り傷、皮剥け、褥瘡の処置など)くらいです。

そのため、特別養護老人ホームでは病院のようにたくさんの看護技術を習得することは難しいのです。

新人看護師は看護技術を磨くため、積極的に看護技術の取得を目指すことから始めてください。

 

栄養剤の知識を習得してスキルアップを図る

特別養護老人ホームの強みは、病院に比べて圧倒的に栄養剤の種類が豊富なことなので、色々な栄養剤の特徴を覚えられたり、利用者に合わせた栄養剤の選択をすることができます。

栄養剤の知識習得の際は、看護師だけではなく医師や栄養士にも協力を仰ぎましょう。知識を深めると1年目の新人看護師でも意見を言えるので面白味はあります。

 

月に数回の採血でスキルアップを図る

特別養護老人ホームでは、採血をする機会が月に数回しかなく、採血の際は大人数を1度に実施する形となります。

高齢者の採血は本当に難しいため、1年目の新人看護師は最初上手く採決することができないでしょう。

しかし、そこで諦めてはいけません。何度も実施していくことで難しい高齢者の採血もできるようになります。

できたときの喜びは大きいですし、高齢者の採血ができれば成人の採血はとても簡単に思います。採血は技術向上のチャンスだと思って頑張りましょう。

 

実施者が処置をするときには絶対に見学する

特別養護老人ホームは病院と違い、処置を行うことがとても少ないです。そのため、何かのタイミングで処置などをするときは必ず見学しましょう。

その際、直接介助と間接介助の動きの違いや、実際実施者がどのような動きをしているのかを見ていきます。

 

ポイント!

ポイント

いざ自分が実施するときに先輩看護師と同じような動きができるよう、見学したことをメモなどにまとめておきましょう。

新人看護師はチャンスを逃さないよう、小さい処置でも必ず見学するように心がけ、家に帰ったら復習することも忘れてはいけません。

 

2.利用者の疾患と個別性について理解を深めること

利用者理解深める

 

特別養護老人ホームに入居されている利用者の多くは疾患を持っており、認知症をはじめ、脳梗塞、脳出血、狭心症、心不全、何度も骨折を繰り返している人がいます。

まずはカルテを見てどんな疾患が多いのか学習し、基礎的な症状などを把握してください。把握できれば、次は個別性の学習です。

 

褥瘡の知識は必須勉強項目!

特別養護老人ホームには寝たきりの高齢者多いため、褥瘡処置が頻繁にあります。

褥瘡の程度によって軟膏を使い分けられるような知識があると応用がきくため、しっかり勉強しておきましょう。

 

補足説明!

ポイント

介護職員やリハビリ職と連携してポジショニングや体位変換方法を検討していくことや、栄養士と相談をして高カロリーのものを提供するなど話し合っていくとよいでしょう。

 

疾患の知識を深めれば利用者の異常に気付ける

利用者の疾患について知識を深めることはとても大切なことです。

しかし、疾患が症状として出ない利用者、内服薬を使用しているのにも関わらず症状がおさまらない利用者、脳梗塞を起こしているのにバイタルサインが正常な利用者、狭心症や心筋梗塞を起していても症状がない利用者など人により様々です。

教科書に書いてある症状がないから様子を見よう、ではなく、頭の先からつま先まで「何か変化はないかな?」という気持ちで確認してください。絶対なにか異常が見つかるはずです。

すぐに見つけられなかったとしても異常を感じた時には、時間を見て観察を継続していきましょう。

 

3.フィジカルアセスメント力を身につけること

コミュニケーションフィジカルアセスメント

 

特別養護老人ホームでの医療従事者は看護師だけであるため、看護師が異常に気づいて対処できるかどうかで利用者の状態が変わってきます。

そもそもフィジカルアセスメントとは、問診・打診・視診・触診・聴診などを通し実際に利用者の身体に触れ、症状の把握や異常の早期発見を行うことです。

看護師がフィジカルアセスメントを有効に活用するためには、利用者の「普段の状態」を知ることがとても重要です。

 

