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回復期リハビリテーション病棟で働く看護師の仕事内容

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回復期リハビリテーション病棟で働く看護師

近年、生活習慣の変遷に伴い、脳血管疾患を患う患者は後を絶ちません。患者増加に伴い回復期リハビリテーション病棟がどんどん増え、看護師の需要が増えている一方で回復リハビリテーションは体力勝負な面もあり、科目の中では人気の低い部類です。

今回は、少しでも興味をもってもらえるよう、回復期リハビリテーション病院のリハビリ病棟で働く看護師の「仕事内容」「1日のスケジュール」「メリット・デメリット」などを詳しくご紹介します。

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1.回復期リハビリテーション病棟で働く看護師の仕事内容

リハビリを手伝う女性看護師
看護師は、回復期リハビリテーション病棟に入院している患者の「しているADL」・「できるADL」・「できないADL」を把握した上で他スタッフと情報提供と情報共有を行いながら、患者に必要なケアを提供していきます。

 

バイタルチェックと記録

回復期リハビリテーション病棟では、患者のリハビリ時間に合わせてバイタルチェックを行います。患者がリハビリを行っている時間の看護師の仕事内容としては、記録や他の業務をします。

 

ポイント!

ポイント

リハビリ時間が1日3時間と長くタイミングが合わないと、1日患者と顔を合わせないことがあります。看護師は、リハビリ時間を事前に確認してタイミングを見計らわなければなりません。

 

患者の日常生活の援助や見守り

リハビリ科病棟で働く看護師は、患者の起き上がり動作から食事・排泄など日常生活に関わる全てを見守り・援助を行い、患者一人一人に合わせた見守り・援助を行うのが看護師の仕事です。

しかし、起き上がる動作ひとつにしても、各患者の身体状況・精神状況・残存機能により対応が異なるため、患者の現在のADLをきちんと把握することが必要になります。

 

脳血管疾患で急性期から転院した患者は注意が必要

脳血管疾患発症して間もない患者は自身の身体の状態や環境を理解できておらず、思いがけない行動を起こします。

そのため、声掛けに対する反応や起き上がり方など一瞬も目を離せず、患者のひとつひとつの動作を見ながらADL状況や必要な援助を確認していきます。
 

リハビリスタッフや医師との連携・カンファレンス

回復期リハビリテーション病棟では、チーム医療で幅広いサポートを行い、毎日カンファレンスが行われます。そのため、カンファレンス内容をもとに各リハビリスタッフがリハビリ内容を調整・検討し、医師が内服薬の変更や他検査等の指示を出していきます。

スタッフの中でも看護師は患者とコミュニケーションを図る時間が特に長いのが特徴です。

 

2.回復期リハビリテーションのスケジュール

二時をさす時計
回復期リハビリテーションで働く看護師の1日のスケジュールを「日勤」と「夜勤」に分けてご紹介します。

 

日勤看護師のスケジュールについて

時間 看護師の仕事内容 詳細
8:00~ 情報収集
内服処方切れの確認
ADLの評価状況
リハビリスケジュールなどの把握
8:30~ 全体申し送り
各チーム、個人での申し送り
注意が必要な患者を周知
9:00~ 環境整備  バイタルチェックの合間に環境整備を行う
11:30~ 食堂へ誘導・移動介助  食事環境を整える
12:00~ 昼食・カンファレンス  食前・食後の配薬
内服の確認
13:00~ 看護記録
看護計画の見直し
着替えの援助・見守り
各患者のADLに応じて援助
見守りを行う
17:00~ 夜勤者へ申し送り
勤務終了
帰宅

 

日中はトイレ誘導の患者が多いため、長時間トイレから離れられないことやナースコールが止まないことが多々あります。その合間を縫ってバイタルチェックや評価を行わなければならないので、慣れるまでは時間の調整に苦労するかもしれません。

 

