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こまき

元看護師

こまき

( 看護師 )

訪問入浴における看護師の仕事内容と注意点について

こまき
元看護師こまき

「訪問入浴」は、「訪問入浴サービス」「訪問入浴介護」とも呼ばれ、看護師にとって資格を必要とする仕事です。

訪問入浴は比較的医療行為は少ない仕事のため、

  • ブランクがある看護師
  • 単発のアルバイトでやってみたいなと思っている看護師
  • 病院勤務に慣れて自身がついてきた頃の看護師

などに向いている仕事だと思います。

私も、病棟経験3年目のときにアルバイトで訪問入浴の仕事を行いました。自分の経験値をあげるためや、将来的に自分の看護師としての方向性を考えるための良い経験になると思います。

ここでは、訪問入浴の看護師の仕事内容について詳しく説明していきます。

1.訪問入浴とは?

訪問入浴とは?

訪問入浴とは、要介護(1~5)と認定された方(また、40歳から64歳までの方については要介護状態となった原因が16種類の特定疾病による場合は認定の対象)に対して自宅で入浴することを専門スタッフがお手伝いするというサービスです。

必ず医師からの入浴許可書をもらっていなければ、「訪問入浴介護」を受けることは出来ません

そのため、医師の入浴指示書に基づき当日の利用者の健康状態等を看護師が判断し、入浴を行っていくため、必ず訪問入浴を行う際には看護師が含まれています。

(参考文献:厚生労働省/訪問介護及び訪問入浴介護

 

(1)運営会社はどんなところ

運営会社は介護支援などを行っている一般企業になります。

指定居宅サービスに該当する訪問入浴介護の事業を行っている会社です。

 

(2)訪問入浴は何人で行うのか

訪問入浴は基本3人で行います。(介護スタッフ2名以上(1名常勤)、看護師1名以上と定められています。)

介護スタッフ2名と看護師1名で、ワゴン車に浴槽やホースなどを乗せて移動します。(ドライバーが1名いる場合もあります。)

運転は、介護スタッフの方がしますので、看護師は移動時後ろの席に乗車しています。

 

(2)1日に訪問入浴で回る件数について

運営している会社の方針にもよりますが、1日おおよそ5件~7件程度の自宅を回ります。

1軒あたり準備と片付けを入れて40分~1時間程度です。

 

2.訪問入浴における看護師の仕事内容

訪問入浴における看護師の仕事内容

訪問入浴における、看護師の仕事内容について「移動中」「到着後」「入浴時」に分けて仕事内容をご紹介します。

 

(1)移動の車内での看護師の仕事内容

看護師はナースバックを渡されるので、1件1件回る前、回った後はナースバックの点検や消毒をします。

そして、利用者情報が入ったファイルに目を通し情報を頭に入れます。

この時一緒に乗車しているスタッフがいろいろ教えてくれたりするため、単発バイトなどで参加して、分からないことなどもすぐ確認でき安心です。

利用者情報には、医師の入浴許可書も入っているため、

  • 疾患名
  • 血圧の指示
  • 麻痺側の情報
  • 褥瘡の有無
  • それ以外の創傷処置の有無
  • 胃瘻やストーマの有無

などを確認します。

 

(2)実際に自宅に到着後の看護師の仕事内容

自宅に到着して挨拶がすむと、速やかに入浴の準備が始まります。

看護師は利用者のバイタルサインの測定を行い入浴が行えるかどうかを確認します。

バイタルサインの確認後、責任者へ報告します。

入浴が行える場合は、浴槽のセットやホースの準備などを介護スタッフが手際良く始めます。

 

入浴の準備中は吸引や創部の観察などを行う

入浴の準備中、看護師は入浴前に気管吸引が必要な方であれば吸引や、創部のドレッシング材を外し創部の観察などを行います。

この時、家族のキーパーソンの方がご在宅であると、色々手伝ってくれるため、看護師はそれに従って動くという形になります。

 

