著作者

ラビウサ

執筆:専門看護師

ラビウサ

( 看護師 専門看護師)

泌尿器科外来で働く看護師の役割・仕事内容・身に付くスキル。

公開:、更新:2018年03月12日

泌尿器科は専門性の高い診療科です。

扱う疾患も、膀胱炎や尿管結石など一般的に知られている疾患から、尿失禁や尿閉、泌尿器科がんなど、泌尿器に関する疾患はすべて対応することになります。

また、泌尿器科症状を訴える小学生から100歳を超える患者さんまで、老若男女問わず多くの患者さんに関わることになります。

そんな泌尿器科外来で働く看護師は、専門的な処置に対応するだけでなく、幅ひろい年代に対応するコミュニケーション能力と看護ケア力が必要とされます。

泌尿器科外来で働く看護師の役割や仕事内容、身につくスキルなどについて、私の経験から詳しくご紹介します。

1.泌尿器科外来で働く看護師の役割

泌尿器科外来で働く看護師の役割

(1)検査や処置介助

泌尿器外来は、専門科であり、処置や検査が多く、外来の中では急にヘルプに呼ばれても役に立たない診療科の一つです。

泌尿器科外来で行う検査や処置の主なものとしては、

  • 尿道や膀胱瘻などのカテーテル交換
  • 膀胱鏡
  • 超音波検査
  • ウロフロー検査
  • 逆行性腎盂造影検査や膀胱造影検査
  • 尿路結石に対する体外外衝撃破結石破砕術

などがあります。

その処置の準備や介助を泌尿器科看護師は、診察介助をしながら対応することになります。

 

(2)医師の診察介助

泌尿器科外来は、患者数が多く、医師は診察の合間に自分の患者さんの膀胱鏡検査などを行います。

そのため、看護師は、医師の指示を受ける前に、処置や検査を行う患者さんの状態を把握し、スムーズに診察が回るように配慮する必要があります。

また、超音波検査などのセッティング、前立腺の触診などの準備は、診察の合間に行うことになります。

 

(3)患者への検査や手術の説明、スケジュール管理

泌尿器科は入院して行う検査や処置・手術も多い診療科であり、病名告知から手術説明なども外来で行います。

泌尿器科外来の看護師は、検査や手術がトラブルなくスムーズに行われるために、検査や手術までにスケジュールを立て、患者さんやご家族に理解してもらうことも大切な業務になります。

 

2.泌尿器科外来で働く看護師の仕事内容

泌尿器科外来で働く看護師の仕事内容

(1)診察前の検査確認

泌尿器科疾患患者の多くが、診察前の尿検査や採血がオーダーされています。

看護師は必要な検査がオーダーされているか、患者さんが検査を行っているか確認することが最初の業務になります。

 

(2)膀胱鏡やカテーテル交換などの処置の準備を行う

診察の合間を縫って、膀胱鏡やカテーテル交換を行うため、患者さんが来院したら、処置室でカテーテル交換や膀胱鏡検査などの準備を行います。

膀胱鏡を使用した場合には、膀胱鏡の洗浄を行うことも業務の一つになります。

 

(3)化学療法を受ける患者さんの採血結果を確認し、早めに診察に入れる

がん治療に力を入れている病院の泌尿器外来であれば、一日に数名抗がん剤治療予定の患者さんの診察予約が入っています。

そのため、採血結果が出たら、できるだけ早く診察を受けさせ、化学療法室に患者さんが迎えるように配慮するのも泌尿器科外来看護師の業務の一つです。

 

(4)ホルモン治療中の患者さんの皮下注射を実施

前立腺がんは泌尿器科がんの中で一番多い疾患です。

また、高齢の方が罹患することが多く手術ではなく、ホルモン療法を行っている場合も多いため、診察後に泌尿器外来で治療薬を皮下注することがあります。

一日で30名を超える皮下注を行ったこともある

私がいた泌尿器科外来では、がんを専門に見ていた医師の診察がある日は、一日で30名を超える皮下注を行うこともありました。その医師の診察介助に入った時は、とても忙しかったです。

 

(5)透視化検査の準備と介助

尿管や腎臓の検査、ステント留置などは透視下で行うことになります。予約検査であれば時間で対応しますが、緊急で検査が入ることもあります。

泌尿器科看護師は、外来や処置室だけでなく、透視下で行う特殊検査や処置についても把握し、患者が来院したら更衣などの準備や、造影剤や処置器具などのセッティングを行います。

医師に声をかけるタイミングを逃すと、患者さんを待たせることになるため、検査や処置の時間と、医師が手が空いているかについても把握することが大切になります。

 

(6)IC(インフォームドコンセント)の同席と検査・手術スケジュール決め

泌尿器科は良性・悪性を問わず、入院が必要な検査や手術が多い診療科です。

そのため、午前中の後半や午後などに、時間がかかる病状説明や手術説明などの診察があります。

看護師は、医師の説明に同席しつつ、検査や治療に必要な様々な説明書や同意書の確認、術前検査や自己血輸血などのスケジュールを確認することになります。

また、診察と同時並行で膀胱鏡やカテーテル検査、IC(インフォームドコンセント)説明などが行われていきます。

 

