産科クリニック看護師の仕事内容とは?未経験でも可能

産科クリニック看護師の仕事内容とは?未経験でも可能

産科未経験で、産科クリニックに転職しようと思いたつ方の多くは、ご自身の妊娠・出産・育児がきっかけだという、人生経験豊富な看護師の皆さんではないでしょうか。

また、神秘的な命の誕生に関わりたいという、希望に満ち溢れた若い看護師の皆さんもおられることと思います。

そのような産科未経験の皆さんが産科クリニックに転職することは可能といえます。

【執筆者情報】

  • 保有資格:看護師、助産師(助産師経験15年以上)
  • 年齢/エリア:30代/大阪府
  • 職務経験:産科、婦人科、内科

産科が気になっている未経験の看護師の皆さんが、産科クリニックに転職しようか悩んだときの参考になるような情報、私が実際に勤務した産科クリニックで勤務した体験を含めて説明していきます。

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1.看護師の仕事内容・業務内容

産科クリニックでの具体的な看護師業務

産科クリニックの規模にもよりますが、産科クリニックでは、基本的には看護師も直接的な分娩介助を除くと、助産師と業務内容は同じです。(私が勤務していたのは16床の産科クリニックです。)

私が勤めていた産科クリニックで行っていた主な看護師の仕事内容は以下の4つになります。

外来業務・妊婦健診時の介助(内診台を操作したり、エコーの介助)
・採血
・予防接種
・ホルモン注射
・「つわり」の人の点滴
・中絶手術の準備や介助
分娩時の看護・バイタルサイン測定
・点滴の実施や交換
・モニター装着
・お産の進み具合に合わせた声かけや観察
・産まれた新生児のバイタルサイン測定や観察
帝王切開時の看護・手術の準備
・医師の手術介助
・手術前後のバイタルサイン測定
・点滴の実施や交換
・出血量や尿量などの観察
・痛み止め実施などの術後看護
産後の看護・新生児の授乳や授乳介助
・沐浴やオムツ交換などの育児指導
・バイタルサイン測定
・産後の出血量などの観察
・産後の診察介助

4つの業務いずれの内容をみても、それほど難しくないことが分かるのではないでしょうか。

新生児の授乳や帝王切開時の介助などは慣れるまでは大変ですが、何度も同じ業務にあたる機会があります。その都度経験を踏んで振り返りやっていくことで、半年も経たないうちにスムーズに動けるようになります。

また、産科クリニックへ転職する看護師の方は、基本的な採血や点滴実施などの技術ができれば、まず問題ないといえます。

 

(1)看護師と助産師の仕事内容の違い

助産師と産科クリニックの看護師の違いをよく聞かれますので、まず、助産師と看護師の違いを説明していきます。

助産師と看護師の違いを簡単に言えばお産の直接的な介助ができるかどうかということです。

助産師正常な経過の妊娠、分娩に関しての助産行為を医師の指示なしに行える。正常経過でない場合は、医師が関わることになっている。
看護師例え正常な経過の妊娠、分娩に関して医師の指示があっても、助産行為は行えない。あくまでも、助産師や医師の助産行為の補助を行う。

言い換えれば、お産の介助以外のことは、助産師であっても看護師であっても大きくは変わらないということになります。

 

(2)看護師1日のスケジュール

看護師1日のスケジュール

産科クリニックで働く看護師は、産後の母親への母乳指導や、退院後の生活指導など助産師と同様に関わっています。

外来・病棟の日勤・病棟の夜勤それぞれのスケジュールと詳しい仕事内容について見ていきましょう。

【外来】

8:00~8:30機械準備
8:30~9:00外来来院患者の確認、外来スタッフでのミーティング
9:00~12:00妊婦健診など診療介助、採血など医療処置
12:00~13:30休憩
13:30~16:30妊婦健診など診療介助、採血など医療処置
美容外来患者の脱毛処置
16:30~17:00機械片付け、翌日のカルテチェック
17:00~17:30病棟スタッフへの申し送り