利用者と積極的に会話することが大切

特別養護老人ホームの看護師は、「普通」と「異常」の違いをいかに発見するかがポイントになってきます。

利用者の普通の状態が分からなければ異常は絶対に分かりません。利用者の普通の状態を知るために、「利用者とお話しすること」を心がけましょう。

挨拶をする時に体調をうかがいながら全身をチェックし、そこで違いがあれば、経過観察・医師に報告・受診レベルなのか等判断していきます。その判断の的確さを身につけましょう。

新人看護師1人では判断は難しいので、必ず先輩看護師と相談をして判断をしましょう。

 

4.特別養護老人ホーム利用者の特徴を把握すること

高齢者特徴

高齢になると外見はもちろん、身長・体重の減少・臓器機能の低下・運動機能の低下・判断能力の低下・反応の鈍さなどが見られます。

今まで看護学校で学んできた老年看護を思い出し特徴を知ることで利用者の看護につなげましょう。

 

高齢者は副作用が出やすい

利用者は内服薬を多数服用している場合が多いです。内服薬も良し悪しですので、本当にこの薬が必要なのか医師と相談をしながら内服薬の調整をしていく必要があります。

高齢者は副作用がでやすいため、注意が必要な薬については理解しておきましょう。異常が起こった場合、すぐに医師に相談指示を仰ぐことが大切です。

 

高齢者は症状が出ないことがある

高齢者の場合、症状が出ないことがあります。骨折しているのに歩行してる、脳出血が起きているのに血圧は正常範囲、など日常茶飯事のため、小さな変化に気づけるようにしていくことが大切です。

高齢者の特徴をしっかりおさえて、早期発見・早期対応ができるようにしていきましょう。

 

5.利用者の慢性期~終末期へのケアについて学ぶこと

ケア勉強看護師

特別養護老人ホームに入居されている利用者のほとんどは慢性期~終末期に向かっています。看護師の仕事は慢性期(安定している状態)をいかに長く継続していただくか、ということです。

そのためには慢性期~終末期の利用者に合わせたケアを学ぶ必要があります。

 

人に教えることで知識を深める

利用者のケアをしているのは看護師だけではありません。利用者の日常生活を見ている介護職員にも慢性期から終末期のケアを指導しなければなりません。

しかし、知識が浅い新人看護師は指導することが難しいでしょう。人に指導するということは自分が理解しておかなくてはなりません。

新人看護師はいきなりそこまでできないので、その時には先輩看護師の指導を見学したり、一緒に実施したりしていくとよいでしょう。

はじめは指導することに難しさを覚えるかもしれませんが、人に教えていくうちに自然と知識が深まるものです。

 

終末期の相談の前は下調べが重要

終末期をどう過ごしたいかご家族と話すのは、新人看護師では難しいです。まずは先輩と一緒にその話し合いに同席し、どのような話し方をしているのかを知るところから始めましょう。話し合いの前には事前情報として取る必要があるので前もって調べておきましょう。

長年勤めれば終末期患者のことをある程度知っているため詳しく調べる必要はないですが、新人看護師は情報が少ないのでしっかり押さえておきましょう。

 

特養の若手看護師が仕事で行き詰る時とその対処法

特養の若手看護師が仕事で行き詰るとき

若手の看護師が業務で困ってしまいそうな内容と対処法をご紹介します。入職して間もない看護師は参考にしてみてください。

 

(1)看護師経験が少ないため判断に迷う(もしくは判断できない)

経験が少ない看護師の場合、患者の疾患に対する症例をあまり見ていないので判断することができません

利用者の9割は認知症を患っているため、症状を聞いても「大丈夫ですよ。」と返答されてしまいます。その言葉を信じてしまうとあとで取り返しのつかないことが起こる可能性があります。

患者は個別性があるのですべてにおいて教科書通りの症状が出ることはありませんし、高齢者は特に症状が出にくかったりします。1年目の新人看護師は経験不足による判断の遅れを何とかしなければなりません。

 

対処法1:老年看護学を復習する

対応方法として、まずは高齢者の特徴を知るために老年看護学を復習しましょう。そして、入居者の疾患についての理解を深めることも必要です。

利用者の言葉は100%信用せず、自分の五感を使って頭の先からつま先までしっかり観察をしてください。

異常があった場合すぐに判断できなければ様子を見る時間を決め、事前に受診に行く準備などがスムーズにいくようにしておきましょう。

 

