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あおいロワイヤル

現役看護師

あおいロワイヤル

( 看護師 )

訪問看護認定看護師の資格条件と役割ポイント5つ

あおいロワイヤル
現役看護師 あおいロワイヤル
訪問看護認定看護師の資格条件

訪問看護認定看護師として働くためには、ある程度の臨床経験を経て、どんな疾患にも対応できるようになっていないと難しいことを考えると、なかなか取得は難しい資格になります。しかし、時代の流れから見ても今後ますます訪問看護認定看護師に注目が集まることは間違いないでしょう。

ここでは、そんな訪問看護認定看護師の取得にあたり知っておきたいポイントをまとめています。現在認定看護師の資格取得を検討中の方はぜひ一読ください。

【訪問看護認定看護師の資格取得条件】

●日本国の看護師免許を保有している
●看護師免許取得後、実務研修が通算5年以上あること
●通算3年以上、在宅ケア領域での看護実績を有すること
●医療処置及び管理を要する患者の在宅における看護(退院支援を含む)を5例以上担当した
実績を有すること
●現在、在宅ケアに携わっていることが望ましい
●日本看護協会が認定している認定看護師教育課程を修了(6ヶ月・615時間以上)
●認定審査(筆記試験)に合格
●認定看護師認定証交付・登録
●資格取得後は、5年毎に更新(書類審査)

※詳細については日本看護協会のHPを参照ください。

参照サイト:日本看護協会:資格認定制度「認定看護師」より

 

【認定看護師資格取得にかかる最低限の費用】

入試検定料 約5万円
入学金 約5万円
授業料 約70万円
実習費 約10万円
認定審査費用 約5万円
認定費用 約5万円
 合計約100万円

※ここに記載してある費用に加え、無給となる6ヶ月間の生活費用も考慮する必要があります。
認定看護師を目指す看護師の方は「認定看護師支援がある病院への看護師転職で知りたい6つのポイント」を確認してください。

 

1.訪問看護認定看護師とは

訪問看護認定看護師とは

訪問看護認定看護師(Visiting Nursing)は2006年7月に認定開始された日本看護協会による認定看護師資格です。「在宅療養者の主体性を尊重したセルフケア支援およびケースマネジメント看護技術の提供と管理」ができる知識と技術を持つと認められた者に与えられる資格です。

訪問看護認定看護師は、その名の通り訪問看護のスペシャリストになります。

訪問看護は、比較的容体の安定した患者さんが多いとはいえ、医師がいない状態で訪問し、患者さんの容体をチェックして必要に応じた処置を行うなど、看護師としてかなりの経験がないと難しい仕事です。

疾患も多様ですから、一つの診療科に絞るのではなく、幅広い知識が必要とされます。

認定看護師は、あくまでその分野の看護のスキルや知識の高さを認める資格ですから、訪問看護認定看護師の資格を取ることで何か別の業務ができるようになるわけではありません。

 

(1)訪問看護認定看護師の人数と所属先

2017年8月現在の認定看護師総数18,728名中、訪問看護認定看護師は587名登録されており、そのうち367名という大多数の訪問看護師認定看護師が訪問看護ステーションで活躍しています。

そのため、訪問看護が実施されている現場が限られているということが分かります。

 

病院勤務で137名の訪問看護認定看護師が働いている

次に多いのは病院勤務の訪問看護認定看護師で137名、クリニックや大学・会社などに所属する人は少なく、ほとんどが訪問看護ステーションか病院に所属していることになります。

また、30名が離職中であり、有資格でありながら離職している人の割合は他の認定看護師と比較すると多いと言えます。

 

(2)訪問看護認定看護師の平均年齢

訪問看護認定看護師の平均年齢は49.6歳で、21分野ある認定看護師の中で一番年齢が高いです。

訪問看護師は病棟などの経験を経て転職するケースが多く就業者の平均年齢も高いため、認定看護師を目指す時期も他と比べて遅いのだと考えられます。

 