3.泌尿器科外来で働く看護師が身に付くスキル

泌尿器科外来で働く看護師が身に付くスキル

(1)泌尿器科系検査が身につく

泌尿器科系の病棟は、周術期看護と終末期看護が中心になります。そのため、泌尿器に必要な検査は、外来看護師が中心に行うことになります。

そのため、泌尿器科で行う特殊検査やカテーテル交換などの手技や介助は泌尿器科外来が対応することになります。

逆に言えば、泌尿器科検査のプロフェッショナルを目指すには、泌尿器科外来看護師になることが必要だということもできます。

 

(2)泌尿器がんの治療に詳しくなる

現在の流れとして、手術以外のがん治療は、外来で行うことになります。

そのため、がん告知から治療支援に始まり、前立腺がんに対するホルモン療法、膀胱がんに対するBCG療法、腎がんに対する分子標的薬、そして、すべてのがんに対する抗がん剤治療などは、外来看護師が関わることになります。

がん看護が学びたい方は、泌尿器外来でも十分にスキルと学ぶことができます。

 

(3)一般的な泌尿器科疾患と対処法を学ぶことができる

泌尿器科と言えば、膀胱炎や尿管結石、前立腺肥大、そして尿失禁などでかかる診療科です。

誰もが、一度は経験する疾患や症状でありながら、相談しにくい症状でもあります。

泌尿器外来の看護師は、その治療や対処法を身に付けることができるため、周りの誰かが泌尿器系の症状に悩んだ時に力になることができます。

 

(4)ウロストミー看護を学べる

尿路変更をした方は、泌尿器科に継続してかかることになります。

そのため、ウロストミーのケア(詳しくは:尿路ストーマPDFを参照してください)を継続して関わることができるため、皮膚・排泄ケア認定看護師を目指す時に必要な経験を積むこともできます。

そもそも、泌尿器科は「排泄ケア」を必要とする診療科であり、排泄ケアのプロフェッショナルになることができます。

 

4.泌尿器科外来へ転職する・移動するデメリット

泌尿器科外来へ転職する・移動するデメリット

(1)排泄物を扱うことが多いこと

泌尿器科は、尿を扱う診療科です。時には、血尿などがユニフォームのかかってしまうこともあります。

スタンダードプリコーションを行うことで、感染リスクは下げることはできます。ですが、排泄物を扱うことが苦手な看護師は、おすすめできない診療科です。

 

(2)外来人数が多く、ストレスが集中すること

泌尿器科は、専門医が少ない割には、症状を訴える患者さんが多い診療科です。そのため患者数が多く、処置も多い忙しい科です。

医師は、優しい方が多い傾向にありますが、処置中は声を荒げることもあります。

特殊検査の準備と診察介助、手術などに関する看護オリエンテーションなど個人にまかされる業務も多いため、短期間にストレスがかかることがあります。

 

まとめ

泌尿器科外来で働く看護師は、泌尿器症状を訴える多くの患者さんが効率よく診察を受けられるように対応しつつ、膀胱鏡やカテーテル交換などの検査や処置の準備を手際よく行う技術が求められます。

また、がん治療を受ける患者さんへの対応や、入院して検査・手術を受ける患者さんのスケジュール管理と説明も行わなければなりません。

泌尿器科を受診する患者さんは多く、当日の緊急検査や処置も当然多くなります。そのため、忙しさにストレスを感じたり、排泄物に汚染されそうになったりすることもあります。

専門科のため、カテーテル交換やウロストミーの患者さん、がん患者さんやご家族の方にとっては、自分のことを知っている看護師は頼りになる存在であり、看護師も頼られることでやりがいを見出すことができます

排泄ケアを深めたい、がん治療を学びたいと考えているのなら、一度は泌尿器科外来で働くことをお勧めします。看護観を深めることができます。


(編集・構成・管理者:亀岡さくみ

看護師をして20年以上になります。外来・病棟・検査室・クリニックなど、いろいろな場所での業務を経験しました。
ですが、一時は看護師をやめようと思ったほど、心身共に追い詰められた時期もあります。現在は、看護師も続けつつ、ライターやカウンセラーとしても活動しています。
今までの経験を生かして、いろいろな体験談も書いていこうと思っています。よろしくお願いします。

看護師としての経歴

保有資格 ・正看護師・専門看護師・消化器内視鏡技師・心理相談員
年齢 ・40代後半
職務経験 ・がん専門病院・クリニック・総合病院・訪問診療クリニック
診療科経験 ・消化器内科・腹部外科・透析室・内視鏡室 ・相談室
・放射線治療室・整形外科 ・一般内科・カウンセリング室

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