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緩和ケア認定看護師の資格取得条件と知っておきたいポイント6つ

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緩和ケア認定看護師の資格取得条件

緩和ケア認定看護師って、緩和ケア病棟にいる看護師が進む専門領域と思っていませんか?

緩和ケア認定看護師は、緩和ケアを必要とする患者さんとご家族がいる場所であれば、病棟・外来・地域でシームレスな活躍ができる、幅広い活動領域を持つ認定看護師です。

症状緩和技術と家族・遺族ケアに強みをもつ、緩和ケア認定看護師についてご紹介します。

【緩和ケア認定看護師の資格取得条件】
●日本国の看護師免許を保有している
●実務経験が通算5年以上あること
●通算3年以上、緩和ケアを受ける患者の多い病棟、または在宅ケア領域での看護実績を有すること
●緩和ケアを受ける患者を5例以上担当した実績を有すること
●現在、緩和ケアを受ける患者の多い病院、または在宅ケア領域で勤務していることが望ましい
●日本看護協会が認定している認定看護師教育課程を修了(6ヶ月・615時間以上)
●認定審査(筆記試験)に合格
●認定看護師認定証交付・登録
●資格取得後は、5年毎に更新(書類審査)

参照サイト:日本看護協会:資格認定制度「認定看護師」より

【認定看護師資格取得にかかる最低限の費用】

入試検定料 約5万円
入学金 約5万円
授業料 約70万円
実習費 約10万円
認定審査費用 約5万円
認定費用 約5万円
   合計約100万円

※ここに記載してある費用に加え、無給となる6ヶ月間の生活費用も考慮する必要があります。
認定看護師を目指す看護師の方は「認定看護師支援がある病院への看護師転職で知りたい6つのポイント」を確認してください。

 

1.緩和ケア認定看護師とは

緩和ケア認定看護師とは

緩和ケア認定看護師が誕生したのは、1999年であり、2017年9月現在、2,211名の方が緩和ケア認定看護師として活動されています。

主に、緩和ケアが必要とされるがん患者さんとその家族に対して、

  • 苦痛症状の緩和
  • QOLの向上
  • 臨死期のケア
  • 家族および遺族のサポート
  • 緩和ケアにおける倫理的支援

などの実践と、看護職への指導を担う看護師です。

日本人の3人に1人は、がんで亡くなる中、その患者さんとご家族の苦痛を軽減し、自分らしい最期を迎えるために、更なる活動が期待されています。

 

2.病内での緩和ケア認定看護師の活動レポート

病内での緩和ケア認定看護師の活動レポート

緩和ケア認定看護師と一緒に働いたことがある、現役看護師の方にレポートをしてもらっています。

少しでも雰囲気をつかんでいただけたら幸いです。

 

緩和ケア対象患者の訪問を行う活動をメインで行う

一般病院の職員による緩和ケア委員会を「緩和ケアチーム」に変え、院内患者の緩和ケア対象者の把握、麻薬使用者の把握、事例検討、緩和ケア対象患者の訪問を行う活動を中心となって始めたのが緩和ケア認定看護師でした。

外科医、精神科医、薬剤師、看護師、心理士、栄養士、理学療法士など他職種でチーム活動を行い、院内でも定着していき、各病棟から緩和ケア相談を受けるようになりました。

院外への研修等にも参加している職員が、病棟で起きる困難事例について話し合うことで、多くの意見が出たり、他職種ならではの色々な観点から考えることができたりと、相談を依頼してきた病棟へ様々な対策の提案ができました。

緩和ケアは個別性が非常に求められ、とてもデリケートで難し部分が多くあります。

そして、いつかは誰もが必要とするであろう終末期医療について、緩和ケア認定看護師の知識、存在は大切であると感じました。

ノンノン 女性看護師ノンノンさん

 

緩和ケア認定看護師がケアプランに介入して迅速な対応をした体験談

緩和ケア認定看護師は在宅での訪問看護師として、主にターミナル期の患者の訪問をしています。本来はケアマネージャーがケアプランを立てるのですが、ターミナル期の患者は急激に状態が変化することもあります。

