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( 看護師 保健師 )

地域包括支援センターの看護師業務内容・役割について

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現役看護師 ふーさん

地域包括支援センターというのは、介護保険法で定められた機関であり、地域住民の保健・福祉・医療の向上、虐待防止、介護予防マネジメント、などを総合的に行う機関であるとされています。そして、各区市町村に設置することが義務付けられています。2005 年の介護保険法改正で制定されました。

このページでは、私が実際に地域包括支援センターで働き、感じたことや行った業務について、実際にはどのようなものなのかについて、皆さんにお伝えしていきます。

1. 地域包括支援センターとは

地域包括支援センターとは

地域包括支援センターとは、一言でいうとズバリ地域の高齢者のよろず屋」。これに尽きます。

地域の高齢者のことなら、ほぼ全てと言っても過言ではないくらい、地域包括支援センターが担うことになります。

 

地域の高齢者の様々な情報が舞い込んでくる

『あそこのおばあちゃん、数日前から見かけないの』『何丁目に住んでるあのおばあちゃん、迷子みたいよ』『最近、何だか血圧が高くて』などなど、とにかくいろんな情報が舞い込んできます。本人からだったり、家族だったり、近所の人だったり、情報源は様々です。

 

自治体から直接情報が流れてくることも

地域包括支援センターはだいたいが各自治体の委託の施設であることが多かったり、市役所などの一角にあったりして、自治体との連携が不可欠です。そのため、自治体から直接センターに情報が舞い込むこともあります。

 

勤めている職員は全員資格職

地域包括支援センターに勤めている職員は、全員が資格職です。看護師、主任ケアマネージャー、社会福祉士、などなど。原則的にこの 3 つの資格職を配置することになります。

他には精神保健福祉士など。兼任している職員も少なくありません。

 

自治体によって地域包括支援センターの設置数はさまざま

地域包括支援センターの設置については、以下のように各自治体によって様々です。

  • 大規模な自治体:老健施設などに数か所の設置
  • 小規模な自治体:直営で設置している

そのため、地域包括支援センターの設置数はその市区市町村ごとに異なります。しかし、原則として地域に1つは地域包括支援センターの設置は義務とされています。

 

地域包括支援センターに看護師は必要不可欠

地域包括支援センターには以下3つの看護職の勤務が条件になります。

  • 保健師または地域看護の経験のある看護師
  • 社会福祉士
  • 主任ケアマネジャー

このように、看護師は地域包括支援センターでとても大きな役割を担っています

 

2. 地域包括支援センターで働く看護師の役割

働く看護師の役割

それでは、地域包括支援センターにおける看護師の役割とは何なのか。先程も書きましたが、地域の高齢者のよろず屋なので、基本的に高齢者のことについては全て対応します。

ですが、看護師が主に担うのはやはり医療に関することです。

 

病院への付き添いや転院調整など多岐にわたる

高齢者が家で倒れていると聞けば血圧計と聴診器などを持ち、自転車なり車なりで急いで駆け付けます。

病院に付き添うこともあれば、受診調整をすることもあります。退院カンファレンスに出ることだってあります。自宅への退院が難しければ介護施設や地域包括ケア病棟への転院調整をしたり介護保険サービスの調整をすることだってあります。

 

本人だけでなくその家族への支援も大切な役割

本人だけでなく、家族の話を延々と聞くこともあります。介護問題は、なかなか根が深いものが多いです。病院勤務の看護師と同様に、本人だけでなくその家族への支援も大切な役割です。

 

介護の予防に努める

大切なことは、介護が必要な高齢者を減らす。元気なままで長生きしてもらうこと。そのために地域で高齢者を見守り、支えていく。これが元々の地域包括支援センターが創設された目的なのです。

必要なのは『介護予防』になります。看護師は、センターの管轄している地域の介護予防教室などでプチ講義をしたり、介護予防体操を行ったりします。夏には脱水予防、冬にはインフルエンザ対策。頭をフル回転させて毎回のテーマを考えています。

健康教室などを企画して血圧測定、骨密度などを測り、より自分の身体に関心を向けてもらい、疾病の予防や転倒予防に努めます。

 

自宅訪問を行い安否確認や生活状況を把握する

認知症が疑われたり、事前に情報が入ってきている高齢者には定期的に自宅訪問をしたりして、安否確認や生活状況の把握などもします。

健康状態はどうか、内服はできているか、食事はどうかなど。ここは、看護師のアセスメント能力の発揮どころです。

また、自治体と連携し、独居高齢者をピックアップし、個別に支援を行ったりもしています。最近では、認知症予防にも力を入れています。これもやはり多岐に渡ります。

 

介護予防ケアマネジメントを行う

これは看護師だけではありませんが、介護予防ケアマネジメントというものを行います。そして、介護予防ケアプランの作成を行います。

ケアプランは病院でいうところの看護計画といったところでしょうか。医療ニーズが高い利用者を主に担当することになります。

 

軽度要介護者への介護予防ケアプランを作成・調整する

地域包括支援センターの看護師の仕事に「介護予防」があります。介護予防とは、利用者の介護度が進まないよう、より元気に地域で生活ができるように「介護状態を予防する」プランを立てることを言います。

