著作者

みなみ

看護師ライター

みなみ

( 看護師 保健師 )

胸部外科に転職を考える看護師のメリット・デメリット

みなみ
看護師ライターみなみ
胸部外科で働く看護師のメリット・デメリット

現在、日本人の2人に1人ががんにかかり、3人に1人ががんで死亡しています。その中でも最も死亡率が高いのが肺がんで、その肺がんをはじめ呼吸器系の疾患に対する治療を担うのが胸部外科です。

ここでは胸部外科に転職を考える看護師に向けて必要なスキルと転職によるメリット・デメリット、そして求人を探す時の注意点について記載しています。

1.胸部外科で働く看護師の仕事内容

胸部外科で働く看護師の仕事内容
胸部外科で働く看護師の仕事内容を1日の流れを説明しながら解説していきます。

時間帯 仕事内容
出勤後 情報収集
午前中 ・患者の1日のケアの計画
・ケア計画の実行
お昼休憩 他の看護師と交替で休憩
午後 定例カンファレンス
・バイタル計測
・術前患者の書類チェック
・新規入院患者の対応
17時~他の看護師の残務手伝い

時系列にするとシンプルですが、胸部外科で働く看護師は忙しいです。内容を詳しく確認していきます。

 

出勤後:情報収集を行う

胸部外科病棟の看護師の1日は、大量の情報収集から始まります。

患者状態が一晩で大きく変わることが多く、急変対応のために部屋移動も多く行われるため、前日と同じ部屋を受け持ったとしても患者状態や時にはベッド移動が行われ患者が変わっていることが非常に多いです。

そのため、朝は大量の情報収集から始まります。

 

午前中:患者へのバランスを考えてケアの組み立てを行う

情報収集しながら、患者のバランスを考えて、今日一日のケアの計画を看護師が組み立てます。(もちろん計画はあくまで計画なので、思うようには行きません。)

午前中に全てのケアを終えるくらいの意気込みで、ようやく夕方までにケアが終えられるような忙しさです。

 

循環動態の観察が必要

バイタル測定と似ていますが、胸部外科病棟では術後の患者で、今までと大きく循環動態が変化することがあります。心臓の弁を手術した患者さんは心不全が改善しますし、末梢血管の手術をした患者は、今までよりも体の末梢に循環血液が取られます。

このように手術によって個々の患者さんの体の中に何が起こったのか、を考えながら観察・ケアしていく必要があります。

 

体位変換や服薬管理

特に心臓血管外科の患者は術後1日~数日間挿管管理されていることが多く、体位変換はとても重要な看護になります。(整形外科や神経内科に比べると少ないです)

この他に、どこの病棟でも同じように服薬管理や食事量のチェックや経管栄養、定時の点滴や採血、オペ出しの準備など、やることは無限といっていいほどあります。

 

お昼休憩

病院によって異なりますが昼食はスタッフが半分ずつ交替で休憩を取ります。
自分以外の看護師が休憩している間は倍の患者を看ることになるので、非常に大変です。

しかし、自分も他の看護師も自分の患者のケアを区切りのいいところまで終えてからでないとお互いのカバーにまわれないので、大体昼食はずれこんで30分程度しか休憩できないことがほとんどです。

 

午後:定例カンファレンス

慌ただしい昼食が終わると、午後は定例のカンファレンスです。大抵、ひとり取り上げたい患者を挙げて、参加できるスタッフ・看護師全員でカンファレンスをします。退院に向けての指導方法や、褥瘡ケアについての内容も多く話されます。

重大なインシデントがあった場合も、カンファレンスで情報を共有します。この間ももちろん、受け持ち患者に必要なケアがあればそちらを優先して行います。

 

午後:バイタル計測・術前患者の書類・新規入院

カンファレンスが終わると残っているケアをして回ったり、午後のバイタル測定を行ったり、術前患者の書類を揃えたりなど、胸部外科で働く看護師はとにかくやることが沢山あります。

