老人看護専門看護師とは?資格取得条件と求められる役割

老人看護専門看護師 役割

老人看護専門看護師は、高齢化社会から超高齢化社会に突入しようとしている現在の日本において、大きく注目を集めています。認知症をはじめとして、難しい健康問題を抱えていることが多い高齢者に対し、より専門的な知識と技術を持って高い水準の看護を行います。主に高齢者のケアを行っている施設、病院での需要が高いのが特徴です。

施設、病院など現場での老人看護のスペシャリストとして、看護業務だけでなく保健医療福祉に関係する人達との間の調整を行い、高齢者本人とその家族に対するサポート、後進への指導・教育、看護業務を通じた研究を行います。また高齢者の病気などについての理解を深めてもらうため、一般の人に講義を行うのもその重要な役割の1つです。

【老人看護専門看護師の資格取得条件】

  • 日本国の看護師の免許を有すること
  • 実務研修が通算5年以上あり、うち3年間以上は専門看護分野の実務研修(※1)であること
  • 日本看護系大学協議会が定める専門看護師教育課程基準の所定の単位(総計26単位または38単位)を取得していること
  • 認定審査(書類審査・筆記試験)に合格
  • 専門看護師認定証交付・登録
  • 5年ごとに更新(看護実践の実績、研修実績、研究業績等書類審査)

(※1)高齢者に対する老人看護の実務研修。

日本看護協会:資格認定制度「専門看護師」参照

【専門看護師の資格取得にかかる最低限の費用】

入試検定料約5万円
2年間の学費220万円
教材費約10万円
専門看護師の登録費用約5万円
   合計約240万円

※ここに記載してある費用に加え、無給となる2年間の生活費用も考慮する必要があります。
病院によっては資格取得の斡旋をしてくれる施設もあります。詳しくは専門看護師支援がある病院への看護師転職で知りたい6つのポイントをご参照ください。

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1.老人看護専門看護師の仕事内容

老人看護専門看護師 仕事内容

老老介護や核家族化など、高齢者にとって周囲の環境は厳しいものとなっています。そんな中、老人看護へのニーズは多様化していて、複雑な健康問題を抱えている高齢者に対して心と身体の健康維持、高齢者特有の疾患に対してのサポート、高齢者の尊厳を守りつつ人間としての豊かな時間を最期まで過ごせるようにサポートする、というのは専門的な技術と知識を身につけた老人看護専門看護師だからこそできることです。

 

老人看護のスペシャリストとして看護の質を上げていく

特に、高齢者の健康生活での機能判断のための専門的技術、知識、理論に基づいた正確なアセスメントは、それについて専門的に学んでいる老人看護専門看護師の大きな役割です。

また、その専門的な技術や知識と看護の現場で実際に体験してきたことを後進に伝え、指導、教育するのも老人看護専門看護師でなくてはできない、重要な役割となっています。
 

2.病内での老人看護専門看護師の活動レポート

病内での老人看護専門看護師の活動レポート
老人看護専門看護師と一緒に働いたことがある、現役看護師の方にレポートをしてもらっています。

少しでも雰囲気をつかんでいただけたら幸いです。

 

看護理論を用いて実践を見直すことも教わった

老人看護専門看護師の方は、高齢者の特徴に精通しているため、患者の少しの言動も重要な情報として拾い上げました。

病棟看護師には、問題のある患者、依存的と捉えられる患者も、老人看護専門看護師が捉えた血液データの推移や、高齢者の術後経過、患者の精神的状態からその患者の言動はやむを得ないものであると、看護師の認識を自然と修正するまでに至っていました。

認識が修正されるとケアをどのように行うことが適切なのかを必然的に理解し、看護計画を修正することができました。

また、看護理論を用いて実践を見直すことも教わりました。

うさぎ 女性看護師うさぎさん(関東)

