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ゆりか

正看護師

ゆりか

( 現役看護師 )

宗教法人の病院へ転職する看護師の確認事項4つ

ゆりか
正看護師ゆりか
宗教法人の病院へ転職する看護師

日本人の多くは無宗教であるか、自然事象の崇拝や伝統を重んじる気質があり、宗教と聞くと「勧誘されるのでは」と身構える人もいるでしょう。

そのため、今回は宗教法人の病院について私が見聞きしたことを踏まえて、宗教法人の病院へ転職する看護師の確認事項について説明します。

1.宗教法人の病院と一般病院との違い

宗教法人の病院で祈る人

宗教法人の病院では、看護師への布教活動等は行われず信仰の有無によって提供する医療や看護の内容に違いはありません。

宗教法人の病院の場合は、「病院創設に至る経緯に宗教の背景がある」「創設者が信仰を持っている」等が特徴であり、一般病院との違いと言えるでしょう。

その他の違いについて以下に紹介していきます。

 

院内に僧侶などの宗教者がいる

宗教の教えに基づいた理念を掲げて、院内に僧侶やチャプレンのような宗教者がいるため、医師・看護師・コメディカル等の職員のうちにも、その宗教信者の割合が一般の病院の場合と比べてみると高くなります

付属の看護学校を有するところでは、その養成機関において宗教教育の時間もカリキュラムに含まれ、入職後行われる教育期間においても、宗教の教えに基づく病院の考え方や掲げる理念について聴講する機会があるでしょう。

 

宗教法人の病院で実際に働いた印象

患者の中には、その宗教への信仰を持って受診・入院する患者もいますが、私が勤めていた病院に入院してくる信仰を持つ患者は、一様に穏やかな人が多く病床でそっと祈る姿もしばしば見受けられました。

患者が信仰を持っていることでトラブルが起きたことはなく、むしろ静かに入院生活を送っているという印象でした。

 

病院の目的によって職員・患者の信者の割合が異なる

病院側が「信者へ医療を提供すること」が設立の目的としているか、「地域医療や奉仕」を目指しているかによって、職員や患者の信者の割合が異なります。

宗教の有無に関係なく、「得意とする診療部門」「立地条件」等から地元の人々が親しみを持って通う病院も多くあります

 

補足説明!

ポイント

宗教法人の病院では、患者が希望すれば外来で僧侶やチャプレン等の宗教者が面会・病室を訪問してくれることもあります。

 

2.宗教法人の病院で看護業務以外に求められること

宗教法人の病院で祈りを求める人

宗教法人の病院の場合、病院の理念に宗教の教えが影響をもたらしているところがほとんどです。

病院によっては、「朝礼等で宗教的な説教を聞く」「礼拝の時間を持つ」等のところがありますが、全員参加を求めているところはないでしょう。

では、宗教法人の病院の看護師に求められる看護以外の仕事はあるのか、以下で説明していきます。

 

祈り・説教の場への出席を勧められる場合がある

看護師として勤務している宗教法人の病院の大切な理念を理解するという意味では、上司からお祈りや説教の場への出席を勧められる場合があります。

祈り・説教の場へ出席することは、勤務している病院について知る機会となりますが、「宗教とは一線を引いておきたい」という看護師は、その明確な意思を遠慮せずに表出することができ上司をはじめ周囲の者は、その意思を受け入れるでしょう。

 

礼拝への出席を勧められた実例

私が勤めたことのあるキリスト教の宗教法人の病院では、毎朝チャペルで礼拝が持たれており、患者・職員など誰でも出席しても良いというものでした。

1年目は、「なるべく礼拝に出てみては」と先輩に言われたことがありましたが決して指示ではなく、「病院の1日の始まりを見て来ては」という新人へのアドバイスに過ぎませんでした。

 

宗教への勧誘・強制はない

宗教法人の病院に勤務する看護師であったとしても、宗教を信仰するということは個人の自由であるため、「勧誘される」「法話を聞く」「お祈りをする」「礼拝への出席の強制」等もありません。

法人の基金は、多くが寄付によるものですが看護師自身の自発的なものを除いて、寄付を求められることもないでしょう。

 

3.宗教法人の病院を避けた方がいい看護師

宗教法人の病院とは異なる宗教を信仰している人

看護師自身が転職先の宗教法人の病院と異なる宗教を信仰している場合、就職は慎重に考えた方が良いでしょう。

その理由について以下に詳しく述べていきます。

 

