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あともんぐ

男性看護師

あともんぐ

( 看護師 )

呼吸器病棟で働く看護師が勉強しておくべき3つのこと

あともんぐ
男性看護師 あともんぐ
看護師 呼吸器病棟 勉強

呼吸器病棟では、慢性期~急性期まで幅広い疾患を扱うため、一体何から手をつけて勉強していいのか困惑してしまう看護師も多いでしょう。

そこでこのページでは、呼吸器病棟で働く看護師に必要な3つの知識についてご紹介していきます。

これから呼吸器病棟で働く予定のある看護師の方は、事前にこれらの勉強をしておき、呼吸器病棟で働く心構えをつくっておきましょう。

1.酸素療法について

酸素療法

酸素療法とはカニューレやマスクなどを用いて体内に適量な酸素を投与する治療法です。

その目的は、動脈血の酸素化をはかり、末梢の細胞組織に十分な酸素を供給することによって低酸素状態の改善をすることにあります。
 

「低流量」と「高流量」の2種類ある

大人が一回の呼吸で吸ったり吐いたりする空気の量は約500mlと言われています。

呼吸をする時間を1秒間とすると、1秒間で約500ml吸うので、1分間で換気する量は簡略的に考えて約500ml/秒×60秒=約30L/分ということが考えられます。これを目安に酸素療法の「低流量」もしくは「高流量」が決められています。

 

ポイント!

ポイント

酸素マスクや鼻カニュラは1~6L/分で使用するため「低流量」、ベンチュリーマスクやリザーバーマスクは6L/分以上で使用され、また30L/分以上に設定することが可能なため「高流量」に分類されます。

 

酸素療法の適応とは

患者が酸素療法の適応になるかどうかは、以下のように様々な状態に応じて考慮されます。

  • 動脈血ガス分析の結果、低酸素状態が疑われる場合
  • 慢性閉塞性肺疾患、肺炎、肺水腫など低酸素血症が疑われる場合
  • 不整脈、心不全などの心拍出量低下に伴う循環不全により呼吸状態が不安定な場合
  • 貧血、外傷や手術に伴う出血など血液の酸素運搬能力の低下が疑われる場合

酸素療法は医師の指示のもと行われますが、看護師として患者に関わる際には酸素療法の適応を知っていると低酸素血症や低酸素状態の早期発見に役立つと考えられます。

 

2.がん治療について

がん治療中の患者

呼吸器病棟には、外科にも内科にも、がん患者さんが大勢入院していますので、

  • 化学療法
  • 放射線療法
  • 手術療法

については、一通り勉強しておくようにしましょう。

 

(1)化学療法

化学療法は内服薬や点滴薬を使用して、がん細胞の細胞分裂過程に働き、

  • がん細胞の増殖を妨げる
  • 細胞が成長するのに必要な物質を作らせない
  • 過剰に産生させてがん細胞の死滅を促す

ようにすることで、全身に広がる可能性のあるがん細胞や、すでに他の臓器へ転移していると考えられるがん細胞を治療するものです。
 

化学療法のメリット

状態や副作用の度合いよっては外来で化学療法を受けることができます。そのため、仕事を続けながら治療を受けられる可能性があります。

 

化学療法のデメリット

抗がん剤の多くは体のなかの正常な細胞にも作用するため、それが副作用となって現れてきます。

また化学療法は、分子標的薬に比べて、一般的に副作用が強いと言われています。

 

(2)放射線療法

放射線療法はがん治療の一つで、手術によって臓器を切除することなく、がんに対して治療効果を期待できる治療方法です。がんを治すことを目的として単独で行われることもありますが、化学療法や手術療法などほかの治療と併用して行われることもあります。

また、骨や他の臓器に転移したがんによる症状を和らげたり、神経を圧迫してしびれや痛みの原因になっているがんを治療するときにも行われます。

 

周囲にある正常な細胞に対しても同様に作用する

放射線療法はがん細胞だけでなく、周囲にある正常な細胞に対しても同様に作用するため副作用が生じてしまう可能性があります。

ただ、正常な細胞はがん細胞より障害の程度は軽く、放射線療法前の状態に回復することがほとんどです。

 

(3)手術療法

呼吸器病棟におけるがんは肺がんでしょう。肺がんに対する手術療法は、肺がんの大きさ、浸潤程度など病期を総合的に判断して決定されます。どんな肺がんの状態でも適応されるとは限りません。

標準的な手術は、肺がんの手術療法の中で最も基本的な手術で、がんのある肺葉を切り離す「肺葉切除手術」を指します。

その他に、肺葉をもっと細かくした区域切除、区域よりも狭い範囲の部分切除、片方の肺全てが手術範囲の全摘出術があります。

 

補足説明!

ポイント

手術では、目で見なければわかりずらい小さな転移を発見できるなど完治の可能性があります。

ただし、手術に伴う合併症のリスクがあり、また創部の治癒や全身の回復にある程度時間がかかることもあります。

 

3.退院支援・退院調整について

患者と家族と看護師

退院支援・退院調整は、急性期専門の病棟ではあまり馴染みがないかもしれませんが、呼吸器病棟の一つ強みと言える部分です。

 

退院支援とは

退院支援とは、患者やその家族が自分の病気や障害を理解し、退院後も継続が必要な医療や看護を受けながら、どこでどのような生活を送るのかを自己決定するための支援とされています。

【事例】
例えば誤嚥性肺炎で入院してきた患者がいるとします。飲み込む力が弱くなり、食事の際には姿勢を正す、とろみ剤をつけるなど注意する部分が出てきました。そういった時に看護師として、患者や家族に説明し、退院後も自分たちでできるように退院までに患者や家族に対して指導を行います。また、退院後の生活を患者や家族と話し合い、自宅で生活していけるのか、訪問看護や訪問介護などの社会資源が必要になるのか、もしくは施設に入所という選択も視野に入れた方がいいのか、など退院に向けて様々なことを患者や家族と一緒になって考えていきます。

 

退院調整とは

退院調整とは例えば医療者間、病院と施設間などの連携といった部分で患者やその家族の自己決定ができるように、患者やその家族の意向を踏まえて人・物・環境を社会保障制度や社会資源に連携しながら整えていく過程とされています。

 

ポイント!

ポイント

例えば、患者や家族が自宅で生活していきたいという希望に対して、看護師として病院の退院調整看護師と連携して訪問看護や訪問介護などの社会資源の必要性を検討したり、往往診医や訪問看護に対して情報を提供する資料の作成を行ったりします。

 

まとめ

【参考文献】
呼吸器ケア編集室 編 (2005) 『ビジュアルでわかる! 呼吸器ケアの手技』 メディカ出版

呼吸器病棟で働くのであれば、ここに挙げた3つの知識については必ず勉強しておくようにしてください。

もちろん、実際に働くとなると、もっと沢山勉強しなければならないことが出てくるはずですが、それらはやりながら覚えていっても遅くはありません。

まずは呼吸器病棟の看護の基本となる、酸素療法・がん看護・退院調整(支援)についておさえておくことが、新しい環境でスムーズにスタートをきるためのポイントです。

記事の内容に関しては、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用をお願いいたします。


内科と外科の混合病棟で働いており、日々感じていることを表現したくて書いたり歌ったり発信している看護師です。人を育てることが好きで、趣味はスポーツとカラオケです。

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カテゴリー:看護師キャリアアップ

(公開日:)(編集日::2018年03月28日)

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