精神科児童・思春期デイケアで働く看護師の仕事内容・メリット・デメリット

精神科児童・思春期デイケアで働く女性看護師

精神科児童・思春期デイケアとは、地域で生活をする精神障害者の社会生活機能の回復を目的とした個別のプログラムやグループ活動が展開されている通所施設です。

精神障害を持つ患者が地域で孤立しないために、同じ障害を持つ者同士の交流を図ったり、専門家のプログラムを受けたりすることによって社会性の維持・回復をする場でもあります。

今回は、精神科児童・思春期デイケアとはどのような場所なのか、また精神科児童・思春期デイケアで働く看護師は、どのような役割を持っているのかについて説明していきます。

1.精神科児童・思春期デイケアとは

困っている看護師

精神科児童・思春期デイケアに通所する患者の対象年齢は、大体小学校4年生から25歳くらいまでです。施設によりますが、実際は16歳~25歳の患者が主に利用していることが多いです。

利用年限は3年間と定められており、3年間を過ぎると「卒業」して精神科デイケアに通所するか、通学可能な患者は学校等に復帰するかを選択します。

また、基本的に外来患者が利用するところですので、入院患者のように24時間ずっと接するというところではありません。

 

同年代の患者が交流する大切な場所

年齢の若い患者が60歳前後の患者と関わることも意味のある治療プログラムの一環ですが、10歳代~20歳代の児童思春期・青年期にあたる患者は、同年代の患者と関わることで治療上の大きな意味があります。

そのため、精神科児童・思春期デイケアは、若い患者にとってとても大切な施設となります。

 

精神疾患患者が集団生活を練習する場所

精神科児童・思春期デイケアでは、同年代の同じ疾患や障害を持つ患者と、専門家によって保護された環境で交流することで集団生活の練習をし、学校生活に戻れるように支援する場所です。

患者は一般的に中学生・高校生・大学生にあたりますが、精神疾患に罹患することによって学校生活が送れない場合があります。

学校に行けない精神障害を持つ患者が地域で孤立しないように、同じ障害を持つ者同士の交流を図ったり、専門家のプログラムを受けたりすることによって社会性の維持・回復をする場所でもあります。

 

学校に通えない患者の例

思春期に発症する精神疾患の代表格である統合失調症に罹患した場合、被害妄想や常時存在する幻聴によって集団生活を送ることができず、学校に通えない患者がいます。

また、広汎性発達障害や自閉症スペクトラム障害などのため、集団でのコミュニケーションを取ることに疲れてしまい、学校に通えなくなってしまう患者もいます。

 

2.精神科児童・思春期デイケアで働く看護師の仕事内容

ガッツポーズをする看護師

精神科児童・思春期デイケアでは、週3回・1回あたり90分のプログラムを実施します。内訳は「臨床心理士による集団精神療法」・「作業療法士による精神科作業療法」・「看護師による集団活動」の3プログラムです。

精神科児童・思春期デイケアには医師・看護師・作業療法士など様々な職種の人達が働いていますが、常にすべての職種が同時に存在するわけではなく、交代でプログラムを担当します。

看護師は、週3回のプログラムのうち、以下2つのプログラムに関わります。

  • 「作業療法士による精神科作業療法」
  • 「看護師による集団活動」

これらのプログラムをスムーズに実施することが仕事内容です。以下に詳しく記します。

 

作業療法士のフォローを行う

「作業療法士による精神科作業療法」では作業療法士がメインに活動するため、看護師はフォローをする位置です。

具体的には、患者がプログラム中に手が止まってしまう・飲食をしてしまう場合の声掛けなどの補助的な立場です。集団活動は、ルールが存在するので最低限のルールを守れるような声掛けを行います

 

ポイント!

ポイント

10人程度の患者に対して、2-3人の職員が配置されます。

 

患者にコミュニケーション能力を身につけてもらうこと

「看護師による集団活動」では、カードゲーム・スポーツ・病院から集団で外出などを行い、看護師と患者のコミュニケーションを取ったり、患者同士のコミュニケーションを促したりします

スポーツは、ソフトバレー・ドッジボール・卓球などです。スポーツを行うことがメインではなく、あくまでも患者同士、もしくは看護師とコミュニケーションを取ることで、コミュニケーションの練習の場となります。

病院からの外出先は美術館や博物館などの公共施設や、ショッピングモールなど様々な場所があります。そういった場所に公共交通機関を利用して集団で移動をすることも、社会生活の練習の1つとなります。

 

3.精神科児童・思春期デイケアで働く看護師が必要なスキル

精神科児童・思春期デイケアで働く看護師が必要なスキル

精神科児童・思春期デイケアで働く看護師に求められるスキルには、患者を一個人としてコミュニケーションを取ることや、疾患や障害についての専門知識などが必要です。以下に、詳しく精神科児童・思春期デイケアで働く看護師が必要なスキルについて説明していきます。

