看護師の管理職を辞めたい理由とその対処法。

看護師の管理職を辞めたい理由とその対処法。

管理職を辞めたい看護師の中には、「初めて管理職になった看護師」「管理職になって間もない看護師」が多いのではないでしょうか。

看護師として管理職になったものの、

  • 思ったより大変だった
  • 自分には向いていなかった

など、難しさや重圧を感じていませんか。

ここでは、看護師として管理職になってしまったけれど「管理職を降りたい」「管理職を辞めたい」と思った時の対処法を私が管理職の看護師として行ってきた経験を元にお伝えしていきます。

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1.家庭やプライベートに悪影響があり辞めたい

家庭やプライベートに悪影響があり辞めたい

看護師の管理職は、主に管理業務を行いますが、立場や職場によっては、それに加え通常の看護業務をしなければあるため、業務量が多く多忙です。

看護業務・管理業務には、業務量のコントロールが自由にできない部分も多くあります。

そのため、良好なライフワークバランスを保つことが難しく、家庭やプライベートに悪影響が出てしまうケースも多いです。

プライベート悪影響が出る原因としては、

  • (1)業務量の負担
  • (2)時間的な負担
  • (3)精神的な負担の重さ

により、心身ともに疲労がたまるため、家庭やプライベートを大切にする余裕もなくなります。

 

(1)業務量の負担への対処方法

業務量が多すぎ精神的に疲れを感じた、人間関係が辛い、残業が多いなど、当てはまる原因は1つではないかもしれません。

そのため、業務量の負担を感じている原因を特定する必要が対処方法の一歩です。

少しでも状況を改善し、効率よく業務を行うために、業務内容と、それにかかる労力や時間を見直してみましょう。

 

(2)時間的な負担への対処方法

時間的な負担への対処方法

最初から看護師としての管理職の仕事と、家庭・プライベートの両立をうまくできる人はいません。

仕事においては、今できること・やるべき事を行うことが大切です。

そのため、すべてを完璧に行おうとしないことが対処法としては有効です。優先順位をしっかりと見極めたうえで、一つずつ実践していきましょう。

【ワンポイントアドバイス】家庭においては家事の時短を心がけましょう。無理のない範囲で、家電や様々なサービスを利用するのもひとつの手です。例えば、食器洗浄機、衣類乾燥機、ロボット掃除機、宅配サービス、家事代行サービスなどを利用してみてはいかがですか。食事も、手作りにこだわらず、場合に応じて、冷凍食品やお惣菜などを活用しても良いでしょう。

 

家族やパートナーを頼ることも大切です

「パートナーや家族に良い顔を見せなくては」と思わずに、「疲れてしまった」と、時にはパートナーや家族に自分の悩みを打ち明けてみることも大切です。

悩みを聞いてもらうことで、気持ちが少し軽くなるはずです。

もしかしたら、何か役立つアドバイスがもらえるかもしれません。

【ワンポイントアドバイス】生活面においては、家族・パートナーの理解と協力のもと、時間をやりくりし合いながら、仕事と家庭・プライベートを両立させていきましょう。家事・育児時間や分担を見直すことや、学校や保育園の行事などのスケジュールを家族間で共有する事で、お互いの負担が偏らないように、調整しましょう。

 

(3)精神的な負担の重さの対処方法

精神的な負担の重さの対処方法

「管理職だから、弱音を吐いてはダメ!」なんていうことは、全くありません。

管理職看護師の苦労は、同じ管理職にしか分かりません。

上司や先輩にあたる看護師に現状を伝え、自分の考えや思いを言葉にして表現することで、理解してもらいましょう。

 

悩みをオープンにして共有や共感を貰おう

重い荷物を自分だけで背負おうとするのではなく、悩みをオープンにするし、共有・共感することや、具体的なアドバイスをもらうことで、気持ちが軽く前向きになるでしょう。

【ワンポイントアドバイス】そうは言っても、看護師管理職は、どうしてもストレスを抱えてしまい、心身のバランスを崩しがちです。自分ではどうすることもできなくなる前に、ストレス発散方法やリラックス法、場合によっては専門のカウンセラーに相談してみるのも良いでしょう。

