著作者

椿

現役看護師

椿

( 看護師 )

腎生検(じんせいけん)での看護師の仕事内容や求められるもの

椿
現役看護師椿
腎生検(じんせいけん)での看護師の仕事内容

腎生検(じんせいけん)とは、検査のため経皮的に針を腎盂に刺し組織を取り出してくる事を言います。腎炎やネフローゼの診断、分類のために腎臓内科で行われます。腎臓には多くの血管が通っているため、生検後の看護は出血に最も気を遣います。

腎生検検前後でどんな看護が必要か、看護師に求められるものは何か、仕事内容も合わせて紹介します。

1.腎生検を受ける患者が入院する病棟の特徴

入院する患者

腎生検を実施している病棟は腎臓内科または泌尿器科で、私の病院では腎生検は腎臓内科が一手に引き受けていました

患者はネフローゼや腎炎の疑いがある人で、会社の健康診断で尿タンパクを指摘された人など若い世代も多くいます。そのためほとんど自覚症状はなく、元気に歩き回る患者がほとんどです。

 

患者は1週間のクリティカルパス入院となる

1週間のクリティカルパス入院で、何曜日に何をするという予定がパターン化されているのも特徴です。腎生検は特に個室対応の必要はなく、大部屋で1週間を過ごします。

腎生検そのものは外来処置室で行われます(病院によっては病棟で行うこともあります)。前日に必要物品を準備し、外来への申し送り票を書いておきます。

 

2.腎生検を受ける患者への看護師の仕事内容

紹介している女性看護師

腎生検を受ける患者への看護師の仕事内容・看護内容について説明していきます。

 

腎生検を行うの看護師のスケジュールについて

まずは、日勤と夜勤の2交代制での腎生検を受ける患者への看護師の仕事内容1日スケジュールを確認していきましょう。

 

日勤看護師のスケジュールについて

時間 看護師の仕事内容
前日の準備 ・物品準備(枕子、1kg砂嚢、女性は膀胱留置カテーテル)
・申し送り票作成、腰部の毛の処理
08:30 日勤開始、朝のミーティング、申し送り
08:40 点滴の準備、必要物品の確認
09:00 ・バイタル測定、症状観察
・患者へスケジュールの説明
12:00 昼食は欠食
12:30 休憩
13:30 排尿確認、直前バイタル測定、申し送り票に記入
13:40 術衣に着替える、ルートキープ
13:50 外来へ案内
14:00 腎生検開始
15:00 ・終了したらストレッチャーで迎え、腹臥位で帰室
・砂嚢で圧迫している穿刺部位出血確認、バイタル測定
16:00 記録
17:00 ・持続出血なければ、砂嚢除去して仰臥位へ
・記録して日勤終了、夜勤への申し送り

 

夜勤看護師のスケジュールについて

時間 看護師の仕事内容
17:30 患者に挨拶
18:00 夕食配膳、必要なら食事介助
18:30 下膳、口腔ケア介助
19:00 バイタル測定、排泄介助、尿潜血検査など
22:00 巡室、消灯
22:30 休憩
23:30 点滴準備
00:00 巡室、点滴交換、排泄介助、尿潜血検査など
02:00 巡室
04:00 巡室
04:30 休憩
05:30 記録
06:00 バイタル測定
07:30 朝食配膳、必要なら食事介助
08:00 下膳、口腔ケア介助
08:30 朝のミーティング、申し送り
09:00 主治医診察、安静解除、点滴抜針
09:30 記録、夜勤終了

このような形で、日勤と夜勤のスケジュールとなります。次に腎生検をうける患者への看護師の仕事内容について詳しく説明します。

 

患者の不安を軽減させることが仕事

腎生検を受ける患者は比較的若く、普段元気に過ごしている人が多いです。病院慣れしておらず、腰に針を刺して組織をとると聞いただけでとても緊張しています。

腎臓内科ではよく行われる検査であり、安静も一晩だけで1週間ほどで退院できることを説明し不安を軽減してあげましょう。腎生検が外来で行われる場合は、検査中は外来看護師にバトンタッチします。

患者が不安がっていることを情報提供し、声かけやタッチングなどの精神的援助もお願いしておきましょう。

 

医師の介助と患者のケアを行う

腎生検をすると翌朝まで臥床安静になりますから、女性の場合ここで膀胱留置カテーテルを入れます。男性は尿器で採尿出来るのでカテーテルは入れません。

腎生検はエコーで穿刺部位を慎重に決め、局所麻酔下で腰から腎臓に針を刺します。

看護師は医師の介助が主な仕事で、患者には穿刺時は決して動いてはいけないことや、呼吸を止めるタイミングを声かけします。穿刺終了後は用手圧迫の後ガーゼの上から枕子で圧迫、さらに1kgの砂嚢を置いてテープで固定するなど徹底的に圧迫止血します。

 

検査終了後の患者への対応

1時間ほどで終了の連絡を受けたらストレッチャーで迎えに行き、腹臥位のまま医師、看護師数人で処置台からストレッチャーに移します。患者は意識がはっきりしていますので外来看護師との申し送りは言葉に注意しましょう。

また検査終了後は患者の出血に注意しましょう。

 

約2時間は腹臥位のまま患者は過ごす

病室のベッドに戻ってから約2時間は腹臥位のまま過ごします。体位変換は出来ないため、男性でこの2時間の間に尿意をもよおした場合、さすがに腹臥位では採尿出来ませんので我慢してもらうこともあります。局所麻酔が切れてきますので看護師として痛みの観察が必要です。

しかし穿刺創は小さいため耐えられない痛みを訴える人はまれです。

 

ポイント!