また更に新規入院があれば、担当になった看護師は患者から情報収集をしたり、計画立案を行ったりする場合もあり、それも仕事となります。

 

バイタル測定について

看護師として基本的な事ですが、基礎疾患として様々な疾患を持っている患者が多いのでそれぞれの患者さんに応じて時には頻回にバイタル測定をする必要があります。また、術後の合併症の発見にもつながるので、非常に重要な看護になります。

 

末梢循環の看護

これは末梢血管の手術を受けた患者さんにとって非常に重要な看護になります。

術前は血液が通っていなかった末梢血管に再度血液が通るようにと手術を行うのですが、残念ながら再度閉塞してしまうこともありえます。閉塞からすぐであれば手術ではなくても改善が見込めるのですが、閉塞して時間が経ってしまうと再手術が必要になります。

そのため看護師は末梢血管の術後の患者へ、しつこいくらいに足の動脈の拍動を確認する必要があります。

 

ドレーン管理

心臓手術や呼吸器の手術では、現段階ではどうしてもドレーンが必要です。排液の性状や量など、経時的に観察することで合併症に気づくことができるので、これも重要な看護になります。

 

17時:他のスタッフの残務の手伝い等

ようやく17時を迎えて自分の仕事が一段落したら、他のスタッフの残務を手伝って1日が終わります。

 

2.胸部外科の患者の特徴について

女性看護師
勤務する病院にもよりますが胸部外科病棟は様々な診療科の患者が胸部外科病棟に移動になります。

主に「心臓血管外科」「呼吸器外科」「消化器外科」の患者が入院します。(分かりやすいように少し大まかに診療科で分けています。)その患者の特徴を説明します。

 

心臓血管外科の患者について

胸部外科に移動になる患者は、心臓の手術や、大血管の手術、そして末梢血管の手術を受ける方です。手術も多岐に渡り、胸部外科では開心手術から、大動脈置換術、そして閉塞性動脈硬化症に対する末梢血管バイパスなどがあります。

 

呼吸器外科の患者について

胸部外科に移動になる患者は、主に肺や気管の手術を受ける方です。稀に、縦隔腫瘍の方もいらっしゃいます。最近は呼吸器外科の手術もどんどん発達していて出血も少なく、術後の合併症も少ないですが、時には片肺全摘などの大手術を行うこともあります。

 

消化器外科の患者について

消化器の中でも、食道の手術は胸部外科に分類されます。もちろん消化器外科がフロアとして独立していて、食道も胃も腸も全て外科病棟で看る病院もあります。診療科が病院内にない場合について胸部外科に移動になる患者は、食道の手術を受ける方になります。

 

3.胸部外科で働く看護師に必要なスキル

胸部外科で働く看護師に必要なスキル

胸部外科で働く看護師にはどのようなスキルが求められるのでしょうか

 

疾患の理解と観察力が求められる

胸部外科病棟では、それぞれの疾患への理解と、短時間接するだけでも異常を発見することができる看護師としての観察力が求められています

心臓一つとっても様々な疾患、術式があるので、術前と術後でこの患者の体はどのように変化して、それがどのように現れるのかを知る必要があります。これを知らない場合、看護師として患者に必要な看護を提供することができません

今の状態がこの患者にとって「正常なのか」「異常なのか」異常を発見するための観察力が求められます。

 

急変対応とアセスメント力

胸部外科病棟では、他の診療科に比べると患者の急変の確率がとても高いです。急変時に看護師としてどれだけ冷静に対応できるか、というのが大きなポイントになり、必要なスキルといえます。

また、全ての事柄に関して医師の指示を仰がなくても良いような看護師としてのアセスメント力も必要といえるでしょう。

 

ポイント!