 

患者とコミュニケーションを取る能力

精神科児童・思春期デイケアで働く看護師は、発達途中にある児童・思春期の患者と接するため、看護師として特別なスキルが重要というよりも、コミュニケーションを取る1人の個人として患者と接するスキルが必要です。

なぜなら、患者は社会での様々な人と人とのコミュニケーションを学ぶために精神科児童・思春期デイケアに通所しているからです。コミュニケーションの場面は常に同じパターンではなく、人によってそれぞれ変化するものだと学ぶ場です。

看護師の趣味や価値観を患者と共有し、コミュニケーションを取っていくことは非常に大切なことです。

 

疾患や障害の専門知識

看護師は、疾患や障害についての専門知識がある程度必要です。それは、患者が相手であるため専門知識を持っていたほうが細かい気配りができるからです。

 

ポイント!

ポイント

月に1回、児童・思春期デイケアに従事する専門職全員での会議が開催されているところもあります。主治医が参加することもあるので、患者の今の状態や必要な知識や技術は主治医から得ることも可能です。

 

看護師の先輩や上司に報告・連絡・相談ができるスキル

精神科児童・思春期デイケアで働く看護師が必要なスキルの基本として、必要に応じて報告・連絡・相談をすることが挙げられます。

専門家に相談することで、特定の患者とのコミュニケーション方法に迷った時などとても役に立つ情報を教えてもらうことができ、より良い看護に繋がります。

 

4.看護師が精神科児童・思春期デイケアで働くメリット

自分を信じる女性看護師

精神科児童・思春期デイケアで看護師が働く際のメリットとして、人として成長できることや、親としての苦悩や喜びを知ることが出来るなどということがあります。以下に詳しく精神科児童・思春期デイケアで働く際のメリットについて説明していきます。

 

看護師自身が人として成長できる

精神科児童・思春期デイケアの患者は10代~20代の若者です。今の時代を生きる若者がどのような価値観を持っているのかを知ることができます

看護師として指導をしたり、相談を受けたりすることもありますが、彼らの持つ価値観はいわゆる「若者」そのものです。

精神疾患や精神障害を抱える人といっても、普通に生活をしている人間であり、彼らが持つ価値観は様々なので、様々な価値観に触れることで自分自身、人として成長できます。

 

子育てに対する違った価値観を知る事が出来る

精神科児童・思春期デイケアでは、そこに通う患者の親や兄弟を対象とした「精神疾患や精神障害を抱える患者を支える家族の苦悩や喜びを共有する」家族会などもあります。

家族会では、子育てをしたことのない看護師も子育てをしたことのある看護師も、子育てに対する価値観を知ることができ、今後の活動に活かすことに繋げられるでしょう。

 

ポイント!

ポイント

また、家族会は治療的行動を意見交換し、共有することで家族同士が支え合える場となります。

 

5.看護師が精神科児童・思春期デイケアで働くデメリット

看護師が精神科児童・思春期デイケアで働くメリット

精神科児童・思春期デイケアで働く看護師のデメリットとして、行事の関係で患者と寝食を共にしなければならないこともあります。以下に詳しく、精神科児童・思春期デイケアで看護師が働く際のデメリットについて説明していきます。

 

年に数回研修旅行がある

施設によりますが、年に数回、患者と職員とで泊りがけで旅行(研修旅行)に行くことがあります。普段の活動では1回90分間しか関わりがないのですが、研修旅行となると24時間、患者と接することになります。

もちろん、患者と寝食を共にしますので、宿の同じ部屋で寝たり、一緒にお風呂に入ったりなど寝食を共にすることに抵抗のある人にとっては、辛いと感じるでしょう。

 

ポイント!

ポイント

旅行などのイベントは、患者との信頼関係を構築する絶好の機会であるとも考えられます。そう捉える事が出来れば、辛いと感じなくなるでしょう。寝食や、同じイベントを通し、数日を共に過ごすことで得られる信頼関係は大きいものです。

 

6.まとめ

精神科児童・思春期デイケアで看護師は、精神科作業療法のフォローをしたり、プログラムの実施をしたりすることで、看護師としての医療的な処置を行うということがほとんどない仕事です。

精神科児童・思春期デイケアでは、看護師自身が成長できるといったメリットや、イベントによっては患者と寝食を共にするといったデメリットがあることの把握が重要です。また、患者の疾患や障害の専門知識を身につけることや、コミュニケーションを取ることが大切です。

監修者

亀岡さくみ看護師

この記事は「」さんが執筆しました。

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