整形外科の看護師として何年も働いていると、スキルアップを考える看護師は多いでしょう。
整形外科の看護師がスキルアップするためには、資格を取得することや院内外の勉強会に参加するということがあります。
今回は、整形外科の看護師としてのスキルアップの方法とおすすめの資格について述べていきます。
1.整形外科の看護師がスキルアップにおすすめの資格

整形外科の看護師がスキルアップするためには、どのような資格があるのでしょうか。
以下で紹介していきます。
運動器看護師
運動器看護師は、日本運動器看護学会が審査・認定する独自の資格で、役割は以下の3つです。
- 専門知識に基づいたアセスメントをし、看護の実践を行う。
- 患者のQOL向上のために他職種と連携し患者・家族をサポートする。
- 運動器看護に関わる看護師の教育・指導をする。
運動器看護師の資格の目的は、運動器看護の分野において熟練した看護知識及び技術を用いて、水準の高い看護実践を行える者を置く等、実践の場における看護の質の向上を図ることです。
資格取得する条件
運動器看護師の資格を取得するには、
- 日本運動器看護学会会員であること
- 看護師としての実践経験が5年以上あること
- 運動器領域(整形外科、脳神経外科、脳神経内科、リハビリテーション系の病院・クリニック・専門施設等)での実践経験が3年以上あること
以上の条件を満たすことが必要です。
上記の条件を満たし、育成講座の全コースを受講(合計16万4千円)と受験費用(3万円)がかかるため高額の資格と言えるでしょう。
注意点!

運動器看護師の資格は、5年ごとの更新料(3万円)が必要である等、多くの時間と費用を費やすため、自分が本当に将来も整形外科看護師として仕事をしていくのかをよく考えてから申し込みをしたほうがいいでしょう。
リハビリテーションセラピスト
日本運動器科学会が認定する資格として、リハビリテーションセラピストも整形外科の看護師がスキルアップするためにおすすめの資格です。
主な応募資格は、
- 日本運動器科学会に所属する常勤指導医がいる医療機関に勤務しているリハビリテーション従事者(看護師、マッサージ師、柔道整復師など)
- 所属医療機関にて3か月の実技プログラムを終了していること
等があり、自分の勤務先に運動器科学会に登録している整形外科医が必須となります。
リハビリテーションセラピストの資格取得にかかる費用
リハビリテーションセラピストの資格費用は、13,000円で1日の研修と試験に合格すれば取得できます。
資格の更新は、5年ごとで名簿管理費として1万円かかります。
補足説明!

リハビリテーションセラピストの資格は、診療報酬の加算対象となり看護師に取得を勧めている医療機関もあるため、勤務先でも師長などに確認してみるといいでしょう。
健康管理士
健康管理士は、1992年に開始されて特定非営利活動法人日本成人病予防協会が認定する健康管理士一般指導員という資格で、2017年5月現在では約6万5千人が認定されています。
資格取得者の分布を見てみると12%が医療関係者とされています。
医療関係者の資格取得のメリットとして、
- 病院等で地域密着型の健康セミナーを開催する
- 心と体の両面から総合的な健康管理の指導やアドバイスができる
- 患者との信頼関係の構築に活用できる
- 介護保険施設窓で利用者と家族の健康指導ができる
等があるため、健康管理士の資格は、地域で働いている看護師にもとってもオススメの資格です。
養成講座を受講した人の合格率は、95%以上とかなりの確率で合格しているため、比較的取りやすい資格と言えます。
健康管理士の資格を取得する際の費用
健康管理士の資格の受講料は、約6万5千円で教材費・採点指導料が含まれており、合格後は資格の更新のために毎年6千円かかります。
補足説明!

