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生活の質(QOL)は精神科看護師が高い?その理由とは?

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精神科 看護師 QOLが高い 理由

医療では患者のQOL(生活の質)を考える事はとても大切な事です。ですが、看護師自身のQOL(生活の質)を考える事も忘れてはいけません。

看護師にとってのQOL(生活の質)としては、以下の3つが挙げられます。

  1. 休暇の数や、残業の有無、有給や希望休が自分の思い通りにとれるか等のプライベートな時間がとれるか。
  2. 看護技術や知識がしっかりと身につく事や、患者に対し専門性や独自性を生かして看護を実践できているという、看護師としてのやりがいが得られるかどうか。
  3. 職場が安定しているか、病棟内の雰囲気が良いか等といった居心地の良さや給料

そして、上記の3つを満たしている科が、「精神科」と言えます。

なぜ、看護師の3つのK「きつい」、「汚い」、「危険」を代表するような精神科が、看護師にとってのQOL(生活の質)が最も高い科と言えるのか、理由を説明していきます。

【目次】
1.そもそもQOL(生活の質)とは?
2.精神科が看護師にとってのQOL(生活の質)が高い理由
(1)休暇も多く有給も使いやすいく残業も少ない
(2)技術・知識をつける事ができる
(3)女性の職場特有のギスギスした感じがない
まとめ

1.そもそもQOL(生活の質)とは?

メモを取る女性看護師「QOL」(クオリティ・オブ・ライフ)とは、日本語で「生活の質」と訳され、どれだけ人間らしく、満足した生活を送る事ができるかを尺度として捉える概念です。

病棟内の医療関係者の間で頻繁に使われ、最近ではADL(日常生活動作)を向上させるのではなく、ADLが向上する事でQOL(生活の質)を向上させる事が大切。というのが一般的となってきています。
 

2.精神科が看護師にとってのQOL(生活の質)が高い理由

ガッツポーズする男性看護師

精神科は看護師の中でも、マイナスなイメージのある科です。ですが、看護師にとってのQOL(生活の質)が最も高い科と言えます。なぜ、精神科看護師のQOL(生活の質)が高いと言えるのか、その理由を私の体験談と一緒に説明していきます。

 

(1)休暇も多く有給も使いやすいく残業も少ない

精神科看護師は緊急で呼ばれることもなく、休日の希望や有給も取得しやすく、比較的安定した休暇を取る事ができます。比較的職員の入れ替わりも少なく、安定した人員が確保できていることが休暇の取得しやすさにつながっています。

 

月に11日は休みが取れた

私の場合は公休に関しては4日間まで入れる事ができ、そのほかに2日間有給の希望を出す事ができました。そのほかに夏には夏休みが4日間、冬には冬休みが4日間取る事ができました。

私が働いていた精神科は、土日の数+国民の祝日の合計日数が月の休みの数になっていたので、休みは大体月11日くらいは休めており、さらに有給を使うとほぼ月の半分が休みになってしまうほどでした。

私も旅行が趣味なので、北海道や沖縄、さらにはグアムなど長期休みを取って出かけていました。職員の中には夏休みと祝日を使って10日以上海外旅行に出かけている看護師もいました。
 

(2)技術・知識をつける事ができる

精神科看護師が行う手技というものは多くなっています。看護技術や知識をつけたい看護師にはオススメの診療科と言え、医師や患者と触れ合うことも多いため、やりがいも感じやすい職場です。
 

経鼻チューブの挿入や採血技術を身につけることができる

精神状態悪化から、食事をとれる状況でなくなってしまっている患者もおり、点滴をいれたり、胃瘻や経鼻でチューブから栄養を入れたりする事もあります

経鼻チューブの挿入は挿入、留置の確認、体位の適正化、経管栄養の実施まで、すべて看護師が行っていました。

採血に関しても1ヶ月に1回は薬の血中濃度を測定するために、1ヶ月に1度は全員の定期採血を行います。そのほかに臨時で新しく処方された薬の血中濃度を調べたい場合や、体調の変化により採血を行うことがあるので、ほぼ毎日採血というのは行われます。

そして1月に1回は1人で15人以上の採血を行う定期採血もあるので、採血に関しては、看護師になって2~3か月もすればすぐに上手くなります

 

精神科看護師は観察力が身につく

精神科の看護師は、長い時間、患者と過ごします。患者の薬の副作用による体調の変化や、疾患による体調の変化、精神状態の変化などに気づく事ができます。

精神科の患者は、自分の身体状況をバーバルで(言語的に)話す事ができないため、ノンバーバルである、呼吸状態や、表情、身体状況、時には、なんだかいつもと違うという看護師としての直感が大切な事も多くあります

私の勤めていた病院は、医師は外来に立つことが多く、病棟に駐在しておらず1日に2~3回病棟を回るというのが基本でした。そのため、患者の変化には特に注意して観察する必要があったため、観察する力はかなり身についていました。

