放射線治療科で働く看護師の仕事・スキル・メリットやデメリット。

放射線治療科で働く看護師の仕事・スキル・メリットやデメリット

放射線治療を行っている施設はそう多くはありません。ですが、放射線治療を受ける患者は増加傾向にあります。がん看護を学びたいと思っている看護師なら、放射線治療の看護を経験したいと思いませんか。

放射線治療科で働きたいと考えている看護師に放射線治療科での仕事内容や看護師に必要なスキル、看護師転職のメリット・デメリットと注意点、1日のスケジュールなどを説明していきます。ポイントを押さえ、看護師の転職活動を効率よく進めましょう。

1.放射線治療科で働く看護師の仕事

放射線治療科で働く看護師の仕事

放射線治療科では、主に放射線を使った治療を行います。放射線治療は放射線を患部に当てて行うため、手術などと違って麻酔を使ったり、身体を切り開いたりする必要がありません。痛みを伴わずに治療が行える、最新の医療技術です。

 

医師の診察の同席

放射線治療科の医師は、初診患者、現在治療中の患者、そして放射線治療が終了し経過観察中の患者の診察を行います。医師一人で診察を実施することも可能ですが、放射線治療を受ける患者は乳がん患者も多く、男性医師の場合には診察に同席する必要があります。

また、頭頚部腫瘍の患者の診察時には、耳鼻科用内視鏡で患部を確認することもあります。医師の診察の同席や介助は、放射線治療科で働く看護師の仕事の一つです。

 

治療中の患者のケア

放射線治療室は放射線技師が数名いるため、変化のない患者の治療については、技師がいれば特に滞りなく進んでいきます。

ですが、照射する際に皮膚を観察する必要がある方や、痛みがある場合、介助が必要な患者については皮膚の観察やケアが必要になり看護師の仕事となります。

 

入院時患者の生活のケア

放射線治療では身体の外側から放射線を当てる治療と、身体に管などをいれて体内から放射線を当てる治療の2つに分かれます。身体の外側から当てる治療では外来治療でも行われますが、内側から放射線を当てる治療では入院を伴います。このため、入院時の患者の生活のケアも業務となります。

また、がんの患者ですから、ほかの関連する診療科との連携も必要となり、他科との連絡や調整などの業務も行います。

 

患者への精神的ケア、家族へのケア

放射線治療を受ける患者は、がんの患者です。がんと共に生きることに対する不安も強いですから、こちらの面でも精神的なケアは欠かせません。同時に患者のご家族も、強い不安を抱えています。ご家族にも配慮する必要があります。

 

治療計画用CT撮影の介助

放射線治療を始める前に、必ず治療計画用CT撮影を行います。このCT撮影の体位が、これからの治療時の体位となるため、医師・放射線治療医・看護師がチームで立ち合う必要があります。

特に、疼痛緩和目的で放射線治療を受ける場合には、CT撮影がスムーズにいくために痛み止めのタイミングや苦痛のない体位を保てる援助が大切になります。また、造影剤を使用することもあり、その穿刺・患者の観察なども看護師の仕事になります。

 

看護オリエンテーション

放射線治療科で看護師の独自の仕事は、看護オリエンテーションです。主治医や放射線治療医からの説明を受けても、患者やご家族の不安は消えません。そんな不安を軽減するために、わかりやすい言葉で治療スケジュールや治療に伴う有害事象のケア、生活上の注意などを看護師が説明します。

 

ポイント!

ポイント

時には、声をかけるだけで涙する患者もいます。何もできない自分を感じることもありますが、患者をサポートする気持ちを再認識する機会にもなるのが、この看護オリエンテーションです。看護師ならではの仕事です。

 

最先端の知識を得るために日々の勉強を要する

日々の看護業務に加え、勉強も必要です。放射線治療は最先端治療であり、急速な進歩を遂げている医療分野です。このため、看護師にも最先端の知識が求められるため、勉強会が活発に行われるほか、セミナーなどに参加することもあります

 

2.放射線治療科で働く看護師に求められるスキル

放射線治療科で働く看護師に求められるスキル
放射線治療科で働く看護師に必要な特融のスキルをご紹介していきます。

 

チームワークの必要性と報告スキル

医師の考え方、放射線技師の特性などを踏まえた上で、小さなことでも報告しあえることが、放射線治療室の看護師に求められるスキルです。

放射線治療科は、医師・看護師・放射線技師が毎日顔を合わせる場所です。そのため、看護師が独自でケアを行うことも、場合によっては「NO」と言われてしまうこともあります。

 

病棟・外来との連絡調整・情報共有スキル

放射線治療は、患者を併科で見ています。そのため患者の主治医は別におり、患者の状態の変化や外来診察との兼ね合いも、主治医・病棟・外来などとの調整が必要になります。

放射線治療は基本、月曜から金曜日までの5日間、5~7週間続くことになります。毎日来る患者の変化に気が付いたら連絡し合い、情報共有できるスキルも求められます。

 

皮下注などの看護スキル

放射線治療医は、患者の状態に応じて放射線治療による白血球減少症の予防にアンサーを定時に皮下注する指示を出す場合があります。この薬は皮下注射で、週2回実施するため、放射線治療室で働く場合には、皮下注を実施する看護師としてのスキルは必須です。

 

ポイント!