3.老人看護専門看護師の特徴

老人看護専門看護師の特徴

老人看護では対象となる高齢者の老化過程によって、抱えている慢性疾患や身体の状態が違っています。それだけでなく認知症の症状があることもあり、1人1人の患者さんに合わせた看護を提供することが求められます。

そして、看護だけではなく介護の面から介護スタッフなど他の職種の人達と共に、患者さんのことを考えたケアをすることが必要です。

 

家族やスタッフとの協力が不可欠

総合的なケアをしながら、患者さんのQOLを意識した看護を提供しますが、そのための知識が必要となります。現場では全てを1人で見るということが難しいので、家族も含めて情報を共有し、部下や同僚の看護師などに指導、教育、またアドバイスができる能力が必要不可欠となります。

 

高齢者への尊厳を保ちつつ看護ケアを展開していく

老人看護専門看護師が専門的に看護を行う相手は、自分より年長の高齢者です。そのため、相手が病人で自分で出来ることが少ない状態であったとしても、敬意をもって話し方などにも気を配る必要があります。その一方で、看護はきちんと行わなければならず、上手く両立させられる能力が重要となります。

そして、高齢者の身体的な状態などをしっかり理解し、臨機応変にその時の最適な方法を選択して看護する必要もあります。

 

看護師自身の人間性も問われる

老人看護専門看護師に向いている人とは、臨機応変な対応力、患者さんの家族、他の医療スタッフや介護スタッフと調整を行うために上手くコミュニケーションを取る能力、患者さんに対して敬意を持って接しながらも的確な看護を行える能力、そして指導力を持った人と言えるのです。

 

4.老人看護専門看護師はとてもニーズの高い資格

老人看護専門看護師 ニーズ 資格

老人看護専門看護師は、リハビリテーション施設のある福祉施設や病院、入院施設のある病院、老人介護施設、訪問看護ステーションなど、医療施設に限らず色々な場所での活躍が可能となっています。
 

医療施設以外でも必要不可欠

最近では高齢者の入所しているグループホームのような施設は多く、いずれの施設でも看護師という存在は必要不可欠なものとなっているのです。

多くの老人看護専門看護師は公立病院や大学病院で勤務していますが、中には看護大学、独立行政法人である国立長寿医療研究センターで勤務している人もいるなど、教育や研究の分野において活躍しているケースもあるのです。

 

ニーズは高まるばかり

深刻な高齢社会となっている現在の日本において、高齢者看護や介護に携わる人へのニーズは非常に高くなっています。この状態はしばらく続くと予想されており、より質の高い看護を現場で発揮する老人看護専門看護師という資格は、その需要がなくなることはないと言えるでしょう。

それだけでなく、訪問看護や介護施設など医療施設だけにとどまらないその活躍の現場を考えれば、地方や都市部などの場所を問うことなく、日本の国内どこででも活躍することができます。

 

まとめ

2015年現在、日本老年看護学会に登録されている老人看護専門看護師は41名となっており、その大半となる34名は老人病院、急性期病院、医療センターなどで勤務していて、看護系の大学で教員として勤務している人が3名、看護ステーションで勤務している人が2名、高齢者施設で勤務している人が2名となっています。

今後の老人看護においては高齢者ターミナルケアの確立、緩和ケアを含んだ高齢者に合わせた看護、高齢者ケアについての意識を変える提言などの活動が求められているため、老人看護専門看護師に寄せられる期待は大きくなっています。老人看護専門看護師は、このように非常に将来性が高い資格の1つであると言えます。

専門看護師を目指す看護師の方は「専門看護師支援がある病院への看護師転職で知りたい6つのポイント」を確認してください。

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はたらきナース

監修者

亀岡さくみ看護師
監修 亀岡さくみ看護師
  • 2011年3月:日本赤十字看護学校卒業
  • 2011年3月:看護師免許取得
  • 2011年4月:日本赤十字医療センター入社(3年間勤務)
  • 2015年3月:株式会社peko勤務
  • 2015年4月:はたらきナース監修

現在は、今までの経験を活かし「はたらきナース」を執筆・監修を行っています。

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