病棟看護師と訪問看護師の違いとは?病院経験しかない人へ

病棟看護師と訪問看護師の違いとは

最近では、治療の場が病院から在宅に移行し始め、病棟看護師として受け持ち患者の退院支援を行う中で、自宅で暮らす患者に関わる訪問看護師を身近に感じるようになった方も多いでしょう。

病棟看護師と訪問看護師には、役割や実践の場、ケア対象者等に違いがあります。

ここでは、「今は病棟看護師の経験しかないけれど、いつかは訪問看護師として働いてみたい」と考える看護師のために、病棟看護師と訪問看護師との違いに何があるのかをご説明します。

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1.病棟看護師と訪問看護師は役割が違う

調整役割をする訪問看護師

病棟看護師と訪問看護師は、異なる点が多くあり、その1つとして役割の違いが挙げられます。

以下に、役割の違いについて見ていきましょう。

 

訪問看護師は調整役割が多い

病棟看護師は、リーダーなどでなければ自分受け持ち患者のケアが中心になりますが、訪問看護師は患者へのケアにプラスして多職種との調整役割が必要になります。

例えば、主治医やクリニックの看護師、ケアマネジャーをはじめとする地域で働く医療従事者だけでなく、担当患者の病状が悪化した場合などは病院の医師・看護師との調整も必要です。

 

様々な職種と話し合い・調整する能力が求められる

私は、在宅診療クリニックの看護師でもありますが、心身の状態が不安定な患者の場合は、日に何度も訪問看護師と連絡・調整を行うことがあります。

そのため、訪問看護師は様々な職種と話し合い、調整する能力が病棟勤務よりも求められます。

 

訪問看護師は患者と契約上の関係である

病院看護師は、病棟の流れに応じて患者のケアや処置を行うことができますが、訪問看護の時間や回数は、契約で決まっています。

ケアに対する料金に対して、患者も家族も入院中は看護料を負担している意識がないため、病棟看護師は文句を言われることは殆どありませんが、訪問看護に支払う料金やケア対して患者や家族はシビアに確認し、納得できなければ訪問看護師や在宅の医師などに文句を言ってきます。

そのため、訪問看護師は自分の活動が契約上のものであることを意識しておくことが必要です。

 

患者からクレームを言われる場合もある

患者は、訪問看護師の対応が気に入らなければクレームをはっきりと言ってきますし、契約を打ち切り他の訪問看護ステーションを選ぶこともあります。

 

2.訪問看護師はアウェイな現場で働く

アウェイな現場で働く訪問看護師

病棟看護師と訪問看護師の違いとしては、実践の場の違いもあります。

以下で詳しく説明していきます。

 

行動を見られていることを意識する

病棟看護師と訪問看護師の大きな違いは、看護師が自宅や高齢者看護施設などに出向くことであり、訪問看護師は、常に「アウェイ」な現場であるため、常に家族や施設の職員などに行動を見られていることを意識することが必要です。

 

接遇力と対人能力が必要

病棟看護師であれば、他の職種に対して少し強めな物言いをしても許されることでも、アウェイな現場では、「何様?」という印象を持たれることもあるため、接遇力と対人能力は訪問看護師の方が病棟看護師よりも必要と言えるでしょう。

 

電話対応も実践の場である

病棟看護師が電話をかける相手は、患者の家族が多く、それも緊急連絡病状説明の日程調整などが殆どですが、訪問看護師は「患者や家族からの病状などについて問い合わせを受けて対応」「主治医やケアマネジャーなどと患者の今後について協議する」等も「実践の場」になります。

 

主治医と連絡が取れない場合がある

特に病状が不安定な患者の場合には、患者や家族との電話対応からその後のケアや処置のプランが変更され、訪問看護師はその対応を迫られますが、タイムリーに主治医と連絡が簡単に取れない・指示がもらえないことも多いため、病棟看護師と訪問看護師の大きな違いになるでしょう。

 

3.ケア対象者が違う

様々な疾患を看る訪問看護師

病棟看護師と訪問看護師の違いには、ケア対象者の違いがあります。

詳しい違いについて見ていきましょう。

 

訪問看護師は様々な疾患を看る

病棟看護師の多くは、ある程度決まった領域の患者のケアを実施して病棟が掲げている診療科の疾患に対応できれば良かったものの、訪問看護師が担当する患者は年齢を問わず、

  • 神経難病
  • 精神疾患
  • がんの終末期
  • 呼吸不全
  • 心不全

等、多対象年齢・疾患も関係なく「訪問看護を必要としている人」が対象であるため、様々な疾患を看ます。

 

補足説明!