ポイント

特に心臓血管外科や呼吸器外科は人気がなく、医師が慢性的に不足している状況です。その中で手術をしたり、外来診療をしたりしているので、昼間の病棟には医師がほとんどいません。

患者に関して、どのタイミングで医師に連絡するのかというのも、看護師の腕のみせどころです。

 

 

学び続ける姿勢

胸部外科は、肺などの重要な器官を扱うということもあって、勉強会が多い病院が多数あります。スキルアップや、新しい知識の導入に積極的な人のほうが馴染みやすいでしょう。大変ではありますが、やりがいも十分にある診療科です。

 

4.胸部外科への看護師転職のメリット

胸部外科で働く看護師のメリット

忙しい科というイメージがある胸部外科。胸部外科に転職をする看護師にはどんなメリットがあるのでしょうか?

 

最新の医療技術と知識が学べる

胸部外科に看護師転職するメリットは、肺がんなどの疾患に関する知識や看護スキルが身につくということがあります。もちろん、がんばかりではありませんが、実際には肺がんなどによる患者さんが多く、外科手術や放射線治療を行っています。

日本人には肺がんの患者さんは多く、その治療のために現在さまざまな研究が行われているため、胸部外科に勤務することで最新の医療技術を目の当たりにできる可能性もあります

スキルアップを希望する看護師は最適でしょう

 

がん治療に関するスキルが身につく

肺がん患者が多いということで、がん治療に関するスキルも身につけることができるでしょう。日本人は、がんの罹患率が高く、死亡者数も多いことから、がん看護は今後も重要視されており、がん看護の認定看護師の資格などはかなり人気があります

とはいえ、実際には忙しい業務の合間を縫って資格試験の勉強をするのは困難だということもあって、なかなか取得することはできないのですが、たとえ資格がなくても、胸部外科に関する知識が深まるだけで、そこで働く価値はあるでしょう

中には、胸部内科を併設しているとこともあり、そういったところでは内科と外科が協力することで、患者さんが安心して治療を受けられるということもあります。

 

5.胸部外科への看護師転職のデメリット

胸部外科で働く看護師のデメリット

胸部外科で働く看護師にはどのようなデメリットがあるのでしょうか?

 

仕事がハード

胸部外科に看護師転職するデメリットは、かなり仕事がハードだということがあります。

胸部外科の受け持つ疾患にはいろいろありますが、急変のリスクがあるものも多く、そうなると残業なども増えてしまいがちです。忙しく、時間に追われて食事もままならないという日も珍しくありません。

 

勉強会が多い

肺がんなど、最新の治療を必要とする疾患も多いため、勉強会なども頻繁に行われていすから、スキルアップしたい、勉強したいといった向上心がない人には辛い職場になる可能性もあります

 

辛い場面に立ち会う機会も多い

胸部外科の場合は患者さんが苦痛を伴う病気が多いのも特徴です。がんなどの痛みを伴うものもあれば、発作のように息ができないほど咳が出る場合もあります。

いずれの場合は、患者さんが苦しんでいる姿を目の当たりにするわけですし、苦しみながら息を引き取る現場に立ち会うこともありますので、メンタルが弱い人には勤まらないかもしれません

もちろん患者さんとのコミュニケーションがとれていればそれだけ亡くなったときに辛く感じるのは確かですが、看護師としてはそれでも仕事を続ける必要があります。

遺族の方への対応や、亡くなった人の処置なども看護師の仕事ですので、常に冷静であることも求められるのです。

 

6.胸部外科病棟で働いて楽しかったこと・辛かったこと

喜ぶ女性看護師
訪室するたびにいろんな患者と話ができるのは楽しかったです。ただ、患者の話をゆっくりじっくり聞いてあげたくても業務に追われてなかなか時間が取れなくて葛藤がありました。

また、今まで見ることができなかった術前の患者や手術後の回復過程をみられたことは、周術期全体を学ぶことができて自分にとってとてもプラスになりました。

 