ポイント

帰室後2時間が経ち、穿刺部の出血が止まっていれば仰臥位になれます。しかし患者はあくまでも体をねじったりしてはいけないので、看護師数人で体を裏返します。砂嚢は除去し、枕子と体重を利用して引き続き圧迫します。

 

患者への夕食の介助

検査終了後の患者は夕食時ももちろん起き上がれません。そのため事前に夕食は「おむすび」にしてもらうよう、栄養科に依頼しておきます。患者は寝たままおむすびを持って食べるわけですが、おかずは看護師の介助が必要な場合もあります。

 

夜間の排泄援助

夜間も尿意があればナースコールを押してもらい、尿器で採尿します(女性は留置カテーテル)時々便意をもよおす患者もおり、フラットオムツをおしりの下に敷き込み出してもらうようにします。

 

3.腎生検患者の看護計画と注意症状について

看護計画

腎生検患者への看護師計画については、腎生検前と腎生検後に分けて考える必要があります。

 

腎生検前の看護計画

看護目標 不安を軽減して腎生検に臨める
観察項目 バイタルサイン、表情、言動、食事摂取量
ケア項目 ・検査オリエンテーション、不安の傾聴
・希望があれば検査室の見学
指導項目 侵襲はあるがそれほど特殊な検査ではないことを説明

 

腎生検後の看護計画

看護目標 合併症を起こさない
観察項目 ・バイタルサイン、出血の有無、尿潜血、尿量
・腰痛の有無、食事摂取量、感染兆候
ケア項目 ・疼痛ケア(鎮痛剤、眠剤の使用)
・食事介助、排泄介助、訴えの傾聴
指導項目 ・翌朝まで臥床安静であること
・腰をねじったり浮かせたりしないこと
・検査終了後も3日ほどは重いものは持ち上げない
・腰に負担がかかる事をしないよう注意する

 

看護師が注意しなければいけない患者の症状について

 

尿潜血に注意すること

穿刺創から出血していなくても、腎臓から出血していれば尿潜血の反応が出ます。そのため男性は尿器に排尿するたびに潜血チェックをします。

女性も定期的に尿バッグから尿を抜きチェックします。検査後はどうしても「2+」や「3+」が出ますが、止血剤入りの点滴の効果もあり次第に薄くなっていきます。いつまでも濃い潜血が続くようなら医師に報告します。

 

患者を悩ませる腰痛に注意

腎生検当日の夜、患者にとって一番の苦痛は腰痛であることが多いようです。

しかもそれは穿刺のための痛みではなく同一体位による腰痛で、朝まで仰臥位を強いられるため痛くなるのも当然です。

体を動かしてはけませんので、ベッドとの間に手を入れて腰を軽く指圧したり、薄い布団を挟んで軽く斜めを向いてもらったりいろいろ工夫します。それでも耐えられないときは痛み止めを内服してもらいます。

 

朝まで何とかやり過ごした患者は、朝一の主治医の診察で許可が出れば晴れて安静解除です。点滴や膀胱留置カテーテルも抜去し、ガウン式の術衣を普通の病衣に着替えおぼつかない足取りで歩き始めます。長い夜を過ごした患者の表情はとても晴れやかで、看護師もその時はじめて「お疲れ様でした」と声をかけることが出来ます。

 

4.腎生検での看護師に求められるスキルとは

求められるスキルを説明している女性看護師

腎生検の看護において看護師に求められるのは、患者の状態を的確に観察し、出血などの合併症を早期に発見することです。

 

精神的苦痛に寄り添う看護スキル

患者の精神的苦痛に寄り添えることです。腎生検を受ける患者は検査で異常が発見され入院して来ていますが、診断はまだついておらず、病識のない人がほとんどです。

なぜこんな辛い思いをしないといけないのか、と考える患者もいます。しかし早期の診断と治療開始に腎生検は必要なことで、頭では分かっていても心がついて行っていない患者を理解することが必要です。

 

仕事量の調整スキル

腎生検当日の担当になればその日の仕事のメインが腎生検になるほど、看護師の行うことは多いです。腎生検後の患者は一人では出来ない事が多く、そばで生活の介助をすることが増えるため、看護師はその他の仕事量の調整が必要です。

 

新人看護師でも担当しやすい検査

腎生検はクリティカルパス入院でもあり、入院から退院までの流れがルーティーン化された非常に分かりやすい検査入院です。急変も起こりにくく、新人看護師でも担当しやすい検査と言えます。

 

まとめ

腎生検は時系列でマニュアル化されており、起こりうる合併症も限られていることから、非常に関わりやすい検査です。

普段元気な患者にとってはしんどい経験ですが、準備から検査後まで一つ一つ確実にこなしていけば問題なく終了します。あとは早期に診断がつき、治療が開始されることを願うばかりです。

 

最後までご確認いただきましてありがとうございました。


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病棟看護師経験十数年のアラフォーママ、現在は離職中で引きこもりがちなのが悩みです。 楽しい思い出と黒歴史がありすぎて、書きたいテーマはたくさん! 経験から得た自分なりの実践理論で、悩める看護師さんの背中をそっと押すような記事を書いていきたいと思います。


カテゴリー:患者への看護知識


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この記事を書いた人:椿
(公開日:)(編集日::2017年04月26日)

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