著作者

佐藤ゆうき

正看護師

佐藤ゆうき

( 看護師 )

【体験談】小児救急看護認定看護師が院内で行う仕事内容や役割をレポート

公開:、更新:2018年04月13日

小児救急看護認定看護師は全国に260名程度しか資格取得者がいません。

そのため、小児救急看護認定看護師と一緒に仕事をした看護師の方に仕事内容や役割を体験談としてレポートしていただいています。

小児救急看護認定看護師を目指す看護師の方に、少しでもリアルな取得後の働く雰囲気をつかんでいただけたら幸いです。

1.小児救急看護認定看護師の役割

小児救急看護認定看護師の役割

小児救急看護認定看護師は2006年に認定が開始された比較的新しい認定看護師になります。現在266名の看護師が小児救急看護認定看護師として活躍しています。(2017年7月時点:日本看護協会認定部より)

それでは小児看護の特徴や、小児救急認定看護師の役割について詳しくみていきましょう。

 

(1)初めに:小児看護について

小児看護の対象は新生児から15歳(場合によっては18歳)までの子供を指します。幅広い年齢層で、それぞれの発達段階に合った看護を提供しなければなりません。

新生児や体が小さい子供は、薬剤や侵襲的な検査・治療などで体が受けるダメージが大きく、重症化しやすいです。そのため小児看護師は病態・薬剤・検査・治療などの知識を豊富に持ち、急変時や緊急時に的確な判断を行い、早急に対応できる能力を身に付けていなければなりません。

また、子供の中には自分の病気について理解できていなかったり、痛みなどを上手く相手に伝えることができなかったりする子もいます。そのため、看護師は子供の些細な変化も見逃さず、異常の早期発見ができるよう観察を密に行う必要があります。

小児看護は成人看護と異なり、看護知識・技術を身に付けるだけでなく、子供の気持ちを汲み取り、今どんな援助が必要なのかを常に考え行動することが重要です。

 

(2)社会情勢に合わせた対応が必要

現在、救急外来を受診する小児患者やその家族への対応が社会問題になっています。その背景には、小児科医の不足、家庭における育児能力の低下、地域における小児救急医療体制の地盤の弱さなど、さまざまな要因があります。

小児救急認定看護師はこうした社会的要請に応えていく必要があります。そのため社会情勢について把握し、今どのような関わりが重要であるのかを考えます。

小児科医不足に対しては、看護師が豊富な知識・技術を身に付けることで医師へのサポートを行い、トラブルを未然に防ぐように努めます。

 

補足説明!

ポイント

家庭における育児能力の低下については、看護師が両親の育児方法について確認したり、不安の訴えのはけ口となったり、疑問を解決したりすることで、育児に対して積極的になれるようサポートします。周囲に相談相手がいない親に対して看護師の精神面での関わりが重要になります。

 

(3)子どもの緊急度・重症度をトリアージする

救急外来を受診する子供の多くは一次救急の患者ですが、中には重症化する可能性のある子どもも含まれています。

相手が子供であるがゆえにその見極めには高度な知識と判断が必要になります。

また、子供は体が小さいためダメージを受けやすく、すぐに急変してしまう可能性があります。そのため、小児救急認定看護師は子供の緊急度・重症度を的確にトリアージし早期に治療が開始できるようなサポートが求められます。

 

(4)虐待のサインを見つける

子どもは自分の意見を上手く相手に伝えることができません。親から虐待を受けていても、第三者に伝えることができず、ただひたすら耐えることしかできません。

また、子供がまだ幼く、話もうまくできないような年齢の場合、虐待をされていても第三者と関わる機会が少ないため、なかなか虐待に気付かないケースが多いです。

そのため、小児救急看護認定看護師は医療機関を受診した小児の全身の状態や両親の言動から虐待を受けていないかを確認します。虐待は普段の生活では第三者が見つけることは難しいため、全身をくまなく観察できる医療機関で発見し、早期に保健所や警察へ通報するなどの対応が求められます。

 