  • 最近きちんと薬を服用できているか
  • 服薬管理を変えなと病状が悪化するかもしれない

このように利用者の状態を定期的に把握し、必要に応じて訪問看護サービスを導入することなどが、具体的なケアプランとして挙げられます。

 

高齢者によってはデイケアやデイサービスの機能訓練も導入する

訪問看護の導入などもケアプランのひとつですが、他にも高齢者に次のような症状が見られた場合はデイケアやデイサービスの機能訓練を利用してもらいます。

  • 家に閉じこもってばかりであまり外出していない可能性がある
  • 足腰が弱って今後歩くのに支障が出る可能性がある

看護師は、その利用者の病状や家庭での暮らし、家族の協力などを見据えて介護予防サービスのケアプランを立てるのです。

 

ポイント!

ポイント

病棟経験のある看護師場合、実際に初めてケアプランを立てるときに「看護」と「介護」で看護計画が大きく異なることに戸惑うことが多いです。

 

作成したケアプランを基にサービス担当者会議を開く

看護師はケアプランを作成後、サービス担当者会議を開きます。サービス担当者会議というのは利用者に関わる事業所の関係者が集まり、ケアプランの方向性を決め統一を図るための会議です。

  • 利用者や家族が地域で暮らしやすい様にどうしたら良いか
  • ケアプランの調整とさらに適宜プランへの変更

主に会議で話合われるのは上記のような内容です。サービス担当者会議で訪問看護のサービスについて話合う場合は、訪問看護師などに会議に出席してもらいます。

 

地域の高齢者への介護予防教室の運営も看護師の仕事

地域の高齢者への介護予防教室とは、地域で生活している高齢者が要介護状態にならないように機能訓練などを行う教室です。誰でも年を取ると、体は老化して弱くなります。地域包括支援センターの看護師は、少しでも地域の高齢者が元気に生活できるように介護予防教室を運営することも仕事になります。

 

介護予防教室で行う具体的な仕事内容

介護要望教室では、看護師だけでなく、地域の理学療法士や栄養士、歯科衛生士を巻き込み教室を運営しています。まずは看護師・理学療法士・栄養士・歯科衛生士それぞれがどのような仕事を受け持ているか表で見てみます。

【職種】 【介護予防教室の仕事内容】
看護師 ・健康相談
・バイタルサイン測定
理学療法士 ・ウエイトを使用した足の運動
栄養士 ・栄養指導
歯科衛生士 ・唾液の分泌を促す口腔体操の指導

地域包括支援センターでは、看護師は多くの方と関わり合い仕事をしています。特に、介護予防教室では病棟の看護師では知ることのできない地域の高齢者の生活を知ることができます。

 

看護師は介護予防教室で普及啓発活動も行う

看護師の場合、時には介護予防教室で自ら前に出て講話をし、介護予防についての知識の普及啓発活動も行います。定期的に開催するので、教室に参加する高齢者の健康状態を把握しやすくなります。そして地域の高齢者ととても仲良くなれます。

 

3.地域包括支援センターで働く看護師のメリット

地域包括支援センターで働く看護師が得られるメリットのひとつに、様々な他職種の方と知り合いになれることが挙げられます。例えば、他の事業所で勤務するケアマネジャーさんとも担当利用者の引継ぎなどで関わることも多いです。

  • 社会福祉士
  • 主任ケアマネジャー
  • デイサービスの職員
  • 訪問看護・訪問介護の職員

このように、病棟看護師では知り合うことのできなかった他職種の方と出会い、仕事を連携することにより、他職種の様々な役割を学ぶことができるのです。

 

介護予防教室での出会いにより他の高齢者の情報を得られる

地域包括支援センターの看護師が行う介護予防教室では、受講に来る方と仲良くなると前述しました。その出会いで仲良くなった方が、声をかけてくれるだけでなく、他に困っている高齢者の情報などを教えてくれることもメリットです。その情報により、高齢者の状態悪化が防げるだけでなく、関わる方の不安や負担も軽減できるのです。

 

まとめ

地域包括支援センターでは、あくまで医療機関や介護施設など、第三者への橋渡し役なのです。

そして、病院よりも、関わりは希薄であり、そもそも呼び方も『患者』ではなく『利用者』となります。しかし、元気な高齢者と関わることは自分も元気をもらえますし、何よりも『元気で過ごし続けること』の支援も立派な看護だと思うようになりました。

地域の中心となり、高齢者の今、未来を支える地域包括支援センター。高齢化が進む中で、役割は大きくなりつつあります。病院でもチーム医療がなされるように、地域の中でも、自治体や地域の方々との協働で地域包括ケアは行われています。

この記事を通して、少しでも地域包括支援センターでの看護師の役割や業務の実際について、知っていただけたら幸いです。
 


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この記事を書いた人

温かい心をモットーに、寒い北国で日々走り回っている現役の道産子看護師です。頑張って看護師の役に立つ記事を執筆していきます。


カテゴリー:看護師の仕事内容・業務

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この記事を書いた人:ふーさん
(公開日:)(編集日::2017年03月25日)

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