 

管理職が集まる研修などにも参加してみよう

看護協会の管理者研修などは、同じ看護師管理職の人が集まりますので、職場を超えて、横の繋がりを広げ、色々な話をしてみるのも良いでしょう。

大変な思いをしているのは自分だけではなく、よその職場でも看護師管理職は大変なのだということが分かり、気分的に楽になるかもしれません。現状を細かく伝え、できる事・できない事を明確にし、理解をしてもらうことも、大きな支えになります。

 

2.部下と上司との板挟みになり辞めたい

部下と上司との板挟みになり辞めたい

看護師として管理職になると、病院全体の会議に参加することや、そこでの決定事項をスタッフ看護師たちに下ろす業務が増えてきます。

そのときに病院の方針が自分の考えや看護師たちの意見とまったく合わない場合は板ばさみになり、ストレスがたまります。

そのような板挟みが原因で、管理職から逃げ出したくなる人も多いのではないでしょうか。ストレスとプレッシャーを少しでも楽にするための対処法を3つご紹介します。

 

(1)自分一人で全てを解決しようとしないこと

自分一人で全てを解決しようとしないこと
  • 「上司から任されたことは、看護チーム全体でのぞむ」
  • 「スタッフ看護師から突き上げられた問題は、看護チーム全体で解決を試みる」

など、自分一人で解決しようとするのではなく、他の人にも分散し、チームで解決する意識を持ちましょう。

チームで解決する意識を共有することが出来れば板挟みに合うことも減ってきます。

 

(2)板挟みにあうのは当たり前だと考えること

板挟みにあうのは当たり前だと考えれば、気が楽になるかもしれません。

また、 「管理職だから・・・」と、自分に完璧さや理想を押し付けず、時には「できない」と言う自分も認め、許すようにしましょう。

 

(3)最終責任は上司がとってくれるという気持ちを持つ

最終責任は上司がとってくれるという気持ちを持つ

真面目な人ほど、色々なことを一人で抱え込んでしまい自分を追いつめてしまいがちです。

管理職として、責任を取る立場とはいえ、「最終責任は上司がとってくれる」という気持ちをどこかに持っておくことで、ストレスを和らげることができると思います。

しかし、管理職は誰にでもできる仕事ではありません。看護師管理職として、頑張っている自分に誇りを持ちましょう。

 

3.「看護業務」が出来なくなり辞めたい

「看護業務」が出来なくなり辞めたい

管理職の看護師として着任早々は、スタッフとして看護業務をしていた頃の方が楽しかった、という人も少なくありません。

特にスタッフ看護師として優秀だった人ほど、現場の仕事から離れることに抵抗があるため、管理業務に徹することができず、意識を切り替えることが難しいものです。

患者にかかわることに看護師としてのやりがいを感じる方にとっては、看護の現場から離れ、スタッフ看護師への指示出しと会議ばかりではやりが感じられず、ストレスになってしまいます。

当たり前ですが管理職としての立場が上になればなるほど、看護師として、患者に接する機会は少なくなります。

そのため、「管理職になりたくて看護師になったのではない」と、管理職を辞める人もおり、対処法をまずは確認しましょう。

 

(1)将来なりたいと思えるような先輩看護師を見つける

上司や先輩など、仕事で関わる全ての人の中に、その仕事で成功を収め生き生きとしている看護師がいるかもしれません。

その看護師にとって、どうしてやりがいのある仕事になったのかを考える事で、管理職の仕事に対するやりがいを見つける事ができ、あなたにとってその職場も悪くないと思えるようになるかもしれません。

そのため、将来なりたいと思えるような、ロールモデルのような先輩看護師を見つけることです。

 

