訪問看護師の残業が少ないって本当?時間外なしあります!

訪問看護師 残業 少ない

訪問看護師の仕事は比較的時間に追われることもなく、残業が少ないような印象があるとよく言われます。

そのため、「仕事と家庭の両立をしやすいのでは?」と漠然と思う方も多いのではないでしょうか。

ここでは、現場の仕事と実際の残業事情、残業をしない訪問看護師になる方法についてご紹介します。

1.訪問看護師の残業の実態

残業して記録を書く女性の訪問看護師

訪問看護師の残業の実態について、全体的に少ない傾向にあるようですが、それは所属する組織・事務所によります

大規模ステーションでは分業化されている一方で、会議やカンファレンスなどに時間をかけていたり、出席を義務付けられる講演会や勉強会など間接的な業務もあったりするためそれが残業の原因となります。

一方、小規模ステーションでは人数が慢性的に不足しているため、管理者が行う請求書の発行や挨拶状の作成などの事務作業の手伝いも多く、「看護師免許がなくても誰でもできるのに」と思う業務が残業の原因となることもあるのです。

 

書類業務により残業となることがほとんど

訪問看護師の残業の最も多くは書類業務です。

訪問看護では1時間や30分など決められた時間内で患者・利用者の家を訪問してケアを行い、その際の記録を書きます。その書類業務は意外と多く、

  • 訪問記録作成
  • 訪問看護計画立案
  • 計画書の評価
  • 指示書を出している主治医やケアマネジャーへの報告書作成

などがあり、訪問後ステーションに帰ってきたら書類業務に追われてパソコンをひたすら打ち、気付けば残業になっているというのが訪問看護師の実状です。

 

サービス残業が多い訪問看護ステーションもある

勤務後の超過時間は給与に超過手当として加算されることがほとんどでしょうが、サービス残業として給与に反映されない訪問看護ステーションもあります。

特に講演会や勉強会のような自己啓発を目的としたセミナー参加は、上司命令で業務時間外に参加せざるを得なくても手当はつきません。これは大きな病院でも同じです。

 

訪問先への移動時間は訪問時間に含まれている

訪問看護で当たり前なのは、訪問先への移動時間は訪問時間に含まれて考えられており、猶予時間がないということです。

つまり、1時間の訪問であれば40~50分でケアをし、残りの10~20分で移動すればよいと考えられています。

12時までの訪問でケアが目一杯かかったら、ステーションに戻る移動時間分は昼休憩を返上しなくてはなりません。

13時訪問の予定であれば、移動するために15分位前には昼休憩を切り上げて出発する必要があります。

その切り上げている休憩分は給与の支払いもないため「サービス」であり、1時間しっかり昼休憩が取れないことがあっても日常的なことなので問題視されません。

 

ポイント!

ポイント

訪問予定がびっしりと詰まっている訪問看護ステーションの場合は、移動時間分のロスがどんどん積み重なり、訪問時間が後ろへずれ込み、最後の訪問が遅くなって残業となることも多くあります。

交通渋滞などがあると大幅なずれ込みになり、訪問先への迷惑を考えると大きなストレスになります。

 

2.訪問看護師に残業が発生する理由

残業が発生して疲れている女性の訪問看護師

ここでは、訪問看護師に残業が発生する理由についてご説明します。

 

訪問記録を訪問後に作成している

訪問看護師の一番の残業理由としては、先に述べた書類作成業務を訪問後に行うことです。

日々の中で必ず作成する訪問記録を、訪問先で会話しながらその場で記載するステーションと、訪問後に事務所内で作成するというステーションがあります。

後者でも訪問件数が1日4件など少なければ残業にならないでしょうが、訪問件数が1日6件以上ともなると残業しなければ業務が終わらないでしょう。

 

補足説明!

ポイント

私の知人はパートで勤務時間が決められているのにも関わらず、勤務時間は「訪問時間」であるため、訪問後の書類作成は毎回残業と話していました。

 

看護体制が受け持ち制である

訪問看護ステーションによって、患者・利用者の看護体制が受け持ち制か、チームで複数関わる体制か異なります。

受け持ち制では毎日同じ看護師が訪問するため利用者や家族からの信頼を得やすく、継続看護ができるメリットがありますが、重圧と業務量は増えるため残業の原因となります。

 

利用者に関わることを全て一人で行わなければならない

受け持ち制の訪問看護師である場合、受け持った患者・利用者に関わること全てにおいて、例えば

  • 医師やケアマネジャーへの病状連絡・報告
  • 計画書の作成・評価
  • 報告書の作成

など、一人で責任を持って行わなければならず、他の勤務者に申し送りをして交代するわけにいきません。

 

他のスタッフへの連絡も取りづらい

訪問看護は他医療者や関係者と連携が取りづらく、受け持ち制では「まだ連絡が取れない」と待つことも残業理由のひとつです。

受け持ち制での病状連絡では、病状やADLの低下により内服薬の変更やヘルパーへの依頼など、日々の生活支援に関わることをタイムリーに医師やケアマネジャーに報告・相談をする必要があります。