【日勤】

8:00~8:30情報収集
8:30~9:00夜勤スタッフからの申し送り
9:00~10:00沐浴
10:00~12:00沐浴指導、退院指導
12:00~13:30休憩
13:30~14:00検温
14:00~15:00授乳指導
15:00~16:30看護記録整理
16:30~17:00夜勤スタッフへの申し送り
17:00~17:30外来スタッフからの申し送り

【夜勤】

16:30~17:00日勤スタッフからの申し送り
17:00~17:30外来スタッフからの申し送り
17:30~18:00翌日点滴準備
18:00~ナースコール対応、個別授乳指導
20:00~21:00休憩
21:00~ナースコール対応、個別授乳指導、授乳、オムツ交換、点滴ボトル管理
5:30~6:30仮眠
6:30~7:30検温
7:30~8:30看護記録整理
8:30~9:00日勤スタッフへの申し送り

分娩進行者がいれば、分娩進行者への関わりが優先となります。

仕事を初めたばかりの場合、戸惑いもあるかもしれませんが、慣れてしまえば業務も限られていますし、今までの人生経験も十分生かせる職場です。

実際に、私の働いている産科クリニックでも、子育てが少し落ち着いた37歳で初めて産科で働く看護師さんや、7年ブランクのある産科未経験看護師さんが入職されました。お二人とも3カ月くらい経つと、他の人と変わらない様子で仕事をされていました。

 

(3)産科看護師のやりがいと大変なこと

産科看護師のやりがいと大変なこと

産科に限ったことではありませんが、やはり、どんな仕事でもやりがいがあれば大変なこともあります。そんな中でも産科は、命の誕生に関わり、「おめでとうございます。」といえる唯一の診療科であることが特徴であり、やりがいです。

私が産科看護師を経験して感じたやりがいと大変なことをご紹介します。
産科看護師のやりがい新しい命の誕生(出産)に関われること
新しい命(新生児)に触れられること
急変に対応できた時の充実感
大変なこと入院や出産が重なると忙しい
勤務時間外の呼び出し(緊急手術の時)
緊急自体が発生することが多い
一般的な看護技術が低下しやすい
おめでとうといえないこともある(中絶、死産)

当たり前ですが、出産はある程度の予測はできても、その時にならないといつ始まるのか、いつ終わるのか具体的には分かりません。

その分、業務の忙しさにも大きな差があり、急にバタバタと忙しくなることもよくあります。そのため、常にゆったりした環境で赤ちゃんや妊産婦さんと関わりたいと思って入職すると、想像と違ったということにもなりかねません。

精神面やメンタルが弱く、辛いことや悲しいことをひきずりやすい看護師や、コミュニケーションがあまり得意でない看護師は、産科クリニックには向かないといえます。また、産科クリニックは、様々な疾患を学びたい看護師には不向きと言えるでしょう。

 

2.産科クリニックと他の診療科との違い

産科クリニックと他の診療科との違い

産科クリニックと他の診察科との違いとしては、他の診療科では病気であることが前提であった対象者が、産科クリニックでは、基本病気でない方が対象者であるという大きな違いがあります

今までとは違う新しい看護業務(仕事内容)を覚える努力さえできれば、産科未経験の看護師で産科クリニックに転職しても十分活躍でき、需要もある職場といえます。

 

(1)クリニックでも専門知識が学べる

看護師だけでなく助産師が共に働く環境でもあるため、看護学校だけでは習得出来なかった専門的知識が産科クリニックでは習得できます。

また、女性として共感できる部分も多く自分自身の身体について学びを深めるきっかけにもなります。

しかし、お産を迎える20代~30代の既往歴がない患者が多いため、多種多様な疾患を勉強出来るとは限らないため注意も必要です。

 

