著作者

森のくまさん

執筆:看護師

森のくまさん

( 看護師 )

有料老人ホームの看護師の給料は仕事内容に見合う?転職はこの体験談を読んでから!

公開:、更新:2018年08月03日
有料老人ホーム 看護師 給料

これから有料老人ホームで、働こうとしている看護師のみなさんにとって、給料が仕事内容に見合ったものなのかという点は、とても気になるところですよね。

私は、看護師15年目の頃に、初めて有料老人ホームへ転職し、約3年間勤務していました。

このページでは、私が実際に働いた有料老人ホームはどうだったのか、仕事内容に見合うものなのか、実際の体験をもとに説明していきたいと思います。

1.有料老人ホームの給料は仕事内容に見合ったもの?

有料老人ホームで給料をもらった看護師
私は有料老人ホームで「やりがい」が感じられており、スタッフの人員が十分確保できていた頃は、給料は仕事内容に見合ったものであると感じていました

 

私が働いた有料老人ホームでの看護師としての給料実態

【入所者数】 約30名
【給料】 月給:約29万円
年収:約340万円
昇給:なし
【勤務体制・夜勤】  2交代制で夜勤は月に4回程度
【残業】  月に3時間~4時間程度

 

私が働いた有料老人ホームでの仕事内容

【主に実施していた仕事内容】
  • 検温
  • 配薬や薬の管理
  • 経管栄養の管理
  • 喀痰吸引
  • 往診の介助
  • 異常時の対応判断、医師への連絡
  • 排泄介助(おむつ交換、摘便など)
  • 入浴介助
  • 食事介助
  • 体位変換(移動の介助など)
  • 口腔ケア
  • 入居者の家族の応対、説明etc.
【夜勤中の仕事内容について】  介護職員と看護師1名の計2名で上記の業務を実施

 

【注意】良くない企業運営だった場合は割に合わない

私が勤務していた有料老人ホームでは、一時期、経営者が原因で俗に言う「ブラック企業」と化してしまったことがありました。

それまでは、仕事内容と給料のバランスに納得していましたが、「ブラック企業」になってからは、「この給料ではやっていられないし、そもそもここで働き続けていたら、体がおかしくなる」と思うようになりました。

有料老人ホームの給料が仕事内容に見合ったものであるかどうか、それはその有料老人ホーム次第であり、自分自身のとらえ方次第であると思います。

 

2.私が働いて感じた有料老人ホームで良い点

有料老人ホームの看護師と患者
結果的に、仕事内容が給料に見合わなくなり、退職する事にはなってしまいましたが「働きやすさ」や「やりがい」といった面では、良い点もありました。

 

(1)仕事内容がルーチン化しているため、慣れると楽だった

有料老人ホームでの仕事は、慣れるまでは大変でしたが、慣れてくると病院(病棟)より楽だと感じるようになりました。

利用者は滞在目的が治療ではなく生活であり急変がほぼなく、仕事がルーチン化していることなどが、大きな理由だったと思います。

 

(2)看護師として勉強しなければならないことが少なかった

有料老人ホームでは覚えなければならないことが限られており、病院で働いていた頃のように帰宅して毎日、長時間の勉強をする必要がなかった点は、精神的にも肉体的にも楽でした。

ただし私の場合、1つ前の職場がクリニックであったため、転職した当初は、病棟で行った知識や看護後術を思い出すために必死に勉強しました。

もし、病院(病棟)から有料老人ホームへ転職するのであれば、特に勉強しなくてもすぐに即戦力として働けると思います。

 

(3)看護師としても介護職ならではのやりがいがあった

病院と違い、利用者(患者)と長期間じっくりと接することが可能になるので、スタッフの働きかけ次第で日々の仕事の中にたくさんの「やりがい」を見出すことができるという点は大きなメリットだと思います。

 

有料老人ホームでの忘れられないエピソード

私が勤務していた有料老人ホームで、認知症が悪化し弄便などの問題行動を起こす利用者のために、どうすればよいかスタッフ全員で検討したことがありました。

その利用者の方は、もともと手先が器用で物を作ることが好きな方だったとの情報を得たため、仕事で使用するペーパーバックを作成してもらうという「仕事」をお願いしてみました。

すると、毎日一生懸命作成してくださるようになり、認知症の症状が改善され問題行動も無くなったのです。

さらにスタッフが「いつも、ありがとうございます」「助かります」などと声をかけることを心がけると、それまで無表情だったその方から笑顔がこぼれるようになり、スタッフの会話に加わって冗談までおっしゃるようになりました。

家族の方にもとても喜んでもらえたのですが、なにより自分自身が満ち足りた思いでいっぱいになりました。

 

3.有料老人ホームで感じた看護師のデメリットとは?