50代でも現役で活躍している認定看護師もいる

50代でも現役で活躍している認定看護師も多いので、「いまさら認定看護師を目指すのは無理」と年齢が高いことで資格取得を諦める必要はありません

 

(3)訪問看護認定看護師活動レポート

訪問看護認定看護師と一緒に職場で仕事を行った看護師の方に、訪問看護認定看護師の活動を紹介してもらっています。

少しでも雰囲気をつかんでみてください。

 

スタッフや学生の指導も訪問看護ステーションで行っていた

私が勤務している訪問看護ステーションの事業所では訪問看護認定看護師がいました。

普段は私たちと同じように患者さんのお宅に訪問して、看護を提供しています。

カンファレンスでは、スタッフが困ったケースでは率先して助言し、時にはスタッフとともに患者さんのお宅に訪問して指導を行っていました。

また、地域の看護学生の受け入れも積極的に行い、スタッフだけでなく看護学生の指導も熱心に行っておられました。

女性看護師ときさおさん(兵庫県/33歳)

 

医療処置以外にも重要な役割を担う

私が勤務する訪問看護ステーションには訪問看護認定看護師が数名在籍しています。

訪問看護にまつわる在宅看護ケアや家族ケア、地域連携を多く経験し、専門的な視点をもって業務に当たっています。

訪問看護では、医師や介護スタッフなどと利用者の間の橋渡し役を求められることも多くあり、医療処置以外にも重要な役割を担うことがあります。

訪問看護認定看護師は経験と知識を活かして、在宅で安心して生活を送りたい利用者の希望を尊重しながら、医療的立場から安全な支援方法を提案することや、利用者に関わる様々な職種の意見を取りまとめるなど、連携の中心に立って活躍しています。

また、介護福祉系のセミナーや勉強会で講演を行い、看護学校に赴いて訪問看護の授業を行うこともあります。高齢化が進み、在宅で生活をする高齢者が増えていく中で、様々な分野でニーズが高い認定資格だと思います。

女性看護師ムギサカさん(東京都/30歳代)

 

2.訪問看護認定看護師が職場で期待される役割

訪問看護認定看護師が職場で期待される役割

それでは、今後ますます需要が拡大する可能性が高い訪問看護認定看護師にはどのような役割が期待されているのか見ていきましょう。

(1)個人、家族及び集団に対して、熟練した看護技術を用いて水準の高い看護を実践する(実践)
(2)看護実践を通して看護職に対し指導を行う(指導)
(3)看護職に対しコンサルテーションを行う(相談)

つまり、患者・家族によりよい看護を提供し、認定看護分野の専門性を発揮することで認定看護師の3つの役割「実践・指導・相談 」を果たして、看護の質の向上に努めるということです。

訪問看護認定看護師の場合には、3つの役割がどのように果たされるのか具体的に説明しましょう。

 

(1)「実践」で期待される役割

訪問看護では、治療やリハビリが円滑に進むこと以上に在宅療養者とその家族が求める生活を尊重するということが重要になります。

そして訪問看護認定看護師は、

  • いかにセルフケアできるよう支援できるか
  • いかにスムーズに療養の場を移行できるか
  • 在宅療養者と家族のためにできる最適な看護は何か

常識にとらわれず専門知識に基づき判断し、継続的に実践する役割になります。

 

(2)「指導」で期待される役割

訪問看護認定看護師は、他の看護師に対し、自らが手本となり在宅療養に関する専門知識や、在宅で用いられる看護技術などを指導し水準の高い看護を行えるよう働きかけることが役割です。

訪問看護認定看護師になると、自分で訪問看護をするだけでなく、他の訪問看護師に指導を行うケースも出てきます。

また、以下の活動によって訪問看護だけでなく地域の看護体制・介護状況の底上げとスキルアップを目指す役割があります。

 