(2)おめでとうと言える唯一の診療科

産科クリニックと他の診察科との違いとしては、新生児と呼ばれる赤ちゃんがいることや、おめでとうと言える唯一の診療科であることです。

しかし、外来ではナーバスな患者も多く、待ち時間や処置時の対応に関しクレームを訴えてくる患者も少なくないので、精神的な疲労が強い職場とも言えます。

 

(3)人手不足が顕著なクリニックが多い

産科クリニックでは、常時人手不足であるところが多いと思われます。

私が転職した新規オープンの真新しいクリニックでさえ、常時看護師の募集をかけているほど、看護師の人手はなかったといえます。

 

3.求人探しのワンポイントアドバイス

産科 クリニック 看護師 探し方

産科クリニックの看護師求人にも、さまざまな条件があります。

想定外なことが重なり、せっかくの未経験分野への挑戦が失敗に終わらないためにも、以下の6つのポイントを確認してください。

 

(1)分娩の取り扱い、無痛分娩の確認

  • 分娩の取り扱いはあるのか
    (最近は妊婦検診だけ行い、分娩は分娩できる施設へ紹介するクリニックも増えている)
  • 無痛分娩などの特殊なことはしているのか
  • 不妊治療などはしているのか

などを具体的に確認する必要があります。

特殊なことをしている場合は産科未経験だと転職しにくい傾向があり、実際に働けた場合でも大変になります。

そのため、なるべく分娩の取り扱いのみある産科クリニックをお勧めします。

クリニックの中には、自費診療として美容に力をいれているところもあり、ホルモン注射や中絶介助ばかりが主な仕事ということも考えられます。

 

(2)分娩数を確認

分娩数を確認することで、クリニックの日々の忙しさが、ある程度分かります。

分娩件数が増えれば、入院している赤ちゃんも増え、外来患者さんも多くなり、業務外の呼び出しも増えることなどが考えられます。

しかし、単純に分娩数が「多いか」「少ないか」どちらが良いということではなく、自分の働くイメージに合わせて考えていきましょう。

具体的には、1日1件、分娩がある程度であれば、ゆったり働ける日が多いと予測できます。1日3件以上ある分娩数だと、勤務者の数にも左右されますが、一般的に忙しいと予測できます。

 

(3)産科クリニックの特徴を調べる

産科クリニックでは、

  • 自然分娩に力をいれているクリニック
  • 母乳育児を全面に推進しているクリニック
  • 立会い分娩ができるクリニック
  • 薬である程度のコントロールしながらの分娩を推奨しているクリニック

など、それぞれのクリニックで分娩への方針は変わってきます。

自分の考えに合うのか合わないのかという視点で考え、産科クリニックのホームページを見ることである程度確認することが出来るため、チェックを忘れないようにしましょう。

 

(4)教育体制の確認

  • 入職してからの教育体制があるのか
  • どんなふうに仕事を習得し、いつから夜勤に入るのか

など具体的に自分に置き換えて、教育体制を確認しましょう。

産科未経験看護師の採用を行っているクリニックは教育体制がある場合が多いですが、具体的に確認することが大切です。

 

4.最後に

産科未経験の看護師が産科クリニックで働くこと、転職することは可能です。産科クリニックで働くことができれば、夜勤に入りクリニックであっても看護師として稼ぐことも可能になります。

また、教育体制が整っている産科クリニックもあり、未経験でも活躍している看護師も多く見受けられます。

当ページでお伝えした仕事内容や辛さなどを確認しながら、良い看護師求人に巡り合ってみてください。

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はたらきナース

監修者

亀岡さくみ看護師
監修 亀岡さくみ看護師
  • 2011年3月:日本赤十字看護学校卒業
  • 2011年3月:看護師免許取得
  • 2011年4月:日本赤十字医療センター入社(3年間勤務)
  • 2015年3月:株式会社peko勤務
  • 2015年4月:はたらきナース監修

現在は、今までの経験を活かし「はたらきナース」を執筆・監修を行っています。

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