潜在看護師の復職支援研修・セミナーとは「どれが良いの?」

潜在看護師の復職支援研修・セミナーとは「どれが良いの?」

2017年時点では、就業している看護師の人数は不足しており、就業している看護師(約150万人)の約半数にあたる看護師(推計71万人)が潜在看護師であるため、潜在看護師の復職支援は全国で盛んに行われています。

まず、注意しておきたい点としては、「復職支援研修」と「復職支援セミナー」が、違うものだということです。

復職支援研修日本看護協会が主体
復職支援セミナー各病院や民間企業で行われているもの

以上のような違いがあり、病院で行う復職支援セミナーでも「復職支援研修」という場合があるので注意が必要です。

今回は、潜在看護師の復職支援研修(日本看護協会)、復職支援セミナー(各病院や民間企業で行われているもの)について、また、復職支援が受けられない場合について詳しく紹介していきます。

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1.復職支援研修とは

復職支援研修を受ける潜在看護師

復職支援研修とは、医療は日々進んでおり、そのブランクを埋めるため、看護師としての基本的な知識・技術を就職前に学習する研修を指します。

各都道府県の日本看護協会が管轄するナースセンター(看護職員確保対策を行う機関)で受けることができます。

 

(1)復職支援研修の内容

各都道府県のナースセンターにより異なりますが、復職支援研修では、訪問看護・産科病棟・外来・その他一般看護で分けられているところが多いです。

復職支援研修の内容・日数・参加費については、以下の通りです。

内容・基本的看護技術の講義・演習(採血、注射、点滴管理、フィジカルアセスメント等)
・感染予防対策
・安全管理等が主
日数・受講内容により1~15日程度の研修期間
(単発で申し込めるところ、日数と内容を選べるところがある)
参加費・無料のことがほとんど
・病院実習時に支払いが必要な場合もある

以下、求人・求職者数の1番多い東京都を例にみてみましょう。

 

復職支援研修の具体例:1日コース

対象・いずれ再就職を考えている看護師
内容・講義のみ
・最新の医療
・看護の動向
・医療安全
・感染管理等

 

復職支援研修の具体例:5日間コース

対象・再就業に向けて少しずつ準備したい看護師
内容・実技演習がメイン
・1日目コースの講義+演習+病棟実習+交流会・再就業相談会

演習内容については、採血、輸液・静脈注射、筋肉・皮下・皮内注射、体位変換と移乗、薬の知識の講義、看護観察についてのビデオ視聴をします。

病棟実習内容については、病棟オリエンテーション、援助の実践(環境整備、バイタルサイン測定、体位変換、移乗・移送、清潔・食事の援助、排泄介助)、カンファレンスへの参加があります。

 

復職支援研修の具体例:7日間コース

対象・すぐにでも再就職を考えている看護師
内容・病棟実習がメイン
・5日間コース 臨床実習の2日間延長版

 

復職支援研修の具体例:7日間コース・助産師

対象・すぐにでも再就職を考えている助産師
内容・講義+演習+周産期看護の講義+外来・病棟実習+交流会・再就職支援相談

 

(2)受講するメリット

日本看護協会主催の復職支援研修を受講するメリットは、事業母体が都道府県であり、看護協会が実施しているため、研修内容はしっかりと練られているということです。

他にも、

  • 無料(交通費は実費)で受けることができる
  • 研修中の傷害・賠償責任保険加入無料などのサポート
  • 知識・技術ともに、看護協会で示すものがベースとなっているため安心
  • 研修を受けた病院に就職する必要がないため、行ってみたい病院を選ぶことができる

以上のことも、日本看護協会主催の復職支援研修の魅力です。

 

(3)受講するデメリット

受講するデメリットとしては、

  • ナースセンターに登録する必要がある
  • 地域によって復職支援研修を受けることができる対象や内容が違う

以上のことがデメリットになりえます。

例えば、ナースセンターを通じて、病院研修を受講しても、その病院への就職をあっせんしているわけではありません。そのため、研修先の病院に就職を希望したい時には、また別に「ナースセンターの就職相談」に申しこむ必要があります。

さらに、各ナースセンターによって復職支援研修を受けることができる対象や内容が違うということも、日本看護協会の復職支援研修のデメリットです。

他県のナースセンターの復職支援研修が受けたいと希望しても、対象外になることもあります。

 

(4)どんな看護師にお勧め?

日本看護協会が行う復職支援研修は、

  • 長年臨床から離れている看護師で再就職を目指している
  • 再就職したいがいきなり病院や施設へ就職するには自信がない

等の看護師にお勧めです。

復職支援研修の参加者は、離職してから1年未満~10年の方が1番多く、20年以上の人も受講しています。

病院では新卒でない限り、即戦力として期待されることが多いため、その前のステップとして実際に復職支援研修を体験してみて「もう1度やってみたい・できそうだ」と思えたら就職先を探すと良いでしょう。

復職しようと考えている同じ境遇の友人を作るのにもよい場となり、施設によっては保育施設を併設しているため、小さな子供がいる看護師も安心して研修に参加できるでしょう。

 

(5)地域で行っている復職支援研修を探すには

自分が就業を希望する都道府県のナースセンターのホームページにアクセスすると具体的な情報が得られます。

ホームページが閲覧できない場合は、自分が居住している各都道府県のナースセンターまたは看護協会に直接電話で問い合わせてもよいでしょう。

 