夜勤看護師の1日のスケジュール

時間 看護師の仕事内容 詳細
16:30~ ・情報収集
・日勤者からの申し送り
17:00~ 食堂へ誘導・移動介助
17:30~ 配膳・夕食 ・食前・食後の配薬と内服確認
・トイレ誘導
・歯磨き指導
19:30~ ・看護ケア
・バイタルサイン測定
・軟膏塗布
・目薬の援助や見守り
・おむつ交換
21:00~ 消灯 ・看護記録の記入
・看護計画の見直し
6:00~ ・洗面・更衣・
トイレ誘導、介助
必要な患者のみ更衣介助、見守り
7:30~ 食堂へ移動介助・誘導
8:00~ 朝食 食前・食後の配薬と内服確認・歯磨き指導
9:00~ ・日勤者へ申し送り
・勤務終了

急変もほぼなく緊急入院などもないため、日によっては看護記録をすべて終えても時間が余ることもあり、定時で夜勤を上がることも可能です。

しかし、ナースコール対応が多い日や転倒などトラブルが起こった場合はお昼前に勤務を上がることになる日もあります

 

3.看護師に求められるスキル

紹介する女性看護師

まず一番に回復期リハビリテーションで働く看護師に必要なスキルとしては、体力とコミュニケーション能力が挙げられ、患者を明るく、精神的にサポートするこが求められます。

その他、必要なスキルを詳しく確認していきましょう。

 

日常生活の援助を行う介護技術が必要

回復期リハビリテーション病棟は、食事・排泄・入浴介助・歩行など日常生活の援助を行う病棟であるため介護技術が求められます。

 

ポイント!

ポイント

中には体格ががっしりしている患者もおり、そのような患者の日常生活を援助・サポートしていくためには介護技術だけでなく体力が欠かせません。ボディメカニクスをうまく活かしながら援助・サポートを行えない場合患者・看護師ともに負担が大きく、場面によっては患者を危険にさらすことにもつながります。

 

本音を聞き出すコミュニケーション能力

患者・家族それぞれの本音を上手に引き出してあげることも看護師の役割です。「実はね」と心の内を話してもらうには、日頃から信頼関係を築いておくことが必要です。

例えば、「自宅退院するためにリハビリを頑張ります」と言われても一向に頑張る気配のない患者や、家族が「自宅に連れて帰って介護します」と言われても、実は世間体を気にした綺麗事の時もあるからです。

 

看護師次第で患者の選択肢がなくなる

患者や家族の建て前を真に受けていると、施設入所のタイミングを逃し、自宅退院しか選択肢がなくなることもあります。そのような場合は、患者さんにとっても家族にとっても幸せとはいえません。

 

他業種間を調整する能力

回復期病棟では医師、看護師、リハビリスタッフの他にも様々な職種が活躍しています。看護師は、各部署の意見を聞いて、うまく折り合いや調整を行わなければなりません。

それぞれプロフェッショナルとして仕事をしているため、調整が難しく、看護師としての能力が問われます

 

ポイント!

ポイント

時には、医師、看護師、リハビリスタッフ等で意見が食い違うこともあり、対立したままでは患者さんにも悪い影響を与えてしまうので注意が必要です。

 

 

高齢患者へのコミュニケーション能力

高齢患者にとって、リハビリは体力を消耗する辛いものです。「しんどいからやらない」「痛いからやらない」と言う高齢患者を、いかにその気にさせてリハビリに連れ出すか、看護師のコミュニケーション能力で大きく変わります。

だからこそ、看護師には患者を支え、やる気を出させることが必要になります。

 

ポイント!

