著作者

佐藤ゆうき

正看護師

佐藤ゆうき

( 看護師 )

アプリコットナースサポートシステムとは?教育係の看護師へ

公開:、更新:2018年04月10日
アプリコットナースサポートシステムとは

看護師の皆さんは、「アプリコットナースサポートシステム」をご存知でしょうか。

アプリコットナースサポートシステム(Apricot Nurse Support System)とは、簡単にお伝えすると「新人看護師の教育システム」のことを指します。

現在、多くの病院では新人看護師教育方法としてプリセプター制度が主流になっていますが、近年ではこのアプリコットナースサポートシステムが徐々に注目されつつあります。

今回はアプリコットナースサポートシステムとはどのようなものなのか、プリセプター制度との違いについて、私の体験から詳しく説明していきます。

新人指導方法で悩んでいる看護師の方は参考にしてください。

1.アプリコットナースサポートシステム(ANSS)とは

アプリコットナースサポートシステム(Apricot Nurse Support System)とは

アプリコットナースサポートシステム(Apricot Nurse Support System)とは「全ての看護スタッフが役割を持ち、新人看護師をサポートする」という新しい教育システムです。

病棟内でチームを作り新人看護師をサポートします。サポートする看護師は役職や経験年数により役割や名称が異なります。

アプリコットナース サポートを受ける新人看護師のこと
エルダー 【入職2~3年目の先輩看護師】
アプリコットナースの身近な相談相手
メンター 【入職4年目以上の先輩看護師】
正確・確実な専門知識・技術をアプリコットナースに指導
教育担当者 ・アプリコットナースの年間スケジュールや研修の管理
・メンダー、エルダーをフォロー
看護管理・監督職 病棟全体をフォロー

このようにアプリコットナースサポートシステムは病棟内の全てのスタッフが役割を持ち、スタッフ全員で新人看護師をフォローしていくシステムとなります。

病棟のスタッフ全員が役割を持つことで、アプリコットナース(新人看護師)がいつでも誰にでも相談できる環境をつくることができます。

また、サポートする看護師も役割に応じた研修を受けてサポートしていくため、新人看護師と一緒に成長できるシステムです。

 

スケジュールパスを利用しスタッフ全員が進行状況を把握できる

アプリコットナースサポートシステムには、これからアプリコットナースが学んでいく技術項目をリスト化した「スケジュールパス」がというものがあります。

(以下、杏林大学医学部付属病院のアプリコットナースサポートシステムのスケジュールパス例を確認してください。)

アプリコットナースシステム スケジュールパス

(出典:看護師のまど様より「新人教育システム杏林大学医学部付属病院」)

「スケジュールパス」は、アプリコットナースが入職してから時期ごとに習得する必要がある看護技術が記載されていて、経験をしたらチェックをするようになっています。

また、定期的に先輩看護師と一緒に技術チェックや目標到達などの進行状況を確認します。

スケジュールパスに記載されている看護技術を習得できたら、新しく他の技術を覚えていくなどと段階的に習得することができます。進行状況に合わせて看護技術を習得できるため、個々のペースで学ぶことができ、自信を持ってケアを行えるようになります。

 

補足説明!

ポイント

指導する周りのスタッフは看護技術がどこまで1人でできるのか、まだ経験した事のないケアは何なのかがスケジュールパスを見ることで明確になり、統一した指導を行うことができます。

 

プリセプター制度と比較した違いとは

アプリコットナースシステムとプリセプター制度と比較した違いとは

アプリコットナースサポートシステム(以下:ANSS)とプリセプター制度にはどのような違いがあるのでしょうか。

ANSS プリセプター制度
指導を受ける看護師名称 アプリコットナース プリセプティ
指導する看護師 病棟内のスタッフ全員が指導を行う プリセプター1名が指導を行う
良い点 ・新人看護師への教育負担が分散する
・新人看護師は誰にでも悩みを話すことができる
・新人看護師が相談しやすい環境
・指導者との相性を気にしなくてよい
・指導者の勤務日を気にしないでサポートを受けられる
・看護師全員がアプリコットナースと共に成長できる
・プリセプティと一緒に成長できる
・プリセプターは看護師として責任を持てる
悪い点 ・指導者の責任の所在がなくなる
・看護師全員の仕事量が増える
・悩みを相談しづらいこともある
・プリセプターとの相性が悪いと働きづらい
・プリセプターの仕事量が増える
チェックリスト スケジュールパスを利用 ・新人チェックリスト
・技術チェックリストなど

プリセプター制度と比較したアプリコットナースサポートシステムの良い点・悪い点を以下で詳しく説明していきます。

 

2.アプリコットナースサポートシステムのメリット

アプリコットナースサポートシステムのメリット

プリセプター制度と比較しながらアプリコットナースシステムを行った場合の看護師のメリットを説明していきます。

 

(1)アプリコットナースが悩みを相談しやすい

プリセプター制度では、プリセプティの相談相手は主にプリセプター1人となります。

その反面、アプリコットナースサポートシステムではスタッフ全員がサポートをするため、アプリコットナースはいつ誰に相談しても問題ありません

そのため、必要な時に的確なアドバイスを受けることができ、より意欲的に仕事に取り組むことができます。

 

補足説明!

