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林みずほ

現役看護師

林みずほ

( 看護師 )

特定看護師になるには?研修制度や研修後の給与について

林みずほ
現役看護師林みずほ
特定看護師

専門看護師や認定看護師、診療看護師など看護の世界もどんどん細分化され、専門的な知識を持つ看護師が増えています。そんななか昨年、保助看法(昭和23年制定)に手が加えられた「特定の行為に関わる研修制度」について皆さんはご存知でしょうか。

2015年10月からはじまったこの特定行為に関わる研修制度、あなたはどう思いますか。

1.特定看護師とは?

特定看護師とは?

特定看護師とは正式には「特定の行為にかかわる看護師の研修制度」を履修した看護師のことで、「資格」にあたるものではありません。

団塊世代が後期高齢者になる2025年問題の解決策の一つとして厚労省が制定した研修制度です。いままで医師にしかできなかった医療行為のうち、研修を受けた看護師であれば手順書に従って38項目の行為が可能になる、というものです。

 

厚生労働省の目標について

厚労省は今後10年で10万人の特定看護師養成を目指しています。10年で10万人。これは1年で1万人の計算になりますね。認定看護師ですら20年かけて1万5千人程度です。

そしてこの研修制度はいまだに賛否両論で研修制度が始まってからも、反対している団体が多いことが現状です。国の思惑通りにはたして教育が進むのかは疑問ですね。

 

専門看護師・認定看護師との違い

まずは専門看護師と認定看護師との違いを見てみましょう。

 

専門看護師とは

看護のスペシャリストと言われています。(認定機関:日本看護協会)

  • 5年以上の実務経験(うち3年以上は専門看護分野)
  • 看護系の大学院で修士課程を修了後、必要な単位を取得
  • 認定審査をクリアすれば合格

以上3項目の条件が存在し、主に患者の直接ケアと医療者の連携を図っている看護師の事です。

 

認定看護師とは

臨床現場におけるエキスパートと言われています。(認定機関:日本看護協会)

  • 5年以上の実務経験(うち3年以上は認定看護分野)
  • 認定看護師教育機関で6か月(615時間以上)研修履修
  • 認定審査をクリアすれば合格

以上3つの条件があり、主に臨床現場で高い水準の看護技術を実践する看護師の事です。

 

特定看護師について

手順書に従って高度な知識と技術が特に必要とされる38の特定行為を行う看護師の養成を行っています。(認定機関:厚生労働省)

  • 3~5年の実務経験
  • 国の定めた研修期間で研修履修(315時間+15~72時間)

専門看護師も認定看護師も法的には医療行為を自らの判断で行うことはできません。しかし特定行為研修を受けた看護師は一部の医療行為が医師の指示なく行えるという全く別物であることが分かります。

 

2.特定看護師になるための研修制度について

特定看護師になるための研修制度について

国が指定する研修期間はそのほとんどが大学であり、H28年現在で全国に28施設あります。日本看護協会でも研修を行っていますが、こちらの受講条件は認定看護師(全分野)の資格保有者に限られています。

 

研修中に学ぶ内容について

医療行為を行うためにはその技術だけではなく、医師の思考過程を学ばなければなりません。これは看護師のアセスメントや看護診断の考え方とは全く異なるものです。

 

侵襲の大きな技術も看護師が行える

38項目の中には動脈穿刺による採血、橈骨動脈ラインの確保、胃瘻のチューブ交換、ドレーン(胸腔・腹腔・心嚢)抜去、PICCの挿入などが入っています。このような侵襲の大きな技術も医師の指示があれば看護師が行えるようになるのです。逆を返せば看護師の責任問題が増えるということでもあります。これらの項目は今後、追加・修正されることもあります。

 

3.特定看護師制度に対する考えや意見について

特定看護師制度に対する考えや意見について

医師の負担軽減や医師不足の地域への医療提供、超高齢化に向け在宅医療の推進などを目的に始まった制度ですが、これには反対する団体も少なくありません。日本医師会や全日本民医連、日本医労連、日本麻酔科学会などが反対意見を出しています。

現役看護師からの意見も賛成派・反対派に分かれます。

 

賛成派・反対派の意見とは

賛成派の意見は以下の内容などがあります。

  • 「医師を待たなくて済む」
  • 「医師と円滑に協働できる」

反対派の意見は以下の二つの意見が主です。

  • 「医師不足の穴埋めを看護師がしなければいけないのはおかしい」
  • 「責任が重すぎる。今以上に現場を看護師任せにする光景が目に浮かぶ」

では実際に研修を受けた看護師はどのように思っているのでしょう。

 

研修を受けた看護師の意見

実際に研修を受けた看護師はどのように感じているのでしょうか。見ていきましょう。

  • 「患者さんの待ち時間が減り、スムーズな診療が行えるようになった」
  • 「医師の思考回路を理解することでその動きを予測してサポートできるようになった」
  • 「家族が受診するか迷ったときに的確なアドバイスができるようになった」
  • 「在宅医療の分野では真価を発揮できるのではないか」

などの意見があります。現場で早急にその必要性を感じている場合にはすぐに役立つものかもしれませんね。

 

4.働きながら受講はできるの?研修後の給与は?

働きながら受講はできるの?研修後の給与は?

まだ始まったばかりのこの研修制度。働きながら研修を受けることは可能なのでしょうか。指定研修期間の大学の1例では働きながら受講することを想定してプログラム作成されおり、試験や実習以外はe-ラーニングで行えるようになっています。早ければ受講開始1年で研修終了証がもらえます。

 

気になる研修履修後の給与

「特定看護師」としての求人はまだないのが現状です。始まったばかりの研修制度ですしこれは仕方がありませんね。では研修履修後の手当はどうでしょう。実は手当に関してもほとんどデータは見つかりません。

専門看護師や認定看護師の手当は決して高いものではありません。国立病院機構の手当では診療看護師の手当が6万円であることから、特定看護師の手当も近いものとなるのかもしれません。

 

ポイント!

ポイント

職場によっては特定行為研修の受講を支援してくれるところもあるので探してみましょう。

 

まとめ

まだまだ始まったばかりの新しい試みなので、現場に定着するのかしないのかはわかりません。ただ2025年問題はもうそう遠い未来の話ではありません。国が対策を打ち出した今、特定行為のできる看護師が求められる場所はたくさんありそうです。

しかしこれは看護師だけにかかわる問題ではないため、医療業界全体がそのシステムをきちんと理解する必要があります。そして世間一般の人たちにも理解してもらう必要もあります。

自身のスキルアップなどを目指しこれから研修を受けてみようと思っている方は、全面的にバックアップしてくれるような職場を探すのもアリかもしれません。

最後までご確認いただきましてありがとうございました。


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看護学校卒業後、某有名企業が運営する病院へ就職。その後地元へUターン。
結婚・妊娠・出産・離婚という怒涛のような20代をおくり、転職ラッシュな30代を走り抜け、ようやく安定の40代を迎えることができました。
趣味はライブと旅行とダイビング。酒とロックと煙草をこよなく愛す不良看護師です。
総合病院で勤務する傍ら、現在は執筆活動に邁進中。
看護師歴20年の知識と経験・私の失敗を活かしつつ、若い世代にいろいろ伝えていきたいと思っております。


カテゴリー:看護師の資格取得


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この記事を書いた人:林みずほ
(公開日:)(編集日::2017年03月26日)

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