老人ホームの看護師
有料老人ホームは、体力的にかなりキツイのが、大きなデメリットです。

また、私が働いた有料老人ホームがそうであったように、「ブラック企業が多い」というのも見過ごせないデメリットです。

 

介護と夜勤は体力的にきついこと

有料老人ホームでの仕事内容は、検温や配薬などの看護業務がメインではあったのですが、介護職員が不足していたこともあり、入浴介助や体位変換、移動などの重労働にも積極的に関わる必要がありました。

慣れない仕事だったせいもあるのでしょうが、仕事を始めたばかりの頃にぎっくり腰の経験をしたことがあります。

体力勝負の仕事ですので、働く際には、それなりの覚悟が必要だと思います。

 

トラブルが起きたときの夜勤は忙しい

私が勤務していた有料老人ホームは、夜勤は2名体制であるため、認知症などで夜間に脱走する利用者がいた場合には、想像を絶する忙しさでした。

2交代制のため、交代で仮眠をとるよう指示されていましたが、ナースコールが同時にいくつも鳴り、仮眠が取れないことが多かったです。

 

 介護士・介護職員との人間関係に苦労したこと

長年勤めている介護職員の立場(役職)が看護師より上であるケースもあります。

実際に医学的な見解に基づいて介護職員に意見した看護師が介護職員全員の反発に合い、辞めざるを得なくなるような事件もありました。

私が勤務している有料老人ホームでは、個性的な介護職員も多かったのもありますが、有料老人ホームで働くのであれば、介護現場ならではの特殊な人間関係に慣れる必要があることを覚悟しておいた方が良いと思います。

 

ケアマネジャーとの両立は難しい

介護現場では必ず必要とされる「ケアマネジャー」の立場も複雑で「看護師」と「ケアマネジャー」を兼任しているような場合、同時に二つの役割を求められます。

自分の時間を犠牲にして両者の仕事をこなすか、周囲の反発にもめげず割り切ってケアマネジャーの仕事に専念するかの狭間で、同僚の看護師は悩んでいました。

 

介護職員の出入り(退職・入職)が激しいこと

有料老人ホームで働き始めて介護職員の出入りが激しい事にも驚かされました。

退職する介護職員も多かったですが、入職する人も多かったです。

また、辞める際も出勤予定の日に無断欠勤したと思ったら、そのまま辞めてしまうなどという「あり得ない辞め方をするケース」も少なくありませんでした。

 

介護現場ではよくあること?!

私は有料老人ホームが特殊なのかと思っていたら「介護現場ではよくあることだ」とのことで、認識の違いに驚きました。

 

従業員の福利厚生や整備が整っていなかったこと

介護現場には、従業員の福利厚生や整備が整ってない、いわゆる「ブラック企業」とよばれる現場が少なくないそうです。

私が勤務していた有料老人ホームでも、求人票に記載があることが現実には行われていないこともありました。

 

【体験談】賞与が「態度が悪い」という理由でカットされる

私の働いた有料老人ホームでは、求人票にははっきりと提示されていた賞与が、支給直前に「態度が悪い」などというあいまいな理由で全額カットされたことがあります。

しかも一人だけではなく職員全員に対してでした。

さらに悪いことに、この事件によって退職者が続出したため、人手不足が長期化する事態に陥りました。

二交代制の夜勤明けにも関わらず、交代の看護師が確保できないため、そのまま日勤勤務を命じられる指示されたこともあります。

それでも人手が足りないので施設長が泊まり込みで仕事をこなしていましたが過労で倒れてしまい、点滴を打ちながら仕事をしていました。

 

4.有料老人ホームの求人探しで注意したこと

有料老人ホームの求人探しで注意したこと

私は「経営者の人間性」「人員が十分確保されているか」「職場自体の雰囲気」などを見極めて有料老人ホームの運営母体の本質を見抜き、良心的な経営者の下で働くことが重要になると思います。