病院では近くにいるスタッフとすぐに連絡も取れるでしょうが、在宅医療ではそれぞれが別の拠点にいるため連絡が取りづらく、全ての関係者に情報を共有してもらうまで時間もかかります。

 

3.残業をしない訪問看護師になるには

残業が無く喜んでいる女性の訪問看護師

訪問看護に興味があるものの、できるだけ残業なんてしたくないという看護師のために、どうしたら残業をしないで済むかをお伝えします。

業務を効率的にこなす「自分の努力・工夫」、そして組織で決められた業務量や体制などが働きやすくなっているか、という「職場選び」の二つの観点からご説明します。

 

記録の書き方を簡潔にする

訪問看護での残業の多くは書類作成などに関わる時間だと説明してきました。

その時間を短縮させるために、記録物をいかに要約して重要なことを書くかということが、残業をしない訪問看護師になるポイントとなります。

毎日の訪問記録でも報告書でも言えることですが、実施したこと、観察したことをだらだらと書くのではなく、必要な情報と要点だけを記載するように工夫します。

簡潔な文章はあとで読み返すときも分かりやすく、書く時間だけでなく読む時間も短縮できます

 

何が大切な情報なのかを把握する

何が大切な情報になり得るのか、それは患者・利用者によって様々ですが、その情報をアセスメントした結果どうか、計画に対してどうなのかということが記録で分かれば良いのです。

私も初めはどれもこれも必要な情報のように思えて記録用紙いっぱいに書いていました。

しかし、在宅看護では日常生活がメインにあり、その中で療養しているということが病院とは異なります。

 

ポイント!

ポイント

看護計画がしっかり立案されていれば、それに沿って日々の記録も報告書も簡潔に書くことができるでしょう。

残業が多くなる場合は、無駄な文章や要点の分からない記録内容になっていないか、記録物の内容を見返してみましょう。

 

業務内容を把握して自分でタスク管理する

看護計画評価や報告書作成はいつまでにしなければならないのか期日が決まっているものです。

間に合うように余裕を持って業務を進めていき、何をいつまでにする必要があるのか全体を把握できるようになることが残業をしないポイントです。

期日に間に合わなくなると時間調整も厳しくなり、残業するしかなくなってしまいます。

 

他のスタッフと分業している場合は連絡や確認も必要

自分が責任を持って行う業務と、チームで他のスタッフが行う業務と分業されていれば、それぞれの連絡や確認も必要です。

確認を怠って間に合わなくなった業務を連帯責任で手伝わなければならない、という残念な残業がないように、日頃から人任せにせず自分でタスク管理をすることが大事です。

 

残業がない(少ない)訪問看護ステーションを見分けるには

どんなにテキパキとした仕事の早い人でも、職場のルールが非効率的で無駄なものが多ければ、業務量は増えてしまいます。

残業が少ない訪問看護ステーションを見分けるポイントとして下記項目を挙げます。面接時や問い合わせのときに必ず確認しておきましょう。

  • 1日の訪問件数(4件程度か)
  • 受け持ち制かどうか
  • ステーションでの業務(書類作成や会議・カンファレンスにかける時間など)はどの程度か

以上のことを確認しておくと、訪問時ケア以外での業務量が把握できるため、残業量を判断するのに有益な情報です。

 

訪問件数が多いところには注意が必要

1日の訪問件数を6件~8件など多く設定している訪問看護ステーションは、書類作成などのステーション内業務を分業していることがあります。

分業化されて訪問件数が多くて一見良いものの、訪問件数を多くすることで利益を得る会社方針や、看護計画が形だけの適当なものなど、看護師としての価値観が問われる環境の場合もあります。

 

まとめ

訪問看護でも記録や看護計画立案・評価などの書類作成業務や医師・ケアマネジャーとの連携など訪問時ケア以外の業務が意外とあるということがお分かりいただけましたか。

これらを業務時間内で終わらせられるか、残業になってしまうかは、訪問看護ステーションの体制や方針で変わります。

私は今、残業なしでぴったりと終わる訪問看護ステーションで働いており、仕事と家庭を両立させています。

是非これからの職場選びの際に参考にしてみてください。

あおいロワイヤル

【神奈川県/40歳・資格:看護師、ACLSプロバイダー】

看護専門学校卒業後、大学病院の集中治療室(ICU・CCU)で8年間勤務。出産・育児休暇を経て復職しましたが、夫の転勤のため退職。その後、興味のあった在宅看護に携わりたいと考え転職し、現在は看護師が立ち上げた小規模訪問看護ステーションに在籍する現役訪問看護師2年目です。

転職に迷っている方、病院選びや就きたい仕事選びでリアルな現場の実状を知りたい方への情報を分かりやすくお伝えし、お役に立てればと思います。

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