トモセラピー外来で働く看護師の役割と必要なスキルについて

トモセラピー 看護師

トモセラピーという言葉を聞いたことがありますか。おそらく大半の看護師が名前は知っていても、実際どういうことをするのかはよく分からないと思います。切らないがんの治療という意味では、最先端の治療方法であるトモセラピー療法。今回はそこで働く看護師の現状についてお話したいと思います。

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1.トモセラピーとは何か?

トモセラピーとは何か?

トモセラピーは、治療方法の名前ではなく、正式名称をトモセラピー・ハイアート・システムという、放射線治療装置及びコンピューターシステムのことを指します。強度変調放射線治療(IMRT)と画像誘導放射線治療(IGRT)を同時に行う装置です。

 

癌の場所を特定し放射線治療ができる

トモセラピーを分かりやすく説明すると、CTと放射線治療装置が一体化されたものであり、CTでがんの場所を特定しながら、同時に放射線治療ができるというものです。装置の見た目は通常のCT装置と同じで、患者はCTの筒の中に入り治療を受けることになります。がん病巣に対して、360度全方向から放射線の照射がピンポイントで行えるため、周辺の正常組織への障害を軽減できるとされています。

 

ポイント!

ポイント

有害事象の軽減こそがトモセラピー療法の大きなメリットであるといえます。

 

マーキングが不要のため患者の負担が減る

従来の放射線治療では、患者の皮膚表面にマーキングをして、それを目印に放射線を照射していました。そのためそのマーキングが消えないように、皮膚のセルフケアが重要となります。しかしトモセラピーにおいては、そのようなマーキングが不要なため、患者の負担も軽くなります。

 

2.トモセラピー療法の適応と設置施設数

トモセラピー療法の適応と設置施設数

トモセラピーが適応となるがんは、脳腫瘍、肺がん、乳がん、前立腺がんなど多くあります。

 

多数の癌を一度に放射線照射が可能

多くのがんを一度に複数個所に放射線照射が可能であり、患者の負担を大幅に軽減することになります。しかし装置が非常に高価でもあるために、現時点で全国に20数箇所しか設置されていません。施設によっては予約を取ることが困難な場合もあるようです。

 

3.トモセラピー療法における看護師の役割

トモセラピー療法における看護師の役割

トモセラピー装置を中心とした放射線治療室は、通常、放射線治療医師、診療放射線技師、看護師、事務スタッフからなるチームで運営しています。看護師は複数名配属されますが、他の外来診療科とローテーションという場合が多いようです。しかし1~2名は看護師を固定し患者の対応に当たる必要があります。これは患者の来院が完全予約制であり、かつ基本的に毎日同じ時間に来院となるため、同じ看護師が対応したほうが患者の変調にも気づきやすいという配慮からです。

 

看護師は問診により患者の変調の有無を確認

照射部位や腫瘍の大きさなどによって異なりますが、患者は短くて数日、長くて1ヶ月程度、病院の休診日を除いて毎日来院する必要があります。照射時間は10分から30分程度で終わることがほとんどです。看護師は問診により照射前後の患者の変調の有無を確認します。

 

ポイント!

ポイント

頭痛や下痢といった、従来の放射線治療と同様の副作用が出現する可能性があります。また照射部位の皮膚発赤、掻痒感、その他皮膚トラブルの確認も重要です。

 

看護師は照射部位による副作用の違いも知る必要がある

照射部位による副作用の違いも知っておかなくてはなりません。咽頭や気管支に照射する場合は嚥下痛の有無、乳房の場合は皮膚トラブルの有無、脳腫瘍の場合は頭痛や吐き気の有無などに特に注意します。中でも前立腺がんにおける便秘の有無、特に照射前の排便の確認は大事です。便塊があると照射に影響する場合があります。緩下剤、特に坐薬の使用法について正しく説明する必要があります。

 

ポイント!

ポイント

毎朝、正しい位置に挿肛できるように指導し、毎回の問診で排便の有無を確認します。

 

看護師の業務に加え患者に寄り添う事も重要

トモセラピー装置の管理は、放射線治療医師と診療放射線技師の役割ですので、前述した通り看護師の役割は主に問診業務や照射中の状態確認、急変時の対応がメインとなります。しかしどの外来でもそうであるように、やはり患者さんは看護師に何かと頼ります。

 

ポイント!

ポイント

予約の管理、普段の体調のこと、病気に対する不安など、患者一人ひとりに寄り添い、傾聴することが大事です。それが治療のコンプライアンス向上につながり、治療効果へとつながります。

 

患者さんと少ない時間の中で信頼関係を築く

治療のメインはトモセラピーに入ることですから、実際に患者さんと触れ合う時間は短いです。中には仕事の合間に治療を受ける方もいます。ぜひその短い時間で、患者との信頼関係を築き、治療につながるアセスメントをしてほしいです。

 

4.放射線治療科外来看護師にとって必要な資格など

放射線治療科外来看護師にとって必要な資格など

トモセラピーを含め、放射線治療に携わる看護師に、特に必須な資格はありません。

 

がん放射線療法看護の認定制度の取得が望まれる

外科的な腫瘍切除から、より侵襲の小さな放射線治療への期待と需要が高まる中、放射線治療の看護を専門にする看護師の役割はますます高くなってきています。その中で、がん放射線療法看護の認定制度が設けられており、多くの看護師がその取得を望まれています。

 

まとめ

従来の放射線治療では、照射部位の皮膚マーキングに由来する、患者のセルフケアの指導や、放射線照射に伴う副作用の把握とその対応、特に放射線皮膚炎へのセルフケア指導が、看護師の主な役割でした。しかしトモセラピー療法においては、皮膚マーキングが不要になったことと、放射線皮膚炎の出現率がかなり低下したことで、看護師の負担も大きく減少しています。その分、問診聴取により時間を当てることができるようになりました。

 

仕事と家庭のバランスが取れる職場

患者は完全予約での来院であり、一日に20~30人前後と決められており、勤務時間もほぼ一定です。多くの病院で土日祝日が休診日であり、日勤のみとなります。小さなお子さんを抱える看護師さんでも勤務の調整がつきやすい環境だと思います。前述したがん放射線療法の認定看護を取得すれば、トモセラピー外来で専属勤務ができ、ワークライフバランスの取れた、より仕事と家庭の両立が可能な生活ができると思います。

今後ますます増加が見込まれるトモセラピー装置と、それを用いた治療体制。ぜひ新しい放射線治療への理解と、その治療現場で働くことを検討していただきたいと思います。

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はたらきナース

監修者

亀岡さくみ看護師
監修 亀岡さくみ看護師
  • 2011年3月:日本赤十字看護学校卒業
  • 2011年3月:看護師免許取得
  • 2011年4月:日本赤十字医療センター入社(3年間勤務)
  • 2015年3月:株式会社peko勤務
  • 2015年4月:はたらきナース監修

現在は、今までの経験を活かし「はたらきナース」を執筆・監修を行っています。

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