そのため、緩和ケア認定看護師がケアプランに介入して迅速な対応をしています。

私の体験談は、在宅で一人で生活していたターミナル期の患者が入院し、入院前よりも日常生活動作の低下がみられました。

症状は落ち着いたものの、以前のような独居生活は難しく常時車椅子の使用を勧め、施設入所の提案もしました。

しかし、とても周りの視線を気にされる方で、車椅子の使用を拒否し自宅に帰りたいと言っている状態でした。どうやったら車椅子を受け入れて安全に自宅退院できるのかカンファレンスを行っていると、その患者の訪問看護を担当する緩和ケア認定看護師が、病気を頭では理解していても、身体がついてこないという事実があって初めて受け入れられるもの。

それを助けるのが私たち訪問看護師の仕事だから、少しでも自宅で長く生活できるように退院させましょう。と驚くほど冷静に退院後のプランを立てていました。

患者は早々に退院し、1ヶ月ほど自宅で過ごして亡くなったそうです。

緩和ケアの知識と経験から、患者の受容過程を踏まえたプランをカンファレンス中に頭の中で立てていることに驚くと共に、退院させる側としてとても安心しました。

緩和ケアを専門としない私たちだけだったら自宅での生活は危険だとアセスメントしてしまい早期退院に至らず、患者の自宅で最期を迎えたいという希望に添えなかったかもしれません。

改めて緩和ケア認定看護師が緩和ケアのプロフェッショナルだと感じました。

女性看護師匿名さん

 

3.緩和ケア認定看護師が職場で期待される役割

緩和ケア認定看護師が職場で期待される役割

緩和ケア認定看護師が病院で活動する中で、最も求められ、診療報酬として加算される役割の一つに緩和ケアチームの活動が挙げられます。

緩和ケアチーム専従看護師として活動することで、400点/日(施設基準あり)が加算されます。

これは、視覚化できる活動の一つでもあります。

チームの活動を通して、多職種との調整や、患者さんやご家族の意思決定支援を行うことや、緩和ケアリンクナースの育成も期待される役割になります。緩和ケア看護師は、リンパ浮腫ケアなど、手で看るスキルを身に付けており、ベッドサイドで患者さんの声を聴く能力にたけています。

だからこそ、その活躍が必要とされています。

その他役割は以下の通りです。

 

(1)緩和ケア病棟の質の向上

緩和ケア認定看護師は、緩和ケア病棟での実践やカンファレンスを通して、緩和ケア病棟で働くスタッフ全体の質の向上を図ることが期待されています。

 

補足説明!

ポイント

緩和ケアのスキルが未熟である看護師や、その場の雰囲気に流され倫理的判断に揺らぎが生じやすいスタッフに対して、実践を通して適切な支援やアドバイスができることは、結果として緩和ケアに入院する患者さんとご家族の満足度の向上につながるだけでなく、看護師の燃え尽き症候群を予防する役割も担うことになります。

 

(2)終末期がん患者への意思決定支援

遠くない未来に、避けられない死が迫った時、最後をどのように過ごしたいのかを支援することは、心揺れる本人・家族にとって簡単なことではありません。

そんな時、急がず焦らず、患者さんとご家族に寄り添い、最期の意思決定をサポートできる能力を、緩和ケア認定看護師は期待されています。

「よりよく生き、より良い最期を迎える」ために、緩和ケア認定看護師の力が必要とされているのです。

 

4.緩和ケア認定看護師に必要な資質

緩和ケア認定看護師に必要な資質

がん治療は、次々と新しい治療や対処法が発表されている領域です。そのため、常に、新しい治療や症状緩和技術を学び続けることが求められます

特に、終末期と言われる時期であっても、症状緩和のための抗がん剤や分子標的薬・放射線治療を行うことが多くなっています。

その変化を理解し、患者さんとご家族の気持ちと希望に寄り沿うことができることも必要な資質です。

 

(1)苦痛に敏感であり観察力があること

人は、何に苦痛を感じるのかは、人それぞれです。

身体的苦痛には強いけれど、スピリチュアルペインや、経済的問題で苦痛を抱え込む方もいます。

患者さんやご家族が何に苦痛を感じているのか、その苦痛を「しょうがないね」で見過ごさない観察力と繊細さが、緩和ケア認定看護師に求められる資質の一つです。

 

(2)倫理的問題に立ち向かうことができる

医療は、治療することが中心にあります。ですが、それだけでは、患者さんやご家族が望む生活が送れないこともあります。

医療者の意向、家族の思い、そして患者さんの希望が対立し仕掛けた時でも、患者さんやご家族の視点に立って考え、発言し、ケア提供できる強さが緩和ケア認定看護師に必要な資質です。