ポイント

動けるようになれば出来る、何か楽しいことを一緒に目標設定としていくと、患者のやる気に火がつくこともあります。

 

患者への危険予測能力

リハビリ期の患者は厳しいリハビリの成果もあって、日々ADLが拡大していきます。それはそれでとても喜ばしいことなのですが、そんな時こそ転倒・転落に気を付けるべきなのです。

 

看護師としての発想の柔軟さも大事

普通のベッド柵では、握りにくそうだから太めのグリップをつけてみるとか、片手で食事をするのにお皿が動いてしまうので滑り止めを付けてみようなど、柔軟に対応できる発想力があるとより質の高い看護が提供できます。

 

性格も考慮して予測していく必要がある

患者によっては、調子に乗ってふざけることがある、集中力が続かず注意散漫である、自分の力を過信している、など転倒転落につながりやすい性格があり、そうした性格も考慮しながら危険予測を行っていきます。

 

高次脳機能障害がある場合は高リスク

認知症や頭部外傷による高次脳機能障害で、看護師の指示が理解出来ない場合も高リスクです。

日頃の患者さんの特性を理解し、転倒しにくい環境に整える、巡室回数を増やす、ミトンをつける、医師に薬剤の調整を依頼するなど、先回りして事故を未然に防ぐことが求められます。

 

4.回復期リハビリテーションで働くメリット

微笑む女性看護師
ここでは、回復期リハビリテーションで働く看護師の最大のメリットは、落ち着いた環境の中で時間をかけて1人1人の患者と向き合えることでしょう。

また、以下のようなメリットもあります。詳しく見ていきましょう。

 

日勤も夜勤も残業が比較的少ない

回復期リハビリテーションでは、終業時間の間際に患者に用事を頼まれたり、転倒転落が起こった場合くらいしか残業にはなりません。夜勤も同様で、ほとんどの記録は早朝に済ませておき、日勤への申し送りが済めば帰宅出来ます。

 

朝の情報収取も短時間で済む

基本的に、患者の入院は数カ月単位であることから、回復期リハビリテーション病棟自体の回転率が遅く、情報収集のために早めに出勤する必要がありません

また、入院している患者の状態変化が緩慢で急激に大きく変化するということは、少ないといえます。

 

患者の急変が少ない

回復期リハビリテーションに入院する患者は、急性期を脱した方ばかりで、全身状態は落ち着いており、急変が少ない患者といえます。

高齢の患者が食事中に窒息してしまうこともありますが、どれも年に数回あるかないかです。

 

急変の原因は脳梗塞の再発であることが多い

回復期リハビリテーション病棟に入院している患者が急変する場合は、ほとんどが脳梗塞の再発になります。

さっきまで元気にしゃべっていた患者が突然倒れたり、昼間からいびきをかいて寝ていると思ったら、呼びかけに反応しないため、再梗塞を疑って大きな病院に救急車で搬送することも珍しくありません。

 

患者の回復していく過程を見ることが出来る

病棟に車いすで入院してきた患者が、杖歩行で退院していくこともあり、看護師として達成感と充実感をかみしめることが出来ます。

急変などが起きない限り、患者の状態は不変、またはADLが拡大した状態で退院していきますので、ほとんどが患者に笑顔で見送ることになります。

 

厳しいリハビリを一緒に乗り越える達成感は格別

脳血管疾患では150日、大腿骨骨折は90日など、入院日数に限りがあるため、その短い期間内にどれだけADLを上げるかが看護師としての勝負です。その厳しいリハビリを一緒に乗り越える達成感は格別です。

 

多方面から幅広い知識が得られる

回復リハビリテーション病棟はチーム医療が展開されており、PT・ST・OTなどの他職種を交えてのカンファレンスや勉強会を行う機会がたくさんあります。

そのため、様々な視点からの考え方や患者へのアピール方法・切り口などを学ぶことが可能なこともメリットの1つです。

 

ポイント!

ポイント

幅広い知識を得ることで看護の幅も広がり、患者とより深い信頼関係を持つことにもつながります。

 

5.回復期リハビリテーションで働くデメリット

悩む女性看護師

看護師にとって、回復期リハビリテーション病棟で働くデメリットとしては、まず体力的な問題が挙げられます。

もちろん、すべての介助を看護師が行うわけではありませんが、他の診療科に比べると体力的な負担が大きいという点は理解してながらデメリットを確認してきましょう。

 

患者の急変時に対応できる設備がない

急性期を脱したとはいえ、高齢の患者を預かっている以上、急変がいつ起こるか分かりません。頻度は低いですが、いざという時は内心慌てる看護師も多い傾向にあります。

 

ポイント!

