著作者

齋藤

執筆:看護師

齋藤

( 看護師)

現場の看護師が語る!介護老人保健施設で働く看護師の良い点・悪い点

公開:、更新:2018年03月19日
介護老人保健施設で働く看護師の良い点・悪い点

病院以外の職場として特に中堅からベテランの看護師に人気のある介護老人保健施設。一度働くと長く働く人が多いこともあってか、求人もなかなか少ないのが現状です。

そして、介護老人保健施設は看護師の配置人数が決まっており、働いている人も少ないため、情報を仕入れるところが少ないという話もよく耳にします。特に、看護師の業界でよくあることは、看護師の求人をハローワークやサイトで見て応募してみたものの、実際とはかなり違ったということ。

こうなっては、せっかく就職活動もなかなか時間がかかってしまいます。

そこで、実際に働いている看護師から見た介護老人保健施設で働くことの良い点・悪い点をご紹介していきます。

介護老人保健施設で働く看護師の良い点

良い点

介護老人保健施設で働く看護師として良い点は以下の通りです。

  • ほぼ間違いなく定時で帰れること
  • 仕事量が少ないのに病院よりもお給料がいい
  • 生活の場であるためレクなど多くて楽しい

一つ一つ詳しく説明していきます。

 

ほぼ間違いなく定時で帰れること

病院に勤めている頃は、患者さんのケアなどを終えるのが定時の時間頃になります。その後はその日の看護記録から始まり、看護計画の立案、修正、次の日に大きな処置や手術が控えていようものならその準備をして、帰宅できるのは定時から+1〜2時間後です。

もし早く終わったとしても、周りの人が仕事をしていたら嫌であっても「手伝いましょうか」と声をかけないといけなそうな雰囲気です。そしてそれらは全てサービス残業になりますよね。時期によっては新卒への指導や研究発表の準備・・・というように何かと事務的な作業が多く、定時で帰れることなんてまずありえないのが病院かと思います。

しかし、介護老人保健施設の中心は介護士です。病院で看護師が担っていたような事務作業はほとんどが介護士の仕事です。看護師が記録を取る時は何か医療的なことをした時くらいです。

そのため、病院勤務と違い9割9分程の確率で定時に上がることができます

 

ポイント!

ポイント

突然の急変や、救急搬送となった場合は、看護師が付き添わなければならないため、そういった際には残業ということになります。仮に記録物で残業しても、上記の例のように救急搬送をしたことによる残業でもほぼ100%どの施設でも残業代をつけてもらうことができます。そのため、仮に残業をしたとしても残業への抵抗感はかなりないこともあって、子育て真っ最中のママさんに介護老人保健施設は人気となっています。

 

仕事量が少ないのに病院よりもお給料がいい

前述したように、今までケア以外の記録物にも追われる毎日でしたが、介護老人保健施設では基本的に、毎日記録をつけることはありません。もしつけたとしても介護士がつけることとなります。看護師がつける記録は医療的処置を行った時と、家族対応など自分が行ったことのみとなります。

また、介護老人保健施設では介護士が主役となるため、日常生活援助はほぼほぼ介護士の仕事となります。病院と違って、利用者様の生活の場となる介護施設では、勝手をあまり理解していない看護師が日常生活援助に関わることで、利用者様に不安を与えるだけとなるためほとんどの施設で看護師が関わることはないため、看護師がトランスをしたり、トイレ動作やおむつ交換を行うということはほとんどありません。そのため、身体的な負担は病院と比べてかなり軽くなります。

 

死に直面する機会も少ない

また、病院にいた頃は死に直面する機会が多かったり、急変のリスクに怯えたり、モニターとにらめっこしたりと精神的な負担が多かったかと思いますが、上記のようなこともほとんどありません。さらに、夜勤も同様に介護士がほとんどの業務を行うため、看護師は要注意者のバイタルチェック以外はコールの対応(これについても、トイレやおむつ交換などは介護士がやってくれます)や認知症利用者様の見守りなどが中心となります。

そのため、病院の業務に疲れたけども看護師を続けたいという方には人気があります。

 

ポイント!

ポイント

前職の病院の収入にもよりますが比較的、介護老人保健施設のほうが収入が良いという看護師が多いです。手取りがいくらであれ、仕事量と比較すると介護老人保健施設の方が割高に感じる看護師は多いのでしょう。

 

生活の場であるためレクなど多くて楽しい

介護老人保健施設で働いているベテラン看護師の多くがメリットとしてあげるのがこれになります。介護老人保健施設は生活の場であるため、年間を通じて様々な催し物を行います。正月やクリスマスをはじめとする年間行事以外にも、カラオケ大会や映画鑑賞、夏祭りやお花見やドライブ、ショッピングなど様々なレクリエーションが行われます。

また、施設にもよりますが、行事の際にスタッフのために食事を用意して提供してくれるところもあります。病院では院内に四季を感じる飾りがされていても、このように直接楽しむ行事は少ないです。

