ベテラン看護師の役割と転職する際の注意点

ベテラン看護師の役割と転職する際の注意点

ベテランという言葉を聞くと、自分なりのベテラン看護師のイメージが浮かんだり、身近にいた先輩看護師の姿が浮かんだりするでしょうか。

「ベテラン看護師」と一言で言ってもその定義は曖昧ですよね。

このページでは、暗黙の了解になっているベテラン看護師の定義と、ベテランならではの転職の注意点をまとめています。

現在の勤め先で「ベテラン層」と認定され、転職を検討中の方はぜひ一読下さい。

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1.ベテラン看護師とは?定義は

ベテラン看護師とは?定義はあるの

看護師何年目からベテランであるという明確な線引きはありませんが、一般的にベテランとは、その道に熟達した人の事を指しています。

一般企業など社員の年齢構成によっては50歳代以上の社員を指す場合もありますが、看護師の場合は少なくとも10年目以上や40歳代以上をイメージする人が多いようです。

 

経験10年以上がベテラン看護師?

転職で有名なマイナビが行ったアンケート調査によれば、「ベテランは社会人何年目から?」という質問に対し、10年目27.6%、5年目23.5%、3年目15.6%と回答されています。(「ベテラン」と言えるのは社会人歴何年目から?より)

当ページでは、5年目~10年目以上の看護師をベテラン看護師、また以下の「ベテラン看護師の役割」に当てはまる方をベテラン看護師の定義として話を進めています。

また、「私はベテラン看護師よ!」と思うあなたもベテラン看護師と言えるでしょう。

 

2.ベテラン看護師の役割とは

ベテラン看護師の役割とは

では、組織の中でのベテラン看護師の立ち位置や役割とは一体どんなものが挙げられるでしょうか。

 

(1)豊富な知識と技術、経験による教育効果

豊富な知識と技術、経験による教育効果

ベテラン看護師は様々な科を経験していたり、一つの科に長く勤務し特定の分野の看護に精通していたりする事から、その豊富な看護経験と知識、確かな技術を後輩たちに伝達していく事が多くの組織で求められています。

現在は高齢化が進み、治療対象以外の疾患を併せ持つ患者さんはたくさんいます。

急性期病院であっても老人看護の経験や慢性期看護の経験が役に立つ場面は多くあります。逆に急性期病院での経験も、慢性期の方が多い施設のような組織でも役に立ちます。

 

研修や講義内容を現場レベルで活用することが求められる

多くの病院では若手看護師に対して様々な教育プログラムを用意しており、講義や技術練習を行う事が多いです。

一方でベテラン看護師による教育とは、「あの患者さんの場合はこうする」「こういう場面ではこうする」といった臨床場面で特に効果を発揮します。

研修などで得られた知識はそのままでは活かす事はできません。

本や研修で得た知識をどう活用するか現場レベルに落とし込むといった場合に、ベテラン看護師の教育効果が発揮されます。

 

(2)コミュニケーション技術による調整役

コミュニケーション技術による調整役

医療現場は医師やコメディカル、もしくは看護師チームといったように、常に他者と共に働く必要があります。

なかには気難しい人や高圧的な人もいるでしょう。新人看護師からすると、他の職種がどんな働きをする人なのかよくわからないかもしれません。

そういった時に、医師にどんな場面でどんな風に話しかけるとよいか判断したり、ケアの悩みをコメディカルも巻き込んで共有したりとコミュニケーション技術や組織内の人脈を活用して、医療チームにおいてコミュニケーションをとりやすくする役割もあります。

 

看護師チーム内のコミュニケーションを円滑にする役割

こういった役割は看護師チーム内でも求められます。

若手看護師が多い組織では、新人看護師の教育係となった看護師自身もまだ若手というパターンが少なくありません。

経験が少ないまま教育係になると、どうしても新人看護師の失敗一つ一つが目についてしまい、怒りや焦りの感情を生み出しやすくなります。

そういった時に、長年新人看護師を見てきたベテランは、長い目で新人看護師をとらえる事ができる一方で、イライラしてしまう教育係に共感する事もできます。

どちらの立場も一旦受容し、豊富な教育経験からアドバイスをする事は、看護師チーム内のコミュニケーションを円滑にする事に役立ちます。

 

(3)若い看護師にとってのロールモデル

若い看護師にとってのロールモデル

新人看護師や若手看護師の多くは、日々の業務や勉強に精一杯であったり、今後自分が看護師としてどういう方向性でいくのかを決めかねながら働いていたりします。

そんな時に、少し先の人生を歩むベテラン看護師の姿は、若い看護師達にとって仕事やプライベートにおけるロールモデルとなります。

 

プライベートも仕事の向き合い方も若手には参考になる

様々な科や組織を経験し広い視点で見る事ができる、一つの科の看護で専門性を追求しているといった看護師としての姿は看護師としての方向性を定めるうえで参考になります。

育児との両立に取り組む姿は、たとえ大変そうであっても、数年後の自分を想像するうえで大きな存在となるでしょう。

仕事にまい進する姿、プライベートを充実させる姿も、仕事との向き合い方を考えるうえで参考になります。

 

3.ベテラン看護師が転職する時の注意点について

ベテラン看護師が転職する時の注意点について

ここで、ベテラン看護師が転職する際の注意点についてお話します。

 

(1)転職は良く考えて行おう

1つの病院などで継続勤務しているベテラン看護師の場合、現在のポストと同じかそれ以上のキャリアアップが条件であれば転職も良いかと思われますが、そうでない場合は転職すること自体を考え直したほうが得策であることが多々あります。

つまり、「年収や給料が下がってしまう」「希望の仕事が出来ない」などの恐れがあります。

ベテラン看護師の方なので勢いで転職を決める方はいないと思われますが、仕事を辞めても次の職場が見つからない、ということがないよう気を付けましょう。

 

注意点!