ポイント

回復期リハビリテーション単科の病院などは、脳梗塞の再発、転倒による骨折、人工骨頭の脱臼など、院内で対応出来ないものは、自治体の救急車を呼び、大きな病院に搬送します。

 

看護師として医療処置が少ない

医療処置がほとんどないのが回復期リハビリテーションの特徴です。採血は毎日1人~2人になり、点滴は全くないことが多いです。褥瘡の方がいれば処置、膀胱留置カテーテルの方がいれば交換が必要ですが、経管栄養の患者ですら、いないこともあります。

日常的に行う医療処置は、点眼くらいです。

そのため、新卒看護師はなかなか経験が出来ませんし、経験者ですら持っていた技術が落ちる可能性があります

 

他職種との連携が難しい

回復期リハビリテーションには医師、看護師、リハビリスタッフの他に、介護士、ソーシャルワーカー、栄養士、メディカルクラークなどが関わっているのですが、時には職種間で意見がぶつかることもあります

 

関係自体に亀裂が入ってしまうこともある

意見をたたかわせる事で良い結果を生むことはもちろんありますが、時には「あの人わがままだから嫌い」など、関係自体に亀裂が入ってしまうこともあります。

 

サマリーの記入が多い

回復期リハビリテーションから退院するとき、施設や療養病院への看護紹介状を作成することはもちろん、自宅退院の場合も担当ケアマネージャーさんへのサマリーが必要です。受け持ち患者の退院が重なると、サマリー作成が大変です。

 

ポイント!

ポイント

また頻繁に開かれるカンファレンスのために、担当患者の様子を看護の立場から記入したカンファレンスシートも必要です。残業にならないよう、空いた時間を使って計画的に作成しておくことが必要です。

 

6.働いて楽しかったこと・辛かったこと

林みずほさん【現役看護師】

林みずほさん 看護師ライター

回復期リハビリテーション病棟で働いていて楽しいと感じる瞬間は、やはり患者の回復が実感できた時です。できなかったことができた瞬間にスタッフ皆で喜べる空間は回復期ならではの光景でしょう。

その輪の中で気恥ずかしそうに照れ笑いする患者のどこか誇らしげな表情など、心に残る場面が多々あります。

 

常に転倒・転落の危険と隣り合わせなのが辛い

車椅子が並ぶ病院
回復期リハビリテーション病棟では常に転倒・転落の危険と隣り合わせになります。せっかくもう少しで歩けるようになるところだったのに「ベッドから転落して大腿骨頚部骨折」なんてことも珍しくありません。

リハビリを行ったからと言ってすべての患者が回復するとは限りません。リハビリ段階で誤嚥し、肺炎を合併して治療が必要になるケースもあります。また少し動けるようになると「できる」と過信して自分で動き出す患者が多いことです。

そのため、インシデント・アクシデントレポートは「転倒・転落」が最も多くなります。
 

まとめ

回復期リハビリテーション病棟で働く場合は、予めリハビリについての知識をある程度つけておくと働きやすくなることを覚えておきましょう。

回復期リハビリテーション病棟は需要が高く、回復期リハビリテーションを行う病院は増え続けています。そのため、看護師側の要望を受け入れてくれ、働きやすい環境を整えてくれる病院が多いのが現状です。

将来的にリハビリの分野を極めていきたい方や、看護師としての働き方を考えている方はぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

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都内の大手総合病院で3年、その後保育園看護師として1年勤務し、パート看護師・派遣看護師として様々なジャンルを体験。現在は、今までの経験を活かして看護師ライターとして活動中です。現役看護師や潜在看護師の皆さんの転職成功をサポートできるような情報を発信していきたいと思います。

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この記事は「kameko」さんの執筆でに公開しています。 最終更新日:2017年04月14日(運営元:看護師転職ジョブ

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