著作者

よしの理子

看護師ライター

よしの理子

( 看護師 准看護師 )

小児科クリニックへの看護師転職前にメリット・デメリットの確認を

よしの理子
看護師ライターよしの理子
看護師 小児科クリニック 働く

今まで経験したことがない診療科への転職はかなりの勇気がいりますが、実際に私は一般内科から小児科への転職に成功しました。ここでは私が実際に7年間小児科で働いてみて、経験したこと、感じたことを「小児科クリニック看護師のメリットとデメリット」としていくつか紹介したいと思います。

1.小児科クリニックの1日のスケジュールと仕事内容

小児科クリニックで働く女性看護師

クリニックによって細かな違いはありますが、多くの小児科クリニックは以下のような流れで動いています。小児科クリニックで働く看護師の、大まかな1日のスケジュールは以下の通りです。

時間帯 仕事内容
・ 診察前の準備
・検査機器類の準備
・前日使用した医療物品の消毒や滅菌
・診察室の整理
日中 ・アナムネ
・診察介助
(必要時には処置も行う)
夕方以降 ・使用した医療物品・検査機器類の片付け
・待合室や点滴室などの整理

随時、空き時間を利用して、物品の在庫確認・発注を行います。また、清掃の仕事がある日は、朝に出勤している看護師全員で行います。

診察介助・処置・アナムネについて、以下で説明していきます。

 

診察介助

大人を看る場合と異なり、子どもは診察の協力を得られないこともあります。そのため、1人で座る子ども・保護者に抱っこされたまま診察を受ける子どもという場合で介助方法を変える必要があります。

どのように介助すれば、「子どもが嫌がらず動かずにスムーズに診察できるか」を考えながら介助します。

 

処置

医師の指示により採血・点滴・レントゲン検査の準備や介助・予防接種・尿検査・迅速検査などを行います。

 

アナムネ

事前に「今日はどんな症状で受診したのか」を、患者に聴取します。この時に水痘やムンプスなど、隔離が必要なものを見極め隔離します。

 

2.小児科クリニックで求められるスキル

小児科クリニックで求められるスキルを持っている女性看護師

小児科クリニックで求められるスキルには、以下の3つがあります。

  • 動く細い血管にスムーズに針を入れる採血・点滴の技術
  • 保護者への丁寧な対応
  • 子ども特有の病気・予防接種に関する正しい知識

こちらも1つずつ説明していきます。

 

動く細い血管にスムーズに針を入れる採血・点滴の技術

子どもは大人と違い、血管が細いだけではなく、逃げる・暴れるといった行動をとります。また、1回なら我慢できた子どもも2回3回となると我慢できずに嫌がることがあります。

小児科クリニックで働く看護師には、動いている細い血管に短時間で針を入れる技術が求められます。

 

保護者への丁寧な対応ができるコミュニケーション能力

我が子が心配になるあまり、理不尽な要求をする保護者もいます。そのため、特にアナムネを行う際などに、以下のことが求められます。

  • 子どもだけはなく、保護者の様子にも目配り・気配りをする
  • 子どもと保護者の両方と上手くコミュニケーションをとる

クリニックが混んでいる時間や医師の説明の仕方によっては、説明不足だと感じる保護者もいます。保護者が不満気な顔で診察室を出ていった際は、さりげなく一緒に待合室に出てフォローすることも必要です。

 

子ども特有の病気・予防接種に関する正しい知識

小児科には、小児特有の病気の患者が多いです。以下に、子ども特有の病気の一例を挙げておきます。

  • RSウイルス感染症
  • アデノウイルス感染症
  • 水痘
  • 手足口病

小児科クリニックで働く看護師には、これらの病気に対する知識が求められます。また、小児科クリニックは予防接種の種類も多いです。

どの予防接種が「いつ」「どのくらいの間隔を空けて」「何と同時に接種できるのか」を知っておかなければ、保護者の質問に答えることが出来ないため、予防接種に関する正しい知識を学んでおく必要もあります。

 