そして、患者を直接診察することも頻回にあるわけではなかったので、看護師がフィジカルアセスメントを行う必要がありました。精神科薬では特に便秘やさらに悪化すると、イレウスになってしまう事があるため、腹部状態の観察や聴診器を使い、グル音の聴取、腹部の打診等を行っていました。

 

医師と良い関係を築きやすくやりがいもある

私の勤めていた診療科では、医師が病棟にいつもいるわけではなく、看護師が観察を主に行う必要があったため、医師に患者の状況や状態、緊急性等をわかりやすく伝える必要があり、看護師の情報に基づき処方や処置の指示が出る事も多く、看護師の観察した情報の必要性は特に大きかったです。

医師からも看護師は頼りにされ、看護師も医師が少ないため頼りにしており、良い関係が築けていました。看護師が患者の変化に気づかなければならないという責任は重いですが、医師から信頼されているという実感もあり、とてもやりがいのある職場と言えます。

 

人との関わり方を学べる環境

精神科では自分の仕事をうまくコントロールし、時間の調整ができれば1時間以上患者に寄り添うことができます

外科や内科と違い1日や1週間で劇的に良くなるということはありません。ただし、患者に寄り添い、1歩ずつ患者と歩んでいく中で喜びを共感することができます。

時には精神的な弱さから、順調に来ていたと思っていたのに始めに戻ってしまったり、後戻りをしたりすることもあり、悲しみを訴える事もありますが、気持ちを共感していく中で、患者から看護師への信頼関係、看護師から患者への信頼関係ができていき、看護師としてのやりがいに繋がっていきます。

 

(3)女性の職場特有のギスギスした感じがない

男性看護師が増え、男性看護師が一般的になってきているとは言っても、看護師全体に占める男性看護師の割合はわずか5%程度で、未だに看護師の職場は「女性の職場」である事にかわりはありません。

しかし、精神科は男性看護師の割合が高く、看護師の職場の中でも最も雰囲気が良い科と言えます。
 

男性看護師の割合が高く雰囲気が比較的落ち着いている

精神科は、看護師の職場の中でも特に男性看護師が多い職場です。男性看護師が多いというのは男性看護師にとっても、女性看護師にとってもメリットと言えます。

男性看護師が多い事で、男性が女性同士の争いの緩衝材となり、比較的事がおおきくならずに済むというメリットや、男性の目がある事で、あまりキツイ事を言わなくなります

男性看護師は、感情でなく理屈で教えてくれるため、女性看護師よりも分からない事があれば聞きやすく、分かりやすいです。

 

精神科は男性看護師にオススメの職場

男性看護師は看護学校の実習中や、働き始めてから男性が少なく、女性が周りの看護師と悩みを共有しながらやっている中、少ない男性の中で悩みを自分の内にしまい込んでいたことはないでしょうか。

精神科では少し事情が違います。私の職場で言うと、3割男性が占めており、日勤でも少なくとも4人~5人は男性看護師がいるという職場でした。看護学生時代に感じていた自分の悩みや不安、わからない事なども男性の先輩看護師に聞くことができ、とても助かりました

 

精神科は仕事に忙殺されない

精神科が比較的ギスギスせず、穏やかなのは仕事に忙殺されないという理由もあります。あまりに忙しい急性期の病棟では、自分の看護師としての意味や働く意味を考える余裕もなく、ただただ目の前にある仕事をこなし疲弊していく事があります。

 

自分の気持ちを整理しながら働ける

精神科は、患者のメンタル的なケアを行うと同時に自分の感情に対しても深く見つめる事のできる科です。

患者と深くかかわる中で、または同僚の看護師とかかわる中で、自分の感情の変化や自分が看護師として何ができるのか、何をしなくてはならないかなど、たくさん自分の中の気持ちを考え整理しながら働くことができます。

 

まとめ

精神科というと「身体的には疲れないけども、精神的に疲れてしまう」といったイメージが多いですが、実際は精神的にも日々患者から気力を与えてもらえる科です。

身体的にもきつい事は他の科に比べれば少なく、比較的高齢の看護師さんも働くことができています。

QOL(生活の質)の低い科で働いていて、日々の業務に意味が見いだせなくなってしまった、業務に忙殺される日々で疲れてしまった。そんな看護師さんはぜひ1度精神科を検討してみてはいかがでしょうか。
 



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この記事を書いた人

ヘルパー、准看護師、看護師と資格を取り、看護師として働いた後、保健師の資格を専門学校にて取得しました。看護師では学生指導やリーダーも経験させていただきました。
他にも、登録販売者や、アロマテラピー検定1級などいろいろな事に興味をもち資格の取得を行っております。今年にはケアマネジャーの試験を受け合格しました。
仕事は全階閉鎖病棟の精神科で6年間仕事をしていました。現在は退職し、地域包括支援センターの保健師を行っております。
少ない男性看護師として、そしてさらに少なく全体の1%程度の男性保健師として、みなさんに情報を伝えられたらと思います。


カテゴリー:精神科病院

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この記事を書いた人:男性ナース
(公開日:)(編集日::2017年04月26日)

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