ポイント

病棟では「できる看護師」だったとしても、訪問看護の現場では初めて経験する疾患や処置の前に戸惑うことも多くあるため、それだけ訪問看護師が求められる知識と技術は広範囲になります。

 

訪問看護師は家族もケア対象

病棟看護師の1番のケア対象は、患者本人ですが、在宅に出向く訪問看護師は、患者だけでなく共に暮らす家族もケア対象者になり、家族ケアが患者のケアよりも大切になることもあります。

家族ケアの実践力は、病棟看護師より訪問看護師のほうが必要になりますが、自然と身についていくでしょう。

 

4.勤務体制が違う

日勤勤務する訪問看護師

病棟看護師と訪問看護師では、勤務体制の違いもあります。

どのような体制の違いがあるのか確認していきましょう。

 

平日・日勤勤務

病棟看護師は、病棟を24時間・365日見守る必要があるため、休日・夜間関係なく交替で勤務する必要がありますが、訪問看護ステーションは、平日の日勤帯が勤務時間になります。

そのため、夜勤ができない看護師でも働くことが可能です。

 

オンコール体制

24時間対応をしている訪問看護ステーションの訪問看護師は、夜間・土日はオンコール体制で対応するため、家にいても気が休まらず、時には訪問看護に出向く必要が生じます。

 

少人数の訪問看護ステーションに注意

訪問看護師が多い訪問看護ステーションの場合には、オンコールができる看護師も多くいるため負担は少なくて済みますが、少人数の訪問看護ステーションの場合にはオンコール回数が増えるため、家と仕事との切り替えがうまくできなくなることがあります。

 

5.給与・福利厚生が違う

給与の確認をする訪問看護師

病棟看護師と訪問看護師の給与・福利厚生は、経営母体によって大きく影響されます。

どのような影響があるのか紹介していきます。

 

訪問看護ステーションの母体の大きさによって差がある

少人数の訪問看護ステーションの場合と母体が大きい訪問看護ステーションの場合については、以下の通りです。

少人数の訪問看護ステーションの場合・社保や雇用保険は保障されている。
・ボーナスや昇給は利益に応じての場合もある。
母体が大きな訪問看護ステーションの場合・高収入でしっかりとした福利厚生が期待できる。

 

補足説明!

ポイント

病院所属の訪問看護ステーションの場合には、夜勤の多い病棟看護師の方が手取りは多くなるでしょう。

 

6.訪問看護師は物品管理が必要

物品管理をする訪問看護師

訪問看護師には、病棟看護師にはない「物品管理」や「移動するための車や自転車の管理」が必要です。

それぞれについて、見ていきましょう。

 

衛生材料などのストックが少ない

私が病院看護師だった頃は、湯水のように衛生材料を使用していた記憶がありますが、訪問看護ステーションは、シリンジなどもストックは殆どありませんし、衛生材料も最低限であるため、物品管理の意識も病棟看護師と訪問看護師ではかなり違いがあります。

 

ポイント!

ポイント

在宅診療クリニックで訪問看護に行く場合も、病棟のような意識で物品管理すると赤字になるため、厳しい管理が必要です。

 

車や自転車で訪問する

訪問看護に行く時は、訪問看護ステーションが所持している車や自転車での移動が一般的であり、訪問に使う車や自転車の管理も訪問看護師が行います。

 

ポイント!

ポイント

勤務中の事故に関しては大抵保険に入っているはずですが、少人数の訪問看護ステーションの場合には、確認しておくことが大切です。

 

7.訪問看護師は起業が可能

起業を考える訪問看護師

訪問看護師は、病棟看護師ではできない起業することが可能です。

病棟看護師と訪問看護師の出世の違いについては、以下の通りです。

 

看護師としての独立ができる

病棟看護師を何年経験しても看護師として起業するノウハウを学ぶことは難しいですが訪問看護師は、訪問看護ステーションの管理として、起業することができます。

訪問看護師の方が病棟看護師よりも、求められる役割や対応能力が必要であるため、病棟看護師ではできない「看護師としての独立」できる立場を得ることも可能になります。

 

8.まとめ

病棟看護師と訪問看護師の違いについて説明してきましたが、いかがでしたか?

病棟から1歩外に出て看護師としてスキルアップするために、訪問看護師を経験してみることで看護の素晴らしさが再認識できるでしょう。

訪問看護師に挑戦してみたい看護師は、是非参考にしてみて下さい。

監修者

亀岡さくみ看護師
監修 亀岡さくみ看護師
  • 2011年3月:日本赤十字看護学校卒業
  • 2011年3月:看護師免許取得
  • 2011年4月:日本赤十字医療センター入社(3年間勤務)
  • 2015年3月:株式会社peko勤務
  • 2015年4月:はたらきナース監修

現在は、今までの経験を活かし「はたらきナース」を執筆・監修を行っています。

この記事は「」さんが執筆しました。

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