看護師に対しての看護技術の向上

看護師に対しての看護技術では、在宅ではその場にある物品を創意工夫して代用することや、簡易化して施すこともあり、そのアイディアや必要不必要の判断は専門的知識が必要です。

 

在宅療養者・家族への指導およびヘルパーへの教育

在宅では感染管理や医療機器管理がずさんなことも多いため、在宅療養者・家族への指導だけでなく他のヘルパーなどの関係各所にも啓蒙や教育を行います。

 

在宅看護・介護に関する研修やセミナーを開催する

病院や大学・看護学校だけでなく地域の方々へ向けて在宅看護・介護に関する研修やセミナーの講師を務めることもあります。

 

(3)「相談」で期待される役割

訪問看護認定看護師は、現場で直面する問題や疑問の相談に乗り、改善策を導き出せるよう支援します。

病状の把握など医療的判断や、ケアプランと看護計画の整合性、在宅療養者・家族の要望対応など、問題の解決には正解が何通りもあるような状況に多く直面します。

そのようなときに、助言しながら一緒に改善策を導けるよう他のスタッフの支援をするのも大きな役割です。

 

補足説明!

ポイント

今後高齢化が進むにつれて訪問看護はより重要になることが確実ですから、訪問看護に力を入れようとする行政や医療機関は多く、その取り組みへの協力をするケースもあります。

 

3.訪問看護認定看護師に必要な資質

訪問看護認定看護師に必要な資質

訪問看護認定看護師になるためにはどのような資質が必要でしょうか。

 

(1)人からの指示ではなく自分で考え自分で実践できる主体性

そもそも訪問看護は訪問先では1人で判断し処置や看護を実践していく必要があります。

その上でさらに認定看護師としてレベルアップするためには、人に判断を求め指示を待つのではなく、自分で考え根拠を基に自分から実践していける主体性が重要です。

 

(2)自らがロールモデルとなって指導できるリーダー性

人に左右されない看護に対する考え方、人への公平な接し方など、周囲の看護師に「この人のようになりたい」というロールモデルを示すことが必要です。

そして集団をまとめ指導できるリーダーシップが求められます。

 

(3)より良い看護を常に考えられる観察眼と探究心

在宅療養者や家族の価値観や人生観を尊重しながらその人にとって最適の看護を考えなければならないのが訪問看護の特徴です。

そこには正解がなく、状況によって変化していくので固定観念や一方的な考えでは対応できません。

在宅療養者と家族にとってより良い看護は何か、を常に考え追求できる観察眼と探究心が必要でしょう。

 

(4)関係各所との連携を図るコミュニケーションスキル

病院勤務と比べると、訪問看護では在宅医やケアマネジャー、地域ケアプラザのスタッフ、区役所担当者など様々な地域の担当者と連携を取っていく必要があります。

また、在宅療養者・家族との関わりの中で状況把握することや信頼を得て要望を見いだすにはコミュニケーション能力がとても重要になってきます。

 

4.訪問看護認定看護師のメリット

訪問看護認定看護師のメリット

訪問看護に関して専門的な教育を受けることで、訪問した先でより自信を持って的確な看護をすることができるようになりますし、患者さんの状態から病状を推測することもできるようになります。

医師がいない状態での看護という特殊な仕事になりますから、訪問看護はそれ自体かなりスキルのいる業務なのですが、その中でもスペシャリストとして求められる訪問看護認定看護師ですから、患者からの信頼もより厚くなるでしょう。

 

(1)医師や地域のケアマネジャーなど連携をとる関係者からの信頼を得られる

一般的な看護師ではなく、訪問看護認定看護師という肩書きがあると、訪問看護に関するプロフェッショナルとして信頼を得ることができます。

患者を紹介するなら訪問看護認定看護師が所属している事業所に、と事業所自体の評価も高くなります。

 

(2)在宅療養者・家族からの信頼を得られる

在宅療養者・家族としても訪問してくる看護師がプロフェッショナルだと知ると安心感が持てるので信頼されます。

知識、技術、経験まで高いレベルの看護師だと歓迎され、在宅療養者・家族との関係性も築きやすくなります

 