ポイント

管理職のベテラン看護師の場合、経験年数も長く、管理職にまでなって退職をするということは何か事情がありそうだと、勘繰られる恐れもあります。

 

(2)雇用側が求めている役割を心得ておくこと

雇用側が求めている役割を心得ておくこと

転職する際は、多くの雇用先がここまでお話してきたような役割をベテラン看護師に求めていると心得ていた方がよいでしょう。

「ベテラン看護師を採用したい」という場合は、即戦力となる事や、環境に慣れたら早く自立して働き、若手看護師達への教育をしてほしいと思っている事が多いのです。

雇用先の要望をよく理解したうえで、自分が今回の転職で得たいものは何か、その優先順位はどれかを考えましょう

 

補足説明!

ポイント

雇用側が求めている事と自分が望む条件が異なったまま転職しても、そこで働き続ける事が難しくなってしまいます。家庭と仕事の両立を図りたいベテラン看護師と、若手看護師が多く時間外の勉強会の参加も求められる雇用先では、条件がお互いに合っているとは言えません。

 

(3)長すぎる経験年数が逆に足かせとなる場合もある

ベテラン看護師は、経験年数が長いです。そのため、一か所の病院で勤続年数が長い場合、基本給も高くなっているのは自然なことです。

そのようなベテラン看護師が転職を考えたとき、採用側は少し躊躇します。

できるだけ人件費を抑えたいと思っているような場所であれば不採用となることもあり得るのです。

そのため、不採用になっても「なぜ!私が」と思わないことが重要です。

 

補足説明!

ポイント

同じ年齢の看護師であれば加算に関しては、経験年数5年と20年の場合、5年目の看護師のほうが少なく済むため基本給は低く済みます。そうなると採用されるのは経験年数5年の看護師となるのです。長すぎる経験年数が逆に足かせとなる場合があることを覚えておきましょう。

 

 (4)病院側が求めている条件を確認すること

規模の大きい総合病院などは、既卒者を受け入れていても、入職してみると新人看護師と同じ研修プログラムを受講しなければならない病院なども多くあります。

ベテラン看護師は体力面ではどうしても若手看護師よりは劣るため、通常の業務をこなしながら新人と同じ研修を受け、現場では早く自立して教育役割を期待されるという場合も珍しくありません。

そういった病院側の条件をどこまで受け入れられそうか、十分検討しましょう。

 

補足説明!

ポイント

第一線から第一線への転職は年齢が若い看護師のほうが有利です。経験年数が長い人は自分なりの看護感が出来上がっている場合が多く、指導する側がとても気を遣わなければならないなどの問題が生じます。(要は指導しにくいわけです。)

 

(5)自分が育った組織とは組織風土が異なる事を心得る

これは、新卒からずっと同じ組織で長く勤めてきたベテラン看護師や、若い時に一度転職したまま長くその組織に勤めているベテラン看護師が特に注意する必要があるポイントです。

新卒の頃から育った環境は、自分にとっての唯一の社会、その組織の常識は知らず知らずのうちにそのまま自分の中で常識となっている事が多いのです。

転職する際は、自分の中の常識が、他の組織では常識ではないかもしれない事を意識しておく事が必要です。

 

補足説明!

ポイント

転職先の見学をしても、自分の知っている世界と随分と様子が異なったとして、それは許容できるものか考える必要があります。ベテランになってからの転職では、新たな組織の風土を受け入れる柔軟性が必要ですし、その組織風土が自分にとって受け入れられる範囲のものであるかを十分に考える事が必要です。

 

(6)情報収集はしっかりと行おう

病院などがベテラン看護師に求める条件や役割といったものは、その病院のホームページや募集要項を読むだけでは気づけない事も多いです。

そのため、情報収集はしっかりと行うことが重要です。

例えば、

  • 実際に勤務している看護師に確認する
  • 看護師転職サイトの担当者に確認する

などです。

看護師転職サイトを利用し、実際にその病院に転職した看護師に聞いてもらうことや、担当者を経由して疑問点を確認してもらったりする事も手段の一つです。

 

注意点!

ポイント

ホームページでは既卒者の募集を行っていても、実際は新人看護師と同じ扱いをされるうえに、教育役割まですぐに求められるといった事もあります。

 

4.まとめ

ベテラン看護師には、豊富な経験と知識、確かな技術を後輩たちに教育していく役割や、コミュニケーション技術でチーム内の潤滑油となる役割、転職においてはこれまでの経験を活かして即戦力となる事を期待されています。

転職においては、これまでとは風土の大きく異なる病院もあるかもしれません。

ベテラン看護師が転職する場合には実際の様子を確認し、自分が転職するうえでの譲れない条件を吟味して、求められる役割とのすり合わせを十分に行いましょう。

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はたらきナース

監修者

亀岡さくみ看護師
監修 亀岡さくみ看護師
  • 2011年3月:日本赤十字看護学校卒業
  • 2011年3月:看護師免許取得
  • 2011年4月:日本赤十字医療センター入社(3年間勤務)
  • 2015年3月:株式会社peko勤務
  • 2015年4月:はたらきナース監修

現在は、今までの経験を活かし「はたらきナース」を執筆・監修を行っています。

この記事は「」さんが執筆しました。

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