そのため、利用者様よりもどちらかというと看護師が率先して楽しんでいるという方も多く、このように楽しみながら仕事ができるのも介護老人保健施設のメリットではないでしょうか。

 

介護老人保健施設で働く看護師の悪い点

悪い点

良い点をいろいろと挙げてきましたが、介護老人保健施設で働く上で悪い点も存在します。

 

介護士との人間関係

求人の会社でも必ず言われるデメリットがこの介護士との人間関係です。看護師と介護士では受けてきた教育が違う上に、資格の取り方も全く違います。介護現場には介護福祉士からヘルパーといった具合に資格の種類も違い、介護業界を目指して介護士になった人からただただ仕事がなく仕方なしに介護士になる人まで、今に至る背景も様々なものです。それに伴って、価値観などのズレから揉めるというケースは多々あります。

また、医療的知識も乏しい介護士が医療についてあれこれ口を挟んできたことによるトラブルも多発しています。

 

ポイント!

ポイント

病院でリーダーなど上の立場を経験してきた方ほど揉めるケースが多いように思います。詳しくは「老人保健施設で働く看護師と介護士間トラブルの原因と解決法」を確認してみてください。

 

病歴が長く、覚えるのに苦労する

原則として3ヶ月で1度は在宅復帰をしないといけないという施設が多くなってきていますが、それでも家と施設を往復している人も多いことから、大体の人が3年前後施設で生活しているということが多いです。そのため、病歴がとても多く、覚えるまでにかなり時間を要します

ただ覚えるだけであれば問題ないのですが、例えば、その人を病院に連れていかなければならないという事態になった時、この病歴を覚えていないと、病院で怪訝な顔をされることが多いです。

病院と違って病気の経過が長いことも覚える側の苦労する要因となっています。

 

経営母体によって施設の特色がかなり違うこと

これは、就職してからというよりも就職する前に覚えておいてほしいことになります。介護老人保健施設は医師が施設長を務めなければならないという決まりになっているものの、運営自体は理事長が行っています。施設によって、母体が病院であったり、法人であったりと様々です。

この経営母体によって看護師が、「働きやすいか」「働きにくいか」大きく影響します。

前述したレクリエーションの質も経営母体によって大きく異なります。病院が経営母体であるとレクリエーションへの規制が厳しい一方、法人であると割と規制が緩く、スタッフの好きなように企画、運営をさせてくれるところが多いです。

 

法人が経営母体の介護老人保健施設例

介護老人保健施設は医師が常駐しているというわけで、何かあったらまずその施設の医師に指示を仰がなければなりません。病院が母体であれば自分の病院に連れて行って専門の治療を受けることもできますが、母体が法人である場合、医師の力量にもよりますが、専門外であると正確な判断が難しくなります。

そのため、看護師的に病院で専門的な治療を受けて欲しくても様子を見て終わりとされてしまうケースもあり、看護師として辛い場面に直面することも多々あります。就職する前にパンフレットなど取り寄せた際には経営母体のチェックもしておいたほうが良いでしょう。

 

家族への対応が大変

病院にいる時は「看護師さんの言う通りに動きます」と家族は割と協力してくれたり、こちらの考え方を尊重してくれますが、介護老人保健施設だとそうはいきません。入所させたらそのまま滅多に会いに来ない家族もいれば過剰に心配してしまう家族もいます。

さらには、施設の仕組みを分かっていないままクレーム等をつける家族も正直なところ多くいます。そういった家族達への医療的な説明もかなり大変となってきます。

基本的にその日の経過や、医療的な変化があった際の報告は病院だと医師が行うものの、介護老人保健施設は主に看護師が行い、医師は本当に重要な時にしか説明をしません。そのため、看護師の伝え方次第では家族へ誤解を招き、後々大きなトラブルへ発展しかねないため、重要な役割となります

この対応が辛いと土日の家族の来館が多い日にちをあえて外して働いている人もいるほどです。

 

まとめ

まとめ

介護老人保健施設の看護師求人を探す場合にはあまり説明のない、観点から良い点・悪い点をお伝えしていきました。病院にしても、介護老人保健施設にしてもメリット・デメリット考慮した上で、自分にあった場所で働き続けられることが1番ですよね。

就職活動をされている方はぜひ、選ぶ際のポイントにして頂ければと思います。


(編集・構成・管理者:亀岡さくみ

食べること、スポーツ観戦が好きな看護師です。社会勉強と称していろいろなところで働いた経験を綴っています。派遣看護師の経験もあり、派遣では回復期の病棟業務、ディサービス、検診センターで仕事の経験があります。

看護師としての経歴

保有資格 ・正看護師
出身/年齢 ・神奈川県/20代後半
職務経験 ・総合病院 ・クリニック ・介護老人保健施設 ・デイサービス
・健診センター ・イベントナース・夜勤専従看護師
診療科経験 ・脳外科 ・神経内科 ・内科 ・皮膚科 ・整形外科

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