(3)昇給や資格手当など給与に反映する

認定看護師としての業務をすることで昇給をしたり、認定看護師の資格手当が加算されるなど、給与に反映されます。

 

(4)違う職場で働く認定看護師同士で交流を持てる

認定看護師教育機関でのカリキュラムを受講する際、同じ志を持つ仲間と知り合うことができます

自分の職場以外で同じ認定看護師同士として交流を持つことは、同じ環境で過ごすよりも刺激を受け、その後の活動や看護師としての取り組み方に大きな影響をもたらします。

 

5.訪問看護認定看護師の将来性

訪問看護認定看護師の将来性

訪問看護認定看護師の登録数を見ると、他分野の認定看護師に比べてかなり少ないです。

訪問看護ステーションの資格取得支援が少ないことや、訪問看護師の平均年齢が高いことなど、資格取得が進まない原因と考えられます。

しかし、ニーズは高まりつつあり、訪問看護師も増えてはいますが、その数が十分でないことや、訪問看護師のスキルが一定でないことなどが問題になっているのです。

 

(1)訪問看護師が社会から求められている役割は大きい!

訪問看護認定看護師は、専門の教育を受けているので当然高いスキルを持っており、患者さんは安心して相談することができるでしょう。

しかし、一般の訪問看護師は、看護師としてある程度実務経験は積んでいるものの、あまり馴染みのない疾患の看護はやはり難しいですし症状で判断を下すのも大変です。

そこで、訪問看護認定看護師をサポートにつけ、十分な対応ができるように指導を行うのです。今後訪問看護師増えるにしたがって、さらに訪問看護認定看護師の必要性は高くなることは間違いないでしょう。

 

(2)今後訪問看護師認定看護師は増えていく

今後国の施策として在宅医療や在宅看護を推進していく中で、患者・家族に安心して在宅療養を選んでもらうために訪問看護認定看護師の存在が強く求められていくでしょう。

現在は受け皿として訪問看護ステーションの設立や訪問看護師の育成が促進されていますが、ただ設立しても差別化が図れず廃業する事業所もあります。

ですから事業主にとっても、より専門性があり差別化を図ることができる認定看護師は是非獲得したい人材ですし、今後需要は確実に増えてくると考えられます。

 

まとめ

訪問看護認定看護師は幅広い診療科に対応できるジェネラリストである必要があり、場合によっては病院にいる認定看護師よりも負担が大きいでしょう。

しかし、訪問看護認定看護師を取得するメリットは大きく、今後の将来性も期待できます。訪問看護師としてキャリアを重ねるなら管理者や経営者という道もありますが、これは資格として認められるわけではありません。

もしあなたが訪問看護師の世界が自分に合うと感じるのであれば、ぜひ資格取得を目指すことをオススメします。

認定看護師を目指す看護師の方は「認定看護師支援がある病院への看護師転職で知りたい6つのポイント」を確認してください。

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この記事を書いた人

看護専門学校卒業後、大学病院の集中治療室(ICU・CCU)で8年間勤務。出産・育児休暇を経て復職しましたが、夫の転勤のため退職。
その後、興味のあった在宅看護に携わりたいと考え転職し、現在は看護師が立ち上げた小規模訪問看護ステーションに在籍する現役訪問看護師2年目です。
転職に迷っている方、病院選びや就きたい仕事選びでリアルな現場の実状を知りたい方への情報を分かりやすくお伝えし、お役に立てればと思います。


カテゴリー:認定看護師の資格

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この記事を書いた人:あおいロワイヤル
(公開日:)(編集日::2017年12月02日)

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  1. […] 訪問看護ステーション」に所属し、次いで34%の看護師は「病院」に勤務しています。詳しくは「訪問看護認定看護師の資格条件とおさえておきたいポイント5つ」を確認してください。 […]

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