3.小児科クリニックで働く看護師のメリット

小児科クリニック 看護師 メリット

子供好きな看護師にとっては、小児科クリニックで働くことで、毎日のように子供の可愛い姿に癒されます。また、その他にも小児科クリニックで看護師として働くことで、さまざなメリットがあります。

 

残業が少なく日曜祝日が休み

小児科クリニックでは、その日の仕事を全員で協力して行うため、残業もほとんど発生しません。同じような条件で子育て中の看護師が集まっていることが多いので、皆何としてでも時間通りに帰ろうとします。

また、クリニックの多くは日曜祝日が休みなので、子どもがいる看護師には向いています。

 

採血や点滴の技術が向上する

血管が細く、動き回る子どもに素早く針を入れるのは難しいです。そのため、難しいと言われる子どもへの注射がスムーズに行えるようになると、同じく難しいと言われる高齢者のもろい血管にもスムーズに入れることが出来るため、どこへ行っても通用するようになります。

 

診察の回転が速い

子どもの保護者も若い方がほとんどなので、高齢者などとは違い、医師や看護師の話が伝わるのが早く、診察も比較的スムーズです。口の中に舌圧子を入れるのを嫌がり、抵抗する子ども等もいますが、小児科医のテクニックと看護師のフォローで素早く終わらせることができます。

 

子どもが可愛く元気づけられる

もともとそれほど子ども好きではなかったのですが、自分でも驚くほど乳幼児が可愛いと感じるようになりました。忙しくバタバタとした病院環境の中に天使が舞い込んだような、そんな感じです。

 

ポイント!

ポイント

仕事でつらいことがあっても小さい子どもに笑顔を見せてもらうとすごく胸がキュンとなり、次も頑張ろうと思いました。

 

子ども特有の病気の知識が増え、子育てにも役立つ

日々子どもの病気への知識が増えていくため、自身の子育てにも役に立ちます。発疹1つ見ても、突発性発疹・溶連菌感染症・伝染性紅斑などの区別がつくようになり、受診するか否かの判断も出来るようになります。

 

4.小児科クリニックで働く看護師のデメリット

小児科クリニック 看護師 デメリット

子供の笑顔に癒される小児科ですが、メリットばかりではありません。小児科クリニックのデメリットを確認しておきましょう。

 

とにかく混む、外来が忙しい

どうしてこんなに小児科が混むのか考えてみると、大人であれば多少微熱や風邪症状が出ていても、家で少し様子を見たりできますが、乳幼児などは熱も上がりやすく、脱水も起こしやすい、そして周囲に感染を広げてしまうウィルスや細菌である場合が多いので早めの受診が必要になります。

今は働くママが増えて保育園に子どもを預けている方が多く、たいした症状ではなくても他の園児への感染を防ぐ為に保育園から「念のため病院に行って原因を聞いてみてください」と言われて来院する方が多いです。

 

風邪をもらいやすい

患者が持病の治療に通ってくる内科と違い、小児科クリニックは毎日9割以上、風邪の患者ばかりが受診します。それにより、働き始めたばかりの頃は、風邪をもらう看護師が多いです。

ポイント!

ポイント

看護師が日ごろからの予防を自ら行うことが大切になってきます。

 

処置技術や疾患の知識を習得するまでが大変

初めて小児科を経験する看護師は、動く子どもへの採血や点滴技術は大変です。更に、母親からの視線がプレッシャーとなり、焦ることもあるでしょう。

また、小児科は風邪だけではなく、アレルギー・簡単な怪我・熱傷まで幅広い疾患を見ます。そのため、それらに関する知識も必要で、それと同時に多くの予防接種も覚えていかなくてはなりません。

このような処置技術や知識を習得することを「大変だ」と感じる看護師も多いです。

 

感染症が流行する時期は座る暇もない

突発的な熱だとかおたふくや水痘などの感染症も多いです。季節的なものだとインフルエンザやヘルパンギーナ、アデノウィルスも代表的な疾患です。

外来の看護師は患児とその保護者の誘導や診察の介助、身体測定、簡易検査、採血、点滴、座薬、浣腸などやることがたくさんあり、ほとんど座る暇もありません。あっという間に時間が過ぎていきます。優先順位を考えて無駄な行動はせず、機敏な行動力が必要になります。

 

ポイント!