 

5.緩和ケア認定看護師になるメリット

緩和ケア認定看護師になるメリット

看護師が緩和ケア認定看護師になるメリットを3つご紹介します。

 

(1)終末期ケアのスキルが身につく

緩和ケア認定看護師は、リンパ浮腫ケアをはじめとする症状緩和技術を学ぶことができます。

その知識と技術は、がんに限らずすべての疾患の終末期にも役立つ視点です。

身体的・精神的・経済的・スピリチュアルの4つの苦痛で患者さんを捉えることができることは、患者さんの目に見えない苦痛をアセスメントできる能力を得ることにつながります。

 

(2)家族ケアの視点に立つことができる

緩和ケアは、患者さんだけでなく、患者さんをサポートする家族も、ケア対象になります。

そのため、家族ケアの能力が自然と身につきます。

 

補足説明!

ポイント

遺族になってからのご家族の苦しみに寄り添う知識と技術も身に付けることができます。

 

(3)自分の死生観が確立できる

避けられない「死」と向き合うことは、他の認定看護分野の中で、一番密接しているのが緩和ケア認定看護師です。

そのため、自分の死生観と向き合う時間も、自然と多くなります。色々な死生観を学びつつ、徐々に自分の軸となる死生観を確立できるようになります。

 

6.緩和ケア認定看護師の将来性

緩和ケア認定看護師の将来性

緩和ケア認定看護師の将来性について、説明していきます。

 

(1)法律に後押しされた活動

がんに関しては、「がん対策基本法」の中で、その専門職としての育成・活動が推進されています。

そのため、緩和ケア認定看護師も、活動の場所は確保されやすい立場にあります。

ポイント!

ポイント

緩和ケアチームの一員として、緩和ケア外来の看護師として、がん相談室や看護外来・リンパ浮腫外来の活動を通して、自分の看護領域の強みを活かすことができます。

 

(2)指導者としての活動の広がり

緩和ケア認定看護師の多くは、院内の緩和ケアリンクナースの育成や、がん看護研修講師としての活動だけでなく、「ELNEC-J」の指導者としても活躍の場を広げています

院内看護職だけでなく、多職種や院外看護師への相談や指導・講演を行うなど、指導者としての活動の場は広がりを見せています。

 

(3)訪問看護としての期待

今後さらに緩和ケア認定看護師が求められる活躍の場として、在宅がん患者さんへの緩和ケア支援があります。

在宅は、使用できる薬剤・物品も限られる中、最期を自宅で看取るためには、本人だけでなく家族支援が大切です。そのご家族サポートする上で、緩和ケア認定看護師の役割が、必要とされています。

病院から地域で活かせる看護師としてできる緩和ケア技術の確立が、今後の緩和ケア認定看護師の将来の大きな柱になりそうです。

 

まとめ

緩和ケア認定看護師は、病院の中では緩和ケアチームの活動や、緩和ケア病棟での実践、および緩和ケアを提供する看護職の育成が、期待される役割であり、活躍の場でもあります。

緩和ケア認定看護師は、常に患者さんとご家族の苦痛に配慮し、その立場に立って、医師や多職種などに発言できる力量と強さが求められます。進歩するがん医療の中で、常に新しい治療や症状緩和技術を学び続けることが、そのあと押しになります。

そして、今後は、病院だけにとどまらず、緩和ケアを必要とする在宅がん患者さんの支援が求められるや役割になっていくと考えられます。

人は死を避けることはできません。その「生と死」に向き合い、患者さんとご家族に寄り添い続けることができる緩和ケア認定看護師を目指してみませんか?

認定看護師を目指す看護師の方は「認定看護師支援がある病院への看護師転職で知りたい6つのポイント」を確認してください。

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この記事を書いた人

看護師をして20年以上になります。外来・病棟・検査室・クリニックなど、いろいろな場所での業務を経験しました。
ですが、一時は看護師をやめようと思ったほど、心身共に追い詰められた時期もあります。現在は、看護師も続けつつ、ライターやカウンセラーとしても活動しています。
今までの経験を生かして、いろいろな体験談も書いていこうと思っています。よろしくお願いします。


カテゴリー:認定看護師の資格

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この記事を書いた人:ラビウサ
(公開日:)(編集日::2017年11月17日)

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