(2)管理者ではなく、スペシャリストを目指す

管理者ではなく、スペシャリストを目指す

認定看護師や専門看護師をはじめ、各学会が認定する資格を持つスペシャリストが増えています。

実践の場で活躍することを期待され、そのなかで指導的な立場も担うため、現場で活躍したい看護師にとってはやりがいも大きいでしょう。

ケアに自信が持てるという点でも、仕事へのやりがいはより一層増すでしょう。

マネジメントに興味が持てない場合は、看護師としてのキャリアアップのプランを変更するという選択肢もあります。

 

(3)思いきり仕事をしてみる

思いきり仕事をしてみる

看護が出来なくなったから辞めたいと思っている方の対処法です。

どうせ辞める覚悟なら、その前に頑張って仕事に取り組んでみるのも良い事です。

少し高めの目標設定をして、最後に仕事を行ってみてください。

もしかしたら頑張った分の成果が期待以上に返ってくるかもしれんし、成果が出れば仕事の楽しさも分かるかもしれませんし、自分が行ったのだと言う達成感が得られると思います。

 

4.部下を上手くまとめられないから辞めたい

部下を上手くまとめられないから辞めたい

管理職の看護師は、一人ひとりのスタッフと信頼関係を作り、スタッフが前向きに仕事に取り組めるよう働きかけることが大切です。

しかし、「部下の看護師を上手くまとめられないから辞めたい」「部下とイメージ通りの仕事が出来ない」「管理職が向いていないかもしれない」と思う悩みも出てきます。

比較的年齢が若い看護師が、主任や看護師長に就く場合は、部署内に年齢も経験もスキルも自分よりも上のスタッフがたくさんいます。

色々なタイプの看護師を上手くまとめるためには、どのように対処すれば良いのでしょうか。

 

(1)初めから上手く部下をまとめられる看護師はそういない

初めから上手く部下をまとめられる看護師はそういない

初めから、様々な年代の看護師を上手くまとめることが出来る看護師はそういません。

誰かと比べられている場合も、「あなたはあなたの行い方で考えてみれば良い」のです。なるべく気負わずに自分の足りない部分を埋めるように努力してみましょう。

努力することで、部下にも管理者の背中を見せることができ、上手くまとめられるようになるものです。

 

(2)部下をまとめるために自分の能力を磨こう

部下をまとめるために自分の能力を磨こう

看護師の部下をまとめるために必要な下記の能力を磨きましょう。

 

マネジメント能力を磨く

看護の現場を仕切るために必要な能力で、目標達成に向け、メンバーを適切に調整・管理する行動や態度のことです。

具体的には、

  1. 課題を考えて目標を設定する
  2. 目標や計画と進捗を管理する
  3. スタッフの能力や状況を把握し、アセスメントする
  4. スタッフの能力を最大限に引き出す(コーチング)
  5. スタッフ育成・看護の質の向上のための指導(ティーチング)

が挙げられます。

 

リーダーシップを磨く

スタッフ一人ひとりの能力や資質を理解し、それらが発揮できるよう環境や状況に適応できるように個人やチームを導くこと。個人やチームのより良いアウトカムに向かって個人あるいはチームの能力や資質を伸ばしつつ道を指し示すような行動や態度のことです。

一人ひとりのスタッフの人柄・考え方・スキル・意欲・背景などを理解した上で、チームの一員として機能するためのサポートを行なうことが求められます。

また、状況に合わせてポジティブに人を動かすことも必要になります。

 

コミュニケーション能力を磨く

師長とスタッフをつなぐパイプ役・調整役として、また、スタッフ間の良好な人間関係を構築するためのバランサーとしても、高いレベルでのコミュニケーション能力が求められます。

そのため、足りないと持っている場合はコミュニケーション能力を磨いていきましょう。

簡単な磨き方としては、人の話をたくさん聞いてみることです。話すことではなく聞く力を身につけることでコミュニケーション能力は向上していきます。

 

5.管理職を「辞めたい」「降格」したい場合はどうすれば良い?