更衣の手伝いをする

お風呂の準備が整うと、更衣になります。

冬場であると寒さで血圧が急に上がってしまうことなどもあるため、大きめのバスタオルで寒さに注意することや、全身が見えてしまうことでの羞恥心に配慮することなども大事です。

また、マヒがある方もいますので健側から着脱し、患側から着衣する。

など基本的なこともきちんと守り行うことが大切です。

 

(3)入浴時の看護師の仕事内容

「病棟での入浴介助と訪問入浴の違いって?」と思うかもしれませんが、病棟での入浴介助と全く違います

病棟の入浴介助は、患者によっても異なりますが「どこから洗うか」や「介助者がどこを支えるか」など決まりごとはありません。

しかし、訪問入浴の場合、

  • 訪問入浴の場合
  • 時間の制限
  • 洗い忘れがないようにすること
  • 誰がどこを支えて、誰がどこを洗うか決めること
  • 洗う順番まで決めること

など違いがあります。

私の経験上、看護師は、頭を支えることが多いです。

(会社によっても異なるかと思いますが)顔に水がかからないようにねじりタオルを顎から耳、耳から頭に巻まずは仰向けに前面を洗体していきます。

その後側臥位を右左で交互に行い背部も洗体していきます。陰部や臀部は介護スタッフが行っていきます。

この際、ただ頭を支えているだけではなく看護師として顔色やその他体調の変化がないかを確認するのが看護師の役目になります。

また、声かけなども行い反応の確認をしていきます。

入浴後も、更衣や創部の処置を指示書に従って行い異常の有無を確認することや、バイタルサインの変動も確認します。

 

3.初めての訪問入浴で良くある質問

初めての訪問入浴で良くある質問

初めて訪問入浴の仕事を行う場合に良くある質問をまとめてみました。

 

(Q)お昼休憩や移動中のトイレはどうしますか?

午前2件位を終えると、休憩1時間程度あり、お昼休憩となります。

お昼は、お弁当などをもって行き車内で食べます。

トイレも利用者のお宅で借りることは出来ないので、コンビニや公衆トイレなどに立ち寄ることで済ませます。

 

(Q)記録を付ける必要はありますか?

訪問入浴は、毎回同じスタッフが同行するわけではありません。

そのため、「次に関わるスタッフが前回どうだったのか?」最近の様子を知るために必ず毎回入浴時の記録を残しています

  • バイタルサイン(入浴前後)
  • 処置の内容
  • 連絡事項

などの記録を残します。

 

(Q)気難しい利用者もいますか?

病院の患者と同じで、いろんな方が訪問入浴サービスを利用されています。

そして、その利用者と共に暮らしている家族も関わることになります。

 

補足説明!

ポイント

お互いに気持ちよく関われるよう、その利用者の特性を知り、分からないことは素直にスタッフや、利用者・その家族などに聞けばトラブルもなくケアに参加出来るかと思います。

 

(Q)どんな服装で行けば良いですか?

私が勤務していた会社では、ポロシャツを貸借してもらいました。また、「ズボンは綿の黒いもの」「靴はスニーカー」など指定がありました。

各運営会社によって異なるため確認しておきましょう。

着替えは、車の中ですることになると思うので、速やかに更衣ができるよう簡単な服装で出勤しました。

 

(Q)訪問入浴の仕事は他の仕事とダブルワーク可能?

訪問入浴の仕事は他の仕事とダブルワークが可能です。

私自身、病棟に勤めていながらダブルワークをしていたのですが、訪問入浴は派遣だったため病棟の仕事がお休みの時に訪問入浴の仕事をしていました。

病棟とは違い外の空気が吸える環境での仕事だったため、とてもリフレッシュできました。

 

(Q)訪問入浴の仕事はどこで見つけるの

訪問入浴の仕事は、単発や派遣、非常勤看護師として募集が多いです。(中には常勤での勤務もあります。)

そのため、派遣会社や非常勤看護師の求人を多く扱っている転職会社に探してもらうことがお勧めです。

(リンクは口コミ・評判へ飛びます。)