以下で、私の体験から、注意すべきことを説明していきます。

 

(1)看護師と介護士の人間関係は見学で意識して確認すること

看護師と介護士は、異業種ということもあり、「看護師が介護士を見下している」「看護師と介護士に距離感がある」等、派閥(はばつ)があることは少なくありません。当然ながら、看護師と介護士に派閥があることで、利用者に良いサービスを提供できるとは思えませんし、何より働く上で「人間関係の悩み」が付いて回ることでしょう。

そのため、看護師が有料老人ホームへ転職する際には必ず、見学を行い看護師と介護士の関係性を観察することが良い職場へ転職するために欠かせません。

 

補足説明!

ポイント

有料老人ホーム利用者の評判や、勤務経験のある看護師や介護士の口コミをインターネットで調べることも有効的で、看護師転職サイトも利用し、担当者からも確実に聞いておくことをお勧めします。

 

(2)医療行為の多さを確認すること

ひとくちに有料老人ホームと言っても、医療行為が必要な利用者が多い施設や、自立した利用者が多い施設など、利用者の健康レベルは様々です。

そのため、転職する看護師は、自身の志向に合った有料老人ホームを選ぶことが転職失敗の予防となります。

転職先を決める際には、給料や待遇はもちろんのこと、医療行為の多さにも注目することが大切です。

 

一見、支給額が高く見えても、それを鵜呑みにしないで

これはハローワークの職員にうかがったのですが、一見、支給額が高く見えても実は基本給を大幅に下げて手当などで底上げしている有料老人ホームもあるそうです。

この場合、月給に大きな差は生じませんが、基本給を基準とする賞与には大きな差が生じるので注意が必要だそうです。

 

(3)看護師の業務範囲を確認すること

有料老人ホームにおける看護師の基本的な役割は、「利用者の健康を管理すること」であり、利用者の介助や介護は介護士が行うものです。

しかし、施設によっては看護師と介護職員の役割の境目が無く、看護師も積極的に介護に携わらなければいけない施設も存在します。

「病棟勤務よりも体力的に楽な職場」とも言われる有料老人ホームですが、介護も行わなければならない施設では、看護師の体力的負担がとても大きい職場と言えます。

入職後のギャップを抑えるためにも、有料老人ホームにおける看護師の業務範囲を確認することは非常に重要です。

 

(4)夜勤回数や看護師の年代を確認すること

有料老人ホームは、病棟勤務に比べて体力的負担が少ないことから、子育て中の看護師や年配看護師が多く働いている傾向があります。

しかし、子育て中の看護師や年配看護師は夜勤免除、もしくは少な目に設定されている場合がありますので、そのような有料老人ホームに20~30代の独身看護師が入職してしまうと、集中して夜勤を任されてしまう可能性があります。

そのため、夜勤の回数は定められているのか、もしくは、比較的若い看護師がいるかを転職前に確認すると良いでしょう。

 

(5)有料老人ホームの運営方針を確認すること

有料老人ホームは民間企業が運営しています、そのため、有料老人ホームごとに特色が大きく異なりますので、インターネットや他の看護師から得た情報では相違がある場合が考えられます。

固定概念や凝り固まった考えではなく、ひとつひとつの有料老人ホームを「まったく違う職場」として考えることが大切です。

 

まとめ

結局のところ、施設次第、自分の考え方次第だということになりますが、中にはどんな逆境であってもお年寄りのお世話が好きで楽しくて仕方がない、「給料は二の次」というスタッフも居ました。

私のような欲深い人間は、とてもそのような域に達することはできませんでしたが、彼らのようなスタッフがこの国の介護を支えているのだと感じました。

介護現場は大変だというイメージばかりが強調されていますが「案外捨てたものではない」のかもしれませんね。

もし我こそはと思うのなら、迷わずこの世界に飛び込んで欲しいと思います。


(編集・構成・管理者:亀岡さくみ

総合病院の手術室勤務を3年ほど経験した後、主に眼科クリニックで看護師としての経験を20年以上積んでまいりました。けっして順風満帆とはいえない失敗や挫折だらけの看護師人生でしたが、こんなダメな私だからこそ伝えられることがあるのではないかという思いで看護師ライターの仕事を続けています。

看護師としての経歴

保有資格 ・正看護師

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