ポイント

皮下注もスキルを高めると、患者も痛くなくなり、患者から「あなたが今日担当なの?」と喜ばれるほどレベルアップできるスキルです。最初は苦手意識がある看護師も多いですが、対応や練習を繰り返すことによって一番抵抗なくできる注射を行うことができます。

 

共感的理解と傾聴スキル

放射線治療を受けに来る患者は、患者指導というよりも、患者のつらさに寄り添う技術が求められます。特に、放射線治療の有害事象は、治療開始後3週間目以降から出現し、治療終了後の数週間続くことになります。

その有害事象を抱えて、治療継続させるためには、患者を指導するよりも共感的理解と、看護師として患者の思いを傾聴するスキルが大切になります。

 

3.放射線治療科で働く看護師の1日のスケジュール

放射線治療科で働く看護師の1日のスケジュール
放射線治療科で働く看護師の1日のスケジュールは以下のような流で進みます。スケジュールはその日によってまちまちですが、午前と午後に分けてご紹介します。

 

午前:合同ミーティング・カンファレス

放射線治療は医師、看護師、放射線技師がチームを組んで進んでいきます。そのため、朝のミーティングやカンファレンスは合同で行います。その日の患者に関する注意事項や順番、初回患者の有無などを情報共有し合い、事故がないよう確認しあいます。

放射線治療は、どうしても放射線技師中心で物事が進みがちですが、看護的視点で発言できる機会でもあり、有意義な時間です。

 

午前:医師の診察やICの同席

通常の診察のほかに初回診察にも同席します。初回診察は、放射線治療についての説明や治療方針、有害事象などを含めて行うため、看護師が同席することで今後の方向性を確認しあえます。

 

午前:看護オリエンテーションの実施

初回診察前に、放射線治療を予定した患者と面談し、放射線治療に関する理解度や初回診察時の注意事項などを確認します。この面談は、外来などから放射線治療依頼があった当日などに行うため時間は未定ですが、業務の一つになります。

また、治療を受けることが決まった患者へのオリエンテーション、治療終了時のオリエンテーションなど、放射線治療における看護オリエンテーションの実施は毎日のように行われます。パンフレットを用いて行いますが、時間は患者の理解度によって変わってきます。

 

午後:治療計画用CTの介助

治療計画用CTは、お昼前後に行われることが多い業務です。造影剤を用いないCT撮影で、患者が自立している場合には、放射線技師だけで行うこともあります。ですが、時間がある場合にはできるだけ立ち会うことが、患者と信頼関係を構築する意味でも役立ちます。

 

午後:放射線治療時のケア

放射線治療を受ける患者は、時間が決まっています。その検査を淡々と進めていくのが放射線技師の仕事です。その隙間を縫うように、看護師は患者の介助を行ったり皮膚の観察を行ったりします。

 

午後:緊急照射への対応

放射線治療の機械トラブルなどが起きた際に、患者への時間変更等の連絡は主に看護師が行うことになります。放射線治療の日頃のメンテナンスは、放射線技師が行っていますがそれでも、急なトラブルで機械がストップすることもあります。

 

ポイント!

ポイント

骨転移が原因の脊髄圧迫による麻痺症状や、疼痛緩和に対する緊急照射を行うこともあります。依頼があった当日から照射することもあり、IC同席・同意書の確認・オリエンテーション・治療計画CT・照射までの一連の流れを短時間で行うため、残業になることもあります。

 

4.放射線治療科で働く看護師のメリット

放射線治療科で働く看護師のメリット
看護師が放射線治療科で働くメリットは、最新医療技術である放射線治療に関する専門的な知識や技術が身につくことです。放射線治療に関する知識や技術はもちろんのこと、がん患者が治療対象となりますから、がんに関する知識も得られます。その他のメリットも合わせてみていきましょう。

  • 同じ患者に毎日会える
  • 時間が読みやすく残業も少ない
  • 働きながらがん放射線治療に関する知識がつく

 

同じ患者に毎日会える

放射線治療は4~6週間、毎日同じ患者に会うことができます。そのため、患者と打ち解けて話ができますし、治療終了後も外来の際に顔を出してくれることもあります。

 

ポイント!