ポイント

いろいろなスタッフに相談することで、様々な意見を聞くことができたり「看護技術については〇〇先輩に」「心理面での相談は〇〇先輩に」などといった内容に合わせて相談する先輩を変えることもできたりします。

 

(2)指導者との相性を気にしなくて良い

アプリコットナースサポートシステムは誰にでも相談できます。

そのため、話しやすい先輩にはたくさん相談したり、話し掛けづらい先輩にはあまり話さないようにしたりすることができ、先輩看護師との相性を気にしないで相談することがメリットといえます。

プリセプター制度の場合のようにプリセプティがプリセプターと「相性が合わない」「話しづらい」と感じることがなくなります。

 

(3)看護師スタッフ全員が成長できる

プリセプター制度の場合はプリセプティを指導することでプリセプターも一緒に成長することができますが、アプリコットナースサポートシステムでは、アプリコットナースを指導する周りのスタッフ全員が成長することができます。

サポートする看護師の立場ごとに必要な知識を身に付けることで、個々に成長することができます。

 

(4)時期に合わせた必要な看護技術が分かる

看護技術は項目数が多くあるため、経験し忘れてしまう処置などが出てきやすいです。

スケジュールパスのチェックリストは入職してから、どの時期にどんなケアを行わなければならないのか、今までの経験の有無などが一目で分かるようになっています。

そのため経験し忘れということが少なくてすみます。

 

スケジュールパスはスタッフ全員で進行状況を確認することができる

新人看護師がその場にいなくてもチェックリストを見るだけで、スタッフ全員が現在の看護技術の進行状況を把握できます。

未経験の処置をスタッフ全員が把握することで、積極的に処置に入れるように配慮してもらうことができます。処置の中には1か月に1回あるかないかという処置もあるため経験できるときに行える環境を作ることが重要になります。

 

3.アプリコットナースサポートシステムのデメリット

アプリコットナースサポートシステムのデメリット

メリットがあれば、デメリットもあります。アプリコットナースシステムを導入した場合の看護師のデメリットを説明していきます。

 

(1)プリセプター制度の方が指導者の成長が大きいこともある

指導者の看護師として大きく成長を望むのであれば、アプリコットナースシステムよりプリセプター制度の方が期待できるのではないでしょうか。

そのため、指導者の成長面ではプリセプター制度よりデメリットであるといえます。

プリセプター制度ではマンツーマンで指導を行うからこそ、最後まで指導しなくてはならないプレッシャーもあり、より成長することができます。

 

(2)スタッフ全員に悩みや不安が筒抜けになってしまう可能性が高い

アプリコットナースシステムでは、複数の看護師が相談相手となり、同じ目標に向かって指導していくため、アプリコットナースが相談した内容が他のスタッフに筒抜けになってしまう可能性があります。

そのため、アプリコットナースは内緒にしてほしい相談などを言いづらくなってしまう恐れがあります。

 

(3)指導者の責任の所在がなくなる

アプリコットナースサポートシステムではサポートするのはスタッフ複数になるため、アプリコットナースがミスや事故を起こしたときに誰が最後まで一緒に振り返りを行うかを毎回決めなくてはなりません。

誰も最後までサポートしなければアプリコットナースはしっかり成長することができませんし、反対にスタッフ全員でサポートすると振り返りが重複してしまったり、様々な意見を聞くことでアプリコットナースが混乱してしまったりする可能性もあります。

 

(4)スタッフ全員の仕事量が増える

アプリコットナースサポートシステムではスタッフ複数がサポートをするため、看護師全員の仕事量が増えます。

また、話し掛けやすい先輩や面倒見の良い先輩は、数人のアプリコットナースから相談を受けることもあるため、仕事量の偏りが出てくる恐れがあります。

 

4.まとめ

参考文献:

アプリコットナースサポートシステムはまだまだ認知度が低く、知らない看護師も多くいます。

このアプリコットナースサポートシステムの最大のメリットはスタッフ全員で新人看護師のサポートを行うことができる点であり、プリセプター制度の欠点を補うことができます。

そのため、指導に困った時はアプリコットナースサポートシステムを参考にして、自分の指導方法を再確認してみてはいかがでしょうか。

自転車旅行が大好きで、しまなみ海道を縦断してきた30代の看護師です。

都内の総合病院で約6年、その後クリニックで約2年勤務しました。現在は1児の母として子育て奮闘中ですが機会があればまた働きたいなと思っています。

病院で働いている時は人間関係に悩みましたが、なんとか6年間頑張ることができました。

自分が今までに経験したことをどんどん発信して、少しでも皆様のお役に立てればと思います。

看護師としての経歴

保有資格 ・正看護師
出身/年齢 ・千葉県/31歳
職務経験 ・総合病院・クリニック
診療科経験 ・呼吸器外科、呼吸器内科・消火器外科、消化器内科
・循環器内科・心臓血管外科・婦人科・小児科・眼科


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