(5)育児不安を抱える両親のサポートを行う

小児救急認定看護師は一緒に来院した両親へのサポートも重要な役割となります。

子供がケガをしたり、病気になってしまったりしたことに対する両親の受け止め方を確認し、疑問がある場合は詳しく説明し不安の緩和に勤めます。また、日頃の育児に対する悩みはないか、両親の育児への考え方なども確認し、育児に対して前向きになれるよう助言を行います。

このように小児救急認定看護師は子供の異常を早期に発見し、両親への精神的サポートも行います。そのため、患者である子供ばかりに気を取られるのではなく、両親の言動や思いを汲み取りながら看護をしていきます。

子供に適切な医療が提供でき、健やかに成長できるようサポートしていくと共に両親への精神的な関わりを行っていくことが重要になります。

 

2.院内で行う仕事内容や役割を看護師がレポート

病内での小児救急看護認定看護師の活動レポート

 

救急時のマニュアル作りが一番の仕事

救急時のマニュアル作りが一番の仕事だと言っていました。小児科は傷病そのものが多岐に渡るだけでなく、家族や学校など周りとのかかわり、治療が今後の成長に及ぼす影響など、扱う範囲があまりに膨大であるため、基準になるものがしっかりしていないとバランスが崩れやすいとのことでした。

もちろんマニュアルは単なる基準であり、個別に対応していくことが重要なのですが、大きな病院だとなかなか全てにはかかわれないので、「救急の専門家がいる」「いざというときに頼れる」と思われることも重要な役割だと話していました。

あとは不幸にして患者さんが亡くなられた場合に、家族に状況を説明することや、場合によっては警察の介入にも対応するそうです。

女性看護師miyamiyaさん(神奈川県/正看護師)

 

家族だけでなく子供でも意思決定出来るよう関わります

子供の成長発達を捉えてアセスメントすることを重視していました。

小児病棟ではその多くで家族の付き添いがあり、家族へのケアも重要となります。成長発達過程によっても家族を含めた看護の重要性を学びました。その一つとしてプレパレーションがあります。

採血、検査、制限のある入院生活、内服、すべてにおいてプレパレーションを行い理解してもらうことで、家族だけでなく子供でも意思決定出来るよう関わります。

成長発達段階によっても説明方法は異なり、時には紙芝居や人形劇などで好奇心を誘うことが大切です。発達課題を念頭に看護をすることは、全ての看護対象にいえることですが、特に小児は成長発達が著しいためアセスメントが重要となることを小児救急看護認定看護師の取り組みで学びました。

スノーマン 女性看護師スノーマンさん(埼玉県/32歳)

 

3.小児救急看護認定看護師になるには

小児救急看護認定看護師 資格取得の流れ

2017年時点で認定看護師全体で18,728人中、小児救急看護認定看護師は266人です。

2013年 186人
2014年 208人
2015年 228人
2016年 252人
2017年 266人

(日本看護協会 認定部より2017年7月データ)

小児救急看護認定看護師は他の認定看護師と比較して増加率が悪く、毎年10名~20名前後の取得者となります。

 

(1)小児救急看護認定看護師に期待される役割

日本看護協会は、小児救急看護認定看護師に以下の目的と役割を教育基準カリキュラムとして組み込んでいます。

【小児救急看護認定看護師の目的】

  • 小児救急医療における子どもと家族のQOL 向上に向けて、水準の高い看護を実践する能力を育成する。
  • 小児救急看護分野において、看護実践を通して他の看護職者に対して指導ができる能力を育成する。
  • 小児救急看護分野において、看護実践を通して他の看護職者に対して相談対応・支援ができる能力を育成する。

【小児救急看護認定看護師の期待される能力】

  • 小児救急医療における子どもと家族の権利を擁護し、自己決定を尊重した看護を実践できる。
  • 発達段階に応じた的確なアセスメントを行い、子どもと家族に対して適切な援助ができる。
  • 子どもと家族の状況及びフィジカルアセスメントに基づいた小児トリアージができる。
  • 急性発症による子どもの身体機能障害に対し、迅速かつ適切な判断に基づく看護ケアの提供ができる。
  • 子どもと家族のセルフケア能力向上に対する社会資源となることができる。
  • 子どもの虐待に対する予防、早期発見および適切な援助を実践することができる。
  • 発生した事故の情報収集と分析を通して、事故予防の啓発活動ができる。
  • 医療従事者や地域社会に対して小児救急に関する知識・技術を指導できる。
  • より質の高い医療・保健・福祉を推進するため、リーダーシップを発揮し関連する多職種との連携と協働ができる。
  • 小児救急看護の実践を通して、役割モデルを示し、看護職者への指導や相談対応を行うことができる。