時間の使い方と残業は辛かった

看護師として時間の使い方に本当に苦労しました。何かケアしようとするとすぐに他の患者からナースコールが鳴って、自分が思うように仕事を進められないことが多かったです。そのため病棟では全く思うように行かず、毎晩落ち込んでいました。

また、唯一の休憩時間である昼食時間がしっかり取れなかったこと、自分の仕事が終わっても、他の看護師を手伝わなければならず残業が多いことが苦痛でした。

 

7.胸部外科への看護師求人を探す注意点

胸部外科の求人を探す際の注意点

日本人の肺がんによる死亡率の高さから最先端の医療の現場でスキルアップが求められるのと同時に数々の辛い場面に立ち会いながらも看護を続けるメンタルの強さも求められる胸部外科の看護師。求人を探す時にはどのようなことに注意すれば良いのでしょうか?

 

メインで扱っている疾患を知っておく

胸部外科への看護師求人を探す注意点としては、どんな疾患を扱うことが多いのかを確認しておくことです。胸部外科と言っても、肺がんなどをメインに治療する病院もあれば、がんよりも別の疾患を扱うことが多い病院もあります

がん看護の経験を積みたいのであればやはり肺がん手術の実績の多い病院などのほうが勉強にもなりますので、どんどんチャレンジしていくとよいでしょう。

 

比較的応募先は見つかりやすい

胸部外科の看護師求人は、決して条件は悪くないのですが、その仕事のハードさから退職や転職する人も多く、求人も少なくありません。看護師専用の看護師求人サイトに登録して、希望条件を伝えれば、地域にもよりますが比較的応募先は見つかりやすいです。

胸部外科だけでなく、呼吸器外科などで検索したほうがよい場合もあります専門とする範囲や、場所、給料など、まずは広く検索して、その中から絞っていったほうが良いでしょう。

 

ポイント!

ポイント

出来れば気になる病院の胸部外科の評判や、実際に働いている人がどんな感じかも聞いておきたいものです。

 

まとめ

私はなかなかうまく行かず退職を決意した胸部外科病棟勤務ですが、学ぶことが本当に多く、看護師としての力・スキルをつけるにはとても適した環境だと今でも感じます。

長期入院の患者も多く、患者さんとコミュニケーションを取ることが好きな看護師には向いている診療科です。ICUや救命外来での勤務の足がかりにもなりますので、将来その分野に進みたい方には楽しんで働ける場となるでしょう。

 


看護師求人サイト口コミ

1位  ‣看護のお仕事
 【全国対応】【お祝い金最大12万円】
 →看護のお仕事口コミへ
2位   ‣ナースではたらこ
 【全国対応】【担当質高・求人数高】
 →ナースではたらこの口コミへ
3位   ‣マイナビ看護師
 【全国対応】【担当者質高】
 →マイナビ看護師の口コミへ
4位   ‣ナース人材バンク
 【全国対応】【求人数高】
 →ナース人材バンク口コミへ
5位   ‣ナースフル
 【全国対応】【コンサル高】
 →ナースフル口コミへ

現役看護師の口コミを元に、看護師求人サイトをランキングしています。口コミには個人差がありますので、登録しながら比較することが、転職成功への近道となります。

口コミランキング

この記事を書いた人

旅とサッカー、異文化交流が趣味のナースです。暇を見つけては国内外問わず、弾丸から中期まで旅行に行っています。看護師の仕事は、そろそろお局と呼ばれるのではないかと言うくらいに長くなってきました。仕事、プライベート、両方に役立つ情報を発信していけたらと思っています。


カテゴリー:看護師に人気の科

→ このブログへメッセージを書く


→ 看護師ブログ一覧へ → 看護師ライター一覧へ


この記事を書いた人:みなみ
(公開日:)(編集日::2017年07月26日)

運営:「看護師転職ジョブ」当掲載の記事・写真等の無断複製・転載を禁じます。

応援メッセージまたは記事へのコメント

メールアドレスが公開されることはありません。