ポイント

また、治療開始前は不安な表情をしていた患者が、声掛けやケアを通して活気をとりもどす過程にかかわることができるので、看護師としてやりがいがあります。

 

時間が読みやすく残業も少ない

放射線治療は全予約制のため、機械トラブルや緊急対応がなければ、時間通りに治療が終了し定時で上がることも可能です。

業務内容も、緩和ケアの患者でなければ、概ね流れが決まっているため、一日の業務の流れが読みやすく予定が立てやすいです。

 

看護師として業務がバタバタしない

午後は医師も治療計画を立てる時間が必要なため、午後診察も少なく処置なども少なくなります。治療対象のほとんどががん患者という中で、バタバタしないで業務ができることは患者と関わるうえでもメリットになります。
 

働きながらがん放射線治療に関する知識がつく

特に、がん放射線療法看護の認定看護師の資格取得を目指す人には、放射線治療科での仕事で経験が得られることは大きなメリットとなります。認定看護師の資格取得は時間もかかりますし、学校に通うなど、働きながら勉強をする必要があるので大変です。

しかし、資格を取得すると指導者の立場として活躍できるので、現場での看護だけでなく職場の看護師への指導、セミナーの講師など活躍の幅が広がり、待遇条件の向上も期待できます。現代の医療現場では、専門性の高いスペシャリストに対するニーズが高まっています。ジェネラリストではなくスペシャリストとして活躍したい人には特にメリットが高くなります。

 

ポイント!

ポイント

働きながら放射線治療についての専門的な知識と技術が身につくうえに、プライベートの時間も大切にできる職場となっています。

 

5.放射線治療科で働く看護師のデメリット

放射線治療科で働く看護師のデメリット
放射線治療科で働く看護師のデメリットは以下の通りです。

  • 他の部署の看護師に会わない
  • 放射線技師の力が強い
  • 総合的な知識を得るのが難しい
  • 学ぶことが多く、勉強に費やす時間が必要

1つ1つ詳しく説明していきますので、転職を考える看護師の方はチェックしましょう。

 

他の部署の看護師に会わない

放射線治療室は、スタッフが固定し、また地下に設置されていることも多く、他の部署の看護スタッフに会うことが少ないのがデメリットです。

 

閉鎖的な空間が苦手な看護師はデメリットに

明るく開放的な環境で働くことが好きな看護師は、放射線治療室の環境にいること自体が苦しいと感じる人も少なくありません。閉鎖された空間が苦手な人にとっては、息抜きする場所が欲しく可能性があります。

 

放射線技師の力が強い

放射線治療室の放射線技師は、こだわりとプライドが高く、看護師の提案を受け入れてくれないこともあります。

また、職人気質の人も多く、一度機嫌を損ねると関係性を保つのが難しくなることもあります。看護師よりも、放射線技師の力が強いことが、放射線治療室の一番のデメリットかも知れません。

 

総合的な知識を得るのが難しい

このほかのデメリットでは、専門的な知識は得られますが、総合的な知識が得られないことがあげられます。スペシャリストを目指す看護師には最適な職場ですが、ジェネラリストを目指す人のなかには、幅広い知識や技術が身につかないと感じる人もいます。とはいっても、がん患者の看護を行うのですから、がんに関する知識や看護技術も学ぶことができます。

 

学ぶことが多く、勉強に費やす時間が必要

また最新技術を扱うので、覚えることが多くなります。看護業務だけでなく勉強に費やす時間が多くなるのことを、デメリットに感じる看護師もいます。レントゲンやCTなどを見て、どのような状況であるのかを読み取る知識、最新のがん治療について、放射線治療のメリットとデメリットなど、学ぶことはたくさんあります。

新しい知識に追いつくために、自分から積極的に学ぶ姿勢が求められるので、のんびりと働きたい人は、勉強が多いことに負担に感じることがあります。

6.放射線治療科で働いて楽しかったこと・辛かったこと

放射線治療科で働いて楽しかったこと・辛かったこと
放射線治療科の看護師として、働いていて楽しかったこと、辛かったことをご紹介します。転職を考える看護師の方は確認してみてください。

相談されることが多い(楽しかった)

1か月半程度のお付き合いとはいえ、毎日顔を合わすため、患者や家族から色々な相談ごとを受けることがあります。

その相談に対して、時間をかけて情報提供を行い、支援方法を考え実践できたことが、放射線治療科で働いて楽しかったことです。看護スタッフも少ないため、自分の看護ケアが形で見えやすく、また患者から言葉で返されることも多いため、対応したことの結果を実感しやすかったです。

 

放射線技師さんの衝突(辛かった)

放射線治療科で働いて辛かったことは、放射線技師との衝突でした。私が異動する前にも他の看護スタッフと放射線技師との衝突があったようですが、私が異動した後も同じようにありました。そして自分も、衝突の原因になってしまいました。

今思えば、衝突が繰り返される原因は、放射線技師自身の中にある問題だったと思いますし、対応策も考えられたと思います。ですが、多くの場合看護師は、他の部署から問題を提起されると問題を起こしたとされる看護師を責めてしまう傾向があると思います。

 

ポイント!