管理職を「辞めたい」「降格」したい場合はどうすれば良い?

看護師の管理職として自ら降格(辞めいたい)を願い出るのは、病院から与えられた地位を放棄するという重大な出来事です。

降格願いを病院に提出して、それを受理されてしまえば、指定された日付から役職を降りることになります。そのため、「降格」のメリット・デメリットについて、家族や上司にしっかり相談したうえで、決断しましょう。

また、管理職を降格したい場合の注意点を以下でお伝えします。

 

(1)今一度やり残したことがないかどうか考えてください

管理職一人が辞めるということは、周囲にもそれなりに影響を与えます。

しかし、辛い思いを抱え、無理して仕事を続けて、心身に不調をきたすまで看護師管理職として働く理由もないでしょう。やり残した仕事が無いかよく考えたうえで、しっかりとした段取りを経て、今の職場の看護師管理職を降りることが大切です。

 

(2)降格願いを出す際の理由は非常に大事です

降格願いを出す際に、一番大事な項目が降格したい理由です。

看護師によって、その理由は違うでしょうが、理由の内容によって、病院に納得してもらえるかどうかが変わります。

降格したい理由は、ポジティブな内容にして、降格後の仕事に影響を及ぼさないようにするのが大切です。

 

補足説明!

ポイント

現在は、「看護師のキャリアアップ=管理職」というだけではなく、看護の専門性が高まっていることから「認定看護師」や「専門看護師」など、幅広い分野で活躍する看護師も多く、キャリアアップの道は様々です。「看護師としてどう生きるか」をよく考えた上で、降格理由をポジティブな内容にするのが良いでしょう。

病院に納得してもらえて、悪い印象を与えずに降格し、そこで仕事の成果が出せれば、いずれ再び昇格もできるでしょう。

 

(3)不満があったとしても伝えるのは辞めておきましょう

不満があったとしても伝えるのは辞めておきましょう

降格願いを申し出る際に、職場・管理業務への不満を正直に伝えてしまってはいけません。

いくら看護師の管理職の業務内容に不満があっても、そのまま伝えてしまっては、印象を悪くする恐れがあります。

職場では、仕事に対する前向きな気持ちを高く評価するからです。「不満」は、仕事に対する前向きな思いが叶えられないからこそ起こるものです。

 

(4)降格を嫌い転職するのは最終手段

「1日でも早く管理職を辞めたい」と感じているのであれば、看護師管理職という立場を捨てて、転職するという選択肢もあります。

  • 自身の努力だけでは今の状況の改善ができないことがはっきりしている
  • 仕事による負担が大きく心身に不調をきたしている
  • 降格を希望してスタッフとして病院で働くことに抵抗がある

などの理由であれば、早めに転職されることをお勧めします。

ただし、転職後に「こんなはずじゃなかった…」とならないためにも、あせらずに前向きに時間をかけて転職活動に望みましょう。

 

6.まとめ

看護師の管理職は、簡単な仕事ではありません。

慣れないうちは特に、悩みを抱え、何度も立ち止まるものです。

ここで一度立ち止まることで、状況や心境が変わり、辞める決断をせず、今の仕事に前向きに取り組むことができるかもしれません。短期的な結果から判断するのではなく、上手に息抜きしながら、試行錯誤を重ね、そのうえで向き不向きを判断しましょう。

今回ご紹介した考え方が、あなたの今後を決めるためのヒントになれば幸いです。

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はたらきナース

監修者

亀岡さくみ看護師
監修 亀岡さくみ看護師
  • 2011年3月:日本赤十字看護学校卒業
  • 2011年3月:看護師免許取得
  • 2011年4月:日本赤十字医療センター入社(3年間勤務)
  • 2015年3月:株式会社peko勤務
  • 2015年4月:はたらきナース監修

現在は、今までの経験を活かし「はたらきナース」を執筆・監修を行っています。

この記事は「」さんが執筆しました。

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