病院と異なる宗教を信仰している看護師

病院の理念や度々触れる宗教の教えに関連したことに対して、病院と異なる宗教を信仰している場合は、日常の勤務の中でも「違和感を覚える」「自分の信仰が揺らいでしまう」ことにもなりかねません。

そのため、宗教法人の病院と異なる宗教を信仰している看護師は、就職を避けた方が良いでしょう。

 

患者の信仰を大切にできる

宗教を信仰しているということは、信仰を持つことに関する理解があり患者に共感的に接することができるため、他の宗教であっても患者の信仰を大切にすることができるでしょう。

 

宗教そのものを信仰したくない看護師

宗教法人の病院での勤務中では、「宗教の教えからくる考え方に触れる」「病院として大切にしている病院内での宗教行事」等があります。

そのため、「宗教には極力接したくない」「特定の宗教を深く理解することに拒否感がある」等の場合は、宗教法人の病院は避けると良いでしょう。

 

宗教を感じさせない病院もある

宗教法人の病院で行われている宗教関連活動は様々であり、働いている中で病院の宗教を信仰している患者との関わりがありますが、ほとんど宗教を感じさせない病院も少なからずあります。

 

4.宗教法人の病院の求人を見つける際の注意点

宗教色の濃さを確認する宗教法人の病院求人を見つける人

看護師自身が信仰を持つ場合は、その宗教団体が設立した病院を選ぶと信仰を持つ患者の話をよく聴くことができ、看護にも活かすことができるでしょう。

では、宗教の信仰を持たない看護師の場合、宗教法人の病院の求人を見つける際の注意点にはどのようなものがあるか、以下で紹介します。

 

病院の宗教色の濃さを確認する

信仰を持たない看護師が宗教法人の病院の求人を見つける場合は、「宗教法人の病院の設立経緯」「宗教行事」等を調べ、宗教色がどのくらい濃いかを知っておくことが必要です。

宗教法人の病院のホームページや病院案内では僧侶やチャプレン等、宗教者の在籍の有無も記してあり、実際の病院見学の際には病院の信者の割合を聞くこともできるため、確認しておきましょう。

 

宗教法人の病院の先入観を除けた実例

私の勤めていた病院では、役職者の仲に信者はいましたが看護部長は信者ではなく、働く側の信仰者は少数でした。

「働いている医師や看護師の信仰者は少ない」ということを病院見学会の質疑応答の場面で知ったおかげで、「信者であることが看護師としての成長や待遇に違いをもたらすことはない」ということがわかり、安心しました。

 

ポイント!

ポイント

宗教法人の病院で行われている宗教関連活動は様々であり、ほとんどそれを感じさせない病院も少なからずあるため、「どのような宗教行事が行われているか」等を聞いてみると良いでしょう。

 

5.まとめ

宗教法人の病院では、信仰を持つ患者と関わる頻度が比較的多くなるため、看護師自身に信仰がなくても患者が宗教を信仰していれば、その信仰を尊重しながら看護を提供することが大事です。

就職した病院が宗教法人である場合は、宗教性に接する機会が折りに触れてあるため、看護師自身の宗教観に照らし合わせて、病院を選ぶことが良いでしょう。

宗教法人の病院へ転職を考えている看護師は、是非参考にしてみて下さい。

記事の内容に関しては、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用をお願いいたします。


実習先の総合病院のNICUで1年間、地元の総合病院でNICUや内科病棟で9年間勤務しました。そのうちの2年間は、夜勤や教育等も担いながら、育児との両立でした。EPA(日・印経済連携協定)に基づくインドネシアからの看護師の実地教育も担当しました。旅と本が大好きです。
かつて、インドのマザー・テレサの施設「死を待つ人の家」でボランティアを経験したこともあります。現在は育児に専念していますが、子どもが大きくなって来て、「また看護の仕事がしたい。」と思い、復職を考えています。
色々な思いや経験を、皆さんと共有させて頂けたらと思っています。よろしくお願いします。

看護師としての経歴

保有資格 ・正看護師
年齢 ・大阪府/38歳
職務経験 ・総合病院
診療科経験 ・NICU・消化器内科・呼吸器内科・眼科(白内障手術)

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カテゴリー:病院・施設形態別の転職

(公開日:)(編集日::2018年04月10日)

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