ポイント

仕事が終わったあとは「やっと終わった・・・」とドッと疲れが出ますが、達成感はあります。

 

待ち時間が長すぎて患者がモンスター化してしまう

クリニックによりますが、どうしても待合室が混み合い、待ち時間が3時間を超えるケースも珍しくありません。

その場合、一度自宅へ戻り、順番の時間になったら再度病院に来てもらう様にお勧めするのですが、家が遠い方や、車がないと難しい方など、やむを得ず待合室で何時間も待たなければならない場合もあります。大人であれば「しょうがない」と待つことができても、熱が出てつらそうな小さい子どもを連れてきている親はとても気が立ってしまうようです。

 

ポイント!

ポイント

患者や家族には頭から否定せず、相手の気持ちも受け止めて冷静に対応しなくてはなりません。

 

看護師自身への感染のリスクが高い

今まで他科で働いてきた看護師が小児科で働き始めると、だいたいはじめの半年くらいの間は、頻回に体調を崩す方が多いです。小児科特有のウィルスなどが原因だと思われます。3年くらい勤めるとかなり丈夫になってくるのですが、それでもうがい手洗いなどは徹底しなくてはなりません。

子どもは嘔吐しやすく、またすごい勢いで嘔吐するので処理が大変です。その際にも感染予防には細心の注意が必要になります。

また麻疹や風疹など各種感染症の抗体がしっかりついていない方は入職後、なるべく早めにワクチンを受けてもらっています。実際に水痘患児の診察介助についていた看護師が2週間後に水痘を発症してしまうケースなどがありました

 

ワクチンの種類が多く、把握しきれない

現在、小児のワクチンは4種混合や麻疹風疹混合ワクチンなどの定期接種とインフルエンザなどの任意接種を合わせると10種類以上あり、その中でも生ワクチンと不活化ワクチンがあり、それぞれ4回接種や2回接種のものや、接種時期の年齢や間隔などがワクチンにより違うので全てのワクチンを把握した上で接種スケジュールを組まなくてはなりません。

ある程度は医師が優先順位を決めて立ててくれますが、一応間違えがないか、受付、看護師もダブルチェックしています。4つのワクチンを同時に接種する場合などもあるのでとくに注意が必要です。

 

ポイント!

ポイント

私のクリニックでは小児の各種ワクチンの接種時期を一覧票にして、必ず毎回確認しています。

 

まとめ

まとめ 小児科クリニック 看護師

いかがでしたでしょうか?小児科クリニックは外来患者が多く、忙しくて覚えることもたくさんありますが、実際に働いてみると子どもは可愛いし、小児の注射もできるようになってくると結構やりがいを感じます

ただ、小児科外来は診察時間が伸びて残業があるところが多いので残業代がきちんと出るのかなどは確認しておいたほうが良いと思います。ちなみに私が働いているクリニックは残業代が一切出ません。それでも仕事が楽しくて、スタッフ間の仲間意識も高くとても働きやすい環境です。7年務めて現在は管理職をしています。

小児科への転職を考えている方、今回の記事をぜひ参考にしてもらえると嬉しいです。


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仕事と家事と育児のため、日々奮闘中のママ看護師です。趣味は読書と絵を描くことです。夫はメーカー勤務のサラリーマン、とても家族想いのイクメンパパです。
看護師になったきっかけは、大好きな親戚のお姉ちゃんが看護師になって働いているのを見て、「カッコイイ!」と憧れたのが1番の理由です。実際はそんなカッコイイもんじゃなかった・・・。看護師13年目となり、どんどん若いスタッフが入ってきて、ジェネレーションギャップにビビりながらも、後輩指導に励む毎日です。

記事の内容に関しては、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用をお願いいたします。
カテゴリー:クリニック

(公開日:)(編集日::2018年04月10日)

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