ポイント

私も、問題とされたスタッフを注意しましたし、自分もそうされました。たぶん、「放射線治療は放射線技師のほうが詳しい:という思い込みから、何かトラブルがあった場合に、看護師を責めるというパターンになりやすかったのだと思います。

 

7.放射線治療科へ転職する注意点

放射線治療科へ転職する注意点
放射線治療科は外来診療が多いのですが、病棟室を併設している病院では入院患者を看護するため、夜勤もあります。また、外来だけの診療であっても、他の診療科の入院病棟の夜勤を担当しなければならないケースもめずらしくありません。放射線治療科へ転職する際に注意すべき点にはどのようなものがあるのでしょうか。

  • 勤務時間や雇用形態を確認する
  • 希望通りの配属にならない可能性がある
  • 資格取得に対する支援があるか確認する
  • 病院独自の教育システムを確認する

 

勤務時間や雇用形態を確認する

夜勤勤務を希望しない人は、外来診療だけなのか、それとも入院診療も行われるのか確認しましょう。日勤のみの勤務では、正社員ではなくパートやアルバイトでの採用になることもあります。勤務時間だけでなく、雇用形態についてもチェックしましょう。

 

希望通りの配属にならない可能性がある

放射線治療は最先端医療であり、治療機器なども高価です。このため、大学病院や大規模病院などに診療科があります。総合病院では、放射線治療科での勤務を希望していても、他の診療科での採用となる可能性もあります

 

資格取得に対する支援があるか確認する

がん放射線療法看護の認定看護師の資格取得を目指しての転職の場合は、病院側が認定看護師の資格取得をバックアップする支援制度があるかどうかも確認しておきましょう。認定看護師の資格は働きながら、長期間にわたって勉強をする必要があります。職場の支援制度がないと、いったん退職をして資格を取らなければならないといった事態に陥ることもありますから、職場支援は重要なポイントです。

 

病院独自の教育システムを確認する

このほかに病院独自の教育システムについても、確認しましょう。大きな病院では看護師教育システムが充実していますが、それぞれに特色があります。中途採用者でもしっかりとスキルアップを支援してくれるかどうか確かめることが大切です。

 

放射線治療科の看護師転職求人の探し方

放射線治療科の看護師転職求人の探し方

放射線治療は新しい医療で、高価な最先端技術を使った治療となりますから、まだまだ放射線治療科を設けている病院が少ないのが現状です。このため、放射線治療科からの中途採用の募集がほとんどありません。ひとりで求人情報を探しても、まず放射線治療科への転職先は見つけられないでしょう。

 

看護師転職サイトを活用して情報を集める

このような求人数が少ない職場への転職を希望する場合は、看護師転職サイトに登録し、専門家に求人情報を探してもらうと良いでしょう。看護師転職サイトは、看護師に特化した転職情報を紹介しています。一般的な転職サイトに比べ、より専門的な情報が集まりますし、担当のコンサルタントも医療業界に詳しい人ばかりなので安心です。

 

大規模病院の多い非公開求人の情報が得られる

看護師転職サイトでは、未公開の求人情報もたくさん扱っています。特に大学病院や大規模な病院の求人は応募者が殺到するため、非公開で求人を募集することが多いのが一般的です。非公開の情報が得られるうえに、有益なアドバイスや支援が受けられる看護師転職サイトを活用することをおすすめします。

 

まとめ

特殊な看護である放射線治療科ですが、自分が意識をもってかかわることで、患者と深い関係性を築くことができる場所です。

がん看護を勉強したいと思っている看護師なら、数年間だけでも、放射線治療室での勤務をおすすめします。机上の勉強だけでは、放射線治療を受ける患者の気持ちの理解にはつながらないです。

機会があれば、放射線治療科の看護師として、治療に立ち合い、放射線治療医の考え方を知った上で、放射線治療を受ける患者・家族へのケアを実践してみませんか。きっと看護師としての幅が広がります。

 

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監修者

亀岡さくみ看護師

この記事は「」さんが執筆しました。

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