上記のように、小児看護のスペシャリストとして、外来や病棟での幅広い看護にあたるほか、小児救急の場面でもトリアージを行うなどの活躍が求められます。

 

(2)小児救急看護認定看護師の資格取得条件

  • 日本国の看護師免許を保有していること
  • 看護師としての実務経験が通算5年以上あること
  • 通算3年以上、救急看護分野または小児看護分野での看護実績を有すること
  • 小児救急患者・家族の看護を5例以上担当した実績を有すること
  • 現在、救急看護または小児看護に携わっていることが望ましい
  • 日本看護協会が認定している認定看護師教育課程を修了(6ヶ月・615時間以上)

小児救急看護認定看護師の資格取得条件として、小児救急看護の分野ではなくても、5例以上の担当実績があれば、「救急看護分野3年間の実績」でも良いことがポイントとして挙げられます。

 

(3)小児救急看護認定看護師教育課程を受講できる教育機関

小児救急看護認定看護師教育課程を受講できる教育機関は以下となります。

名称 日本看護協会 看護研修学校
住所  〒204-0024
東京都清瀬市梅園1-2-3
電話番号 042-492-7211
運営情報 休講(2018年1月時点)

(2018年1月31日現在)

小児救急看護認定看護師教育課程を受講できる教育機関は、全国に一件のみであり、東京都にしか存在しません。

しかも、現在休講中なので、日本看護協会へ問い合わせが必要となります。

 

(4)注意しよう!認定看護師にかかる費用について

以下は最低限かかる費用の計算を独自に行っております。詳しくは日本看護協会に確認をしましょう。

入試検定料 約5万円
入学金 約5万円
授業料 約70万円
実習費 約10万円
認定審査費用 約5万円
認定費用 約5万円
   合計約100万円

※ここに記載してある費用に加え、無給となる6ヶ月間の生活費用も考慮する必要があります。

 

4.まとめ:効率的に資格取得を目指す方へ

小児救急看護認定看護師と一緒に働いた看護師は主に、

  • 緊急時のマニュアル作成
  • 緊急時の役に立つ存在
  • 患者のケア、家族への説明
  • 小児へのアセスメント

などが役割、仕事内容として挙げられました。

小児看護は難しい分野の中で、さらに「救急の専門家」としても活動しなければならないため、認定看護師の中ではハードルが高い分野と言えるでしょう。

小児救急看護認定看護師は小児の救急を扱うため、豊富な看護知識・技術だけでなく、鋭い観察力や的確な判断、早急な対応が求められる仕事です。また、患者である子供の他にも両親への精神的サポートも重要になるため、相手の考えや思いを理解し、気持ちに沿った看護が求められます。

小児救急看護認定看護師は覚えることが多かったり、いろいろな事に気を配ったりする必要があるため大変ですが、それだけやりがいのある仕事だと思います。

 

効率的に認定看護師支援を受けて資格取得を目指す方へ

効率的に認定看護師支援を受けて資格取得を目指す方へ

認定看護師を目指す看護師の方は「認定看護師支援がある病院への看護師転職で知りたい6つのポイント」を確認してください。

自転車旅行が大好きで、しまなみ海道を縦断してきた30代の看護師です。

都内の総合病院で約6年、その後クリニックで約2年勤務しました。現在は1児の母として子育て奮闘中ですが機会があればまた働きたいなと思っています。

病院で働いている時は人間関係に悩みましたが、なんとか6年間頑張ることができました。

自分が今までに経験したことをどんどん発信して、少しでも皆様のお役に立てればと思います。

看護師としての経歴

保有資格 ・正看護師
出身/年齢 ・千葉県/31歳
職務経験 ・総合病院・クリニック
診療科経験 ・呼吸器外科、呼吸器内科・消火器外科、消化器内科
・循環器内科・心臓血管外科・婦人科・小児科・眼科


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