健康管理士の資格は、東京・大阪・札幌・福岡・仙台・名古屋などの大都市で、年合計20回程度開催しているため地方の看護師も受験しやすいでしょう。
2.資格取得以外の方法でスキルアップするには

資格を取得する以外の方法で、整形外科の看護師がスキルアップするためには、院内外の勉強会に参加することが挙げられます。
詳しくは、以下で説明していきます。
院内の勉強会に参加・企画する
整形外科の看護師が資格取得以外の方法でスキルアップするには、院内の勉強会に参加・企画することがあります。
院内の勉強会の主催は、医師・看護師・薬剤師・理学療法士等が行っており、それぞれ立場からの患者ケアについて知ることができ、整形領域の知識を深められるでしょう。
私の部署では、2年目と4年目以上の看護師がペアになって勉強会を企画していました。
勉強会の内容は「膝関節鏡手術の患者の術前ケア」「椎弓切除術後の体位について」などすぐに役立つテーマでした。
企画側は、準備のため様々な文献や資料に目を通すため、それだけでも十分なスキルアップにつながります。
院外の勉強会に積極的に参加する
院内だけでなく、外部の勉強会に参加することで自分の病院以外のスタッフから新しい情報を得ることができ、他の病院で効果があった看護ケアなどを知ることができます。
私は、「自腹を切ってでも普段の仕事に役立つのなら」と有料の勉強会へ積極的に参加していました。
有料の勉強会の探し方は、病棟の掲示板で告知やインターネットから情報を集めて応募していました。
勉強会に出席するためであれば、師長に休み希望や勤務調整をしてもらいやすいでしょう。
興味がある内容の勉強会を選ぶ
勉強会に参加する際には、「病棟で勤務をしていて自分が普段疑問に思ったこと」「深めたい内容」等の勉強会に参加するのが良いでしょう。
例えば、高齢患者の大腿骨頸部骨折の患者の褥瘡予防は、どうやって行うのだろうと思った場合、「整形外科看護師のための褥瘡ケアセミナー」に参加して、肩鍵盤断裂術後のリハビリについて知りたい場合は「PT向けのセミナー」に参加してみると良いです。
レントゲンの見方を医師に教わる
整形外科では、圧迫骨折・閉鎖骨折など判断が難しい例が多々あるため、骨や関節の状況を調べる手段としてレントゲンの検査は必須です。
医師から基本的なレントゲンの見方を教わることで、疾患の理解が深まり、患者教育に役立てることができるでしょう。
3.整形外科の看護師がスキルアップするのにおすすめの本

整形外科の看護師にお勧めの本について、以下で紹介しています。
スキルアップを目指す整形外科の看護師は、是非参考にしてみて下さい。
「病気がみえるvol.11 運動器・整形外科」

画像引用元:www.amazon.co.jp
タイトル | 病気がみえるvol.11 運動器・整形外科 |
編集 | 医療情報科学研究所 |
出版社 | メディックメディア |
出版日 | 2017年6月17日 |
この本は、カラー写真とイラストが多く、検査・保存療法・手術療法などの重要ポイントがコンパクトに解説してあり、忙しさの中でも疾患について調べたい時にぴったりの本です。
【amazon.co.jpの口コミ】
どのような、医療従事者が見てもわかるように丁寧にオールカラーで書かれており、一つ一つの細かい説明も詳細になっています。
私は整形外科初めての45歳のナースですが、整形外科初心者の私でも興味を持って見ることが出来ています。
ただし、実際の看護方法については他の専門書に譲るとして、疾患をしっかりわかりたい、と言う方にはもってこいだと思います。
長く、利用したいですね。
「整形外科の疾患・治療・看護のギモン136」

画像引用元:www.amazon.co.jp
タイトル | 整形外科の疾患・治療・看護のギモン136 |
著・編集 | 整形外科看護編集部 |
出版社 | メディカ出版 |
出版日 | 2013年4月25日 |
看護師が疑問に思ったことを専門家が答える形式になっており、自分が知りたかったことが分かりやすく解説してある本です。
例えば、「コンパーメント症候群とフォルクマン拘縮はどう違うのですか?」等、職場で忙しい医師にはなかなか聞けない疑問が載っています。
まとめ
参考文献は以下の通りです。
整形外科の看護師がスキルアップする方法について紹介してきましたが、いかがでしたか?
資格を取得することで周りからの信頼度が増し、自分の意見が受け入れられやすくなるなど、仕事がより効率的に実施できることもあるため、整形外科の看護師としてスキルアップを目指してみてはいかがでしょうか。
整形外科でスキルアップしたい看護師は、是非参考にしてみて下さい。
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