登録して希望条件を伝えるとダブルワークであれ、常勤であれ、探してもらえます。

 

4.初めて訪問入浴の仕事をする際の注意点

初めて訪問入浴の仕事をする際の注意点

初めて訪問入浴の仕事を看護師として行う場合の注意点をお伝えします。

 

(1)医師の指示書を忠実に守ること

利用者が楽しみにしている入浴だとしても、

  • 医師の指示書に記載されている血圧より高いこと
  • その他異常

などがあれば、報告をおこない、その日の入浴は中止としなければいけません。

安全に実施されるために、看護師が配置されていますので意識して勤務しましょう

 

(2)利用者への対応に注意すること

初めて関わる方(利用者)なので、礼儀正しく、言葉遣いなどきちんとしましょう。

何度か会っていて面識がある患者と看護師の関係であれば話し方や、礼儀なども多少砕けた感じでも成り立ちます。

しかし、初対面でさらに自分の入浴する(全裸になる)ところをみられるという、特殊な条件の中の関わりになりますので対応は失礼がないようにし、気持ちよく訪問入浴を受けてもらいましょう。

 

(3)水分補給はこまめにとりましょう

入浴の介助は、入浴している利用者もそうですが、介助している側もなかなかハードな仕事です。

特に夏場の入浴介助は喉が乾きます。

利用者の前で飲むのは控えますが、移動の車内などでしっかり水分補給をしましょう。

 

(4)集合時間は守ること

訪問入浴は、単発派遣やアルバイトなどで入ることも多く、依頼される現場も毎回異なるため、場所や集合時間も異なります。

そのため、時間には余裕を持ち、その場所に確実に到着出来るように心がけてでかけて下さい。

また、訪問入浴は時間で動いており、少しの遅れも許されません

看護師も1名で行っているので、代わりを見つけることも困難であり看護師抜きで訪問入浴は行えません。やむを得ない事情があって欠席・遅刻する場合は早めに連絡をしましょう。

【体験談】

訪問入浴のサービス会社での集合であれば、地図などでわかりやすいかと思いますが、私は実際「駅前の路上で車が停車しているのでそれに乗って下さい」という指示があったことがありました。ワゴン車に書いてある訪問入浴の会社名だけを頼りに、探すのは結構大変だったのを思い出します。

 

まとめ

訪問入浴は、普段自由に入浴出来ない利用者の為のサービスで、入浴することを心待ちにしている方が多いです。そのため、入浴時にはたくさんの笑顔や感謝の言葉を多くいただきます。

ただ、この入浴を喜んでもらうためには「安全」が守られなければなりません

そのために、配置されている私達看護師は、ただ入浴のお手伝いをするのではなく、医師の指示書に従いその日の利用者の身体の状態を把握し、速やかに判断を下し、対処することなどが必要になります。

「初めて関わる方(利用者)だから分からなかった」というわけにはいきません。

分からないことや不安に思ったことは、一緒に回っているスタッフに速やかに聞くことも大切です。

一緒に回る介護スタッフは、ベテランの方も多く優しく指導してもらえるかと思うので興味がある方はぜひチャレンジしてみて下さい。

記事の内容に関しては、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用をお願いいたします。


都内大学病院にて特別病棟(全科)と小児科病棟で7年間勤務。

結婚を機に退職。約10ヶ月休職し、その間スポット看護師アルバイトを経験。その後、横浜市内の国立病院へ再就職。外科病棟で働いていました。

第一子の産後育休から復帰し、外来へ復職。第二子出産とともに市外への転居も決まり退職。現在2人の子育てをしており休職中。

看護師としての経歴

保有資格 ・看護師
年齢 ・神奈川県/35歳
職務経験 ・大学病院 ・国立病院
診療科経験 ・特別病棟(全科) ・小児科 ・外科 ・訪問入浴
・デイサービス ・健診 ・ツアーナース ・イベントナース

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カテゴリー:訪問入浴

(公開日:)(編集日::2018年04月06日)

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