2.病院が行う復職支援セミナーとは

復職支援セミナーを受ける潜在看護師

こちらでお伝えする復職支援セミナーとは、ナースセンターでの復職支援研修以外に、各病院や民間企業が独自で設けている復職支援プログラムです。

ナースセンターでの臨床実習に登録されていない病院も、独自の看護師復職支援を企画・開催しています。

 

(1)復職支援セミナーの事例

復職支援セミナーは、各病院オリジナル企画のため研修内容は主催病院により異なります。

内容・採血
・注射
・輸液
・医療機器の取り扱い、移乗などの看護技術実習
・病院見学
・電子カルテ
・医療安全
・感染対策
・看護の動向等
・就職相談会
日数・半日~1日のところが多い
費用・無料~1000円程度
・昼食はあるところとないところがある

実技演習がメインの病院や臨床体験がメインのところ等、ばらつきがあるのが特徴です。

 

(2)受講するメリット

就職希望の病院の復職支援セミナーを受けることができれば、その病院で必要とされる基本的な看護技術を体験することや、病院見学や看護スタッフとの交流を通して、その病院の雰囲気を知ることができることがメリットです。

また、就職相談の時間が用意されている病院もあるため、復職する意志が強い人にとっては、より具体的な行動に結びつけることができます。

 

(3)受講するデメリット

復職支援セミナーを通して、病院も就職に結び付けたい気持ちがあります。

そのため、病院によっては、「年齢制限45歳まで、ブランク5年以内」という病院の希望が研修条件に盛り込まれている場合があることはデメリットと言えるでしょう。

病院主催の復職支援セミナーでは、就職相談や事前・事後のアンケートの記入などもあり、復職準備というよりも復職希望のためのプログラムの印象が強くなるということも短所のひとつです。

セミナー時間なども、日本看護協会の復職支援研修より時間的余裕がない場合があり、演習メニューとしてはいろいろと書かれていても、見学だけで終わってしまう場合もあるため、実践力を身に付けたい看護師はプログラムの時間配分を確認することが大切です。

 

(4)どんな看護師にお勧め?

復職支援セミナーは、就職相談会があり、各施設で使用している医療機器を実際に使用することができるため、

  • 「再就職を希望する病院がある程度固まっている」
  • 「未就業の期間が短い」

等の場合は特に、希望病院が主催する復職支援セミナーに参加すると良いでしょう。

復職支援セミナーは、各病院に併設されている訪問看護ステーションや老人保健施設等でも研修できることが特徴で、病院以外での就業を希望する看護師にもお勧めです。また、ナースセンター主催の復職支援研修と比較して日程調整がしやすい傾向にあるため、復職支援研修に参加が難しい看護師も直接医療機器や臨床に触れる機会が得られます。

 

(5)受講するには

病院主催の復職支援セミナーを受講するには、病院に直接問い合わせる必要があります。

病院のホームページを確認し、お問合せ先に連絡を入れるか、必要書類をダウンロードした上で申し込みます。申し込みが受理されると、病院から直接連絡がきます。

 

民間企業が行う復職支援セミナー

民間が主催する復職支援セミナー

日本看護協会、病院以外で復職支援を受けたいと考えている看護師は、民間の復職支援セミナーを受講すると良いですが、行っている企業は少ないです。

当サイトでお勧めは、ニチイが主催する復職支援セミナーです。

内容としては、

  • 介護現場の現状などの講義
  • バイタルサイン測定や血糖測定・経管栄養などの実技
  • 介護施設見学

などの半日プログラムで参加費は無料です。施設見学は時間が短めになっています。

ニチイの復職セミナーは各地で開催しており、場所によっては復職相談も行っています。ニチイは介護現場の求人に強く、介護関連への看護師として復職したいと考えている方は、気軽な気持ちで参加することができるため、お勧めです。

まとめ

参考文献は、以下の通りです。

復職支援プログラムは、全国各地で開催されているため「看護師の仕事をまたしてみようかな」と考えている看護師は、「自分が就職希望の都道府県のナースセンター」「各病院が主催する復職支援プログラム」等に参加することをお勧めします。

また、どうしても復職支援が受けられる状態にない看護師の方は、「働きたい分野で仕事をしている友人から情報を得る」『「ナーシング・スキル」「看護技術」「医療機器に関する知識」「手技」などの動画を見る』「基礎看護技術や医療安全、感染対策の参考書・雑誌を読む」ことなどが挙げられますが、復職支援研修・セミナーの方が良いと言えます。

復職支援研修・セミナーで臨床を気軽に体験でき、病棟実習まで体験できると働いていた頃の感覚を取り戻すことができ、再就職への大きなステップとなるでしょう。

監修者

亀岡さくみ看護師
監修 亀岡さくみ看護師
  • 2011年3月:日本赤十字看護学校卒業
  • 2011年3月:看護師免許取得
  • 2011年4月:日本赤十字医療センター入社(3年間勤務)
  • 2015年3月:株式会社peko勤務
  • 2015年4月:はたらきナース監修

現在は、今までの経験を活かし「はたらきナース」を執筆・監修を行っています。

この記事は「」さんが執筆しました。

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