対処法2:介護職員の言葉から情報を得る

利用者の異常を知るために介護職員の言葉も情報を取るために必要な事柄です。「いつもとなにか違う。」という声には耳を傾けるようにしてください。日ごろから利用者にかかわる時間が多いのは私たち看護師より介護職員です。

しっかり人の意見に耳を傾けることで、早期発見につながることは大いにあります。

 

対処法3:1人で判断せず上司に相談する

判断に迷った場合は必ず先輩看護師に相談をしましょう。自分が見た情報から何を考えるのかをしっかり伝えるようにしてください。

すべて先輩看護師に見てもらってしまうと自分の成長になりません。いつまでたっても判断ができない看護師になってしまいます。

 

ポイント!

ポイント

まずは、自分でアセスメントを行うこと、そしてそれを先輩看護師と一緒に考えるようにして判断スキルを上げていきましょう。

 

(2)仕事が時間内に終わらない

1日の行動計画を立てられずダラダラと仕事をしてしまう、全て中途半端に仕事に手をつけてしまうなどは毎日残業することになってしまいがちなのが若手の看護師の特徴です。

行動計画を立てたとしても、看護師という仕事は急にイレギュラーな仕事が入りがちです。

急変であったり、病院受診であったりがあるともうそこで対応しきれず仕事が終わらない=残業という形になってしまいます。

残業は心身共に疲弊するため気づいたらストレスや疲労が蓄積しすぎて仕事を休みがちになり、最悪の場合職場に行くことができず退職になってしまわないため、しっかり対策してください。

 

対処法1:1つの仕事が終わってから次の仕事に移る

対応方法としては、まず、行動計画で立てた内容についてはできるだけ一つのものを片付けてから次の業務をしましょう。もちろん、効率よく仕事をすることを忘れてはいけません。同時にできることは行い、ロスタイムをなくすことも大切です。

 

対処法2:イレギュラー時には先輩や同僚を頼る

行動計画通りに行かず、イレギュラーな仕事が入ってしまって手が回らなくなってしまった場合は先輩や同僚に声をかけましょう。

時間内にやらなくてはならない業務がどうしてもできない場合には代わりにできないかお願いしてみましょう。

口に出さないことで後々先輩に「どうして行ってくれなかったの。あの時言ってくれたら手伝ったのに。」と言われてしまいます

 

ポイント!

ポイント

新人だから、若手だからお願いなんてできないと思いがちですが、看護師はチームで動いているので勇気をもって声に出してみましょう。その一声で、業務時間内で終わるか終わらないかずいぶん変わります。

 

(3)覚えることが多すぎてミスをしてしまう

特養だから仕事なんてあまりないのかと思っている看護師も多いと思いますがそれは大間違いです。特養では細かい仕事が多いのです。病院など大きいところの方が専門となる人がいますので逆に楽なのです。

薬のことは薬剤師がいますし、伝票の処理もクラークがいたり、掃除だって清掃員がいますが、特養ではすべて看護師が行います

若手の看護師は普段から勉強することが多いのに仕事の細々したことも覚えていかなくてはならないので頭がパンクしてしまいそうになります。

 

対処法:項目ごとに分けてメモを取る

仕事を思うように覚えられない場合、メモを取るのはもちろん、項目ごとに分けるなど工夫をしてメモを取りましょう。利用者や疾患に関するメモ、医務室内の業務についてのメモ、検査の正常値や薬の事など仕事で役立つことを調べたメモの3つがあるといいです。

インデックスを付けて見やすくするのもお勧めです。メモを分けることで、後で見返そうとした際見つけやすくなります。覚えていけばもうそのメモは不要になると思いますが持ち歩かなくても何かの時のために取っておくようにしておきましょう。いざというとき役立ちます。

 

まとめ

看護師1年目で特別養護老人ホームに入職したということは、なにか自分なりに目的があったのだと思います。その目的をしっかりと定め、自分の看護観を見つけていきましょう。その目標に少しでも近づくように日々努力をしていくことが重要です。

目標がしっかり定まっていると、先輩看護師もあなたのことをよく見てくれると思います。特別養護老人ホームの看護師としてスキルをあげていき、自分の看護観を大切に日々業務にあたっていきましょう

監修者

亀岡さくみ看護師

この記事は「」さんが執筆しました。

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